616 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 20:55:36.81 ID:nTKk0Ro0
|┃三 / ̄\
|┃ | |
|┃ \_/
ガラッ |┃ | 殿様! 伏見の元兄ィから知らせだ!
|┃ ノ// ./ ̄ ̄ ̄ \ 石田三成が挙兵したぞ!
|┃三 / ::\:::/:::: \
|┃ / <●>::::::<●> \
|┃ | (__人__) |
|┃三 \ ` ⌒´ /
|┃三 / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
____
/\ /\
/( ●) (●)\ !!
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ そうか……三成は、やはり動いたかお!
| |r┬-| |
\ ` ー'´ /
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚⌒ ⌒゚o \ ……でも、これで元忠が死ぬことは確実……。
| (__人__) | わかってはいた……わかってはいたけど……
\ ` ⌒´ / 辛いお……!
627 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 20:58:47.90 ID:nTKk0Ro0
ヽ \ , -┬┬、/. /
\ 7 ヽ ヽ_∨
ヽ l . 二 --`ゝ
/ゝ' _.. '-'´ ・ ・ ヽヽ 殿様……鳥居殿の戦いを、
j-'´ | = _人 ~ l 〉 ……死を、無駄にしてはいけません!
/ ̄ ̄l ノ´ なんとしても、勝利を!
/ ̄ ̄~| _.. ィ‐┐
ゝ──'>ー<二○'´i ̄
`ー┐ l
_」 つ
ゝ───…  ̄
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚((●)) ((●))゚o \ ……そうだお。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
____
/\ /\
/( ●) (●)\ 泣いている場合じゃなかったお!
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ なんとしても、勝つんだお!
| |r┬-| | 石田三成を倒し、天下をこの手にするんだお!
\ ` ー'´ / 誰か! 福島正則と黒田長政を呼んでくれお!
上杉討伐という名目で、やる夫の指揮下に入っていた大名は数多くいた。
今、やる夫が呼んだ正則と長政の他に、
細川忠興、藤堂高虎、池田輝政、山内一豊などである。
徳川派で知られた加藤清正は、この時、九州に居り、この場にはいなかった。
635 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:01:11.96 ID:nTKk0Ro0
/ ̄ ̄ ̄ ̄\,,
/_____ ヽ
| ─ 、 ─ 、 ヽ | | 三成が挙兵したらしいね。
| ・|・ |─ |___/ あいつは許せないや。
|` - c`─ ′ 6 l
. ヽ (____ ,-′
ヽ ___ /ヽ
/ |/\/ l ^ヽ
| | | |
福島 正則
_,, - ‐'''‐ 、
r-- 、-- ヽ
} `ヽ ヽ、 ', やる夫殿、我らにご指示を。
!'、 ,、___ ', i、 i ',
','、'´tj‐ -.i /)', /- )
',ノ ヾ、 i /iv',/ /
`'、-‐' レ .ノ ! __!-,
' _ , -'´ //i:::::::!、
_, ‐'::::::::! ! //::::/: :',- 、
´ フ::::::/ /,, !/./:::/-、__!: : :` -. ._
黒田 長政
正則も長政も、既に上方で三成が挙兵したことを知っていた。
641 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:03:24.01 ID:nTKk0Ro0
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ (正則も長政も知っているならば、他の大名達にも、
/ ::::::⌒(__人__)⌒:::::\ この事は知られているはず……
|  ̄ | 読んでいた者、動揺している者、様々だと思うお……)
\ /
____
/⌒ ー、\
/( ●) (●)\ 福島殿、黒田殿、夜分遅くに呼びたててすまんお。
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\ ……石田三成の件で、してほしいことがあるんだお。
| |r┬-/ ' | 明日、やる夫は軍議を開くお。その時に……ひそひそ。
\ `ー'´ /
やる夫は二人に、こっそりと指示をした。
秀吉の子飼いの代表である正則と、これまた子飼いであり、策略家の長政に、
してもらう仕事があったのである。
二人はやる夫から指示を受けると、それを了承し、その場は下がった。
647 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:05:43.82 ID:nTKk0Ro0
( ⌒ ヽ
, ─ 、 ( )
(_l_l_l_ j /// 横柄な三成は大嫌いだ!
ヽ ⊂ノ , ──- 、 あいつは横柄だから秀頼様をあやつり人形にして、
| |/ ______ヽ /^)、 天下を横取りするに決まっている!
| | | ノ ⌒ヽ⌒ヽ| /⊃ヽ_)
| | |─| >|< |/ _ノ あんな横柄なやつに天下をまかせてみろっ!
|__|⌒ `ー o ー| / 天下が安定するもんか!
| |、 /⌒ー──つ/ そうなったらせっかく太閤殿下が平定した
| |ヘ ヽ、(二)ノ</ この日本はめちゃくちゃになっちゃうぞっ!
| \/\//
/ /
/ ____ヽ
| | /, -、, -、l その点、まだやる夫殿は信用できるや。
| _| -| ・|< || だから殿下も、天下のことをやる夫殿に任せたんだ。
, ―-、 (6 _ー っ-´、}
| -⊂) \ ヽ_  ̄ ̄ノノ それに……やる夫殿も、決して若くは無い。
| ̄ ̄|/ (_ ∧ ̄ / 、 \ 万が一、天下を横取りされても精々数年……
ヽ ` ,.|  ̄ | |
`- ´ | | _| いずれは秀頼様の天下になるよ!
| (t )
正則は徹頭徹尾、やる夫に味方することを決めていた。
三成が嫌いでもあったし、正則には正則なりの考えと言い分があった……。
655 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:08:19.40 ID:nTKk0Ro0
……正則と長政に指示を出した後も、やる夫は迷っていた。
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ この場にいる大名の多くは、豊臣の家臣……
/ ::::::⌒(__人__)⌒:::::\ やる夫の部下ではない……でもこの家臣を動かして、
|  ̄ | 三成と共に戦う仲間にしなければいけないお。
\ /
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ そのための福島正則と黒田長政……
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ でも、もうひとつ、欲しいお。何か、もうひとつ……。
| ( ( |
\ `ー' /
,r'"∠,,..,.-,,,,,r_
/'"ー';:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:彡、
,, ヽ;:;:;:;:;:;:;:;:::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ミ、
(('"ミ;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ ……やる夫殿、よろしいでしょうか?
く;:;;:;:;;-'ヾ、(`'"ヾ、;:;:;;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;ミ 山内一豊です。
i'"彡/ `ヽ `ヾ、;:;:;:;:;:;:;;:;:く
メ 1;| _,,,,,,, ,,.ゝ;:;:r'~`i;|
`li ,,,,,,__ ,,;r';=。=ヾ'" `i;i' ∂ノ!
ノlr=・=i~、`''~ ノ " 、,.く;|
ヾ.i-‐'',l 、 ̄.._ l l;;!
ヽ 'ゝ,r''',... ,,..` :: / l,,,_
\'ー-‐'"~ ;: / ゝ`
ヾ "" ,.; , '
`ヾ---'''"
666 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:10:11.89 ID:nTKk0Ro0
____
/ ⌒ ⌒ \
./( ―) ( ●) \
/::⌒(_人_)⌒::::: | おっ、これは山内殿!
| ー .| ……どうなさいましたお? ……三成の件ですかお?
\ /
_、、-、 ,ィ,.
,-'゙'` ^'ィ
) ζ
} _、-'"~~゙"'ハ. ζ 三成の挙兵のことは、この一豊の耳にも入っていますが、
j ,ノ ,,,,,,,,,,j !,,,,,彳 ……そのことかもしれませんし、そうではないかもしれません。
} /`ミ~(<・>Hく・)) 私にも解りかねるのです。
'} ヾ._  ̄ ,_| ̄|
ヽ / | ,-'''ニニ''!| こちらに手紙がございます。
_, -‐} ヽ;i! `二´/ 大坂にいる私の妻、千代からの手紙です。
⌒ \. `ー--r'ヽ まだ封は切っておりません。
ヽ / どうぞ、ご覧になってください。これを持ってきたのです。
679 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:12:08.90 ID:nTKk0Ro0
_____
/ ヽ____//
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
/ / /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
____
/ \
/ ─ ─ \ 奥さんからの手紙……? 確かに封も切っていないお。
/ (●) (●) \ 何故、そんな手紙をやる夫に……
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
687 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:13:21.32 ID:nTKk0Ro0
|
\ __ /
_ (m) _
|ミ|
/ `´ \
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ ……そうかお! わかったお!!
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ 山内殿、ありがとうだお!
| |r┬-| | この手紙はやる夫が拝見するお!
\ `ー'´ /
手紙の中身は、一豊の妻、千代が書いた大坂の情勢であり、
それ自体はやる夫の耳にも入っている情報だったが、一豊が、
「封も切っていない中身が解らない大坂からの手紙」をやる夫に差し出したことは、
山内一豊はやる夫の味方になる、と宣言するものであった。
福島、黒田、藤堂などは既に完全に徳川派といっていい。
だが、他の大名は旗色が不鮮明で、どう動くか解らず、
やる夫にとっては、やはり不安な存在であった。そんな中、
豊臣宗家の譜代というべき山内一豊がやる夫の味方になると真っ先に宣言したのである。
693 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:14:56.83 ID:nTKk0Ro0
___
/::::::::::::::::::\
/::::::::/ 丶::::::\
/:::::ノ \:::::ヽ
|::::::: \ / :::::|
|::::| ● ● |::::| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|::::| .. .. |::: | < 千代には全部すべてまるっと
|::::\ [__ ̄] /:::::::| | どこまでもお見通しだ!
|::::::::::\___/:::::::::::::| \__________________
|_:::::::::| |::::::::(⌒)::|
|::::::::::|-、 ,-/......ノ~ レ-r┐
/....|::::丿|,,,,,,/.....ノ__ | .| ト 、
/.........レ...
千代
封も切っていない手紙をやる夫に差し出す、というアイデアは、
賢妻かつ貧乳ということで有名な、一豊の妻、千代のものであった。
一豊への使者にその様に言伝しておいたのだ。
こうすることで、山内一豊はやる夫に律義者として名を売ることができる。
一豊は出世できるだろう。もちろん、やる夫が三成に勝てば、だが。
山内家は、その運命をやる夫に託したのだ。
708 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:16:54.50 ID:nTKk0Ro0
____
/\ /\
/( ●) (●)\ よし、これでいくお!
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ 各大名に使者を! 明日の朝一番で評定を開くお!
| |r┬-| | その時、山内一豊が、手紙を封も切らずにこのやる夫に
\ ` ー'´ / 渡した事を伝えておくんだお。それで皆には意味が解るはずだお!
714 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:18:53.82 ID:nTKk0Ro0
,.-──‐- 、
,.'´ \
/ _,,、-ーヽ
/ ,ィ< ゞ`,
! <カ ,.'´ `ミt、 ゙i
,>、 _ _,,ィ´ ヽヾ 、_イ! ついに石田殿が挙兵したか……
,イ ,ィイハ、 ト、`三ゞ、 ミ彡ij できれば、事前に私に
l/l/ ,N'゙ _,ィ ` 、__,ニヾー-、 ,r、,i〈 相談してほしかったけどね……
l/Vハ, 冖イ `≡=、 ル' / j !
`i j '゙,イ ,ィイ
ヽ 、 ゝ< / ノ爪リ
/^(、  ̄`'ー=' / イ/、
/ \_ _,/ _/Y >、
_, イ´ /!`ヽイ`\! ,/ |
……その頃、既に小山を離れ、密かに自身の所領、
上田城へ戻っていた武将がいた。真田昌幸である。
725 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:21:03.15 ID:nTKk0Ro0
三成からの挙兵の知らせを昌幸が受け取ったのは、これより3日前、
旧暦7月21日のことだった。
昌幸は二人の子供、信幸と信繁を呼び、3人で今後について話し合った。
,! ,ハ'´ ... . ::;_,ィミ l
l,ィ,,,:':::ヾ ミ、;;;,.、-─゙'''ァty、::;ィヅ;;::j
,}``ハヽ;;;;, r'´ -─‐'´゙,ノ'ソイ'ヾ,;;〈 三成殿から味方になるように、
/:..;;;,r' ヾ、リ ,か)ゞ`' ,r'`ヽ,|トj;:リ との手紙が来た……。
{jj ハi ノi ,:トj ,jテy ,ハ;;ir' さて、信幸、信繁、どう思う?
,!.;;:::;ヽゝ'ヾ' ヽ j-‐' 私は三成殿に味方したいんだが……
{'ヘ、,ミジゝ `ャソ ,!
`ゞ リハ彳、. ``ー-、, / 私は三成殿とは姻戚関係にあるし、
゙,r-く,._イ, ヽ, `ー / 以前、徳川勢と戦ったとき(第15話参照)、
/ `丶ミ、_ / 上杉家に援軍を出してもらったから、
,イ `ヾ,ー‐r一' 西軍につきたいんだがね……
/ `¨丶-、 `イi`ヽ、
732 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:23:05.76 ID:nTKk0Ro0
{, / i l Ww `ヽ. i
├ー'´ 卅从jUハヽヾ、彡 !
(!人rrニ= ィ=ニゝヽヽ } 父上のお気持ちも解りますが、
J i '工j_ 工T~ )ノ li;, ト 僕は妻が本多忠勝殿の娘です。
fi i 彳 リ ハ.} それに徳川家には
L i 〈 、 iWjj!' / 沼田を頂いたご恩もあります。
ヽl _ .,,,,,_ / r'´
八 = 人从 リリ
\ / / Y'´ _ 僕は東軍につきたく思います。
_>i… '´ r┬'' ̄ ̄ |
真田 信幸
, - ─- 、_
/ `丶
rー‐<::/ ン-―ー- 、 、 \
{(こ 〆.:::/ ____ \ ヽ..::::ヽ
__/'´/ 〃7了.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ.j ::ヤ¬寸 私は西軍につくべきだと思うわ!
/,イ>/ .:::/,':::{:::::!:::::::::::::::::ヽ ::|:. ::::Vヽ_,イ
レ/,イ ::/ :{:ハ\{ ::、::ヽ ::::::}::_|_: :::::l >::| 秀頼様を擁しているのは西軍だし、
{/::| :!{.::ィ'f坏ト\{ヽ ,><ム:!:::::::: Kヽ:ト、 正義は西軍にあると思うのよ!
|::::ヽ::i:ヽi. r'_;メ ヽ´ イ圷ハ|::::::::::|\/ヽ>
|i:::::::トl::ハ. , r';ン´j::::::::: l: V
|i::::::::!:::: ヘ {>ーァ /:!::::::::/::/
lN:ヽ:ヽ::',:::ヽ、ヽ _,ノ ,.ィ::/::::::/ /
ヾ /}::}八::::ヽ>.-‐か/7::/∨
r<¨ リ\`ヽ、\__ { 〉/イ l )}
真田 信繁
(なお、AAがハルヒなので、セリフで言わせるのがためらわれたのだが、
真田信繁の妻は西軍の大谷吉継の娘である。
こういった理由からも信繁は西軍派だったと思われる)
742 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:25:14.22 ID:nTKk0Ro0
/;;:;:;:;:;:.:.: . .<カ〕. ,.' ´ ``ヾ
!;:;;:;:;:.:.: .:. . :. . ,,、 '´ .:..::`,
゙、;:;: ;:.:.:.:.: .::,、‐'´;、ィイム、;、 .:.、;.;.;.;ヾ! ……なるほどね。わかった。
,イ>--‐''゙´.;,ィイノン'i'`ヾトヾ,,::.::::.ヾノ ならばこうしよう。
7;.;.;.;.;.;.;, ,ィシ'7_ ,,,、' ゙ 、_,,>トヾ、;::;:.リ 信幸は東軍につくといい。
_」;;;:;:;イ;;j"´,r-デ:;> ,イ^モ7 `i;;;;:;ソ 私と信繁は西軍につく。
_ , - ー'''´,ハ;;;;;;!/j;;;ト ´ . i ´ ,イ;イイ
.:.:. :.:. :.:. :.:. :.:.:./;:..ゞ仆ヾlリ , ,! jソ/′ 辛い戦いになるが……こうすれば、
;;:.:;.,. -─一'/;;:.: .:.`゙ゞヘ_ト、 `ー' / ヽ ̄``ー- 、東軍と西軍、どちらが勝っても
:.:.:.:;.:. :.. :.: . . i;;;;.: .:. . Yj '、 -ー‐:- / i ー - 、_`ヽ、真田家の名前は残る。
:.:.:.:.:. :.:.:. :. :.. .\.:.: .. ,ヘ \ヽ __ ´ ̄ ,イ ハ _」;, ¨``ヽ,
:.:.:.:.:.. .:.:. .: . .:. .:. \:./ -‐'"´ ``ーrァ'ー'-、_,::;:; i
__ __ _
. _ , '"´ ,. _ ___`丶、
/ ` / /´-‐ァー-ヽ \
. / /下7 ..///.:.::/ .:.:ト、 ヽ
/ └イ_j/ .://;へ、/!.:.::/:.}ヽ ',
,' ///!l .::j.:lイ仔くヽ/,.イ,.ム:.', l
, '〈/f`| l ::l`' ゞゾ '´ rャjノ::.l:. |
| l:l :!:{、| l ::| マソハ: |:: | …………!!
| l:l::i个| l ::l! _ ′} .:}:.l:: l
| lハ:l::{::', ::::{、 /.:/::.l:: l
l !:|:::',::',::ヽ:::ヽ\._ /.:/::::/l::;!
',::{:{、:::ヽ\:\;ゝ `「:フ´!::::/;:::/ 〃
. ヾハj>''´ ヽ ト、_..上くイ::::{ {::{/
/⌒ヽ、\ ` \-ー ̄\ヾ
゙ト、__,ニ-ァ"/ ,イ,ク グハハNハ リ i, ソ
/';';';';' ,ノ,ノノイ∠幺ダ 'ェェ=キレ|l;, ;レ゙
| ;;;'' ='イ ''"'〒テ~`' .i 'Tフ` ,!''ソ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ、 ;;''イ `¨´ !: | ト .| そ、そんな……
ネ ;;'' ヒ , _. 〉 ,|イ,リ | 父上……!!
| ;;い ,i゙,ナ゙ 人______________
ヾミ iト、 ー''二 ̄ ./ツ
)ぃ,l リ ヽ、 /ト-:、
,, -'^;;ゝ|ヽ `''ー、___,,ノ_」'''ァ ゙i,
748 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:27:19.85 ID:nTKk0Ro0
,ィ,ィ/ ,,;;:;;イ,/シノン' ノ ゙l! ゙'いミ`ミゝミゝ、゙';;;;;;;;;;;;;'v;;;i
'" / ,;;-''シr--=、∠,,__゙、 ゙ゝ,;≧-─ミーi;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
i゙i゙ ;;ヘ | ーt‐:ァミ:`、` ' '<"t::ラー- |;;;ハ;;;;;;;;;;i゙ 戦国の世ではよくあることだよ……
゙;゙、 ( ハ,! `""´' ゙: `' ` ´ ノ;リ ,i;;;;;;ノ
゙:,゙:、.ヽ,ミト: , :. ケノ./;;ャ'′ 親子兄弟で敵味方になる、なんてね。
`:、`ー; ,'. :::, '゙フー';;l゙ ……できれば、次の時代では、
ノ,;;;;゙ト `ー-‐'゙ /};;;;;;;l、 こういったことは無しにしたいけどね。
,ィ'ス、;;;|`、 -‐ - ─- /,.};;;;;;;;;;「
_」 ゝ、;;;l ;゙:、 ''''''' ,ィ゙ 'ク;;;:;:;;;;」 信繁、行こう!
_// `:'、 ゙; ゙' 、 ,ィ'゙ ;'ク:::::::::::;`;、_ ……信幸、武運を祈っているよ。
'"/ l r‐`i゙:, `ー---‐''゙ 「..:::::::::;ィ^!;;;;;;;;;;;;
l ,.' ムイ ムィ´ ヽ ヾヘ} ',
l ,.ィォ l´:| ! ヽ ヾ〉. !
l く,イ升 l ハ、 l`ヽ },ィ ト、 l
l / ,イ !: Tヽl.、 ヽ | ヽ、 ィ´ヽ、!.、〉 l 兄上……
ll / ム、Y!. ト、! ``弋ト、 イ汝}f`!ムト、 !
l! く,.イ ,r.、.}i l くr'fc=.、 ー-='.l ハ l 今度会うときは敵同士ね。
l!」|ゝ、込 l! | 戈::ンj l,イムjト、! 会えたらだけど……
∠_ `ヽムへ、j ト、_ `,./l. l ,': }
/´ `ヽヽ:ヽ ヽ、! ハl´ ヽ. ,. '´/ !|/イ ノ ……いいえ、
./ ヽ! ',:{ '、 ト、 t_」_ /,イ ノ / ,′ 私は……会いたくはないわ。
′ { }:l ヽ | ``ヽ_,.イ/`ケ∨./
ヽ l. ヾヽヽ /ヽ !_____」 ハハ イ ∨ それじゃあね……!
. \l ヽ::、 }/ ヽヘ、___ ヽ /. ト、l! l
763 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:29:26.83 ID:nTKk0Ro0
゙ト、__,ニ-ァ"/ ,イ,ク グハハNハ リ i, ソ
/';';';';' ,ノ,ノノイ∠幺ダ 'ェェ=キレ|l;, ;レ゙
| ;;;'' ='イ ''"'〒テ~`' .i 'Tフ` ,!''ソ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ、 ;;''イ `¨´ !: | ト .| ち、父上、信繁……!!
ネ ;;'' ヒ , _. 〉 ,|イ,リ | …………くうう……!
| ;;い ,i゙,ナ゙ 人______________
ヾミ iト、 ー''二 ̄ ./ツ
)ぃ,l リ ヽ、 /ト-:、
,, -'^;;ゝ|ヽ `''ー、___,,ノ_」'''ァ ゙i,
こうして真田家は、親子兄弟で敵同士になった。
真田昌幸と、信繁は西軍に。
昌幸の長男である信幸は東軍についたのであった。
昌幸と信繁は上田城へと退却し、信幸はその場に残った。
771 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:31:28.07 ID:nTKk0Ro0
.;i;、;;:。;:';.
,.;i;';.,,;;、;、;;:。;:;:。;:`;,,
,.;;:。;:;;::、;;:、;;:。;:;:;;,.:i;,;,、
,.,;:;;`;;i`:;::i;,|i!。;、;;:。;::i;,|i!;:'' .
`'::',:'':';:;.;;:、;;:;:;、;;:、;;i!;:''",,.,,. ...... .......,. ,.......,..,........... ...
'::',:'`'::',:'':';:;..`'::',:'':';:;..:.,"'`::'::',:'' "'"' "'''.''' "'''.''" '::',:'':';:;..
"'' ::':'::' " '''.''"'" '' '''.''' "'''.''"'"''"'"' "'''.''' "'''. ,.,;: .
'::',:'':';:;'"'"''::',: '"'"''::',:::'::',:'':'`::' ,:'':';:;..,"'`' ,"`'::',:'':';:;..,"'':' ;、;;:。、;;:。;:';..,..,
',:'':';:;..,"'`',:'':'`::'::''::',:'':';:;..,"'`,:'':'` '::',:'':':: ;;:。;:;;::。;:;:;;,.:i;,;,、
"'''.''' "'''.''"'"''::',:'':';:;..,"'`::'::',:' ':'`::'::',:'': '`'"'"' "'' ''' "''' .;;:。;:;;::、;;:、;;:。;:;:;;,;,;,、
"';:;..,__,:'':'`::'____''::',__:'':';:;..,__;.;___"'` __'`::'__':'::',:__ _:'':';:;.._ __`,:'__., ;:;;`;;i`:;::i;,|i!;:::。.;:.:;、;;:.:.:'
;;l, __ ̄/ l, ̄ ̄i;;. ヽ_ l ̄ ヽ ) ̄ ,i' ̄ ) ̄ /ヾ ;;;`;;;`: ヽi!;:;ソ。;、;;:。;: ;:'
____l, ____i__...../_____l, ___,,i__...ヽ__,,,l, __ヽ____l, ____i__... ヽ_,,__,,i__..."'':;::i;:;;`yi!;;:。。;、;:: ;:'
/ ヽ / l, i; ヽ_ l, ヽ ) /.:.Y ヽ / / /"''i;;;:。;:;;::、;;:、;;:。;
ヽ____Y, __、i__...__,/_____l, ___,,i__...ヽ__,,,l, __i____l____i__._,,,ヽ_,,,,i__..."''__,,,|il;:/;:;,-''"
;;l, __...../ l, i;;. ヽ_ l, ヽ ) ;;; i ヽ ) / ;;;/ く .:. ;|il;:|
____l, ____i__...../_____l, ___,,i__...ヽ__,,,l, __ヽ____l, ____i__...ヽ_,,,,i__...ヽ__,.,,ノ__/il;:ヽ
"'' ::':'::' " '''.''"'" ''"'"' "'''.''' "'''.''"'"''"'"' "'''.''' "'''. ,.,;: . ::'`':/ハ:l.:.'i, '`'::: :'`'::
'::', ;..`'::',:'':';:;..
翌日、やる夫の元へ諸大名は集まった。評定で話し合うためである。
三成挙兵の確実な知らせが届き、誰もが深刻な顔つきであった。
この評定の事を「小山評定」という。
780 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:33:42.58 ID:nTKk0Ro0
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ ……おのおの方、
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ よく集まってくれたお。
| |r┬-| | 既にご承知の通り。
\ `ー'´ / 上方で石田三成が兵を挙げたお。
____
/\ /\ 石田三成は幼い秀頼様を操り、
/( ●) (●)\ 太閤殿下より天下の権を委ねられし
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ このやる夫を逆臣と呼び、戦いを挑んでくるようだお。
| |r┬-| | これは許しておけんお!
\ ` ー'´ /
790 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:36:30.42 ID:nTKk0Ro0
l::::::l::::l:::::l::l::::l、::::l:、ヽl::lヽ::::::::::::l::::::::::::::l:::|:::::l::::::::|::i|:|
|l:::::l:i:l:l::::ト:::ヽ:l`ヽ、://::::::ヽ::::::::l:::::::::l:l::l::|::::::l::::::::!:::i:|
|トl:::::il l、::ilヽ、:::l-‐,..-ュォ-、:::ヽ:::i|:::|:::l::l:lll|ヽ:::l:::l::::::::l:| (……そこまで言ってしまっていいのですか。
| ヽ::::il kァ、 、` - ' `‐'′ /ハl:::l:::l::l:::|::l| l:::::::l::::::ト|.
ヽ ヽ、i `7 ´ // |ト:::l/l::::::| }:::::::l::::i| | ……秀頼はまだ幼い……
ヽ .l/ ||:/ .ヽ::l _ノl:::::::l::::i| ` 政治のことなど解るはずもない。
ヽ、 - l 〉l、|:::::|i::::::l::::| 殿様は秀頼のためと称して上杉征伐に出向き、
ヽ` / .li:::lト:l::::l:l| 三成も秀頼のためと称して我らを倒そうとする。
ヽ ‐、ニ= ‐ / lヽl-ヽl::l|
ヽ ー / ,. r '´ ヽ、 結局、どっちもどっちといえば、それまでだが……)
l、 ,. '" ,. '´ ヽ
`ー‐ ' r1,. '´ ,. ‐ ' ´ヽ.,
イ │ ヽ 丶 ヽ '、 ヽ '、
〕 ! ゝ ゙l.. ゝ、 ヽ1 │ 1
│ ..|ーっっ_ム、 ベぅlゞ!ニ ^ '│ │ 卜 (大義は三成にあるか……?
│ t‐T フト\ l ''工,,〔 `ーl /'、 { だが太閤殿下でさえ敵わなかった
1ヽ  ̄ ̄ ヘ丶_ | _〃│ ′ 徳川軍団……
1 ゝ ヽ | \│ ,' / ' / `ノ 石田三成と徳川やる夫では
'、\ ヽ 1 _ ./ イヘ '、 ′ 武将としての格が違う……
ヘ ゝ'、 ゙'-´ l/ f ‐゙" ソ 勝つのは徳川だろう……)
゙、 .. ー---―‐‐'' _/广 /
,,-ゝ |ゝ、 ーー / 1 _r''ソゝ、_
/ ヽ │\、 _/ ノ┘ r′ `ー 、
_/ ` 1 -`ー----''´ l /"′ _/
801 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:39:02.43 ID:nTKk0Ro0
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ さて、おのおの方……。
/ ::::::⌒(__人__)⌒:::::\ 大坂には秀頼様もおられる。おのおの方の妻子もおられるお。
|  ̄ | これらを気にするのは人として当然のこと……
\ / おのおの方の心苦しさ、やる夫にはよくわかるお……。
, -,____
/レ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`'-,__
i!、i;;;;;;; ;;; ;; ;;; ;; ;; ;;;;; ;; ;; ;;; ;;;;;;、
>;;;;;;;;;;;;;;; ;;; ;;; ;; ;; ;;;;; ;;; ;;; ;;;;;;;;;
/〉,、;;/ / !  ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ !;;;;;;;;;;i (そうだ……たま(細川ガラシャ)……。
/( !;;| ノ=- -==\|;;;;;;;;;;;l オレの妻は三成のせいで死んだんだ。
`! ,.--、 ,---、 },;;;__;;;! たまが死ぬのではないか、ということは、
,i.i ●_i !_● _! リ', i| 解ってはいた。解ってはいたが……!)
.l|  ̄ ノ  ̄ i l!
! l,_ ,__/!
i ====== /〉;;/
ヽ / ルi!、
//`ー───' .//lllll\
814 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:41:54.88 ID:nTKk0Ro0
/ ̄\
| |
\_/
|
/ ̄ ̄ ̄ \ (うまいな、殿様……
/ ::::\:::/:::: \ 諸大名の妻子を人質にしようとした三成と、
/ <●>::::::<●> \ 今の殿様の発言……)
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
_.. ..‐::´/
_/::::::::::::/
_/:::::::::::::/ ____
,..::::´::::::::::::::::::::: ̄:::::::::::._/ (元々、ここにいる武将は三成嫌えが多い……
/:::::::::::::::::| ヽ、:::::;::::::::::::/ こうやって家族愛を刺激することで、
/:::::::::::::::::::::|´|ヽ |/_:::.::/ いっそう、三成を嫌えにするつもりなんか……)
_ .. -─':::::::::::::::、::|`' , .!::∠
`'' ‐-.._:::::::;-‐、`(●) (●) |::::`::-、
=ニ二::::::::::::::::|6 \___/、| -──`
‐=.二;;;;;`‐t \/ ノ
____
/\ /\
/( ●) (●)\ ……おのおの方、大坂の妻子のこと、
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ 秀頼様のこと、きっと苦しいと思うお。
| |r┬-| | 心苦しい者は、今、ここでやる夫の元から去ってくれお!
\ ` ー'´ / やる夫は例え敵になっても、決して恨みはしないお!
825 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:43:44.94 ID:nTKk0Ro0
∥::|::|ヽ:::丶::::丶:丶:ヽ::ヘ::::::::::ヽ::::ゝ丶i::::::i:::
|:::::|::|:::|::::::::ヽ丶ヽ::::::ヽヽ::::ヘ,,:::::ヽ:::::i::i:::::|::
∥:|ヽ::|ヽ|::::::丶丶ヽ::::::::ヽヘ,,,,:::::::::ヽ:::::i:::i:::
|::丶丶|ヽ ヽ ヽヽ / \:::::::::::::::/
|:'゙l\ヽ ''' '''''´ ' ".`'' 、' '|:::::::::::|:::| (……殿様……!!)
\::::ヽ,\ レ|:|:::,| /
ゝヽ '' ||::::|:ノ::
ヽヽ | リl:/:/::::
'ヽ ヽ - |, ノ/::::::/
丶, , / |::::::/
|ヽ ヽ二二= / | | |:/ ,,
| i\ ヽ─ / l ヽリ:.:.く
../ヽ' ヽ, / / |,,, |
. ./ |ノ丶ヽ -- / / | /
/ ヽ > / レ
やる夫の言葉に、諸大名は思わずお互いを見合った。
誰もが次の行動ができない状態だった。
やる夫につくのがいいのか、三成につくのがいいのか……
また、豊臣宗家への忠義や、三成への恨み、家族への情など、
様々な感情が諸大名の心の中を駆け巡ったが……。
835 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:46:30.93 ID:nTKk0Ro0
____
/ \〟
i──────┐ ヽ
| ⌒ヽ ⌒ヽ\ | | ……やる夫殿っ!
| >|・ |─-|_ /
j ーc ─ ′ ヽ ぼくはやる夫殿に味方するよ!
⊂____ /! _ノ 三成の挙兵は、自分の野心のためだ!
_(\ \ \ __/ / ぼくは三成が許せないんだ!
(─ ヽ、 ` ─_──イ- 、
ヽ二_ノ \/|/\ / \
\
……真っ先に、正則が声をあげた。
_,, - ‐'''‐ 、
r-- 、-- ヽ
} `ヽ ヽ、 ', こちらもだ!
!'、 ,、___ ', i、 i ',
','、'´tj‐ -.i /)', /- ) やる夫殿は太閤殿下より
',ノ ヾ、 i /iv',/ / 秀頼様ご成人までの政治を託されたお方……
`'、-‐' レ .ノ ! __!-, ならばやる夫殿に従うことが
' _ , -'´ //i:::::::!、 豊臣宗家への忠義!
_, ‐'::::::::! ! //::::/: :',- 、
´ フ::::::/ /,, !/./:::/-、__!: : :` -. ._
続いて長政も宣言した。
正則と長政、秀吉の子飼いというべき武将二人がやる夫に味方すると宣言したことで、
場の空気は決した。誰もがやる夫に味方しなければならないと思った。
これらの動きは、事前にやる夫が二人に頼んでいたことであった。
844 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:49:01.47 ID:nTKk0Ro0
福島殿……黒田殿……ありがとうだお!
⌒|/⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒ヽ、_ノ⌒
ヽ ____
/ |::⌒\
/ _ノ|::(●)\
表 / o゚⌒ |ヽ__)⌒::::\ 裏
|::. (__ノ|r-|:::::::::::::::::::|
\::. ´ |ー´::::::::::::::/
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄\
計画通り! これで豊臣宗家の大名はこぞってやる夫に味方するお!
かつて、小牧の戦いで秀吉がやる夫&織田信雄と戦ったとき、
織田家の重臣だった池田恒興が秀吉に味方したとき、
織田家の武将達は「重臣の池田殿までが秀吉に味方するなら」と、
良心の呵責を感じなくなり、秀吉に味方した。
今回、正則と長政は、池田恒興と同じ役目を演じたのである。
これにより、秀吉に恩を感じていた武将達は、
「あの福島殿までが徳川に味方するなら」と思った。
857 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:51:22.73 ID:nTKk0Ro0
,r'"∠,,..,.-,,,,,r_
/'"ー';:;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:彡、
,, ヽ;:;:;:;:;:;:;:;:::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ミ、 ……やる夫殿、
(('"ミ;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ 三成との決戦に赴く際には、
く;:;;:;:;;-'ヾ、(`'"ヾ、;:;:;;:;;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;ミ 東海道を通るのでしょうが、
i'"彡/ `ヽ `ヾ、;:;:;:;:;:;:;;:;:く 東海道には私の掛川城があります。
メ 1;| _,,,,,,, ,,.ゝ;:;:r'~`i;|
`li ,,,,,,__ ,,;r';=。=ヾ'" `i;i' ∂ノ! この掛川城を、城も、中も、
ノlr=・=i~、`''~ ノ " 、,.く;| 全て、やる夫殿に差し上げます。
ヾ.i-‐'',l 、 ̄.._ l l;;! 存分にお使いください!
ヽ 'ゝ,r''',... ,,..` :: / l,,,_
\'ー-‐'"~ ;: / ゝ`
ヾ "" ,.; , '
`ヾ---'''"
____
/⌒三 ⌒\
/( ○)三(○)\ し、城を!?
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ くれるのかお!?
| |r┬-| | 山内殿……!
\ `ー'´ /
居城を差し上げる、などということは、普通はしない。
一豊はまだ、やる夫の味方ではあっても家臣ではないのである。
878 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:54:41.50 ID:nTKk0Ro0
i!、i;;;;;;; ;;; ;; ;;; ;; ;; ;;;;; ;; ;; ;;; ;;;;;;、
>;;;;;;;;;;;;;;; ;;; ;;; ;; ;; ;;;;; ;;; ;;; ;;;;;;;;;
/〉,、;;/ / !  ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ !;;;;;;;;;;i やる夫殿、
/( !;;| ノ=- -==\|;;;;;;;;;;;l オレも徳川に味方します!
`! ,.--、 ,---、 },;;;__;;;!
,i.i ●_i !_● _! リ', i|
.l|  ̄ ノ  ̄ i l!
! l,_ ,__/!
i ====== /〉;;/
ヽ / ルi!、
//`ー───' .//lllll\
_/llllll!、 / /|||||||||
<オレも!
<ぼくも!
<わたしも!
<それがしも!
_、、-、 ,ィ,.
,-'゙'` ^'ィ
) ζ
} _、-'"~~゙"'ハ. ζ
j ,ノ ,,,,,,,,,,j !,,,,,彳 フッ……やはりな。
} /`ミ~(<・>Hく・)) オレの考えていた通りだ!
'} ヾ._  ̄ ,_| ̄|
ヽ / | ,-'''ニニ''!|
_, -‐} ヽ;i! `二´/
⌒ \. `ー--r'ヽ
ヽ /
一豊の発言により、場の空気は完全にやる夫に味方しよう、という空気になった。
福島、黒田、山内……そして次々と、諸大名がやる夫の味方になることを宣言した。
(田丸直昌という武将がこんな空気の中、唯一、西軍につくことを宣言した、
という話もあるが、後世の創作である見解が有力)
なお、この時、宣言した大名の中に堀尾忠氏という武将がいた。
先日、やる夫の専横を詰問しに来た堀尾吉晴の息子だが、
一豊の「お城あげます」という発言でやる夫の歓心を引く、というアイデアは、
事前にこの忠氏が考えだしていたものだと言う。一豊は事前にそれを聞いていた。
そんな重要なアイデアをあっさり人に話す忠氏もどうか、という見方もあるのだが、
とにかく、一豊のアイデアは人のパクリであったとされる。
892 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 21:57:32.83 ID:nTKk0Ro0
____
+ ./ \ /\ キリッ
/ (●) (●)\ おのおの方……本当にありがとうだお!
/ ⌒ノ(、_, )ヽ⌒ \ それでは上杉への備えに一定の兵数を残し、
| `-=ニ=- | 三成を倒しにいくお!
\ `ー'´ / +
/ ____ヽ
| | /, -、, -、l
| _| -| ・|< || わかった、まかせてよ!
, ―-、 (6 _ー っ-´、}
| -⊂) \ ヽ_  ̄ ̄ノノ
| ̄ ̄|/ (_ ∧ ̄ / 、 \
ヽ ` ,.|  ̄ | |
`- ´ | | _|
| (t )
正則ら諸大名は、小山から離れ、石田三成と戦うべく、尾張へと進軍した。
901 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:00:12.34 ID:nTKk0Ro0
次スレ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1219841752/
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
やる夫はまだ関東に残っていた。
会津には、やる夫と戦うべく待ち構えている上杉家がいる。
やる夫が関東から離れたら、襲いかかってくるかもしれなかった。
上杉への対策には、伊達政宗や最上義光をあてることを考えていたが、
彼らは上杉家より北の大名である。
関東にも、誰かを残していかなければいけなかった。
907 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:02:18.03 ID:nTKk0Ro0
____
/ \ /\ キリッ
. / (ー) (ー)\ やる夫もいずれは関東を離れるお。
/ ⌒(__人__)⌒ \ ……やる夫の代わりに、
| |r┬-| | 上杉の抑えができる武将……
\ `ー'´ /
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
(ヽ三/) ))
__ ( i)))
/⌒ ⌒\ \
/( ●) (●)\ ) 秀康!
./:::::: ⌒(__人__)⌒::::\ 父の代わりに上杉を見張ってくれだお!
| (⌒)|r┬-| |
,┌、-、!.~〈`ー´/ _/
| | | | __ヽ、 /
レレ'、ノ‐´  ̄〉 |
`ー---‐一' ̄
922 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:05:06.85 ID:nTKk0Ro0
M
);;;;て
\\
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\ 父上……
/ (●) (●)ヽ 秀康も父上と一緒に行きたいナリよ。
.| (__人__) .|
| ` ⌒´ | 父上に力になりたいナリよ。
ヽ / 父上の天下取りの戦いに参加したいナリよ!
/ ヽ____ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
結城 秀康……やる夫の次男。結城家に養子にいっている。
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ 気持ちは解るお。
| mj |ー'´ | でも、上杉への抑えも大事な仕事なんだお。
\ 〈__ノ /
ノ ノ
934 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:07:03.71 ID:nTKk0Ro0
____
/ \
/ ─ ─ \ やる夫の子供でもあり、
/ (●) (●) \ 武将としても実績があるのは秀康だけだお。
| (__人__) | 秀忠はまだ戦の経験がないから、任せられないお。
\ ` ⌒´ / こういう仕事が任せられるのは秀康だけだお。
M
);;;;て
\\
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/U (●) (●)ヽ ち、父上……
.| (__人__) .|
| ` ⌒´ | それでも……秀康は……父上と……
ヽ /
/ ヽ____ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
945 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:09:05.13 ID:nTKk0Ro0
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;)
/ (─) (─ /;;/ ふーむ
| (__人__) l;;,´|
/ ∩ ノ)━・'/
( \ / _ノ´.| |
.\ " /__| |
\ /___ /
____
/⌒ ⌒\
(ヽ /( ●) (●)\ /)
(((i ):::::: ⌒(__人__)⌒::::\ ( i))) 秀康!
/∠ | |r┬-| |_ゝ\ この戦いに勝ったら褒美にコロッケあげるお!
(___ `ー'´ ____ ) だからやる夫の言うことを聞くんだお!
| /
| /
| r /
ヽ ヽ/
>__ノ;:::......
M
);;;;て
\\
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/ (●) (●)ヽ
.| (__人__) .| いってらっしゃいナリ父上!
| |r┬-| |
ヽ `ー' / 上杉への備えは秀康に任せるナリ!!
/ ヽ____ノヽ
./ /| ||
( \| ||
.\ | |__)
. \ ___ _/
969 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:11:24.74 ID:nTKk0Ro0
次スレいきまーす
____
+ ./ \ /\ キリッ
/ (●) (●)\ これでよし……
/ ⌒ノ(、_, )ヽ⌒ \
| `-=ニ=- | まずは江戸に戻るお。
\ `ー'´ / +
M
);;;;て
\\
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/ (●) (●)ヽ おれ……
.| (__人__) .| この戦いが終わったら、
| ` ⌒´ | コロッケを腹いっぱい食べるんだ……
ヽ /
/ ヽ____ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
こうしてやる夫は、北の上杉家への備えに、結城秀康をのこし、
自身は西の石田三成との戦いに向けて準備を始めた。
11 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:14:17.30 ID:nTKk0Ro0
) (.ヽ' .
⌒_ .
.ノし~|
.i |
|,. .|
/. |
/ ./
/ .(
_ノ i `
._ _/ |
.l (,,.-‐´ .|
.,,____ ,.ノ ./´
_,,. -‐'´ 'ー┘ |
__!.,,__ ,,__,.,..__,...,_ _ /フ ..i´
<´~ し、 _.ノヽ- \ つ (└‐-'´!ノ⌒ |,..i´
) .く .~| .,,.-‐.v´ .! ,.-‐'
/ ./ ` . `´
.ヽ∩,!
石田三成の挙兵と共に、日本各地は戦場と化した。
諸大名は西軍か東軍のどちらかにつき、戦いを始めた。
1600年の旧暦8月は、日本各地で東軍派と西軍派が戦っていたと言っていい。
北陸では、大谷吉継の工作により越前や加賀の諸大名が西軍についたが、
これを危惧した加賀前田家の前田利長(利家の子供)は兵を率いて南下し、
丹羽長重らの軍勢と戦った(浅井畷の戦い)。
18 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:16:52.89 ID:nTKk0Ro0
‐、――-、,,.. -――‐;:‐
>  ̄<
-=ニ `ゝ
∠´ ,.ィ ハ `、 いくぞっ……!
/ / | ./ ヽ ト、 |
lイ /''-ニ|/、 r‐\lニ\! __ | 安濃津城を落とせっ……!!
'l.イ| ==。、i '"==。== l. l"l| |
|l| `ー'/ u ー‐''" | |"l| |
l || U/ lj |.|ソl |
! `|/_,. - ヽ v' l!-'′ |
,l ヽ ヽニニニ二) /| |\. |
_,,.. ‐'''"~/lヽ ≡ / | | |~"'''
| | / | \ / u レ! | |
| | / レw、 l´ | l |
吉川 広家
更に伊勢(三重県)では吉川広家、毛利秀元らの西軍が、
東軍の富田信高の守る安濃津城を攻め立てた。
広家はこの戦いで奮戦したが、その奮戦ぶりに黒田長政は焦った。
_,, - ‐'''‐ 、
r-- 、-- ヽ
} `ヽ ヽ、 ', 吉川広家……!
!'、 ,、___ ', i、 i ',
','、'´tj‐ -.i /)', /- ) どうしてそんなに頑張る!?
',ノ ヾ、 i /iv',/ / 君は東軍派だろう……?
`'、-‐' レ .ノ ! __!-,
' _ , -'´ //i:::::::!、
_, ‐'::::::::! ! //::::/: :',- 、
´ フ::::::/ /,, !/./:::/-、__!: : :` -. ._
黒田長政を通じて、広家は東軍に通じている。
広家が奮戦すれば、長政のメンツは丸つぶれであり、
また東軍全体の戦略にも関わってくる。
25 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:18:48.53 ID:nTKk0Ro0
, ' ,ヘ. ト、 、.._ / r‐、ヽ.
/ ./ ,イ/ /`メ.`ヽv::\ \\r 、ヽ 心配するな……!
/ // / !' v/ / , ' ! :::::\ \ 、リ l オレの心は東軍にある……!!
,'/ / .,イ , / l _,/ /,/ │ :::::\.ヽ._ノ 変わらない……それはっ……
. ! / l ,イ ./、. \// ! } v u:::::\'、
|/ |/ W `''‐、,,ヽ ,ノ,j' :::::|ヽ. ト. 今は、貯金……! 貯金中っ……
/ ~U u ノ> uj ::::| ヽ | i
. / v ‐, j /'´ :::|; !. |. ! 誠実さの貯金……周りが……
/ イ / v u:::|;; ! | ! 「吉川広家は信用できる」と考える……
. / , ‐'´ノ _,/ u :::|;; |. |. ! その貯金……!!
ー''´  ̄ \_/`! u v::|;;; | | |
i , /i 、 ヽ‐-ヽ
. ! /| /| / ! .!ヽ..ト、 、.ヽ
| /''l/、l/_, l/ _,.ゝ' ゝ、 iヽ! そして……貯金が溜まったら……
| ノ`''‐ 、._/ /_, ‐'´ !.\! 一気にはきだす……!!
! ,.-、 r' =。=== _ ,=。===,! 土壇場でっ……!!
/ { ‐、!| ` ー-‐' '' \--‐' !
. / !( r||. r __ \./| 信用と言う名の貯金をはきだすんだっ……!
/. ,、 ゙ー'|!、 ,..-‐───; 7゙│ そのための戦い……そのための奮戦っ……!!
/_,./ l │\ `ー-----‐'´/!\i
 ̄ .! 1 l ヽ、 ー一 ./ | |`'‐、
| i、 l. ヽ、 / | .| `'‐、
. | ヽ i ヽ、.イ │ |
36 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:21:18.55 ID:nTKk0Ro0
/// /| |::l .|l |ヽ ヽ\
/ /::::|.|:::l |::| |/\ \\
. | / ./::::::::l|:::::l |".l |/::::::::ヽ、_\ヽ__ (だがこれは……保険でもある……
|.l.| l /::::::::::::|/ i /l| _,,、、- ~ ::::ヽ ヽ/⌒ヽ、 西軍への保険っ……!
|| | .|l /\::::: ヽ /,、-'''" :::::::ヽ ヽ'⌒ヽ.ヽ 情勢は生き物……!!
. | |.| | / \ 〃 i.l ::::::::ヽ ヽ'⌒| .| どう動くかわからない……
. |l |l \ ;;; ヽ、 ,,、' ij :::::::::ヽ ヽ、_ノ |
/::::: ‐''~ ::::::::::::ヽ ヽ、_ノ もし、徳川が、東軍が不利になるようなら……!
/ ,'::::::: :::::::::::::::::ヽ ヽ オレは寝返らず……毛利本家も寝返りさせずっ……
/ ,':::::ij:::::: U `ij :::::::ij:::::::::l;ヽノヽ
/ ,'::::::::::::::::: :::::::::::::::::l;;;:::::: ヽ 西軍につくっ……!!
/ ,'::::::::::::::::_::`) _,,、-'''´~~`ヽ::::::::::l;;;:::::: ヽ
/ :::::::::: ''~ノ __,,、-‐´ _、、-‐':::::::::l;;;;:::::::u ヽ 生き残る……なんとしても……! 生き残るっ……!!)
`'''' `''-'、~ _ 、-‐´ :::::::::::::::l;;;;;;::::: ヽ
`r‐''' ´ :::::::::::::::l;;;;;;;;::::: ヽ
51 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:23:56.84 ID:nTKk0Ro0
i、 ノ,.'‐'´,.-'ニ'-‐ 'ッ
. N .!' / , , -;=‐‐‐<
!_,,. '_‐,ヽ_'´r''_,ニニ'' `ー,.- ついに三成が動いたか……!
ノ,ニ-,._,`ーi`.i´ヽー-.、く
_ /.i,='三_-' .ノヽ!ノ,!、ヽヽ.、ヽ よし……オレも動くぜ!
,.-r‐r',ノ'っ'ヾ三='‐'ヽノ'i;ド' '、i,ヽヾ` 貯めておいた金をばらまいて、
,1,.!..iン' //. 'ーi'_,,,.. ノ '_ゝN` 兵を雇うぜ。寄せ集めの軍でも、
. / 7´ ノ ヽ.,, ,'_,'-‐'"´,. ‐`-,..,,_ この如水が率いれば歴戦の兵も同然よ!
,iー' ,ィ' '"i´ ,ゝ、/'./.,.'.,.'´r',`'"''''ー.、
io'iー‐ 'i ,ィ7/.`! ,イ /././ /./, ' .',
l l .l ,.//〃 .,' ,.'/././././././ i
/`7 '''' ヽ ノ//// !/.,'./././././ ,' !
! .i r'´ /i,'.,'/ ./ /.,' ,' ,' ,' ,'./ ,'
九州では、黒田如水が動いた。
黒田家の主力は黒田長政が率いているため、如水は
貯金を吐き出して農民やあぶれ者などを雇い、即席の軍を作った。
如水はこの後、しばらくして、豊後に出兵し、九州統一の野心を見せ始める。
69 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:26:36.68 ID:nTKk0Ro0
i、 ,ノ,l.r''_,.L.ィ._,
、l :iイ '" '_,. " ;:/
i, :_,;'∠、;_ ,. - ; :.``':、._ 三成とやる夫なら、恐らくやる夫が勝つだろう……
,,..-‐- ..、 ,ノニ-ぅ'`-、''Yヾ ::: .:、'"´ だが三成についた大名も多い!
l: : ::;i:l::;;v、 {Ξ=三' ノ、ィ,',i、 、 ヾ、
l: : ::;i:l` ,ゝ,`、 t=Ξ='‐くノ';;k'゙ヽ,i 、ゝ この戦いは長引くぜ……1年か2年か……
l: : ::;i:lr`.ぐ' ヽ '-i._,,... ,シ 'ゝ,N` その間にオレが九州を統一し、まとめあげ、
ヽニ二ニソt-ニri, ,' ゙'i.,,,./,.r‐''",.r->、..,,,_三成かやる夫か、どちらでもいいが、
`、. - i ,.i"入 /'/',.'',r',r';='´゛''ー 、 中央を制した奴と戦ってやる!
i´i'ー'"l ,.r,'゙/`i' >,'/././ /./,r' ヽ
i)i l、 ,/','// ,i /,.',' /./,.' // l そして勝つ……
/ ,'゙'''''' ヽ ,r'/,'.,'/ i/ ,'.,' ,'./././ レ l 天下はオレのものになるぜ!
l i'r''" ,',',','i' /' ,' ,' ,'.,' ,' ,'r'゙ ,'
', l'`ー、ii'i i.l /,'.,' ,' ,'.,'./ ,i'゙ ,ノ
l i'゙i l.i.i.i.il /,'.,' ,' ,'.,'.,'.r'-,、 /
こうして如水は、表向きはやる夫側……東軍として行動を開始したが、
内心では天下に野心を見せ始めていた。
76 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:28:33.15 ID:nTKk0Ro0
____
rf"r r r rァ )) ジャーン
|| || || || || `'i ジャーン
||_||_||_||_|| |
_[_゚___]_
/-、 -、 ヾ、\
/ | ・|・ | 、 `ヾ、\ あの蒼空、極(きわみ)はいずこであろうのう。
/ / `-●-′ \ l| ヽ
|/ ── | ── ヽ || |
|. ── | ── | || |
ト. ── | ── | || l
| | `ヽ、_|____ / ||/
! ヾ \ / /
! ヾ l━(t)━━━━┥
ヾi"こヾノ
更に、この時、九州にいた加藤清正も東軍派として行動を開始、
九州の西軍派勢力を次々と攻略しはじめた。
88 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:30:30.75 ID:nTKk0Ro0
__
/: : : : :`ーv - 、
/: : : : : : : : : : i: : : :丶
l: : : : : : : : : : :ノ: : : : : } 100万石のお墨付き、か……
」: : く  ̄ \: ll: : :_: : :ノ いいぞ、これで100万石の領土を得れば、
(Iヽ_/ヽ,ニミ ` '_´ ィ: / まだわしが天下をとるチャンスもある!
r- 、 __ 千于i___ ノ <t:ァ`i'´
゛-'、ノ\_つl l l __ _ / /
/_>´ ̄ `i r`=y'` /
」 ‐'二二) lヽ_ 二__/
... -‐' ヽ _二i ヽ:_:_:_:_:l ヽ‐-、
/ ̄ 〉 < ヽ__/、 .,l /l |  ̄\
ヽ ∧、__..ィ ヽ 八 l l
>:/// i /jミ、 , i i i i l /:::::::::/ト i::〉
/::::::i i l |i |トヾ〃ハi | i iハ ト、ハ  ̄}i::/ i i'
. `ト::::i | |il |i || ||ハ i| i i| | ハi| | | i
| ∨ | |il |i || |l l lハ| l| }|フ彡} | | 北には伊達と最上、
| i |小 |i |i ┼‐リ‐}ノ‐┼ 彡ヘ. | | 南には結城秀康……
| i ∧>‐''" __,,. i i | | これじゃ動けないじゃない。
| i / ∧、__,,. / i | |
| i / / ハ ,トイi | | なんとかしないと……。
| i / / 、 ' u / | i l l i i
|〃 i ` . ⊃ / .| i l | i i
|′ | i ` __ ´ L i | | i l
東北では、上杉景勝を抑えるため、結城秀康、最上義光、
そして伊達政宗の三勢力が上杉包囲網を敷いていた。
やる夫は上杉を抑えることが勝利への第一歩だと考え、
野心家の伊達政宗を欲で動かした。
勝利の際には政宗に新しい領土を大量に与えることを約束した。
その新しい領土と現在の政宗の領土を加えると100万石になる。
伊達政宗は100万石の領土を手に入れるため、東軍についた。
99 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:32:52.66 ID:nTKk0Ro0
【東軍】
★江戸在陣
徳川家康…………やる夫
徳川秀忠…………やらないのか夫
本多忠勝…………オプーナ
榊原康政…………孫悟空(ドラゴンボール)
井伊直政…………ひこにゃん(彦根城築城400年祭)
本多正信…………夜神月(デスノート)
真田信幸…………ユリアン・ミンツ(銀河英雄伝説)
★尾張へ進軍中
藤堂高虎…………カイン(ファイナルファンタジー4)
山内一豊…………上田次郎(トリック)
細川忠興…………山岡士郎(美味しんぼ)
福島正則…………野比のび太(ドラえもん)
黒田長政…………牙琉響也(逆転裁判)
★上杉を見張り中
結城秀康…………やるコロ助【仮名】
最上義光…………クワトロ・バジーナ(Zガンダム)
伊達政宗…………衝撃のアルベルト(ジャイアントロボ)
★九州で行動中
加藤清正…………ドラえもん(ドラえもん)
(名目上東軍)黒田如水…………ゴドー(逆転裁判)
【西軍】
石田三成…………佐渡島方治(るろうに剣心)
小西行長…………亜内武文(逆転裁判)
小早川秀秋………でっていう(元ネタ:スーパーマリオシリーズのヨッシー )
大谷吉継…………志々雄真実(るろうに剣心)
宇喜多秀家………井川ひろゆき(天-天和通りの快男児)
安国寺恵瓊………利根川幸雄(賭博黙示録カイジ)
島津義弘…………空条承太郎(JoJoの奇妙な冒険)
島左近……………しまさこにゃん(ひこね「街の駅」戦国丸のマスコットキャラ)
長宗我部盛親……カツオ(サザエさん)
立花宗茂…………ブローノ・ブチャラティ(JoJoの奇妙な冒険)
★安濃津城攻撃中
吉川広家……伊藤カイジ(賭博黙示録カイジ)
★会津在陣
上杉景勝…………遠坂凛(Fate)
直江兼続…………アーチャー(Fate)
★上田城へ退却中
真田昌幸…………ヤン・ウェンリー(銀河英雄伝説)
真田信繁…………涼宮ハルヒ(涼宮ハルヒシリーズ)
103 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:34:21.09 ID:nTKk0Ro0
/ ̄ ̄ ̄ \
/ :::::\:::/\
/ 。<一>:::::<ー>。 も、元忠ぁ……!!
| .:::。゚~(__人__)~゚j
\、 ゜ ` ⌒´,;/゜
/ ⌒ヽ゚ '"'"´(;゚ 。 おっおっおっ……
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
旧暦8月1日、伏見城は落城し、鳥居元忠は討ち死にした。
その知らせが、程なくして江戸のやる夫の元へ届いた。
109 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:35:38.61 ID:nTKk0Ro0
/ ̄\
| |
\_/
|
/  ̄  ̄ \ ……元兄ィ……
/ ::\:::/:: \
/U .<●>::::::<●> \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
/ ̄ ̄ ̄ \
/ :::::\:::/\
/ 。<一>:::::<ー>。 ………………
| .:::。゚~(__人__)~゚j
\、 ゜ ` ⌒´,;/゜
/ ⌒ヽ゚ '"'"´(;゚ 。
/ ,_ \ \/\ \
と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.
/ ̄\
| |
\_/
|
/  ̄  ̄ \ 殿様……
/ ::\:::/:: \ 今川人質時代からの仲間は、
/ .<●>::::::<●> \ ついにオレと殿様だけになっちまったな……。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
石川数正、酒井忠次、鳥居元忠らは死んだ。
井伊直政や本多正信は、三河以降の仲間である。
今川義元の下から苦楽を共にしてきた仲間は、もう忠勝しかいなくなってしまった。
121 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:38:06.12 ID:nTKk0Ro0
____
/\ /\
/( ●) (●)\ ……勝つんだお。絶対に勝って、天下をやる夫のものにするお!
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ ここで勝たなければ、今までやる夫のために死んだ家族や家臣の死は
| |r┬-| | 無駄になってしまうお!
\ ` ー'´ /
/ ̄\
| |
\_/
|
/  ̄  ̄ \ その通りだぜ、殿様!
/ ::\:::/:: \ 勝つんだ! なんとしても……
/ .<●>::::::<●> \ そうしなきゃ、これまでの苦労も忍耐も、
| (__人__) | 全てが水の泡だぜ……!!
\ ` ⌒´ /
/,,― -ー 、 , -‐ 、
( , -‐ '" )
`;ー" ` ー-ー -ー'
l l
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ よし……元忠、見ていてくれお!
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ やる夫はやってやるお!
| |r┬-| | 忠勝、手を貸してくれお!
\ `ー'´ /
やる夫は書状をひたすらに書きまくった。
その数は100枚をゆうに超えたという。
忠勝や正信ら、家臣団の協力を得て、
日本各地の大名に書状を送り、策を施した……。
129 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:41:04.90 ID:nTKk0Ro0
./ \Yノヽ
/ (0)(―)ヽ
/ ⌒`´⌒ \ キリッ
| , -) (-、.|
l ヽ__ ノ l |
\ /
小早川 秀秋
特にやる夫が気を配ったのは、西軍の総大将である毛利家だった。
毛利家を支える吉川家、小早川家のいわゆる「両川」のうち、
吉川広家には既に内通を承諾させていたが、
もう一人の川……小早川秀秋を東軍に内通させれば、
やる夫としてはなお安心だった。
141 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:43:26.72 ID:nTKk0Ro0
_ ,, - 、
, - ´‐'''' ヽ
i''''''''''''ヽ''''''- ヽ 東軍は、秀秋殿のおばさん、
}、 `、 、 ', ねね様のために戦うのです。
! '、 '、- _, =__', ',, ',
! !-、 、´tjフ i ,'.', ,i ,' 秀秋殿、東軍にお味方を。
',. !,!ヾヽ .l ,'__ノ、/ ,'-、
ヽヽ `゙ .レ ノi / ノ、: :`- 、_
'`二-' , .' レ /:::::i: : : ',: : :`: :‐‐---,,,,,_
,,'.、__, - ' K:::::::::::!--=ニ__: : : : : : /: : : :ヽ
_,/: /:::::::::ヽ l' ヾ:::::!__: : : : ;': : : : : ,': : : : : : ',
/: : : :i- 、_:::::i__ i l i_i/:::::/: : : ;': : : : : :i: : : : : : : :',
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l | 秀秋殿は太閤殿下の一門……
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ 西軍にお味方ください。
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ', 西軍が勝利した際には、
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ', 秀頼様がご成人なさるまでの間、
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、 関白に就任していただき、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′ 天下をさしあげましょう。
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ
東軍の黒田長政は家族の情をもって東軍に引き入れようとし、
西軍の石田三成は利をもって秀秋を西軍に引きとめようとした。
150 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:45:47.29 ID:nTKk0Ro0
/ \Y/ヽ
/ (ー)(ー)ヽ キリッ
/:::::::⌒` ´⌒:\ 秀頼様が成人なさるまで関白に就任していただき、
| ,-) ヽ__ノ(-、| 天下をさしあげましょう……
| l |r┬-|. |
\ `ー'´ /
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
/ ノ Y ヽヽ
o゚((●))((●))゚o
/:::::::⌒`´⌒:\
ミ ミ ミ .| ,-) (-| ミ ミ ミ ででっででっででっていうwwwwwww
/⌒)⌒)⌒. | l ヽ__ノ l| /⌒)⌒)⌒) 信用ならんっていうwwwww
| / / / \ |r┬-| / (⌒)/ / / // バ 大体なんで毛利輝元や三成が
| :::::::::::(⌒) | | | \ ゝ :::::::::::/ ン 西軍を率いているっていうwwww
| ノ | | | \/ ) / バ それほど太閤の一門がどうとかいって
ヽ / `ー'´ / / ン もちあげるならオレに西軍を任せろっていうwwww
| | l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
小早川秀秋は、かつて朝鮮出兵の際に活躍したが、大将でありながら敵軍に突っ込んだことを、
秀吉に咎められ、領土を減らされてしまった。その後、程なく秀吉は死んだため、
領土は減らされなかったのだが、秀秋は秀吉に叱られたことを、三成の讒言(チクリ)によるものだと、
誤解していた。……また、若いとはいえ、慶長の役の際には一軍を任せられた自分をさしおいて、
毛利輝元や三成が西軍の指揮者になっていることも、どこか不満であった。
158 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:48:01.22 ID:nTKk0Ro0
__、ーv''7-;z.__
_> ` ニ=
. > 、NヽN、N、トゝ
. イ ィ` ij 「.| v V.7
. l. ヽ. __ | | j /.ハ
| r=i.| l⌒ヾレ'' レ'"う.〉 大坂のメシはうまいっ……!
|.{に||uゝ..__。" く。.ノく 特に揚げ物……
. j. `ー|!ド、""r _ '〈:" (.._ 串揚げとかっ……アジフライとかっ……!!
/ /! lX.Z.エ.エエェ'エT´
_ノ_,/ | ヾェェ:ェ:ェ:ェ:ェL.__ 、゙`;`"ー;-;、
 ̄「| ト、,l、ij、,_ | j r-(\: : {
. l.|. |j" .;、 "'‐、! i i |`iー-,、._;'⊂,ヽ、ヽ|;:'゙
. !.! j゙ .: ∩ f`l.i`h゙‐、__.ハ│ | {(\.|. |!. ||
|.| '、;'' ;|. |.;|. |.|│| '";=ニ{|.| | │j:,:ハ ヾ l ;|
!.!. |. 'y' レ' /' /./`´|`ー' |.|.| ∠ルl | ; .ノ
毛利 輝元
安国寺恵瓊の進言を容れ、西軍の総大将になった輝元だが、
戦場には出ず、大坂城にいた。
これには徳川派である吉川広家の工作もあったとされるが、
とにかく、西軍総大将の輝元は大坂にずっといた。
182 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:51:52.05 ID:nTKk0Ro0
/ニYニヽ
(ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ /) ぼさっと大坂城でアジフライ食ってるだけなら、
(((i ) /::::⌒`´⌒::::\ ( i))) オレでもできるっていうwwwww
/∠_| ,-)___(-,|_ゝ \ 西軍総大将は本来はオレだっていうwww
___、 |-┬-| ,__ ) なんで太閤の縁者のオレが三成や輝元の下なんだっていうwww
| `ー'´ /´
| /
秀秋は、伏見城攻めまでは西軍として参加している。
しかし、心は次第に西軍から離れ、東軍につき始めていった。
血の繋がったおばさん、ねねのため、という大義名分もあった。
(もっとも、ねね自身はこの甥っ子を嫌っていたようであるが)
198 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/27(水) 22:58:34.49 ID:nTKk0Ro0
_____
| 上田城 |
ザワザワ・・・ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
<⌒> ザワザワ・・・・
/⌒\
_________]皿皿[-∧-∧、
/三三三三三三∧_/\_|,,|「|,,,|「|ミ^!、
__| ̄田 ̄田 / ̄ ̄Π . ∩ |'|「|'''|「|||:ll;|
/__,|==/\=ハ, ̄ ̄|「| ̄ ̄ ̄ ̄|「| ̄ ̄|
/_| ロ ロ 「 ̄ ̄ ̄ | | 田 |「| 田 田 |「|[[[[|
|ll.|ロ ロ,/| l⌒l.l⌒l.| | |「| |「|ミミミミミミ
__ __ _
. _ , '"´ ,. _ ___`丶、
/ ` / /´-‐ァー-ヽ \
. / /下7 ..///.:.::/ .:.:ト、 ヽ ただの武将には興味ありません。
/ └イ_j/ .://;へ、/!.:.::/:.}ヽ ',
,' ///!l .::j.:lイ仔くヽ/,.イ,.ム:.', l
, '〈/f`| l ::l`' ゞゾ '´ rャjノ::.l:. | この中に巨乳の忍者、火薬使い、瞬間移動者、ビーム使いがいたら
| l:l :!:{、| l ::| マソハ: |:: | 私のところに来なさい。
| l:l::i个| l ::l! l⌒ヽ′} .:}:.l:: l
| lハ:l::{::', ::::{、 ヽ.ノ /.:/::.l:: l
l !:|:::',::',::ヽ:::ヽ\._ /.:/::::/l::;!
',::{:{、:::ヽ\:\;ゝ `「:フ´!::::/;:::/ 〃
. ヾハj>''´ ヽ ト、_..上くイ::::{ {::{/ |ヽ | |_ 「 〉
/⌒ヽ、\ ` \-ー ̄\ヾ ⊥ 人_ _|_ |/
/ ヽ \\ \´ ̄`ヽ、 O
. l ', \\ \ __| \
. | ', \`ヽ、 ∨n| } ト、
上田城に戻った真田家は、いずれ来るであろう東軍勢力に対抗するべく、
堀を深くし、壁を塗り、鉄砲や武器を準備した。
また、兵を増やすために、浪人や、腕に自信のある流れ者などから、
新戦力を募集した。
323 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 20:58:14.52 ID:VYkMl4I0
,ィュ-‐-、_
/: : : : : : : : : :`ヽ
/: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
イ : : : : ,ィ ./リ| ト、: : : : : ゝ 巨乳忍者と火薬使い、
!: :/: :,AZ__ |/' >r.、: :N 瞬間移動者とビーム使いはないだろ……
!'ヽ: :! ―- ニ| .! .!ノ
_人_l、u. i .(ヾ| .! iヽ 普通の武将を雇うつもりはないのか……
_,..-'´/:::::| ヽ ~ ,.ネ、 ト、
r'´:::::::::::::く:::::::| ノ` =く. .|::ヤ .|:::`゙ー、
/:!::::::::::::::::::/::::::.レ'^YニY/レ!:::ヽz='=i::::::::ヽ
/::::::!::::::::::::::::ヽ:::::::| .〉-〈 /::::::〈:::::::::::::|:::::::::::!
三好 政勝
/ ,/ ,/ノ / ,ノノハ ト,、 ミ`'ー Vリ
| レ' _,,、ァチ-ーヒヽ| ゞヒs、ミヽ i
ハ rヘ ア' <モテ;; i' zッ、`i ソ キワモノばかりだね。
゙Yf i゙ |ト :i `` イ, ノ
いヽ ゙!, ,_ ;、 ,タ"
`i, `r、 ..__`_ ,リ
ク',ヘ ゙:、 `''ー‐'´ /゙
イ,ヘ ゝ\.  ̄ /
f ̄`''ー─--ミ''-、,,_,,イ!‐-、、,,_
,/ ゙i,⌒ヽz¬"゙ヽ i
329 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:01:27.30 ID:VYkMl4I0
/f | / / | | l ハ
' | | _,/.| // _./ , | | l!
i l ,.イ´ / ゙l. //.´∧`ヽ、 | l }! ……昌幸様、
| ! ,.イ ∧ Ⅳ ;/ レ'’∨ '. / ゙ト / .ノ| 信幸様と、それと……
| 、 ', |,.≠=、、 ___」/、!イ / | 小松様のことは……。
| \. Nイ,、 r}` '7 ,.ハ}.レ/ ル' |
| f⌒トゝ ,辷rム らィ/ ,'/ヽ' |
| ヽ. ヽ| 丶 `¨’ //,ノ |
| ト-\ 「 ̄ y .イ/7! |
| | \ 丶- ' / /| |
| ∧l |` - r'´ / '´l l. |
| ,′` , -ノ ヽ..、 ' |.l. |
海野 六郎
,}``ハヽ;;;;, r'´ -─‐'´゙,ノ'ソイ'ヾ,;;〈
/:..;;;,r' ヾ、リ ,か)ゞ`' ,r'`ヽ,|トj;:リ
{jj ハi ノi ,:トj ,jテy ,ハ;;ir' うん……信幸と小松殿か……
,!.;;:::;ヽゝ'ヾ' ヽ j-‐'
{'ヘ、,ミジゝ `ャソ ,! ……小松殿、あれは本当にいい嫁だね。
`ゞ リハ彳、. ``ー-、, / 信繁も感心していたよ。
゙,r-く,._イ, ヽ, `ー /
/ `丶ミ、_ /
,イ `ヾ,ー‐r一'
/ `¨丶-、 `イi`ヽ、
真田昌幸は、上田城に退却する途中、沼田城に立ち寄った。
沼田城は真田信幸の城であり、信幸が関東にいる今は、
妻である小松が預かっていた。
昌幸は、沼田城にいる孫に会いたいと思い、
沼田城に立ち寄ったのだが……。
334 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:03:53.36 ID:VYkMl4I0
/ ̄\
| |
\_/
|
,、、-'´,f'´ル `ヽ、
,r'´ `;ミヾ,' //, '"´ 、 ゙、
/ `ミ、〃' `, `、
/ 〃 `i/,,、、 i! ヽ
/ / ,f'´ ,;:;:ゞ;:;:;;:j | `,、 沼田城は我が夫、
,ィ´i! , :; , i´ ``イ i ,!, ト、` 、 `,ヾj 信幸殿の城です。
,レ v ; ! ,リ、 '、i | ゞ、ヾミゞ ,!
l! ; ,レ' ,! / '´`ト、仆从、丶、`ヽ | 例え義父上と信繁殿でも、
| ,ィル,ィ,ィソ─‐- 、 ,、-‐'''"´ヾ;, ,! ,イ 夫の許しがなければ、
/ ,イ'i N'´ ,ィでン ´ ,ィでン リ 人,イ l 城に入れるわけにはいきません!!
,' , /,! l、 ゞヽ, i ,イ,ィ´ ,! ^i ト、
! lレ' `、ノ´ l ,ソ ,jk | ,j
l | i ; , j `、 r ' / N /l ,/
`ト、 l j ,! / ヽ ー---‐ ,イ ,' ! // j
l ,' , ,レ' / ,ト、  ̄ /,j , !V |
,ノ / ,/ ノ`ヽ、___, ィ´.:.:.:| | i ! ヽ
ィ二!ニフ'´! f ,イ´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:_,.ィ´.:.:.:ゝΛ | ! /l l
小松(本多忠勝の娘、信幸の妻)
小松は何があっても真田親子を城に入れようとしなかった。
諦めて、昌幸達は城から離れ、近くの寺で休憩をとっていた。
344 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:06:22.75 ID:VYkMl4I0
/ ̄\
| |
\_/
|
r'´r'´彡韭- 、 小 \
f´{::::,.‐' r非三ミ| ィJiハ ミヽ
レ'ヽ:::::::├…'''¬ ノハ川ヽ从イj ミ ヽ 義父上、先ほどは、
/:::/ノ i i ハ ノ!川ハヽ`-ヽ,,ノ彡 ミ i 申し訳有りませんでした。
r´r'´ノ //jii川 {川ハヽヽヽ、.__,.ノノへイミ |
f八彡ノノノ/ノノ ヽミヽヽ弋三乍ヽ、\ヘ;! j ……戦国の世とはいえ、
〉ノ弋三シ/__`'_ヽ __,,,.-― `'ヽ、Nン| r'´} この様にでもしなければ、
ヽ从从《:::::ヽ し9 )ヽ i fて9ラ リ:::j川 { l 堂々と祖父と孫が会うこともできないとは、
\ハミヽ;:::  ̄ i ::::: ̄´ 彡彳ンル :| j 悲しい世の中ですね……。
f´ffゞ叮: ::| :: ≧彡シl |从人!
{从,_jし!::: ::ii;;;... |〃シハ| |::_:i:::;{
i )彳レ'八: r==-ャ |彳f:i:{ |; iヽ
フ´r'´,,::::::!ヽ `二'´ ,ィ'川::l:l{ l;; ゙、i
/::::/:::i〃:::::l;;;ヽ / |川::::::ヽゞ..、 ゙、
fゞミ从N八j:::::::l;;;;;;|\ , -´: |ヽ、:::::::::ヽ:::ヽ川
》W 八::::Ni从;ヽ」_ `'〓彡iiillll/: |;;;;;;\::::::::从Wノ
……そこへ、再び小松が、子供、すなわち昌幸の孫を連れて現れた。
この処置には、昌幸も信繁も感心し、
「さすがは本多忠勝殿の娘である」と褒め称えたという。
こうして、昌幸は孫と最後になるであろう面会を果たし、上田城へ戻っていった。
355 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:08:51.83 ID:VYkMl4I0
_;f ゙ツ,川; l l l llli;i, 'lii;llliilllllliii;;;;;;;;,,,,liiiii}
ら'"~ _,,ツ 川トミヾミミト,llllliii;;,''llliiillllllllllllllllllliiillll}
{i" 〃ア~;;;ニ._゙ヾ__三ニ=-゙ミミ゙;iillllllllllllllllllllllllllllli} さて、徳川はどう動くか……
゙i,{ ,{{ ゙i "モji:、 ;'" -''モj-=;, ji;lllll''""゙;;llllllllllツ
゙ヾミ、゙l;  ̄ l:: ::..'  ̄ ̄ ,ノツツ i'" ,ノlllllllツ 信濃も荒れるに違いない……
゙リ':l; l: :::::;,_ ,;ツ' i ノ;illllli;' 新戦力募集は信繁に任せ、
'l ゙:,__:-'' _,il-''";llllli;' 私は他の準備を整えるか……
'l; ー─-- ,,r''ノ ゙ミ;illlllli;;ミ;、
''i;, ゙""" ,,;r'' ,/ ツ'llliiツ l
_,;:-''"~''i:, _,::r'".:::: '_,;ニ-''''~~ :l
_,,,,,,;;;:-ァ"ヽ /~'===テ"ー、r''''"" _,:-ーi :|゙'-::,,_
r'´.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.,イ:.,イ:../i:.:.l:.:.:ヽ:.:ヽ:.:.:.:.:.ヽ、
/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.!/ !:./.|:./ |:./ !:.:..ハ:.:.,|:.:.:.:.ト-、ゝ
,イ.:.:.:.:.:.:.:.l:.:.:.:/ !ナ-、_レ' |ノ レ'ヽ:.ノ!:.!
!:.:.:r‐i:.:.il:.:.:..! こヒr`i`´ _ュ=-.,リ .リ お、オレも手伝いますよ!
|,イ !i^)レ'l:.:.:./ ´ l´ヒr /:.:.ノ
! !:ヤヽ、.ヽ/ u ヽ l:.:./
k.l,`-ァi '´ /∨ ……しかし、新戦力の募集を、
k_N.l r'´ ̄`ア / あいつに任せていて大丈夫なのかな……。
_,イj ヽ ヽ-―┘./
/´r'´\ \. `´ /
_,.ィ=''7´;;;;;;;| \ `ー-ェ-‐'´
361 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:11:38.38 ID:VYkMl4I0
:. ,'./ i ヽ:. ヽ:.:.. ヽ.ヽ
,'/ / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
:. |i .i i .i / ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
|i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:} あ、あの……
:. |i∧ ', :{ ,ィjモト \ イjミトイイV :. ここで忍者を募集しているって
.| :メヽ.', `ozZ} izN。ハ::{ 聞いてきたんですけど……
:. | :ヾ_! ゝ "゙゙ ' `゙ ハ.:', :.
| :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ あ、足の速さには自信があります。
:. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:. 雇ってください……。
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ//ハ.:\
:. / .{. ',ヾ、ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:.//: : :.}: . ヽ.:.
/ / ) ヽ ヾ、ヽ:.ハ ヤ{ ∧/.-‐'": : |:.:. i ',
./ .,イ .:..} : :\ヾレ'ハ ∧__ノノハヾ、 : : : l:.:.: .ハ ',
猿飛 佐助
_,. ─ 、. -- ._
/ `ヽ
/ 、 、 \
/,. ,. / l. | ヽ ヽ ヽ. ヽ
/ / i'/ / ,| | ,! | ',. ! ', 根津甚八……前は、
∠-7 j |.| | ./| ,1 ハ. ハ | |l. l | 増田家に仕えていた……
| | |l.',. } ナTァ-| ./ l./'''Tナ{. ,リ |1
l!Mヽ.{<ィテtト !' ' t5モト,.レ!' ,1 ,! 得意技はビーム……
1',l.| ゙ト 'ぅり , 2tタ / /,!' ……よろしく。
`| l. 「ヽ __ /! イ/
l.ト. |l. ヽ、 _,.ノイ/ |!
` ヽl ヘゝl` - ´lル ′
/.ノ ヾヽ、
_.. - ´ L._,. -- .._...| ` ‐ 、._
,f´l. | 「 _, - 、._j / / ス
/ l. ', ', 「_,. -- ..」 / / / ',
根津 甚八(浅井 井頼)
甚八はかつて信長に敵対した浅井長政の息子(養子)であった。
浅井の名前を使うことがはばかられた井頼は根津甚八と名乗り、
各地を放浪の末、増田家に仕え、今再び、真田家に仕えた。
370 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:14:46.71 ID:VYkMl4I0
キョンは部下というより客将みたいな感じで……
というか十勇士については史実どころか一般的な十勇士設定さえ無視しているので、
あまり気にしないでほしいですw
避難所で書きましたが元々登場予定になかったので>十勇士
. l l.|./ _,.-' / \ ヽ j、 |
| /ヽ.-‐ ' ´,. -' ヽ、 \{ ,! l
| l ヽ}-‐ ' __... -' ー- ..._` ー-f'´l. ハ 爆弾を使うのが得意です。
,′| j. l. ̄,....--、 ,.-- .._ ̄,! /ヽ ヘ よろしくお願いします。
/ l.{ヘ !(.ヘ}rj| |ソrj ア / / ノ / ヽ、
, ′ l.ヽゝ.l. ゙-‐' ー-' /j/-' ./ ヽ
i′ / ヽ、 _'_ ,. ' ′ l ヽ l
l. / / ト ,、 ,. 、´ / | ,! /
〉′ _,/ |´ j ` ー ´ ト. 7 |..,._ /
望月 六郎(真田十勇士の一人)
さらに望月六郎が仲間になった。
378 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:17:22.71 ID:VYkMl4I0
/,イ>/ .:::/,':::{:::::!:::::::::::::::::ヽ ::|:. ::::Vヽ_,イ
レ/,イ ::/ :{:ハ\{ ::、::ヽ ::::::}::_|_: :::::l >::|
{/::| :!{.::ィ'f坏ト\{ヽ ,><ム:!:::::::: Kヽ:ト、
|::::ヽ::i:ヽi. r'_;メ ヽ´ イ圷ハ|::::::::::|\/ヽ> かなり望みどおりの人材が集まったわ!
|i:::::::トl::ハ. , r';ン´j::::::::: l: V
|i::::::::!:::: ヘ {>ーァ /:!::::::::/::/
lN:ヽ:ヽ::',:::ヽ、ヽ _,ノ ,.ィ::/::::::/ /
ヾ /}::}八::::ヽ>.-‐か/7::/∨
r<¨ リ\`ヽ、\__ { 〉/イ l )}
,'::::::/::::!:::/,イ::/ .!/ .|::::/ |:::::ハ:::::!::::::!::::::::::i
!::::::l::::::レ',! ー-、 !/ !::/ !::ハ:,イ:::::::::::|
!::::_」:::::::::! ..,,_`ヽ、_,. ,リ ´ _,..,_ !::::::::ハj
!/f r.|::::::::! 弋エノ` `'ィニ二_ /:::::::::! よくまあ、こんな妙なメンバーばかり
k.ヤ!:::::::! ゞzソ,. /::::∧::| 集めたもんだ……
|∧`Y::リ i //|/ ヾ
!Tヾ u. j //ノ ……しかし……なんだ。
ヤ. ヽ. , ‐-、,__ ,.イ:/ 何かを忘れているような気が……
r<´|. \ 弋,__,/ / |/
! `丶、. \ ー /
_/ `'-、. `'ー-r<´
387 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:19:41.33 ID:VYkMl4I0
ガラッ
|┃三, l:.:,r:'´Y/ l:l ``′ ';.l ヽト:.:.:.:',
|┃ )k/:./l;'.__ l:! リ ._リ';.`Y
|┃ 〉-;.:'l l _`ヾ、 _, 、, r'´_/. !r-! うぃーっす
|┃ l 'Y';.l ´ 赱〕`` '近l ` リ< !
|┃ ヽ.ヽヽ. l ,'-,ノ WAWAWA忘れ物~♪
|┃ `';Y', l, ,' ´
|┃ ,.rハ'´`丶、__ _ , ' __ このオレを忘れているぜ!
|┃ /: ヽ \ ヽー /〉′.〉
|┃ /:ヽ: : ヽ l .!- ィ' 〉′ /ヽ、
|┃三 /: : : : ヽ: : :,ツ__ ...'`-'.、' /ヽ: : :`:、.、
|┃ ,. :':´:-: 、: : : : :ヽ:〈 !ヽ .l:_: : :>: : : !:.',
|┃ f'´: : : : : : : :\: : :',:ノ ` ̄ ̄ `ヽ,' li: :`丶、: : :l: :l
|┃ i: : : : : : : : : :-: :_ヽ: '、 ー----、ノ,イ l: : : : l: : :!: :.l
三好 政康
,'::::::/::::!:::/,イ::/ .!/ .|::::/ |:::::ハ:::::!::::::!::::::::::i
!::::::l::::::レ',! ー-、 !/ !::/ !::ハ:,イ:::::::::::|
!::::_」:::::::::! ..,,_`ヽ、_,. ,リ ´ _,..,_ !::::::::ハj 兄上!?
!/f r.|::::::::! 弋エノ` `'ィニ二_ /:::::::::!
k.ヤ!:::::::! ゞzソ,. /::::∧::| いつここに来たんだ、さっきまでいなかったよな!?
|∧`Y::リ i //|/ ヾ しかもそのドアはなんだ?
!Tヾ u. j //ノ これが信繁の言っていた瞬間移動者か?
ヤ. ヽ. , ‐-、,__ ,.イ:/ 納得のいく説明をしろ説明を……
r<´|. \ 弋,__,/ / |/
! `丶、. \ ー /
_/ `'-、. `'ー-r<´
……とにもかくにも、政勝の兄、政康も合流し、真田家は戦うメンバーを揃えた。
395 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:22:29.75 ID:VYkMl4I0
/:::::::::::| ノ__ \ / __ ゝ i::::::::::ヽ
i:::::::::::::! /¨⌒¨\ /¨⌒¨\ {:::::::::::::',
,':::::::::::/ ___ \::::.. .::/__ ヽ::::::::::::i
/::::::::::::| / r‐、_ヽ`ヽ く ∠ r‐、 `ヽ |::::::::::::',
,'::::::::::::::| `ー┷'´ / /:i \.`┷┴--' |::::::::::::::', 伏見城の鳥居元忠のせいで、
/::::;-‐-、ゝ i / ノ::::l \::::::::::... |::::;‐-、:::', ずいぶん予定より遅れてしまった!
,'::::/ `ヽ ! / .::::::: ヽ \:::::::.. |:/ r 、ヽ:::i
/::::| ⌒)) l l ___ `ヽ:::.. ノ _ L!/ i !::::', だがまだ大丈夫だ!
,':::::::ト、 l l r',.::____________ヽ ら i |::::::i
/::::::::::::\`ヽ ヽTL___________// ノ / ./:::::::| やってやる、やってやるぞ!
!:::::::::::::::::::\' ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ / -'/:::::::::::!
!::::::::::::::::::::::::`-、 ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ 人/:::::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::::::::::i ハ::;-――--――-、:/ /::::::::::::::::::::::::::::!
\::::::::::::::::::::::::::::| Y: : : : : : : : : : : : : Y ./::::::::::::::::::::::::::::/
ヽ::::::::::::::::::::::::ヽ i :、: : : : : : : : : : : / /::::::::::::::::::::::::::::/
\::::::::::::::::::::::ト、 \`ー‐---―/ ィ::::::::::::::::::::::::::::/
旧暦8月11日。
三成、美濃(岐阜県)の大垣城に入る。
399 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:23:47.92 ID:VYkMl4I0
( ⌒ ヽ
, ─ 、 ( )
(_l_l_l_ j ///
ヽ ⊂ノ , ──- 、
| |/ ______ヽ /^)、
| | | ノ ⌒ヽ⌒ヽ| /⊃ヽ_) やる夫殿は何をやっているんだい!
| | |─| >|< |/ _ノ
|__|⌒ `ー o ー| / もう三成が目の前にいるってのに、
| |、 /⌒ー──つ/ まだ江戸にいるのかい!?
| |ヘ ヽ、(二)ノ</
| \/\//
/ /
8月14日、福島正則ら、東軍勢、尾張(愛知県)清洲城に入城。
正則ら、やる夫が未だに江戸にいることに不満をもつ。
411 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:26:05.94 ID:VYkMl4I0
| | ノ /
∨ ヘ、_, --―;―- 、/ /
ヽ // / く /
/ l i′ ` イ 殿様は何をやっているんだろう……
_,レ┴─‐┴- 、_ ,」
//`ー―――一'^ー、´ ヘ
// ・ ・ U L_ヘ
,l に ・ ニ | ヘ
∠.人 _人_ ├‐ ''゙´ヘ
> 、_ _人___ノ
〉 /⌒ヽ` ̄二 ̄,ヘ
/_,ヽ.ノイ´ / l
〕 、) ̄_ノ、 / ヘ
ト--' └i ヽ_ノ )
| ` ̄´ r '′
丶、_ _,. - '′
/ ̄\
| |
\_/
_|__
/ \
/ ノ \u.\ 東軍のみんなはマジギレだぜ……
/ (●) (●) \
| (__人__) u. |
\ u .` ⌒´ /
この時、既に東軍と合流していた直政と忠勝は焦った。
あまり焦らしては、東軍の大名たちがヘソを曲げてしまい、
東軍から離脱する可能性もある。そこまではいかずとも、
後々の士気にも影響していくかもしれない。
417 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:29:04.34 ID:VYkMl4I0
その時、やる夫から使者が来た。使者の名前は村越茂助である。
茂助はやる夫の言葉を一言一句違えず、東軍の諸大名に伝えた。
___
/ \
/ \ , , /\ 「まずは東軍の諸大名の皆さんが、
/ (●) (●) \ 美濃に攻め入って、その誠実さを見せてほしいお!
| (__人__) | 東軍の総大将はこのやる夫だお。
\ ` ⌒ ´ ,/ やる夫への誠意を見せてくれだお!
. /⌒~" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ そうしなければ、やる夫も尾張までは行かないお!」
| ,___゙___、rヾイソ⊃
| `l ̄
. | |
この言葉に、東軍派大名達はもっともだと思い、美濃への侵攻を開始した。
421 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:31:53.82 ID:VYkMl4I0
_____
| 岐阜城 |
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
<⌒>
/⌒\
_________]皿皿[-∧-∧、
/三三三三三三∧_/\_|,,|「|,,,|「|ミ^!、
__| ̄田 ̄田 / ̄ ̄Π . ∩ |'|「|'''|「|||:ll;|
/__,|==/\=ハ, ̄ ̄|「| ̄ ̄ ̄ ̄|「| ̄ ̄|
/_| ロ ロ 「 ̄ ̄ ̄ | | 田 |「| 田 田 |「|[[[[|
|ll.|ロ ロ,/| l⌒l.l⌒l.| | |「| |「|ミミミミミミ
美濃の本城、岐阜城……かつて織田信長が本拠にしていた城である。
今、この城には信長の孫、織田秀信がいた。
秀信は、かつて秀吉に傀儡として利用された信長の孫、三法師の成人した姿である。
430 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:33:53.70 ID:VYkMl4I0
|;;;;;/``''ー-、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙,
l;;;;'  ̄ ̄``'''7;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
. ゙;l l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
'Fミz、 __,,,,,,,_ `i;;;;;;;;;;;;;;;' 太閤には世話になった!
. 「ヾぶ ‐'ヤ-;ニ、,. l;;;;;;;;; "、゙i
|. / ``゙''゙´ .l;;;;;' ノ/ オレは西軍につくよ!
. i / l;;;'ー''/
',. ゝ、 ,、 ,';;;-r"
_Lィ=' .=ュ、. ''" .l;;|
. ゙゙、`ニ,''''‐`ヾ、 . l;!、,
. ハ .ハ`` .ノ!` / l:::::ヽ、
/::::::l,ノハi、,r;'"i'ー彡' ハ::::::::ヽ
./:::::::::::::|リ川リノルr'" / .|:::::::::::ヽ
織田 秀信
秀信は、その外見が信長に酷似しており「祖父信長公にさも似たり」と言われていた。
まだ若く、その器量は良いとも悪いとも、なんともいえないところだったが、
秀吉は信長の孫ということで、秀信には気を使い、官位は中納言、
岐阜周辺に10万石を超える領土を与えるなどしていた。
秀信が物心ついたときには、秀吉は既に天下人であった。
秀信には祖父のような覇気はなく、秀吉にはむしろ親愛の情さえもっており、
今回の戦いでも三成に正義有りと思い、西軍に味方した。
450 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:36:54.57 ID:VYkMl4I0
(:::( |/|ヽ (:::::)
)::) /:: ゝ )::ノ
(:( _]血[ (:(
/ヽ_ )) 」∧::/;;:;;L ))
|:::::::::::;;;ヾ ∠Π::;;;;;::;;:;;:::ヘヘヘヘ、
ヾ、/┌;;ヾヘ、 ,,/|lilili||lil||「|}{}{|:::;;;;;::::::」
_/\ /;;;;;;:::::;;;|::;;;V:|「| /::::::::\\::::;;:::/:/
<::::;;::: \\:;;;;::::;:|::::;;;;:|「/:::: >;;\|::::|「:;;:/::::ヾ、
,,,....\;;;;;;,,/.;'';:::::; ┌ヘ、.....,,,:________.''゙゙,'::::,,
::,,;:,,; ,:.............:: ヽ::: ヽ .,,..| 岐阜城跡地 |:;,,,,,,;....;
:..,,,..:;:..,,: .,......,;,.,,. /,;;, / .,,.. ̄ ̄ ̄|::| ̄ ̄ ̄:::::,,..::::::
.,,.;;::::.., ::,,;;...,.......,,;;.,,.;, .....:.,:;:, ,'.:,,:,:::::::.'''''':::::::::,. ...::'.:,,:,::::::
8月23日、東軍は岐阜城を攻め立てた。
東軍の中には、かつて岐阜城主だった池田輝政もおり、
かつて織田家の兵士だった者も多く、弱点も知られていた。
また、秀信は戦いの経験もなく、歴戦の武将の集まりである東軍には敵わず、
兵力の差もあり、岐阜城は1日で落城した。
461 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:38:58.17 ID:VYkMl4I0
|;;;;;/``''ー-、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙,
l;;;;'  ̄ ̄``'''7;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
. ゙;l l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
'Fミz、 __,,,,,,,_ `i;;;;;;;;;;;;;;;' ……オレのことはいいんだ。
. 「ヾぶ ‐'ヤ-;ニ、,. l;;;;;;;;; "、゙i 部下は助けてやってくれ。
|. / ``゙''゙´ .l;;;;;' ノ/ オレのために戦った連中なんだ……
. i / l;;;'ー''/
',. ゝ、 ,、 ,';;;-r" ……感状を書いておこう。
_Lィ=' .=ュ、. ''" .l;;| これがあれば、部下も、よその大名に
. ゙゙、`ニ,''''‐`ヾ、 . l;!、, 仕えやすくなるだろう。
. ハ .ハ`` .ノ!` / l:::::ヽ、
/::::::l,ノハi、,r;'"i'ー彡' ハ::::::::ヽ
./:::::::::::::|リ川リノルr'" / .|:::::::::::ヽ
473 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:41:30.83 ID:VYkMl4I0
_____
/ \
/_______ ヽ
|ノ-、 , ─ \ | |
/⌒)| |_|___/ イイハナシダナー……
| ⊂ノ | └ | 6 |
|_/-c`─) ) - ′
| |‘┬─(、( /
| |`-`─- ´ノ^\
ヽ__|ヽ./\/ l |
|/ | | |
, ─ 、
(_l_l_l_ j
ヽ ⊂ノ , ──- 、
| |/ ______ヽ /^)、 秀信殿は信長公の孫なんだ!
| | | ノ ⌒ヽ⌒ヽ| /⊃ヽ_) 助けてあげようよ!
| | |─| >|< |/ _ノ 僕の武功と引き換えにしたっていいよ!
|__|⌒ `ー o ー| /
| |、 /⌒ー──つ/
| |ヘ ヽ、(二)ノ</
| \/\//
/ /
福島正則は「人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる武将」という
評判が、当時からあった(民明書房刊「福島正則の岐阜城前夜」より)。
499 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:44:08.10 ID:VYkMl4I0
|;;;;;/``''ー-、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙,
l;;;;'  ̄ ̄``'''7;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
. ゙;l l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/
'Fミz、 __,,,,,,,_ `i;;;;;;;;;;;;;;;' 福島殿、ありがとう……。
. 「ヾぶ ‐'ヤ-;ニ、,. l;;;;;;;;; "、゙i
|. / ``゙''゙´ .l;;;;;' ノ/
. i / l;;;'ー''/
',. ゝ、 ,、 ,';;;-r"
_Lィ=' .=ュ、. ''" .l;;|
. ゙゙、`ニ,''''‐`ヾ、 . l;!、,
. ハ .ハ`` .ノ!` / l:::::ヽ、
/::::::l,ノハi、,r;'"i'ー彡' ハ::::::::ヽ
./:::::::::::::|リ川リノルr'" / .|:::::::::::ヽ
普通、こういった場合に敵対した城の主は切腹をするものだが、
正則の必死の嘆願と、信長の孫であることも考慮に入れられ、
織田秀信は出家することを条件に、命を助けられた。
……しかしそんな過酷な生活が原因か、
精神的なショックからか、5年後に、26歳の若さで死亡してしまった。
508 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:45:59.96 ID:VYkMl4I0
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
_,,..-‐''`'ー-、_
_,..-'''"~""''' ‐- ...,,___,,..-‐''~""''' ‐-~""''' ‐- ...,,__'''""~
" ̄'"":..:"'" ̄'"":..:"'" ̄'"":..:"'" ̄'"":.." ̄'"":..:"'" ̄'"":..:"'" ̄'"":..:"'" ̄'"":..
東軍は岐阜城を攻め落とした後、
長良川を渡河し、赤坂(大垣市)で、大垣城の石田三成らと対峙した。
……両軍は、しばしにらみ合った。
515 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:49:53.01 ID:VYkMl4I0
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ 秀忠、中山道を進むお!
| |r┬-| | 9月10日までに美濃に到着するんだお!
\ `ー'´ /
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/ (●) (●)ヽ 秀忠のデビュー戦ですね、わかります。
.| ⊂⊃(__人__)⊂| 華麗に飾ってやります。
| ` ⌒´ |
ヽ /
/ ヽ ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
8月24日、江戸の徳川秀忠が出陣した。
秀忠は宇都宮に進軍、そして信濃に向けて進んでいった。
その軍勢の数は諸説あるが、3万~4万の大軍であったとされる。
529 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:52:09.98 ID:VYkMl4I0
_.. ..‐::´/
_/::::::::::::/
_/:::::::::::::/ ____
,..::::´::::::::::::::::::::: ̄:::::::::::._/
/:::::::::::::::::| ヽ、:::::;::::::::::::/
/:::::::::::::::::::::|´|ヽ |/_:::.::/
_ .. -─':::::::::::::::、::|`' , .!::∠
`'' ‐-.._:::::::;-‐、`(●) (●) |::::`::-、いっちょやってみっか!!
=ニ二::::::::::::::::|6 \___/、| -──`
‐=.二;;;;;`‐t \/ ノ
,. --── 、
////イl!lヽ:ヽ.\
:./:/.:.:/:l.:|:.|l.:.:lヽトl.:ヽ
.:/.:.:./.:./ハ:ト.:.|.:ヽ!l.:ii.:',
/l|.:.:|.:レハ.:メ.ヽ|.:l/.|.:.i:l:.| 秀忠様をサポートします。
.:!ll.:.:|.:lィZミヽ.:l|〉、!l.:トN:|
.:.|lトl.:.|ゞ┴ l/ k::仆|:l/リ
.:.|lハ:! ,¨´/l./
.:|N 、__' ′/レ′
小! ヽ ` ー'`, '|/!
Nト! ヽ、___/
秀忠は戦いの経験がないため、榊原康政、本多正信など、
やる夫の腹心メンバーを部下につけてやった。
542 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:54:36.12 ID:VYkMl4I0
|l:::::l:i:l:l::::ト:::ヽ:l`ヽ、://::::::ヽ::::::::l:::::::::l:l::l::|::::::l::::::::!:::i:|
|トl:::::il l、::ilヽ、:::l-‐,..-ュォ-、:::ヽ:::i|:::|:::l::l:lll|ヽ:::l:::l::::::::l:|
| ヽ::::il kァ、 、` - ' `‐'′ /ハl:::l:::l::l:::|::l| l:::::::l::::::ト|. ……秀忠様はまだ未熟。
ヽ ヽ、i `7 ´ // |ト:::l/l::::::| }:::::::l::::i| | そして、中山道の途中には
ヽ .l/ ||:/ .ヽ::l _ノl:::::::l::::i| ` 真田昌幸がいる。
ヽ、 - l 〉l、|:::::|i::::::l::::| 昌幸は謀略家にして戦上手……
ヽ` / .li:::lト:l::::l:l|
ヽ ‐、ニ= ‐ / lヽl-ヽl::l| 油断はできない。
ヽ ー / ,. r '´ ヽ、 そのために、お前を連れていくのだからな。
l、 ,. '" ,. '´ ヽ ……真田と戦わないのなら、
`ー‐ ' r1,. '´ ,. ‐ ' ´ヽ., それに越したことはないが……。
. l::|:::::::|:::::::::ゝ::::::| |:l::::::l| |::!|:::::|:::l
| ! :::::|:|:::|::::ハ:::::| |ィ!ニリ=j、レィ:r┘
l !::l::::N:::ハ:::ィ!ニjlゞ , ,.==..、 l:: |:: | ええ、解っています……
ヽ::|:::::ゝ:〆 ヒf::j ' l::::l::: |
|ゞ`--ハ ___ ー' l::::|::: | もし真田と戦う機会があったらお任せ下さい。
|:::|:::::::::ハ '" ̄ 、 リ::ハ::: |
l::::|:::::::::ハ - ' イ:::::::|ハ::|
l:::ハ::::::::::l:::lヘ. .イ:::|:::::::!:::|::',
|:::::∧::::::|:::|:::::ヘ .. __ /l::l::::!::::ノ::: |:::ヘ
由利 鎌之助
556 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 21:57:50.84 ID:VYkMl4I0
{, / i l Ww `ヽ. i
├ー'´ 卅从jUハヽヾ、彡 !
(!人rrニ= ィ=ニゝヽヽ }
J i '工j_ 工T~ )ノ li;, ト ______
fi i 彳 リ ハ.} /
L i 〈 、 iWjj!' / | ……父上、信繁……
ヽl _ .,,,,,_ / r'´ < できれば戦いたくないが……
八 = 人从 リリ |
\ / / Y'´ _ \
_>i… '´ r┬'' ̄ ̄ |
秀忠軍の中には、真田信幸の姿もあった。
,ィ __
,. / |´ ̄`ヽー- 、 ト、 , -‐、/./.- 、
/ | | ヽ l l ( 家◇徳 ノ 上杉もどうやら大丈夫のようだお。
/o ̄`ハ._.ゝ===┴=く.ノ- 、 ノ ◇ ◇ ( もうやる夫が動いてもよさそうだお。
/o O / l´ ⌒ ⌒ lo ',ヽ ( 康◇ 川 }
\___/. ト、( ●) (●) ハ ∧ `⌒/7へ‐´
/ ,イ レ::::⌒(__人__)⌒l~T--‐彡 /./
/ ̄ ̄l. 彡、 |r┬-| ノ'l l::::::::::彡ー7⌒つ、
彡:::::::::::l ト、__ `ー' /| l::::::::::::ミ {,_.イニノ
彡ソ/ノハ ト、 \ / ,イ 川ハ ヾー‐'^┴
そして旧暦9月1日にはやる夫自身も出陣した。
やる夫軍は東海道を通った。
561 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 22:00:48.64 ID:VYkMl4I0
/ ̄ ̄\
/ .._ノ \
.. (●)(● ) l 父上、ぼくもがんばります
.. (__人__) |
|_` ⌒´ |
/ |
/ |
| | |
.| | | |
.| し,,ノ |
!、 /
ヽ、 /
ヽ、 、 /
| | |
(__(__|
松平 忠吉(やる夫の4男)
なお、やる夫の4男、忠吉も東軍に参戦していた。
忠吉はこれが初陣であった。
585 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 22:03:07.85 ID:VYkMl4I0
,':::N l:::,:::fi::::::f|::i:::|ヽ:::::::::::::::::ヽ::::::::l
i:::::l!::|:i!士从::! l,r|i'二辷:::::::::::::::::::::::|
|::|::li:('´{::}ン⌒ヽ_´{::}ン゙l:::::::::::::::::::::l 父上に代わって
!:!::l::i  ̄  ̄ l:::::::::::::::::::::!
l:::::i::l ` ` !::::::::::::::::::::| この正純がやる夫さまをお手伝いします。
|:::::!::', -‐- ノリ::::::::::::::::::|
!:::;:::::\  ̄ ,.ィ´::::::::::::::il::l
,リハ::::::::::ヽ、 __ .....ィ::':::::!::::::::::::N l!゙
rリハ:::i ヾ:::::::::::::'''' |::::_:::f!|
ノ ' tNヽ ,':/ ヾ|
_,..-イ /"ヾ_ リ/iヘ ヽ
,r''''~ / _/ n | 厂 ' ソヽ.」ヽ
/ ~´ l l_ / ン , ' _ \
本多 正純
この時、本多正信の息子、正純がやる夫に従っていた。
正純もまた智恵者であった。
595 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 22:05:43.11 ID:VYkMl4I0
/  ̄  ̄ \
/ \ / \ 主、小早川秀秋は
/ ● ● \ やる夫さまに心を寄せております。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
/ ̄ ̄ヽ _/ ̄\
(____)(____)
9月3日、やる夫は小田原まで進軍した。
そこへ小早川秀秋からの使者がきた。
611 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 22:08:15.14 ID:VYkMl4I0
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;)
/ (─) (─ /;;/ …………
| (__人__) l;;,´|
/ ∩ ノ)━・'/
( \ / _ノ´.| |
.\ " /__| |
\ /___ /
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;)
/ (●) (● /;;/ まぁ……小早川殿に、
| (__人__) l;;,´| よろしく頼むお。
/ ∩ ノ)━・'/
( \ / _ノ´.| |
.\ " /__| |
\ /___ /
やる夫はあえてそっけなく対応した。
小早川秀秋を東軍に内通させるのは必要だが、
秀吉の甥であり、若い秀秋に対し、あまり下手に出れば、
なめられると思ったのである。
621 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 22:11:59.02 ID:VYkMl4I0
,ィ __
,. / |´ ̄`ヽー- 、 ト、 , -‐、/./.- 、
/ | | ヽ l l ( 家◇徳 ノ もうすぐやる夫もそっちへいくお。
/o ̄`ハ._.ゝ===┴=く.ノ- 、 ノ ◇ ◇ ( 秀忠の軍も10日までには
/o O / l´ ⌒ ⌒ lo ',ヽ ( 康◇ 川 } 美濃につくはず……
\___/. ト、( ●) (●) ハ ∧ `⌒/7へ‐´
/ ,イ レ::::⌒(__人__)⌒l~T--‐彡 /./ もう少し、待っていてくれお!
/ ̄ ̄l. 彡、 |r┬-| ノ'l l::::::::::彡ー7⌒つ、
彡:::::::::::l ト、__ `ー' /| l::::::::::::ミ {,_.イニノ
彡ソ/ノハ ト、 \ / ,イ 川ハ ヾー‐'^┴
やる夫は更に東海道を進軍した。
途中で、福島正則に対して「もうすぐ秀忠もそちらにつくだろうから、
勝手に三成と戦うようなことはしてはいけない」と手紙を送っている。
そして9月11日には尾張の清洲城へ到着した。
628 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 22:14:17.61 ID:VYkMl4I0
/) (ヽ、
/ / ヽ ヽ
{ { } }
l l, -‐┬┬<,ノ 殿様、お待ちしておりました!
>'__,r'ニニ>、
/-,/ ・ .・ l l
〈ニ/、_= 人=ノ┘ 実はまだ、秀忠様の軍勢が到着していないんです。
⊂ ヽ(i)ノ ⊃
ソ /
/ (二 __ つ
____
/⌒三 ⌒\
/( ○)三(○)\ なんですと!?
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
639 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 22:18:28.91 ID:VYkMl4I0
/ ̄\
| |
\_/
__|__
/ :::\:::::/\ 何かあったのか……
/ <●>::::::<●> 中山道の途中には真田昌幸がいるが、
| (__人__) | まさか、昌幸に……!
\ ` ⌒´ /
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \ 秀忠には4万近い軍勢を預けているんだお!?
/ o゚((●)) ((●))゚o \ 真田はせいぜい2000から3000……
| (__人__) | それに正信や康政もいるのに、やられるなんてありえんお!
\ ` ⌒´ /
648 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 22:26:21.29 ID:VYkMl4I0
l ヽ _ィ―‐t-v_' /
' , Y´ \_ヽ_く
ソー' /´ __二ニ>
l_ィ┴' ̄・ .・ ヾヽ やられるとまではいかなくても、
/___l ニ 人 ニ i _l 足止めはされているかもしれません。
/ー―l _ノ´
`ー--ト―ャー―''フl´
/ 、`,'a''´ ノ
( ヾミ )
`ーャ二ノー''´
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;) うーん……やる夫の軍勢は35000……
/U (─) (─ /;;/ 東軍のほかの大名の軍勢が40000ほど……
| (__人__) l;;,´| 合わせて75000……
/ ∩ ノ)━・'/
( \ / _ノ´.| | 西軍は80000とも90000ともいうお……
.\ " /__| | ここで戦えば数では不利になってしまうお。
\ /___ /
ここで秀忠軍40000が東軍に合流していれば、
数でも西軍に上回り、確実に勝てるはずだったのである。
676 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/28(木) 23:28:39.30 ID:VYkMl4I0
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/U (●) (●)ヽ
.| ⊂⊃(__人__)⊂|
| ` ⌒´ |
ヽ /
/ ヽ ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
……秀忠も、ただのんびりしていたわけではない。
9月2日には信濃(長野県)の小諸に入っており、
真田昌幸をどうするか、ということで各将と話し合っていた。
榊原康政、本多正信の二人は真田昌幸を無視するべきだと主張したが、
上田城の真田を放っておけば、会津の上杉家と連携し、
関東を荒らすかもしれない。無視はできないと秀忠は判断した。
687 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/29(金) 00:23:33.79 ID:qfKDCV20
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/ (●) (●)ヽ やはり素通りはできないなあー
.| ⊂⊃(__人__)⊂| まぁ、この大軍で脅せばすぐに降伏するだろうね。
| ` ⌒´ | 真田家に降伏するよう使者を送ってくれ。
ヽ /
/ ヽ ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
_.. ..‐::´/
_/::::::::::::/
_/:::::::::::::/ ____
,..::::´::::::::::::::::::::: ̄:::::::::::._/
/:::::::::::::::::| ヽ、:::::;::::::::::::/
/:::::::::::::::::::::|´|ヽ |/_:::.::/
_ .. -─':::::::::::::::、::|`' , .!::∠
`'' ‐-.._:::::::;-‐、`(●) (●) |::::`::-、真田が降伏なんかするわけねえ!
=ニ二::::::::::::::::|6 \___/、| -──` 降伏するくらいなら最初っから
‐=.二;;;;;`‐t \/ ノ 真田は西軍につかねえ!
だが秀忠は榊原康政の意見を聞かず、
昌幸の息子、信幸と本多忠政(忠勝の子供)を降伏の使者として上田城に送った。
691 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2008/08/29(金) 00:52:55.16 ID:qfKDCV2o
├ー'´ 卅从jUハヽヾ、彡 !
(!人rrニ= ィ=ニゝヽヽ }
J i '工j_ 工T~ )ノ li;, ト ______
fi i 彳 リ ハ.} /
L i 〈 、 iWjj!' / | 父上……
ヽl _ .,,,,,_ / r'´ <
八 = 人从 リリ | できれば降伏してください。
\ / / Y'´ _ \
_>i… '´ r┬'' ̄ ̄ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
f干 __.」_,,,,,....,_| | _ ヽ_
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノノ,/;;;;/ノ;;/;ノノハノハw;;;:::::';
!;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ,ノノイノハノノノイノヽ、ノハ;;;::::!
l;;;;;;;;r'ヽ;;;;! -─ノノ-ノ '´─-ヽ;;:;:;:::/ ……よくきてくれたね。
ハ;;;;;!リ〉リ' r-rェァ'` ,rェッ !;;;;:ソ
,リ;;;;;;), ヽ l /;:ノ いや、実は私も降参しようと思っていたんだ。
,/)ぃ,l:リ l ,_」 / 徳川がこんな大軍で来るとは思っていなかったからね。
_,.、-‐! ヾ:!、Y ___ /`ー -、_ だが城を明け渡して降参するにも時間がかかる。
_,.、-‐' ̄''ー- 、 l \ ヽ ー /`ー-、_ i`ヽ、_少し時間をくれないか……
``ヽ、_,.、-ー-‐'ヾ 〔《l \ \ / \ `ー-,l ';
ヽ、 ヽ r'、 `ー‐',i ,r-‐'゙} l! !
.ヽ、 `、 /.、 \ / 〉\/ / ,}
692 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 00:55:11.10 ID:qfKDCV2o
゙ト、__,ニ-ァ"/ ,イ,ク グハハNハ リ i, ソ
/';';';';' ,ノ,ノノイ∠幺ダ 'ェェ=キレ|l;, ;レ゙
| ;;;'' ='イ ''"'〒テ~`' .i 'Tフ` ,!''ソ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ、 ;;''イ `¨´ !: | ト .| !!(そうか……父上は……)
ネ ;;'' ヒ , _. 〉 ,|イ,リ | ……わかりました。
| ;;い ,i゙,ナ゙ 人______________
ヾミ iト、 ー''二 ̄ ./ツ
)ぃ,l リ ヽ、 /ト-:、
,, -'^;;ゝ|ヽ `''ー、___,,ノ_」'''ァ ゙i,
昌幸はこの時、髪を切り、頭を丸め、信幸や本多忠政に詫びたという。
そして、降伏すると言ったのだが、いつまで経ってもその兆しは見えず、
むしろ上田城は篭城の様子さえ見せ始めた。
701 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:08:17.81 ID:qfKDCV2o
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/U (○) (○)ヽ
.| ⊂⊃(__人__)⊂| だ、騙したな、卑怯者!!
| ( < |
ヽ `-' / キーッ! 許せない!!
/ ヽ ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
/ . : :: ::;:::::::::::::::: : ト r、.,.、
{ : : ;;、厶ヘヘ;;、、;: : ゙! ゙! ゙i、 >:、
ラ _;「´セT' f゙セト ):: { ゙! !i-タ┐ ははは……
,r‐ ゙! l、'; ; !、 Tフ:;!.._ r‐、 l, <,.イ| 時間をどうもありがとう。
/ ゙!;:::゙! ,ニ、 /゙:;( ヽ ヽ.`ー'、、 ' { おかげさまで、こちらの準備は整った。
/ ,〉::l゙ 、 `ー' ,:'}:::{ ', `ヽ、 ! ,、 >、
,' ,」∧ヽ_`ー‐''゙_ノi::::ト、_ _',__ `Fニノ゙.::..`、 寄り道ついでに上田城を落としてはどうかな?
_l__,,.、-''"...:::::`'| i_| i」 l/::lコ:.`ー""ニ':, ̄`゙';:::::::::::::::..`、
,r''" .....::. ...::::::::::::!、 ノ ,|::::::::;' .::::::::::::::::::::::::::::';:::::::::::::::::..゙:、
/ .::::::::::::::::::::::::::::::_:;;:二ニニ,::::,=、:::::::::::::::::::::::::::::::';::::::::::::::::::. ゙:、
,' :::::::::::::::::::;、-ニ"`ュ_ _,.、-'゙l, }-{ ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.゙i
,' :. ::::::::::::::/,: -'ニニァ' ̄ _,..l,リ | ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/
/ ::: ::::::_;:/ ' ,、<- ''::"::::::::::{ /::::::::::::::::;r──t─-- 、、;;;:、'゙
/ ::::_;、-''゙.:::!、_ /.:::::::::::::::::::::::::::::レ'゙:::::::::::::::;'/ ',
,/ -''"....:::::::::::::.. ;'::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;'.;' ',
真田昌幸はその後、秀忠の軍4万の正面に、わずか50余りの兵を連れて現れた。
704 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:10:33.10 ID:qfKDCV2o
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\ あ、あれっぽちの兵数で……
/U (○) (○)ヽ ば、ばかにしやがって!!
.| ⊂⊃(__人__)⊂|
| ( < | 攻めろ! 真田を攻めるんだ!
ヽ `-' /
/ ヽ ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
_,.-¬‐-.__
,イヽ、_/´, ,.,,., ̄L
r'ィヘ ,-!し{,イ〃,./ l
/ ,. ハ L| | Tァ^り川
//ム',.ィ f| ` (イノワ こ、この状態で戦うというの……?
,.-'´/ , _,.〈| ト、_.ン`¨´
,.-'´ , '/ /'^ヽ. ', Lヽ_ |
/ {. ハ l、 ', 1',¬. |
/ / ヽ! ト- ニ、 ヽ. l | `ー''フ
. / ,. / / / `ヽ、l lン‐ '
. ,′// ,/ ,/、 __.ヽレ ヽ
| ./ / / / __ _'ュ ィ.、ヽ ヽ
もちろん、これは昌幸の策略だった。
昌幸勢はうまく秀忠軍をひきつけつつ逃げた。
そして秀忠軍は真田勢に上田城の近くまでおびき寄せられると、
散々に石や弓、鉄砲で攻撃されてしまった。
705 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:11:35.87 ID:qfKDCV2o
_.. ..‐::´/
_/::::::::::::/
_/:::::::::::::/ ____
,..::::´::::::::::::::::::::: ̄:::::::::::._/
/:::::::::::::::::| ヽ、:::::;::::::::::::/ 秀忠様、やべえぞ!
/:::::::::::::::::::::|´|ヽ |/_:::.::/ これは昌幸の罠だ!
_ .. -─':::::::::::::::、::|`' , u.!::∠ 逃げるんだ……!!
`'' ‐-.._:::::::;-‐、`(○) (○) |::::`::-、
=ニ二::::::::::::::::|6 \___/、| -──` ……!!
‐=.二;;;;;`‐t \/ ノ
__ | : : : : : /
,. :'"-─‐-、ヾー、 │ .: : : : :/
//'¨´ ̄、 \〉 V ヽ | .: : : : :/
/// /l ヽ ヽ .l} ドマハ | . : : : /
<ク,゙ 〈.:l | \ };.ィ:| |__X ! | , .: : :.:/ S(信濃を)
ノ7{:\\ヽ\X,ィc、| }|ヘヘ>| | 、゙.: : :./ O(おおいに盛り上げるための)
,<」| トYトがヽ `ヒュリ1 |l)」 :i } |. .: : :/ S(真田信繁の)
,'│ト、| ハ ゞ' ,  ̄ ゙! |:.:.| |!| j ゙ .: : / 団
{ |.:|.:.:|:.人 く ノ / .::j:.: | |リ !ー-::7ア
ヽ.j ト、{:.:.{{:>.、_,. イ .:.:/!:.:j|:. | ム:::::.7´ 参
`リ _,レ弌‐千} //テ=くj:丿 ム.::::7 上
_/´}〃 厂\/ /´-ァ 辷z=、 ム.:::7 !
,ィ=メ′ V:ll / / /ィニう /,.r=ハ/`'ム.:::7
〈√\\/〃/ / / ,.彳/ //{⌒{ r厶.::_7_\
/-─-ヽ┴‐'─‐'´ _ノ ::|/〃/ \ }ーj} }:_:_ソ´ }
/ _,,.. -‐ァ´/ :〈〃/ /´ ̄`rく__ ..ノ
`ー‐--─¬''"l| //:.. !人く l| 丿
708 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:14:32.53 ID:qfKDCV2o
--┬-- 、
/ ,r=== z、 \ ィ ⌒ ヽ
∠ // ! i ヽ | l、 ヽ / { }
<ィ l ! ム !ヽ,X | |」> ! / 弋 ノ
| 〃!イテ!\l イチ} ! |ハ>|. / ,, ¨" 全員突撃!
! ∨レ`´ . `´│!j !│ / ,, '"
| jヾ\ ^ ! | Nリ , --、./ ,, '"
レ!N ヽレ>- ィ ノノリ.ニ=-‐'∪/, ― "
レリ^/ r',イ/ 〈 { <と_ノ
/l|{ニミz//// ! ヾヽ.. -‐¨~
/ |||l / // / \ヾソ
/ ,' \
/ ! / / , , } ヽ ヽ
,' │ {, 'i ィレ'レ| ハ ハ ! ハ
,イ | |‐‐‐-、 レ' _ム__!_i/ ! }
~ レ、 i ,ィ≠、 ___ }ノノ}ノ
N,ヘ V:rソ {!::jテ// ……根津ビーム。
` レヽ ! ̄ ' └' //
`ヘ |>、 ‐ , イ/
,∨- ≧ー≦´W
|:|!:.:.:.:.:!:.:.|:/ !:.:|:.:l:.:.:._l:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.||:.:.:ノ|
|ハ:.:.:.:.:|:.:.|'| ̄ !:.:ト、\:.:.:.|l`ヽ|:.:.:|:.:/l:/ハ
l! ヽ:.:.:.l:.:.l:| ヽl ヽ=≠-、:.l|:.:.:|//彡/:|\ HEY! I AM NINJA!!
\:|:.:.|=-‐ トしrハ|:.:ノ|/! |´|:.:|:.:.:ヽ
i`:.l , ー‐' ,':.:.:.:トノ:!:.:l:.:|:.|:.l!| KAMIKAZE PUNCHING!!
|:ノ:.\iヽ ー‐ /:.:.:.:/:|:.:.:.|:.:|:.:lソレ'
//:.:.:.l「| ト、__,.. ィ/:.:.:.:斗-!:.:.:|:.:.:.:.ヽ
/:.:/:.:.:./l/ ノ,へ ! /:.:./ \l:.:.:.:.:.:.',
713 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:16:16.99 ID:qfKDCV2o
'´| V '__ヽ. ト\、_',| ',|
| l. ,| | __ \゙、ヽ.__ヽl. ト.|
lハlヘ|´ ` ヽ´ ``〉,^! | ! ふんもっふ!!
l\l| | //ィ N
| ハ ヽ __ /ハ/ `
'′lハn\ `ニ´/! !
_,.-' /ヽ ` - ´ ,ハ\
!::::_」:::::::::! ..,,_`ヽ、_,. ,リ ´ _,..,_ !::::::::ハj
!/f r.|::::::::! 弋エノ` `'ィニ二_ /:::::::::!
k.ヤ!:::::::! ゞzソ,. /::::∧::|
|∧`Y::リ i //|/ ヾ お、オレもやるのか……
!Tヾ u. j //ノ
ヤ. ヽ. , ‐-、,__ ,.イ:/ ……オレの必殺技ってなんだろうな……?
r<´|. \ 弋,__,/ / |/
! `丶、. \ ー /
_/ `'-、. `'ー-r<´
真田昌幸の策略と、信繁の戦いぶりにより、秀忠軍はさんざんにやられてしまった。
昌幸たちの能力もさることながら、地形を熟知している真田勢のほうが、有利でもあった。
722 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:18:37.93 ID:qfKDCV2o
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/ U (○) (○)ヽ な、なんてことだ……!!
.| ⊂⊃(__人__)⊂|
| ` ⌒´ |
ヽ /
/ ヽ ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
i" ,/ / ,〃i/ い、 \ いN
/ ,/ ,/ノ / ,ノノハ ト,、 ミ`'ー Vリ
| レ' _,,、ァチ-ーヒヽ| ゞヒs、ミヽ i
ハ rヘ ア' <モテ;; i' zッ、`i ソ 信繁もなかなかやるね。
゙Yf i゙ |ト :i `` イ, ノ
いヽ ゙!, ,_ ;、 ,タ"
`i, `r、 ..__`_ ,リ
ク',ヘ ゙:、 `''ー‐'´ /゙
イ,ヘ ゝ\.  ̄ /
f ̄`''ー─--ミ''-、,,_,,イ!‐-、、,,_
,/ ゙i,⌒ヽz¬"゙ヽ i
秀忠軍はその後、9月10日まで真田勢と戦闘をしたが、
大きな結果を出すことができなかった。
秀忠軍はやむなく、上田城攻略を断念。美濃に向かう。
しかし途中の悪天候、中山道の狭さ、豪雨による河川の氾濫などに、
進軍を阻まれ、行軍は大きく遅れてしまった。
729 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:20:40.60 ID:qfKDCV2o
/ .ト ハ l | l. ', ト.
. / i | lニ'^´ヽ | ト. 1 .| | 〉
| | | | | l | |l. |」.斗|ー | ! / 〉 こ、こんなことになるなんて……!
| | | | | | 」斗ヒ] ヒ_ jハ. ! リ、 ,ハ
| 、´l ̄j.ニト ´ ヘ´r‐、 iンL.ル | Y | ', 真田昌幸……信繁……
ヽ!、 |ヽゝfVrt.', うッソ|. レ | ', 許せない……!
ー\|ヽ. 込}  ̄ | l l ト. ',
| ', ' | | | l | ヽ ', ……必ず、私の手で殺してやるわ……!
| ヽ - ,. |,'! ,′′ ! ヽ
|| `ト,、._ / | ./ ,′ |\
、ト. ハ.| l/ ヽ ´ .ノイ |/ .|ァー-
ハ | ∨ // , イノ /| . -
735 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:22:13.44 ID:qfKDCV2o
/:::::::::::| ノ__ \ / __ ゝ i::::::::::ヽ
i:::::::::::::! /¨⌒¨\ /¨⌒¨\ {:::::::::::::',
,':::::::::::/ ___ \::::.. .::/__ ヽ::::::::::::i
/::::::::::::| / r‐、_ヽ`ヽ く ∠ r‐、 `ヽ |::::::::::::',
,'::::::::::::::| `ー┷'´ / /:i \.`┷┴--' |::::::::::::::', さすがは真田殿だ!
/::::;-‐-、ゝ i / ノ::::l \::::::::::... |::::;‐-、:::',
,'::::/ `ヽ ! / .::::::: ヽ \:::::::.. |:/ r 、ヽ:::i
/::::| ⌒)) l l ___ `ヽ:::.. ノ _ L!/ i !::::', 近江の大津城は立花殿に任せておけば
,':::::::ト、 l l r',.::____________ヽ ら i |::::::i 安心だし……
/::::::::::::\`ヽ ヽTL___________// ノ / ./:::::::|
!:::::::::::::::::::\' ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ / -'/:::::::::::! これで東軍に対してゆっくり作戦を練られる!
!::::::::::::::::::::::::`-、 ハ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ 人/:::::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::::::::::i ハ:::;-――--――-、::/ /::::::::::::::::::::::::::::!
\::::::::::::::::::::::::::::| Y: : : : : : : : : : : : : Y ./::::::::::::::::::::::::::::/
ヽ::::::::::::::::::::::::ヽ i :、: : : : : : : : : : : / /::::::::::::::::::::::::::::/
\::::::::::::::::::::::ト、 \`ー‐---―/ ィ::::::::::::::::::::::::::::/
真田昌幸の奮戦と、秀忠勢の遅刻は三成にとって朗報だった。
この頃、立花宗茂は東軍の大津城を攻めており、三成と共にはいなかった。
だが、宗茂のおかげで三成は背後を気にする事なく目前の東軍に集中することができた。
三成は、まだこの時、既に尾張にまで進軍しているやる夫のことを知らなかった。
739 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:24:26.78 ID:qfKDCV2o
その頃、やる夫。
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚((●)) ((●))゚o \ 秀忠のやつは何をやっているんだお……
| (__人__) | 秀忠が来ないと数では不利だお……
\ ` ⌒´ / せっかくここまでうまくきたのに……!
744 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:26:21.89 ID:qfKDCV2o
ヽ \ , -┬┬、/. /
\ 7 ヽ ヽ_∨
ヽ l . 二 --`ゝ 殿様、もう待てません。
/ゝ' _.. '-'´ ・ ・ ヽヽ ただでさえ福島殿など、
j-'´ | = _人 ~ l 〉 東軍の諸大名は一ヶ月近く
/ ̄ ̄l ノ´ 美濃で敵と対陣しています。
/ ̄ ̄~| _.. ィ‐┐ みんな、まだかまだかと待っています。
ゝ──'>ー<二○'´i ̄
`ー┐ l これ以上待たせるわけにはいきません。
_」 つ
ゝ───…  ̄
/ ̄\
| | __
\_/ 〈〈〈〈 ヽ
| 〈⊃ ノ いや、直政、オレの考えは違うぜ!
/ ̄ ̄\ i| | オレはやはり秀忠様を待つべきだと思う!
/ :::\:::/::::i l ! 戦いは数だよ、殿様!
/ < ●>::<●>\" /
| (__人__) / 秀忠様の軍勢が合流すれば勝利は確実だ!
| !!il|!|!l| / それに吉川と小早川の内応だって、
\::::::;:::.... ェェェ _/ 東軍の数が少なければどうなるかわからんぜ!?
/ _ ̄"" /
(___) ./
753 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:28:39.27 ID:qfKDCV2o
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;)
/ U (─) (─ /;;/ …………ううん……
| (__人__) l;;,´
/ ∩ ノ)━・'/
( \ / _ノ´.| |
.\ " /__| |
\ /___
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;) ……時間が経てば、確かにこちらの数は増える……
/ (●) (● /;;/ でも、あまり待ちすぎると、大津城の立花宗茂が
| (__人__) l;;,´ 西軍本隊に合流するかもしれんお。宗茂は侮れないお。
/ ∩ ノ)━・'/
( \ / _ノ´.| | それに大坂城の毛利輝元自身が来るかもしれないお。
.\ " /__| | 輝元が来れば西軍の指揮は統一され、士気も上がる……
\ /___ 内応を約束している吉川と小早川もどうなるか……
事実、石田三成は大坂城の毛利輝元に出馬要請の使者を出している。
だが、この使者は大坂に到着できず、輝元に要請は届かなかったという。
756 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:30:32.80 ID:qfKDCV2o
____
/\ /\
/( ●) (●)\ ……よし、ここは戦うお!
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ 直政の意見を採用だお。
| |r┬-| | 出陣だお。美濃に進軍し、福島正則たちと合流するお!
\ ` ー'´ /
767 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:32:21.57 ID:qfKDCV2o
l ヽ _ィ―‐t-v_' /
' , Y´ \_ヽ_く
ソー' /´ __二ニ>
l_ィ┴' ̄・ .・ ヾヽ 殿様、ありがとうございます。
/___l ニ 人 ニ i _l
/ー―l _ノ´
`ー--ト―ャー―''フl´
/ 、`,'a''´ ノ
( ヾミ )
`ーャ二ノー''´
/ ̄\
| |
\_/
|
/  ̄  ̄ \ 解った。殿様の判断なら従うまでだぜ!
/ ::\:::/:: \
/ .<●>::::::<●> \ よし、戦の準備だ!
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
/,,― -ー 、 , -‐ 、
( , -‐ '" )
`;ー" ` ー-ー -ー'
やる夫軍は尾張を出発し、進軍。9月14日、美濃の岡山に着陣した。
772 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:34:49.93 ID:qfKDCV2o
,.イ
/ !
/ |
ヾー―――‐―'´ / なっ……やる夫が来たあ!?
\ /、
/\_______, イ:::: \ 本当か!?
/ ::::::::::,. -┴‐―┴――ヽ 物見は何をしていたんだ!
/___∠__________,ゝ
/――l、 ° > ~ < ° ハ-ヘ
/――‐ト`ー‐'´ ・ `ー‐´ メ--ヘ
/___|、 ー'^ー ∠_く ̄>
l ̄l/ヽ>―‐‐rrr‐<`ーrr‐'⌒)
,(__)ヽ/二 . , ニニヾー―‐'´
. |酒 | l l `Y´ l l 〉
l____」ー‐――し――一'
島左近をはじめとする西軍は、やる夫はまだ美濃には来ないと読んでいた。
そして、情報戦でも後手に回った。
やる夫軍が美濃に到着して、
やっとやる夫本人が出陣してきたことに気付いたのだった。
やる夫軍の突然の美濃出現(に、西軍には見えた)……
西軍の諸大名は、動揺した。
777 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:36:31.18 ID:qfKDCV2o
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l | むう……
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ 上杉家もやはり苦しいか。
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ できればやる夫本隊を
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ', 関東にひきつけておいてほしかったが……
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ',
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ
ゝ- 、_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r 、;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ、/ `‐,
ノ `ヽ 、、;;;;;;;\ / !
〉 `ーヽく r }
780 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:38:28.82 ID:qfKDCV2o
、_,.-'='`'ーヾ、
r` iィ
く /´ 最上勢、全員……
'イ, /ク 蹴散らしてしまっても構わんのだろう?
〉;'^ニイ,/
_i´tr─/:`: ̄;'〃'ー;rー.、
,..‐'´/‐''二|: : : : :;i/' : :/ ; : : : :ヽ
,..- '´: : : :{イ!トヽ| : : : : l!: : /: :i: : : : : :l
/:!: : : : : : :;!';;||;;;;;;!、: : : ;!::::;i;:::.ヽ;:.: : :;/
〈: :i; : !: : :./;;;;;;!i;;;;;;;ヽ、: : : :::::ヽ;:::..`: : : 'i,
i: : ヾ;:i;::::/;;;;;;;;/;ヽ:;;;;;;>、: :.:::::::'i;::::...: : : :.ヽ
,|: : ::::ヾ:;:|ヾ=イ{;;;;\<;;`ーヾ、::::::.!:::::...: : :!::::|
/: ::::::::::::;ハ!;;ン;;;ヾi;;;;;;;;゙ii;;;;;;;;:/';イヽ;::..: : :ヽ::|
/'i:.:::::::::::;/ ヽ、;;;;;}i;;;;;;;;;;}l;;;;;;!!;;;;;;;| ヽ::.: : :ヾヾ
直江 兼続
{ { ..,,_ ヽ
. ノ ,'゙'、ヾ、レ‐---、ヾ゙)ノ) -、 ゙,
/ { ,、-:::::.. :. :::ツ ノ ゙、゙'、 } 直江兼続が来たか……!
," _!,,ソ:::::::::::::::.. :. :::::ノ{ } } ノ
{ r'':::::::::r-、;_:::::::: :. :/ ゙'‐-、, }.ノ { 軍勢の人数の差が、
゙、 { ::::::::;' `''ー-‐'" ノ リ ゙ヽ 戦力の決定的な差ではないことを
. ゙'‐-、 ゙'、 ::::/ 、,クノハ } 教えてやる!
゙'‐`'{'゙iヽ、' __,,,.、 ,.,.,.,,,_/_ハ {
`'ヽ r,"-''" | ┌ー-゙-ニっ ヽ、
{ヽ r" | .| } ト) ヒ`ゝ
`~}ヽ /.| | -‐" ヽ、 マ
l'''ニニニニ{、、,゙'、.,__-‐" | | ヽ'
最上 義光
上杉家は伊達、最上、結城の三大名に包囲されていたが、
このうち、最上義光が密かに上杉領を攻撃しようとした。
上杉家はこれを知って怒り、上杉家の重臣、直江兼続が、
25000人の軍勢を率いて最上領に侵攻した。
対する最上勢は7000程度の数しか、兵はいなかったが……。
この東北の一連の戦いを慶長出羽合戦という。
この戦いは、関が原の戦いの後まで続く。
よって、この合戦の話は次回に持ち越すことにする。
785 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:40:30.47 ID:qfKDCV2o
,ィ __
,. / |´ ̄`ヽー- 、 ト、 , -‐、/./.- 、
/ | | ヽ l l ( 家◇徳 ノ
/o ̄`ハ._.ゝ===┴=く.ノ- 、 ノ ◇ ◇ ( 三成の本拠、佐和山城を落とし、
/o O / l´ ⌒ ⌒ lo ',ヽ ( 康◇ 川 } その後、大坂城を攻めるお。
\___/. ト、( ●) (●) ハ ∧ `⌒/7へ‐´
/ ,イ レ::::⌒(__人__)⌒l~T--‐彡 /./
/ ̄ ̄l. 彡、 |r┬-| ノ'l l::::::::::彡ー7⌒つ、
彡:::::::::::l ト、__ `ー' /| l::::::::::::ミ {,_.イニノ
彡ソ/ノハ ト、 \ / ,イ 川ハ ヾー‐'^┴
9月14日、やる夫は東軍の今後の行動を決定させた。
更に、吉川広家、小早川秀秋に書状を送り、内通を確実な約束とした。
そんな時……
792 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:42:25.42 ID:qfKDCV2o
,.イ
/ !
/ |
ヾー―――‐―'´ / 島左近参上!
\ /、
/\_______, イ:::: \ 死にたい奴からかかってこい!!
/ ::::::::::,. -┴‐―┴――ヽ
/___∠__________,ゝ
/――l、 ° > ~ < ° ハ-ヘ
/――‐ト`ー‐'´ ・ `ー‐´ メ--ヘ
/___|、 ー'^ー ∠_く ̄>
l ̄l/ヽ>―‐‐rrr‐<`ーrr‐'⌒)
,(__)ヽ/二 . , ニニヾー―‐'´
. |酒 | l l `Y´ l l 〉
l____」ー‐――し――一'
__
. , イ, ''" ,∠-‐ '',Z.._
/ ′ ′ ∠__
. /l/ ′,∠,
/ ,.、 /
. ト' ,.へ.__, ‐'´ ヽ '7 そうそうお前の思惑通りに
l 、/ u | _,⊥ / 世の中はまわらねえっ……
|`テニ'_┐ iir _',ニ-‐''1 'ィ
. ! l=。ミ′‘≦。= = r',.-、 /
! l` ‐;Z..__゙ ーr '´v|.|^!.| ,/ なぁ……徳川やる夫っ……!!
ヽl/ __-, u l ij |ノ_'ノ /
゙T ───- ヽ∧ ∧
,/! ‐一 /. ヽ ∧ ヽ._
,, -‐''7 /.! v V. \∧ ヽ. ヽ
/ / └;┬──' ,.くト、ヽ i |
i i i l |>、 ,.く.>'l. l. | | |
明石 全登
東軍の陣所の近くを、島左近が挑発の意味で、わずかな手勢で放火した。
東軍の一部はこの挑発の乗り、左近を追った。
その一部の東軍を、西軍の宇喜多秀家家臣、明石全登の隊が攻撃した。
この一戦で状況が大きく変わる、ということはなかったが、
突然のやる夫の登場に動揺していた西軍は、この左近の行動で、
気がひきしまり、士気が回復した(杭瀬川の戦い)。
800 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:45:34.85 ID:qfKDCV2o
,.-' ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| \ \
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::| \ ヽ
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l SAKON!
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l | よくやったぞ!!
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l |
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ ……やる夫は私の佐和山、
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ', そして大坂を攻めるつもりらしい。
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ', これは阻止しなければならない。
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′ よし、関が原で東軍を食い止めるぞ!
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、 出陣だ!!
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ
812 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:49:16.51 ID:qfKDCV2o
三三三三三三 ミ 三三三三
三三三三三三 ミ 三三三三三三
三三三三三三 ミ _ 三三三三三三
三三三三三三 〔|ミlm|___,Θ三三三三三
三三三三./ ,)-__二二-―-´lミ ミミミミミ彡
三三三 /,,/ ̄ ̄ ̄) .、テ‐,- ヽミ/~ヽミミ彡
三三三 /,,,/ (,,ヽ/ i ~`` ヽミ lSl |ミミミ彡
三三 /^ヽヽノ lヽ) _ ` | _/彡ミ彡<…………やれやれだぜ……
三 / \ ソ. / }‐- 、 l ヽ彡ミミ
三 l、 \ )( ノ ノ⌒ / | ヽミミ \
三 l\ソ、 _/ ヽ__ _ / | /三三\
三 \ _/i |‐、三三三三\ / /三三三
三三lミ / (三三三三三. ) ∩ /三三三
三∠|ミ/ / .|三三三三l ̄ ̄l l ̄三三三
三成は関が原で東軍を食い止めることに決定。軍を動かした。
しかし、島津義弘は、やる夫の本陣に夜襲をかけることを主張しており、
その主張を三成があっさりと却下したため、腹を立ててしまった。
また、総大将である毛利家にも相談することなくこれを決定してしまったため、
西軍のまとまりは悪くなってしまった。
……とにもかくにも、西軍は関が原に向かった。旧暦9月14日午後7時のことである。
819 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:51:30.13 ID:qfKDCV2o
___,,,,,..... -一ァ
/ ̄ ´ ., -──--、,!
. / ./ で ,!
/ _ .i っ だ ,!
/ / ` v ―i て が ,!
. // ..―、 :i;:. ヽ い ,!
/:/´ @ ヽ;;ッ― 、.〉 う.__,.,!
/:::| :i! @/,イ~', ,!
/:-ヾ、 ハ " };; 'i ,!
. /: ''"⌒''‐"ヾ rヽ、 ノ;;. `ヽ,!
/ヽ. ''゙⌒ ''‐''; ,!
/‐ i::: .:,. .: ,:' ,!
/: :ノ、::: .::/~ ;; ,!
/ : : : i~``―-、_ ..::::i ―.;;ヾ,!
/: : : : f__ _ ~―┬ヾ ;; },!
ヽ、: : :{ `ヾ,._,,..,,.._ ! .;; ,!
``ヽ.、_ ,:'' / .;; ,!
``ヽ.、.. ノ ,:'' ,!
``ヾ、 ノ,!
``ヽ,!
そしてこの時、三成は小早川秀秋に、
ノロシを合図に東軍を攻めることを伝え、秀秋は了承した。
既に東軍に内応を約束していることも知らずに……
……西軍が関が原に布陣を完了させたのは、
旧暦9月15日午前5時のことである。
833 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:55:38.02 ID:qfKDCV2o
,ィ __
,. / |´ ̄`ヽー- 、 ト、 , -‐、/./.- 、
/ | | ヽ l l ( 家◇徳 ノ
/o ̄`ハ._.ゝ===┴=く.ノ- 、 ノ ◇ ◇ ( 三成が動いたかお……
/o O / l´ ⌒ ⌒ lo ',ヽ ( 康◇ 川 } 関が原……
\___/. ト、( ●) (●) ハ ∧ `⌒/7へ‐´
/ ,イ レ::::⌒(__人__)⌒l~T--‐彡 /./ 野戦なら負けないお!
/ ̄ ̄l. 彡、 |r┬-| ノ'l l::::::::::彡ー7⌒つ、
彡:::::::::::l ト、__ `ー' /| l::::::::::::ミ {,_.イニノ
彡ソ/ノハ ト、 \ / ,イ 川ハ ヾー‐'^┴
やる夫もその西軍の動きを知り、東軍を関が原へと向かわせた。
……東軍が関が原に布陣を完了させたのは、
旧暦9月15日午前6時のことである。
840 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 01:58:07.47 ID:qfKDCV2o
..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;.
゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'"
;;;;;;;.. ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;
-‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'"
.;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;
.;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;.
.;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;
_,,.-ー''''"゙゙`゙''ー-、,,,,-‐'゛:、丶、 ,,,,.,.、;;. .;;;;;. .;;;;;.
,,,,-‐'゛:::....::::::........ . :::~゙"'ー- _,,.--ー''''''"゙゙: ;: ;: ``'‐.、_,,.;:--''"´`丶、
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;: ;: ; ::; ゙''、,,:::::::::::::::::::::::``'‐.、
;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,'::''"'"~''``'‐.、::::::::::::::::
゙''、,,_;: ;: ; ::; : ;:: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:::;_,,''''''"゙゙.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:::::::::;;.:;,~゙"'゙"'''''--
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;゙''、,,_,`:;,':,:;.,:;.:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,:: :;
関が原……
日本列島のほぼ中央に位置するこの場所で、西軍と東軍が布陣し、
にらみ合い、天下分け目の戦いの開始を、今か今かと待っていた。
この関が原で、天下を二つに分けるような戦いが起こったのは二度目だった。
約950年前、大友皇子と大海人皇子の争った戦い、
いわゆる「壬申の乱」も、この関が原が舞台のひとつであった。
950年の時を経て、日本の運命が再び、この場所で決まる。
854 :1 ◆QznAE2I9mA[sage]:2008/08/29(金) 02:01:33.11 ID:qfKDCV2o
関が原に集結した武将達(物語に登場済みのキャラ)は以下の通りである。
,ィ __
,. / |´ ̄`ヽー- 、 ト、 , -‐、/./.- 、
/ | | ヽ l l ( 家◇徳 ノ
/o ̄`ハ._.ゝ===┴=く.ノ- 、 ノ ◇ ◇ (
/o O / l´ ⌒ ⌒ lo ',ヽ ( 康◇ 川 }
\___/. ト、( ●) (●) ハ ∧ `⌒/7へ‐´
/ ,イ レ::::⌒(__人__)⌒l~T--‐彡 /./
/ ̄ ̄l. 彡、 |r┬-| ノ'l l::::::::::彡ー7⌒つ、
彡:::::::::::l ト、__ `ー' /| l::::::::::::ミ {,_.イニノ
彡ソ/ノハ ト、 \ / ,イ 川ハ ヾー‐'^┴
【東軍】
徳川家康…………やる夫
本多忠勝…………オプーナ
井伊直政…………ひこにゃん(彦根城築城400年祭)
藤堂高虎…………カイン(ファイナルファンタジー4)
山内一豊…………上田次郎(トリック)
細川忠興…………山岡士郎(美味しんぼ)
福島正則…………野比のび太([
たぬき])
黒田長政…………牙琉響也(逆転裁判)
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l |
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ',
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ',
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
【西軍】
石田三成…………佐渡島方治(るろうに剣心)
小西行長…………亜内武文(逆転裁判)
大谷吉継…………志々雄真実(るろうに剣心)
宇喜多秀家………井川ひろゆき(天-天和通りの快男児)
安国寺恵瓊………利根川幸雄(賭博黙示録カイジ)
島津義弘…………空条承太郎(JoJoの奇妙な冒険)
島左近……………しまさこにゃん(ひこね「街の駅」戦国丸のマスコットキャラ)
長宗我部盛親……カツオ(サザエさん)
【西軍(内通軍)】
吉川広家……伊藤カイジ(賭博黙示録カイジ)
小早川秀秋………でっていう(元ネタ:スーパーマリオシリーズのヨッシー )
★避難所の方に製作していただいた関が原の諸大名配置図です。
863 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/29(金) 02:03:58.71 ID:qfKDCV2o
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l | 太閤殿下……
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l | 殿下が築き上げた豊臣の天下を、
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ やる夫に渡したりはしません!
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ', 殿下、見ていてください!
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ', 佐吉はやりますぞ……!!
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ
868 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/29(金) 02:05:50.08 ID:qfKDCV2o
____
/ \
/ ─ ─\ ついにここまできたんだお……
/U (ー) (ー) \ 信長殿の天下を簒奪し、織田信孝を殺した、
| (__人__) | 豊臣秀吉……あの男に敗北し、臣従し……
/ ∩ノ ⊃ / それでもこらえてきたのは、生き延びてきたのは、
( \ / _ノ | | いつかやってくるであろう、この日の為だったんだお。
.\ “ /__| |
\ /___ /
,ィ __
,. / |´ ̄`ヽー- 、 ト、 , -‐、/./.- 、
/ | | ヽ l l ( 家◇徳 ノ 元忠! ……瀬名、信康、数正!
/o ̄`ハ._.ゝ===┴=く.ノ- 、 ノ ◇ ◇ ( 忠次、半蔵、吉信……!
/o O / l´ ⌒ ⌒ lo ',ヽ ( 康◇ 川 }
\___/. ト、( ●) (●) ハ ∧ `⌒/7へ‐´ そして、そして、今までやる夫のために、
/ ,イ レ::::⌒(__人__)⌒l~T--‐彡 /./ 死んでいったみんなのために……!!
/ ̄ ̄l. 彡、 |r┬-| ノ'l l::::::::::彡ー7⌒つ、 やってやるお!!!
彡:::::::::::l ト、__ `ー' /| l::::::::::::ミ {,_.イニノ
彡ソ/ノハ ト、 \ / ,イ 川ハ ヾー‐'^┴
876 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/29(金) 02:07:46.26 ID:qfKDCV2o
..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;.
゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'"
;;;;;;;.. ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;
-‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'"
.;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;
.;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;.
.;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;
_,,.-ー''''"゙゙`゙''ー-、,,,,-‐'゛:、丶、 ,,,,.,.、;;. .;;;;;. .;;;;;.
,,,,-‐'゛:::....::::::........ . :::~゙"'ー- _,,.--ー''''''"゙゙: ;: ;: ``'‐.、_,,.;:--''"´`丶、
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;: ;: ; ::; ゙''、,,:::::::::::::::::::::::``'‐.、
;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,'::''"'"~''``'‐.、::::::::::::::::
゙''、,,_;: ;: ; ::; : ;:: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:::;_,,''''''"゙゙.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:::::::::;;.:;,~゙"'゙"'''''--
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;゙''、,,_,`:;,':,:;.,:;.:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,:: :;
その日、関が原は霧が濃かった。
お互いの様子はおろか、味方がどこにいるのかさえ、よく見えない。
徳川家康か、石田三成か。
豊臣秀吉亡き後の天下を、天はどちらの男に任せるのか。
まだ、誰も知る由はない。
……やがて、日が昇り、午前8時頃になると、霧も薄くなりはじめた。
それは、決戦の幕開けの、合図であった。
第24話「群雄、関が原へ」終わり
第25話「関が原の戦い」へ続く
34 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:17:52.09 ID:Im2A6zgo
第25話「関が原の戦い」
この物語は、東照大権現、徳川家康が天下を取るまでの、
苦難の物語である。
..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;.
゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'"
;;;;;;;.. ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;
-‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'"
.;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;
.;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;.
.;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;
_,,.-ー''''"゙゙`゙''ー-、,,,,-‐'゛:、丶、 ,,,,.,.、;;. .;;;;;. .;;;;;.
,,,,-‐'゛:::....::::::........ . :::~゙"'ー- _,,.--ー''''''"゙゙: ;: ;: ``'‐.、_,,.;:--''"´`丶、
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;: ;: ; ::; ゙''、,,:::::::::::::::::::::::``'‐.、
;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,'::''"'"~''``'‐.、::::::::::::::::
゙''、,,_;: ;: ; ::; : ;:: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:::;_,,''''''"゙゙.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:::::::::;;.:;,~゙"'゙"'''''--
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;゙''、,,_,`:;,':,:;.,:;.:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,:: :;
1600年9月15日午前8時、関が原の霧が晴れた。
東軍、西軍は共に睨み合っている……。
やる夫の本隊を中心とする東軍の多くは、桃配山と、その麓の平野に着陣。
そして、その桃配山を囲むように、西軍が陣を展開していた。
石田三成は笹尾山、宇喜多秀家は天満山、小早川秀秋は松尾山、
そして毛利秀元は南宮山……
西軍の主力部隊が、ぐるりと東軍を囲んでおり、普通に考えれば、
西軍は既に圧倒的に有利な状況であった。
39 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:20:01.58 ID:Im2A6zgo
r-、
r-, l l
| .| l l
l l l .l
l l / ./ 忠吉様……
l ヽ _ィ―‐t-v_' / 先鋒は福島正則です。
' , Y´ \_ヽ_く しかし、わざわざ一番槍を
ソー' /´ __二ニ> よそにあげることはありません。
l_ィ┴' ̄・ .・ ヾヽ
/___l ニ 人 ニ i _l 抜け駆けになりますが、
/ー―l _ノ´ 我々でまず攻撃しましょう。
`ー--ト―ャー―''フl´
/ 、`,'a''´ ノ
( ヾミ )
`ーャ二ノー''´
/ ̄ ̄\
/ .._ノ \
.. (●)(● ) l さすがは直政だ。
.. (__人__) |
|_` ⌒´ | よし、ぼくらでやろう。
/ |
/ |
| | |
.| | | |
.| し,,ノ |
!、 /
ヽ、 /
ヽ、 、 /
| | |
(__(__|
松平 忠吉(やる夫の4男)
忠吉はこの戦いが初陣だった。
忠吉の面倒を見るのは歴戦の勇者、井伊直政である。
これは、直政の娘が忠吉に嫁いでいるからであり、
二人は義理の親子だったからである。
井伊勢と忠吉勢は、先鋒の福島勢の横を物見と称してすりぬけ、
西軍の宇喜多秀家隊(島津隊の説有り)に向けて発砲した。
44 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:22:13.60 ID:Im2A6zgo
__ __
/ `´ -=`
/ ヽ
l /ヽ ヾ` !!
| ノレナメ |j-レリ トl
│fr|.代。ラ 〈。ラレ 撃たれたのかっ……!
│ゞ|| u 7 /
. | /\ ⊂ニ⊃/ 来たな……応戦しろっ、応戦しろっ……!!
-‐f´|/ \ /__
:::::|=| `i=|::::::::::::::
:::::|=|ヽ /|=|::::::::::::::
宇喜多 秀家
……井伊隊の発砲が、大決戦の幕開けであった。
宇喜多隊は井伊隊の攻撃に応戦し、鉄砲を撃ち放った。
それに応じて、福島正則の軍勢も、遅れるなとばかりに進撃。
……こうして、関が原は戦場となった。
50 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:24:26.05 ID:Im2A6zgo
___
ゝ/  ̄  ̄ \
/_______ヽ
\ | | , ─ _ヽ/_─ 、 | |
| |_| / o|o ヽ |_| | それ、ショックガン!
─ (^| | j/ | \| j |^) ─
(⌒ ` ─ ヘ ─ ´⌒) えい、空気砲!
\_/ ̄ ̄\_/ \
/ | | | | | | 撃て、無敵砲台!!
| | | |. | | | |
| | _|_|__(⌒v⌒)_.|_|_ | |.
| | ヽ、__ ̄ ̄ ̄_ノ
/▽▽\
| | | |
/⌒゙ ‐''"⌒ヽ、
/::;,,...:::..,,.;;::...,,,..;;:::ヽ
(:::::::/!::::;ノ !:::::::::::::::::} くそっ、福島正則め!
{:::ノム< >∠、:::::::/
r i:l O ) O .l:|,Y 太閤殿下のご恩を忘れて、
ヒl:|u ̄ ヽ v ̄v||シ よくもやる夫の手先になんか、
.(ヽ(⌒二⌒) /l なりさがって!!
wヽ、__, イw' __
_,,,... / | | T"" ̄__,,,iヽ こちらも押し出せっ!
, -‐'''ニニ --―/ i|\./| l"" ̄ i \
/ / / l:| ハ i| l l ヽ
/ / / !:ト/(Vl:| | _( ̄ ̄⌒) 、
福島隊6000と宇喜多隊17000が、ぶつかりあった。
58 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:26:49.79 ID:Im2A6zgo
/:::::::::::| ノ__ \ / __ ゝ i::::::::::ヽ
i:::::::::::::! /¨⌒¨\ /¨⌒¨\ {:::::::::::::',
,':::::::::::/ ___ \::::.. .::/__ ヽ::::::::::::i
/::::::::::::| / r‐、_ヽ`ヽ く ∠ r‐、 `ヽ |::::::::::::', 始まったか!
,'::::::::::::::| `ー┷'´ / /:i \.`┷┴--' |::::::::::::::',
/::::;-‐-、ゝ i / ノ::::l \::::::::::... |::::;‐-、:::',
,'::::/ `ヽ ! / .::::::: ヽ \:::::::.. |:/ r 、ヽ:::i よし、我々も出るぞ!
/::::| ⌒)) l l ___ `ヽ:::.. ノ _ L!/ i !::::',
,':::::::ト、 l l r',.::____________ヽ ら i |::::::i 大谷隊、小西隊、島津隊など、
/::::::::::::\`ヽ ヽTL___________// ノ / ./:::::::| 他の部隊にも連絡を!
!:::::::::::::::::::\' ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ / -'/:::::::::::!
!::::::::::::::::::::::::`-、 ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ 人/:::::::::::::::::| この場の東軍を揉み潰し、
|:::::::::::::::::::::::::::::::i ハ::;-――--――-、::/ /::::::::::::::::::::::::::::! 小早川、毛利と連携し、
\::::::::::::::::::::::::::::| Y: : : : : : : : : : : : : Y ./::::::::::::::::::::::::::::/ 一気にやる夫を倒してくれる!
ヽ::::::::::::::::::::::::ヽ i :、: : : : : : : : : : : / /::::::::::::::::::::::::::::/
\::::::::::::::::::::::ト、 \`ー‐---―/ ィ::::::::::::::::::::::::::::/
65 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:29:02.02 ID:Im2A6zgo
..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;.
゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'"
;;;;;;;.. ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;
-‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'"
.;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;
.;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;.
.;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;
_,,.-ー''''"゙゙`゙''ー-、,,,,-‐'゛:、丶、 ,,,,.,.、;;. .;;;;;. .;;;;;.
,,,,-‐'゛:::....::::::........ . :::~゙"'ー- _,,.--ー''''''"゙゙: ;: ;: ``'‐.、_,,.;:--''"´`丶、
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;: ;: ; ::; ゙''、,,:::::::::::::::::::::::``'‐.、
;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,'::''"'"~''``'‐.、::::::::::::::::
゙''、,,_;: ;: ; ::; : ;:: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:::;_,,''''''"゙゙.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:::::::::;;.:;,~゙"'゙"'''''--
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;゙''、,,_,`:;,':,:;.,:;.:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,:: :;
その頃、桃配山のやる夫は……。
,..-‐':" ̄::''::::..、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::`::.、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ::::::::\
/':/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::k\:::::ヽ
/::/i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘヽ:::::::i! 殿様、
,':::N l:::,:::fi::::::f|::i:::|ヽ:::::::::::::::::ヽ::::::::l 戦いが始まったようです。
i:::::l!::|:i!士从::! l,r|i'二辷:::::::::::::::::::::::|
|::|::li:('´{::}ン⌒ヽ_´{::}ン゙l:::::::::::::::::::::l
!:!::l::i  ̄  ̄ l:::::::::::::::::::::!
l:::::i::l ` ` !::::::::::::::::::::|
|:::::!::', -‐- ノリ::::::::::::::::::|
!:::;:::::\  ̄ ,.ィ´::::::::::::::il::l
,リハ::::::::::ヽ、 __ .....ィ::':::::!::::::::::::N l!゙
rリハ:::i ヾ:::::::::::::'''' |::::_:::f!|
ノ ' tNヽ ,':/ ヾ|
_,..-イ /"ヾ_ リ/iヘ ヽ
,r''''~ / _/ n | 厂 ' ソヽ.」ヽ
本多 正純
68 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:31:27.53 ID:Im2A6zgo
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;)
/ (─) (─ /;;/ ……そうかお。
| (__人__) l;;,´| はじまったかお。
/ ∩ ノ)━・'/
( \ / _ノ´.| | この年になって、こんな大きな戦いを
.\ " /__| | するとは思わなかったお……。
\ /___ / 息子がここにいれば、もう少し楽になるのに……。
,..-‐':" ̄::''::::..、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::`::.、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ::::::::\
/':/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::k\:::::ヽ
/::/i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘヽ:::::::i! 確かに、
,':::N l:::,:::fi::::::f|::i:::|ヽ:::::::::::::::::ヽ::::::::l 秀忠様が来ていれば、
i:::::l!::|:i!士从::! l,r|i'二辷:::::::::::::::::::::::| ずいぶんと楽になったでしょうね……。
|::|::li:('´{::}ン⌒ヽ_´{::}ン゙l:::::::::::::::::::::l
!:!::l::i  ̄  ̄ l:::::::::::::::::::::!
l:::::i::l ` ` !::::::::::::::::::::|
|:::::!::', -‐- ノリ::::::::::::::::::|
!:::;:::::\  ̄ ,.ィ´::::::::::::::il::l
,リハ::::::::::ヽ、 __ .....ィ::':::::!::::::::::::N l!゙
rリハ:::i ヾ:::::::::::::'''' |::::_:::f!|
ノ ' tNヽ ,':/ ヾ|
_,..-イ /"ヾ_ リ/iヘ ヽ
,r''''~ / _/ n | 厂 ' ソヽ.」ヽ
71 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:33:22.86 ID:Im2A6zgo
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;)
/ (●) (● /;;/ ……違うお。
| (__人__) l;;,´|
/ ∩ ノ)━・'/ 秀忠じゃなくて、信康のことだお……。
( \ / _ノ´.| |
.\ " /__| |
\ /___ /
やる夫も既に59歳である。当時の年齢感覚ならば、
既に隠居していてもおかしくない年であった。
事実、この関が原に集まっている武将達も、やる夫から見れば、
子供、へたをすれば孫のような年齢の者も多い。
80 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:36:17.96 ID:Im2A6zgo
____
/ \
/ ─ ─\ まぁ、愚痴を言っても仕方ないお。
/ (●) (●) \
| (__人__) | ……さて、戦場は……。
\ ` ⌒´ /
○……東軍(やる夫)
●……西軍(三成)
●●→ ←○○○○○○○○
●●→ ←○○○○○○○○
●●
●● ●●●●
●●●● ●●●●
関が原の戦いの布陣図については、前話の最後のほうでアップされた、
布陣図を見ていただくのが一番わかりやすい。
(見逃した方はまとめサイトさんにもアップされています)
すごく簡単に書いてしまえば、関が原の配置は以上のようになっており、
矢印があるところで、東西両軍がぶつかりあっている状態である。
そして左下のあたりに、内応軍の小早川秀秋、
右下にこれまた内応軍の吉川広家が布陣。
さらにその後ろには毛利秀元、長宗我部盛親らが布陣していた。
85 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:39:49.96 ID:Im2A6zgo
____
/ \
/ ─ ─ \ ……ま、簡単に言えば、東軍は、
/ (●) (●) \ 包囲されてしまっているってことだお。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
____
/⌒ ⌒\
/( >) (<)\ 秀忠が来なかったのは誤算だけど、
/:::::⌒(__人__)⌒::: \ 南西の小早川、南東の吉川は内応軍……動かないお。
| /| | | | | | まずは宇喜多、大谷、小西達の隊を蹴散らして、
\ (、`ー―'´, / その後、一気に三成を倒してやるお!
____
/_ノ ヽ_\ 関が原の平野部分にいる西軍は32000ほど……
/( >) (<)\ でも東軍は50000近くいるお。
/::::⌒(__人__)⌒:::: \ それに福島正則、黒田長政達、戦上手を配置しているお!
| |r┬-/ | これなら一気に西軍を踏み潰せるお!
\ ` ̄'´ /
89 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:42:00.89 ID:Im2A6zgo
____
/ ⌒ ⌒ \ チラッ
./( ―) ( ●) \
/::⌒(_人_)⌒::::: | さて、戦況はどうかなっとw
| ー .|
\ /
____
/::::::─三三─\
/:::::::: ( ○)三(○)\
|::::::::::::::::::::(__人__):::: |
\::::::::: |r┬-| /
ノ:::::::::::: `ー'´ \
96 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:44:17.10 ID:Im2A6zgo
, '"´ ̄ ̄ ̄ヽ` ` ヽ、
| /\ _ヽレ-_,.-‐ヽ_ ヽ. \
ヽ\|/__ニ=_‐:::::::ニ_-‐ヽ ヽ ヽ ヽ |
/>/ ,.rァ:;:::::;i:::::::、ヽ ヽ `、 ヽ | N
/li / / //!:/!|::|i:::| ヽ!`ヾ、 ‐-、 ',|'::l!:ノ,/
/ /. l/ l/ | !:| l::| | `ヽ、ヽ」::::::::∠_ シャアアアアッ!!
,/! ̄ ̄ ̄| ̄|! フi::ト|:|、 -‐─ァ:::::::::::、‐-`ヽ、
,. '// | .::: / ヾ! リ |`ヽ 、 /"//ハ〉:::::ヽ `ヽ
,. '´ /::/ .:| :: , ' .::. i::. |、ヽ|::r`、、/ 〃./:||::i、:ゝ\ どうした、それで終いか!?
/ /.::/ .::| : / .:: l:: |. `ヽ、ー゙゚ヘヽ_/ リ !/ i:|
∠_ / ::/ .:::| .: / ::: i:: ! ̄ ̄ ̄ ̄{゙! / |:!
ブ :/ .:.::::| .: / :::: !:: |::___ .」」 ノ ノ
∠__ 〈 .:.:::::| / ::: !ニー┘__`ー─-゙,
`ヽ、`ーァ-、:|. / :: i:::、``ヾl:::::ー-ニr─ '
/-ニ_ソ :: !:::. \ \:::;r‐'
,. -‐/ .::: `ー、‐-、_ : |/ヽ. \. /
/ ,∠__ :l``ヽ `ヽl. \__,ノ
/ / ,/  ̄``ー-、_| /
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l |
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ 用意していた大筒を前へ!
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ', よし、よく狙えよ……
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ',
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、 撃てええぇっ!!
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ
ゝ- 、_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r 、;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ、/ `‐,
大谷吉継の獅子奮迅の采配や、石田三成の用意していた大筒などにより、
関が原平野部の戦況は、やや西軍が有利に進んでいた。
98 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:46:11.77 ID:Im2A6zgo
____
/_ノ ヽ、_ \
o゚((●)) ((●))゚o な、何をやっているんだお!
/::::::⌒(__人__)⌒::::::\ 福島正則、黒田長政、細川忠興!
| |r┬-| | 攻めろ、攻めるんだお!
\ `ー'´ /
__,, -- ,,_
言われなくたって、こっちも必死だ! , -── `ヽ
それいけえっ! ┌‐'´''''''‐ 、 \ `、
!、 _,-、 i、 i`、
__ !`、. ,tjフ ̄', !/)、 ! ,'
r--、-、'´ ` 、__,- 、__. '、 rj‐-=、_ i ノ_ノ / !
_,>-┴'v‐' !:::i: : : :`: : : ‐-. . . ___ ヽ l_ _,,_ レ ! l l
r-‐ '´ _,,,,,,)、 ゝ____,イ.ノ:::!: : : : : : : : : : : : : : :` - _ _,,,,,,__ ` 、.'、'''´) /___.l !、_
ゝ-‐''´ゝ,-、)、 ,,-、___,-'__:.:!: : : : : : : : : : : : : : : : : : :`‐-----、''、´: : : ヽ`-、``" ./''´:::/ ', /';::::` ‐--
', ''、'´ ./,! !::!: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヾ ヾ: : : :'; : :\ ̄:::::::::::/ ', ';::::::i´
`‐--'--' `ー-- ___: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヾ ヾ: : : '; : '; ''''´7::::::ヽ- 、 ' ,i.';::::'、_
` ‐---- 、: : : : : : : : : : : : : ヾ: ヾ: i: : : '; : : `-、:::::\ ', (;::::::て
` ‐- 、_: : : : : : : : : :ヾ' ;i: : : : ' ; : : : ' ;::::::::\ >.';:/: :`┐
`──ヽ: : : : ヾ!: : : : : ' ; : : : ';:::::O::i-i:::',.',i : : :.iヽ
'; : : : :!: : : : : : : '; : : : ';::::::::| .|,、::','、: : :l: :i`,
黒田 長政
104 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:47:56.34 ID:Im2A6zgo
,.イ
/ !
/ |
ヾー―――‐―'´ /
\ /、
/\_______, イ:::: \ ぐわっ!!
/ ::::::::::,. -┴‐―┴――ヽ
/___∠__________,ゝ ううっ……やりやがったな……。
/――l、 ° > ~ < ° ハ-ヘ
/――‐ト`ー‐'´ ・ `ー‐´ メ--ヘ
/___|、 ー'^ー ∠_く ̄>
l ̄l/ヽ>―‐‐rrr‐<`ーrr‐'⌒)
,(__)ヽ/二 . , ニニヾー―‐'´
. |酒 | l l `Y´ l l 〉
l____」ー‐――し――一'
島 左近
黒田長政隊の攻撃により、島左近が負傷した。
112 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:49:37.92 ID:Im2A6zgo
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l |
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ 何っ!?
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i U / ', SAKONが!?
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ',
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
/`ヽ
∠l /_l/ _.l_l.|_
/`~l/'''' u '''ll'''l1/`
l /⌒|.| === ==.| なんだって、SAKONがっ……!
l | || 、゚__, / ゚__, ./
l ヽ、_|| ij 、、 `''7 .l
ヽl| / ヽ ′l
ヾ/ ヽ、 ⊂ニ⊃ /
// ;;;;ヽ、 ≡ /
-‐/-/ ;;;;;;; ヽ、 _,/
-‐|ー.|\ ;;;;/ l-lー-、、,,_
.l-l .\ / .l-l`"'''ー-
,.イイ
/二 ゙゙̄ヽ、
,.へ ー-、 )ヽ なんですと!?
__l___!__,.r===ァ'<ミミ SAKON殿がっ!??
| jハ、___ノ ヽミ}
`┬プ ゚ー、 ノ/))
i ヾ===、 } rノ ,._'フフ
,. ‐--、_ ゙、} /γ} } ィj,.-''"ノノ
,.r-=ニ二二ニ=ー---L`==',.-‐''" -'',-'
,.-''"  ̄! | _-'_ノ--っー--、-、
r' | |_ノ ,r‐''"~、 `i `!
島左近の負傷は、西軍の士気を下げる結果になった。
また、猛将左近の怪我により、三成隊の先鋒が次第に崩れだした。
124 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:51:49.44 ID:Im2A6zgo
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l | むう……これはまずい!
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ だが、ここで毛利隊や、
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i U / ', 小早川秀秋、島津義弘が動けば、
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ', 充分にまだ勝ち目はある!
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′ よし、他の軍にやる夫の本陣を攻めるように、
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、 ノロシをあげる準備をせよ!
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ } それと、島津殿に使者を出せ!
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、 とにかく、近くの島津隊を参加させなければ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ SAKONの負傷で落ちた西軍の士気を、
ゝ- 、_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r 、;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ、/ `‐, 回復させることはできない!
この時点で、西軍の部隊で戦っているのは、三成の隊の他、
宇喜多、小西、大谷の隊くらいのもので、他の隊はほとんど動いていなかった。
そのほとんどに、やる夫の手が伸びていたからだが……
130 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:54:01.97 ID:Im2A6zgo
三三三三三三 ミ 三三三三
三三三三三三 ミ 三三三三三三
三三三三三三 ミ _ 三三三三三三
三三三三三三 〔|ミlm|___,Θ三三三三三
三三三三./ ,)-__二二-―-´lミ ミミミミミ彡
三三三 /,,/ ̄ ̄ ̄) .、テ‐,- ヽミ/~ヽミミ彡
三三三 /,,,/ (,,ヽ/ i ~`` ヽミ lSl |ミミミ彡
三三 /^ヽヽノ lヽ) _ ` | _/彡ミ彡<やれやれだぜ・・・
三 / \ ソ. / }‐- 、 l ヽ彡ミミ
三 l、 \ )( ノ ノ⌒ / | ヽミミ \
三 l\ソ、 _/ ヽ__ _ / | /三三\
三 \ _/i |‐、三三三三\ / /三三三
三三lミ / (三三三三三. ) ∩ /三三三
三∠|ミ/ / .|三三三三l ̄ ̄l l ̄三三三
島津義弘の場合は、前話で触れたように、
提案した作戦を三成に退けられて以来、戦う気が無かった。
もともと東軍参加の予定だったので士気が低かったというのもあるが……
繰り返して言うが、西軍の総大将は本来、毛利輝元である。
輝元の代理として出馬してきている毛利秀元(輝元の養子)ならばともかく、
どうして大将でもなく、自分より戦いの実績がない三成に、
偉そうに命令を退けられなければならないのか……と、義弘は不満だったのだ。
結局、三成の参戦要請にも、義弘はウンと言わず、そっけなく追い返し、
島津軍は戦いに参加せず、傍観の立場を貫いた。
139 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:56:16.03 ID:Im2A6zgo
その頃のやる夫。
____
/ノ ヽ、_\
/( ○)}liil{(○)\ ムカつくお……!
/ (__人__) \ 島左近を負傷させたのはいいけれど、
| ヽ |!!il|!|!l| / | それで士気が落ちた西軍を、どうして踏み潰せないお!
\ |ェェェェ| /
ノ L____
⌒ \ / \ ……本陣を前に押し出すお!
/ (○) (○)\ 膠着状態を脱するために、
/ (__人__) \ そして東軍のみんなに活を入れるためだお!
| |::::::| |
\ l;;;;;;l /l!| ! 不甲斐ない東軍のみんなに、
/ `ー' \ |i やる夫は怒っているお!
/ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE |そ ドンッ!!
`ー、_ノ ∑ l、E ノ <
レY^V^ヽl
やる夫は本陣を桃配山から、前方の陣馬野へ進めた。
152 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 20:59:11.65 ID:Im2A6zgo
,..-‐':" ̄::''::::..、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::`::.、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ::::::::\
/':/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::k\:::::ヽ
/::/i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘヽ:::::::i! しかし、まずいですね……。
,':::N l:::,:::fi::::::f|::i:::|ヽ:::::::::::::::::ヽ::::::::l
i:::::l!::|:i!士从::! l,r|i'二辷:::::::::::::::::::::::| あまり東軍が不利になると、
|::|::li:('´{::}ン⌒ヽ_´{::}ン゙l:::::::::::::::::::::l 内応を約束している吉川と、
!:!::l::i  ̄  ̄ l:::::::::::::::::::::! 小早川が、どう動くか……。
l:::::i::l ` ` !::::::::::::::::::::|
|:::::!::', -‐- ノリ::::::::::::::::::|
!:::;:::::\  ̄ ,.ィ´::::::::::::::il::l
,リハ::::::::::ヽ、 __ .....ィ::':::::!::::::::::::N l!゙
rリハ:::i ヾ:::::::::::::'''' |::::_:::f!|
ノ ' tNヽ ,':/ ヾ|
_,..-イ /"ヾ_ リ/iヘ ヽ
,r''''~ / _/ n | 厂 ' ソヽ.」ヽ
____
/ \
/ ─ ─\
/ U (●) (●) \ 吉川広家は賢い男だお。
| (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ / まだ大丈夫だお……
( \ / _ノ | | 完全敗北なら知らず、
.\ “ /__| | まだ膠着状態なら、内応を続けるお。
\ /___ /
163 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:01:35.20 ID:Im2A6zgo
,..-‐':" ̄::''::::..、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::`::.、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ::::::::\
/':/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::k\:::::ヽ
/::/i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘヽ:::::::i!
,':::N l:::,:::fi::::::f|::i:::|ヽ:::::::::::::::::ヽ::::::::l ですが、小早川秀秋は……
i:::::l!::|:i!士从::! l,r|i'二辷:::::::::::::::::::::::|
|::|::li:('´{::}ン⌒ヽ_´{::}ン゙l:::::::::::::::::::::l
!:!::l::i  ̄  ̄ l:::::::::::::::::::::!
l:::::i::l ` ` !::::::::::::::::::::|
|:::::!::', -‐- ノリ::::::::::::::::::|
!:::;:::::\  ̄ ,.ィ´::::::::::::::il::l
,リハ::::::::::ヽ、 __ .....ィ::':::::!::::::::::::N l!゙
rリハ:::i ヾ:::::::::::::'''' |::::_:::f!|
ノ ' tNヽ ,':/ ヾ|
_,..-イ /"ヾ_ リ/iヘ ヽ
,r''''~ / _/ n | 厂 ' ソヽ.」ヽ
____
/⌒ ⌒\
/( ―) (―)\ そこは大丈夫だお。
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ 手は打ってあるお。
| |
\ /
____
/_ノ ヽ_\ 小早川秀秋は賢いとか愚かとかいう前に、
/( ●) ( ●)\ 若く、お坊ちゃん育ち……
/ ::::::⌒(__人__)⌒:::::\ やる夫は以前、お坊ちゃんにここ一番で裏切られた経験があるお。
|  ̄ | だから今回は、もう同じ失敗は繰り返さないお。
\ /
178 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:03:49.28 ID:Im2A6zgo
___ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/´∀`;::::\ < 奥平貞治だよ!うほっほ~い、ちゃんと西軍を裏切れYO!
/ /::::::::::| \__________
./| /:::::|::::::|
||/::::::::|::::::|
奥平 貞治
/ニYニヽ
(ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ /)
(((i ) /::::⌒`´⌒::::\ ( i))) なにおまえっていうwwwwwwwwwwwwwww
/∠_| ,-)___(-,|_ゝ \ なんかキメェっていうwwwwwwwww
___、 |-┬-| ,__ )
| `ー'´ /´
| /
やる夫は、小早川秀秋の隊に、目付として、家臣の奥平貞治を派遣していた。
秀秋がちゃんと内応の約束を履行するように、西軍に寝返らないようにである。
194 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:06:18.69 ID:Im2A6zgo
..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;.
゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'"
;;;;;;;.. ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;
-‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'"
.;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;
.;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;.
.;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;
_,,.-ー''''"゙゙`゙''ー-、,,,,-‐'゛:、丶、 ,,,,.,.、;;. .;;;;;. .;;;;;.
,,,,-‐'゛:::....::::::........ . :::~゙"'ー- _,,.--ー''''''"゙゙: ;: ;: ``'‐.、_,,.;:--''"´`丶、
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;: ;: ; ::; ゙''、,,:::::::::::::::::::::::``'‐.、
;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,'::''"'"~''``'‐.、::::::::::::::::
゙''、,,_;: ;: ; ::; : ;:: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:::;_,,''''''"゙゙.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:::::::::;;.:;,~゙"'゙"'''''--
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;゙''、,,_,`:;,':,:;.,:;.:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,:: :;
戦況は未だに膠着状態である。
……しかし、西軍32000と、東軍50000。
関が原平野部の両軍が、ほぼ互角ならば、
動いていない西軍……すなわち、毛利、吉川、小早川らが動けば、
西軍の勝利はまず間違いなかった。ただでさえ西軍は東軍を包囲しているのである。
196 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:09:08.88 ID:Im2A6zgo
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l | 毛利……なぜ動かない!?
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ 総攻撃のノロシの準備はできたな?
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ よし、ノロシをあげろ!
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i U / ',
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ', これで毛利も参加するはずだ……
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
205 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:10:57.20 ID:Im2A6zgo
朝から全力で動いている大谷隊は……。
/ 〈ヽ、 `、`、''゙ ......::::...... ___;;;::::::::,ん ',
l / '' ‐-ヾゞ,,、::::::::::::::::::::::::::::::::::::'´-‐-ミ、-ヘ ;
〉 _,-',r'´ミ‐--,ハ,ヘー‐‐‐‐一ヾ、\ ` .〉 ……毛利も小早川も動かない、か。
, -へ、,‐'´,-´ l! l!ヾ、 ヽヽ、_、‐'ヽ、 どうも臭えと思っていたが……
/::::/ / /´t-、、、.....__ .l! i ';, __... 彡ィ゙iヽ ヽ、ヽ、
/ ::::イ lヽ、‐t:ッミ,ヽtーi-‐ノ 彡、ッーナl ゙i ヽ、 `ー-- 、
/ :::// | `'''''''''´>‐--<、__`ニニ´ l ゙i ト、 `、 -‐-、 `ヽ.__.,
ノ ::/ ノ :::i ト---‐''''´  ̄'''''''ノ : :゙i ヽ、`、 `丶、 \__
::/ / ) ::::l .i トー--‐‐==‐'´ ̄ `'==‐‐--イ ::: ゙i ヽ、ヽ、 ヽ、 ヽ、
::/ / ./ :::i i l::: :: l :: :: ::: : /..::::: ::ト、 ゙i ヽ \ ヽ、
.) / i :::i ハ ゙l ::: l :: :: ::: :: / ::::::::: ::l ヽ ゙i \,( ヽ
.) /ー'´ヽ ::::l! i:::'、 ::::゙l::: ! :::: ::: :: ::: ∠.___ 、 ::l ヽ、 ヽlヽ/ ̄/\,..、
.レ -‐ ..ノ ::::l! .l:::::、 ::::゙l:::::::...::::::::: ::: ::: 〉 ::l ヽ ゙〉 / / ヽ、
./ ':;く :::::::l! ゙i::::l ::::::゙l::::::::::::::::: :: :::: l :::゙l,、ノヽV::/ /....:::/::`ヽ、
::';:  ̄`´ヽ、 i::::l :::::::゙l:::::::::::::: : :::: ゙l :::::ヽ:::::: / /...::::/::::::::::: ヽ
:::::::::::ヽ :: ヽノ::::::::::::゙i::::::::: :::::: ヽ:::r'´:::::::.... ...:::::::::::/:::::: /ヽ
:::::::::::::::::::、 :::: ::ヽ:::、:::::::゙i:::;; ハ、 :r'、__/ヽ...、-'´ 、、、/ ./...::::::::// / ',
大谷吉継は、小早川秀秋の裏切りを予期し、戦いの当初より、
万が一の時は秀秋の裏切りに対処できるような位置に布陣したという。
事実、南の松尾山にいる秀秋の隊が西軍に攻めかかってきたとき、
それを防ぐ最前線の位置に、大谷隊はいた。
217 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:13:14.94 ID:Im2A6zgo
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ∠,,>ミ‐‐'''')/,,,r--‐'' / |:─--- ,,,,
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー‐'''~ヾ、, _/::::::::::::::::::::::::::ヽ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;:: ,r‐i'|ヽ|、 ヾ|、ヽ\ _,r'' \:::::::::::::::::::::::::::::::::: ……今さら、どうこうすることもできねえか。
、;;;;;;;;;;;;;::: ,/::::::∥゛i、 'ヽ ヾ、,,,r'''"::: ヾ::::::::::::: / 小早川のガキに裏切られたなら
:'ヽ;;;;;;;;;::: |;;;:____i, ヽ、 \_∠,ii, :::: ''-,,:::::: / 俺も三成もそれまで……
;: ' i,;;;;;;::: ,/;ヽゝ'ヽi:-i, -''''=ニヾ‐'イノ | i;:: / 奴の内応を土壇場まで見抜けなかった、
; i,;;;: ,/` ,/::::入 \\ー-‐''" i i, \ /::::::::::::::: 俺達がマヌケだったということだ。
;;i, i、/ r゛ /: :::::!''\ \ ̄ ____,i i, \ /::::::::::::::::::::
;;;;i, i, ゝ'::::: /::7‐- \ ヽ、 ,i ,,,___,,i, ヽ(__:::::::::::::::: ……まぁいい。
;;;;;;;i、 i, \::::/:::ヾ─-,,,,,_ヽ、  ̄!/::::|:::::ノ ::::::::ノ  ̄ ̄ ̄ どうせ俺の身体は病でそう長くもねえ……
;;;:::::::i, i,, ヽヘ、\‐─一゛7‐-─ソ:::|/ く、 武人として最後まで戦いぬくだけだ。
;::::::::;A、 i, ,,‐r‐-ヽ:::::ー-‐'''" ,/ '''''''''''''''''''"" ,r''''"
::::::;/ i i," |\ | \,,,,, r ,/:: / / 小早川が裏切ろうが裏切るまいが、
 ̄ \ 'ヽ,, \ i i/ヽ--イ::::: | ,/ ,/ どっちに転んでも俺は楽しめる。
225 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:15:42.54 ID:Im2A6zgo
総攻撃のノロシが上がり、
更に攻撃参加の使者が、毛利秀元の下へ来た。
. ∠, -,,‐ _, -'i/i/i/i/i/i/i/レ'∠_ |
∠-‐'/::::/l u :::::∠_. |
/\::\ __:<_ | 総攻撃っ……!
. /`'‐->;_::> , -‐ '  ̄ :::< │
. | /::::<\ / :::<´ | このタイミングで毛利軍が、
|.=====、 __ ========::::| .l⌒ヽ . | 東軍を背後から攻撃すれば……
. | ` ‐--゚‐/,::: '''' ` ‐---゚‐ ' ´ ::|..|⌒l | | 勝てるっ……勝てるっ……!
|./:v:〈 :/,:::::::: :::| |⌒l | |
. |〉:::://,:::::::::::::v ::::|.|6ノノ..│ 勝利……栄光っ……!
. |:://,:::::::::::__:::) U :::::||、_ノ │
. l.(_:: :::::::/'l、 ..|\ だがっ……!!
. l ----=====ニニニ⊃ ::::::/ l、 |:::::::l
l、 ___ ::::::/:: l、....|::::::::::l_
l、  ̄ ̄ :::::/:: l、 |::::::::::::l:`‐-_、_
_ !. ::::/::: l、|:::::::::::::|:::i'´⊂
_, -"-、:ヽ、 V:::/:::: /::::::::::::::|::::`‐-
_, -''´⊂⊃ i:::lヽ、 ::/::: /:::::::::::::::::l:::::::::
_,, -''´::::|:::::ヽ/:::: /::::::::::::::::::l::::::::
毛利 秀元(輝元の養子)……輝元の代理としてこの場の西軍総大将になっている。
238 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:17:45.38 ID:Im2A6zgo
____
/∵∴∵∴\
/∵∴∵∴∵∴\
/∵∴// \| 毛利軍! なんで動かんぜよ!
|∵/ (・) (・) |
(6 U つ | ウチの前にいる毛利軍が動かなけりゃ、
| ___ | 長宗我部軍も動けんじゃないか!
\U \_/ /
\_____/
長宗我部 盛親
毛利秀元、長宗我部盛親……
彼らの軍の前には、吉川広家の隊があった。
. ヽ//ヽ,,-―-、
∠.. ´ -=-、
√ `ヽ
| 、 、 |, とおせんぼ……!
´ |_. ´く.|.|ヽゝ` 、、 _|
(F|-==ii ii∠=-||ぅ) とおせんぼだっ……!!
に| ー゚‐´|| ー゚--´|=|ヽ、
. .じ|u 、||,,. u |J ヽ
f´ /|. ヽ、-―--- / |ヽ、 ヽ
,,,,―ニ/ レ, ヽ === /j. | |ニー
-ニ― ̄ /. .|. |.ヽ / | | |  ̄ニー 、
/| / |. | `v´ | /  ̄| ヽ
/ | ム--⌒ヽレル,| | / | |
| | | ヽ / ´ ⌒ |. |
吉川 広家
広家の隊が動かないため、後ろにいる毛利本隊も長宗我部隊も、
東軍を攻撃しようがなかったのである。
251 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:20:20.97 ID:Im2A6zgo
.// / / _, -| |´| |‐'\
///、 _, -‐'´ , -|'´:::|::::::::\ まだ両軍は五分と五分……
/ \ \_, -‐'´ :::::::::::::::::::::| 西軍が十中八九勝つなら、
\ __========:::::::::::| /⌒ヽ 内応の約束を反故にしてもいい、が……!
/ ''' ! , ‐'´:::::::::::::| |/⌒i |
/::::::: -‐ '´ :::::::v::::::::::|...|/⌒l | まだ、だめだっ……
/:::::::::::v :::::::::::::::::::| .|| .| | 秀元殿も長宗我部殿もまだ若く……
. /::::::::::::::: U U:::::::::::::::::| | ⌒ノノ 百戦錬磨のやる夫相手に戦いに参加させるなど……
<__ ,,,, `) :::::::::::::::::::| `-‐" この状態では危険極まりない……
. __,ノ ::::::::::::::::::::|
`ー、──────::::::::::::::::::/| 内応を続けるべきだ……
ヽ ::::::::::::::::::/: | 消極的内応っ……
ー─, :::::::::::::::::/: | 日和見して動かないことこそ
/ U::::::::::::/:: | 今の俺がやるべきこと……!
./ :::::::::::/::: l
./ :::::::::/::::: l
/ ::::::/|::::: ,, /
!、 __/ |:::, -‐'´:/
 ̄ ,、-‐' ´::::::::::/
258 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:22:24.62 ID:Im2A6zgo
___ ,.-‐- 、
> ` ` 、
∠ ` 、 (そもそも、この戦いで仮に西軍が勝って、
/ ヽ どうなるっていうんだ……!
. ./ /`ヽ ヽ 豊臣秀頼はまだ幼く、福島や加藤さえ抑えられない三成では、
/, ' /|/|/ |. iヽ ヽ 天下のことはどうにもならない……!
~./ /`- ._ u . | |_,| !ヽ i やる夫を殺したとしても、徳川には、結城秀康も、
. //| /== 。_! !~,。 = 'ヽ. l^i i 徳川秀忠も、健在。徳川家は存続する……
||` _ _ / =,_ _ . ' | Fi | そして徳川家は最後まで三成に抵抗するに違いなく……
|| / u u u |.Pi |
i||/ _ 丶 u .||~ | 結局は世の中が乱世になるだけ……!
. | ヽ` ____....--、 / | | そうなったとき、輝元様や秀元殿で乱世を生き残れるのか……?
. | ヽ  ̄ ̄ ̄ ̄ / | | 元就公ならいざ知らずっ……父上や小早川のオジキならともかく……
| ヽ #' / | __|_____
//__....../| ヽ_ ./ u | |┬ii.-- ならばせめて内応し、手柄して……やる夫に恩を売り、
___....-- i.|~ / | / u | | | || 毛利家をなんとか存続させること……そっちのほうがいい……!!)
-- ~ ~ i.| / | / >...___....-^ | | | ||
273 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:25:15.40 ID:Im2A6zgo
__ , -- 、
/:::::::`′:::::::::\
/::::::::::::ノ'''^l::::::::::::::ヽ
l:::::::::i::/ニニヘNヽ:::::::l 広家様…… あのっ……
|::::ル'レ'ニ> r',ニニゝ::::|
l^「゙(⌒。TニT。⌒)゙丁゙l 使者が来ていますっ……
|f|ト .二.イ u ヽ二 ノ|リ|
ヾl r一L、_,J --、 lレ′ 安国寺様、毛利ご本家、長宗我部殿……
ハ |⊂ニニニニつ |∧ いろいろっ……
_/ |ヽ. , , ,一 , , , /l ヽ._
_,, -‐'''"´/ l `ー──‐'´ | L_``'''‐- 、.._
_,, -‐''' ´l ト、.____..ノl | ``'''‐- 、.._
. | ヽ;:::::::::::::::::::: / |
吉川家 家臣
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄7
| /`ー 、 /ヘ /
| /::::ミ‐-、__` ー ' / ,ヘ ……吉川殿。
| \:::::. `ー ニ|| ||レ' |
| l「jl |┳━━━━━━━┓
| l「jl |::| ::iilllllll|━| ::illllllll| 何故、軍を動かされないのかっ……?
| ヽN:::\::iillllllll/ ::ト、:iillllllノ 吉川殿の隊が動かないので、
/| /:|  ̄ 7 :l  ̄ 7 我らの隊も動けない……!!
/ | /::: :ヽ (_ _:ノ ,'
::::::::: |/::: :ヽ r――─┐ / 何故ですかっ……!?
::::::::: |\: :ヽ  ̄ ̄ ̄ /
::::::::: | \ :\  ̄ /\
使者
284 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:27:39.38 ID:Im2A6zgo
-、─- 、 , -─;-
,. -─-ゝ Y ∠.._
´_ ニ=- `ゝ
∠´.___ \
. ,. ‐''"´ , , 、 ヽ
∠-ァ‐ くl/l/::l l::ゝ 、 |
. /,.ィ´,ィ ,イ/\ll':u::l|:∠ヽl:ヽ、 |
// //イ===、::::;;'====::| r=、 ゝ ……!
l/ :l `ー゚/:::ij~ ,ー゚-‐ ,ノ|.|ニ!} \
. l:/:::::::__::,v-‐''"v |Lン ト、 ヽ、 ………………
/ 「I二二二二二):/| | |`''ー-ゝ.._
/ ,ヽ. --- ::::/: .! ,| |
_∠-‐''7! ヽ ::::u::/::: | / | ……ランチタイムだっ……!
/ l \/::: u | ,/ | ランチタイムだから吉川軍は動けない……!!
. / l |:::: | ,.イ | |
 ̄, ニ=- \`
, ‐'´ _ ヽ | ー十
∠ -‐,'´‐' ´ i レ ⊂ト
, ‐'´ _ , l
∠ -‐'/,.ィ /|. 、 | 見ろ……
| ー十 /// /|/::::l !ヽ. ト、 、 | / !!
レ ⊂ト /" / ./ , /| /、!_::u:ヽ|_,,ゝ!-ヤヽ. | \ 見ての通り……!!
! /l ./l /`l/ 、..」 l|_,,. -‐' ´\l、 |
l/ i./ l/ ====、 __ :====:::::| |⌒i ヽ ・ 吉川隊は今からメシを食う……!
/ !! / lヽ、.__。,/;: ゙゙ 、。_ ,ノ::::::| .|ニ!.!. ヽ ランチタイム……!! 今日は焼き鳥……!
\ l ::/;:::::::v / j:::| ト_l | `ゝ ・
l /;::::::::::__::) _, ‐'´ ::::|.L_ノ `‐、 戦場だからいつもパサパサのめしと
・ i`ニ---──── '7:::::|| ト、._ ヽ、 油っ気のないおかずばかりだったからな……
,.へ〈~ ; ヽ______,.ノ:::/:! |. T  ̄``''‐ 、. こんな何気ない焼き鳥が……しみるしみる……
・ , -‐- 、.._ ヾ、ミヽ~′___ ::::/:: !. 、! |``''‐ 、. ``''‐ 、
,.‐'⌒'''‐- 、 )/ヾど! ヽv ̄ ̄::::::::/::: | | ! ``''‐ 、 かぁ~っ!!!
/ ̄`''‐、.._,ノi"⌒i. |. ヽ:::::::::::/::: l 、!. |
{,.'⌒'''‐- 、 ノ .l: ! |. l ヽ/ |::: U l ,! .|. |
/ ,、._,.イ__,ノ:: / ! | .| ト、. | ,ィ / |. |
/ ,ノ::::::::::::/::::: i. / レ'W | |,','`,ー-‐,レ' W,| | |
306 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:30:04.16 ID:Im2A6zgo
. / `''‐、
i , /i 、 ヽ‐-ヽ さらにスイーツ(笑)もあるぞっ……!
. ! /| /| / ! .!ヽ..ト、 、.ヽ クッキー……! 賭博クッキー……!!
| /''l/、l/_, l/ _,.ゝ' ゝ、 iヽ!
| ノ`''‐ 、._/ /_, ‐'´ !.\! 「逆境無頼カイジ 賭博COOKIES」
! ,.-、 r' =。=== _ ,=。===,! 日本テレビのドラマやアニメグッズ専門店「日テレ屋」などで……
/ { ‐、!| ` ー-‐' '' \--‐' ! 7個入りで630円……絶賛発売中だっ……!
. / !( r||. r __ \'/|
/. ,、 ゙ー'|!、 ,..-‐───; 7゙│ これが我が吉川軍の食事っ……!!
/_,./ l │\ `ー-----‐'´/!\i
 ̄ .! 1 l ヽ、 ー一 ./ | |`'‐、 おいしく食べて勝負だっ……!
| i、 l. ヽ、 / | .| `'‐、
. | ヽ i ヽ、.イ │ |
吉川広家は、弁当中だといって、使者を退けた。
このエピソードを「宰相殿の空弁当」という。
328 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:32:45.80 ID:Im2A6zgo
..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;.
゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'"
;;;;;;;.. ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;
-‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'"
.;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;
.;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;.
.;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;
_,,.-ー''''"゙゙`゙''ー-、,,,,-‐'゛:、丶、 ,,,,.,.、;;. .;;;;;. .;;;;;.
,,,,-‐'゛:::....::::::........ . :::~゙"'ー- _,,.--ー''''''"゙゙: ;: ;: ``'‐.、_,,.;:--''"´`丶、
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;: ;: ; ::; ゙''、,,:::::::::::::::::::::::``'‐.、
;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,'::''"'"~''``'‐.、::::::::::::::::
゙''、,,_;: ;: ; ::; : ;:: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:::;_,,''''''"゙゙.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:::::::::;;.:;,~゙"'゙"'''''--
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;゙''、,,_,`:;,':,:;.,:;.:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,:: :;
時刻は正午である……。
____
/ \
/ ─ ─\ …………
/ (●) (●) \ 吉川広家はよく頑張っているお。
| (__人__) | 毛利本隊は動かない……長宗我部も……
\ ` ⌒´ / 後ろの心配はなさそうだお。
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
335 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:34:57.81 ID:Im2A6zgo
____
/ \
/ u ノ \ ……あの小僧にデカい面はされたくなかったお。
/ u (●) \ だから、できれば小早川には日和見に終始してもらい、
| (__人__)| 福島、黒田、細川……それに徳川家の軍団だけで、
\ u .` ⌒/ 西軍を片付けたかったお。でも、それも無理そうだお。
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
____
/\ /\
/( ●) (●)\ ……やむをえんお。
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ 小早川隊に内応の合図を!
| |r┬-| | 鉄砲を撃って合図をするんだお!!!
\ ` ー'´ /
344 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:36:35.57 ID:Im2A6zgo
<バキューン! ズダダダーン!!!
___ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/´∀`;::::\ < おおっ、あれはやる夫様からの攻撃の合図だ!
/ /::::::::::| \__________
./| /:::::|::::::|
||/::::::::|::::::|
/ニYニヽ
(ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ /)
(((i ) /::::⌒`´⌒::::\ ( i))) 随分と物騒な合図だっていうww
/∠_| ,-)___(-,|_ゝ \
___、 |-┬-| ,__ )
| `ー'´ /´
| /
通説では、小早川秀秋は、家康からの鉄砲に驚き、
東西どちらの軍につくか迷っていたが、家康を恐れ、西軍を攻撃した、という。
361 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:38:52.68 ID:Im2A6zgo
___ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/´∀`;::::\ < 鉄砲を空に向けて撃ったら、それが合図だから西軍に攻め入れといわれています。
/ /::::::::::| \__________
./| /:::::|::::::|
||/::::::::|::::::|
/ニYニヽ /ニYニヽ わかったっていうwwww
/( ゚ )( ゚ )ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ 小早川軍総攻撃だっていうwwwwwww
/::::⌒`´⌒::::\ /::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、| | ,-)___(-、| でででででってででてってていうwwwwwww
| l |-┬-| l | | l |-┬-| l |
/ `ー'´ 、` ̄ ̄ヽ / 、 `ー'´ |
/ __ Y ̄) | ( (/ ヽノ_ | ででってででてでっていうwwwwwwww
(___) Y_ノ ヽ/ (___ノ
\ | | /
| /\ \ / /\ |
| / ) ) ( ( ヽ |
∪ ( \ / ) ∪
\_) (_/
しかしながら、慶長の役の際に、槍をもって敵軍に突入し、蹴散らしたような男が、
鉄砲を撃ちかけられて、恐れおののくのか、という疑問がある。
むしろ、慶長の役のエピソードを考えれば、鉄砲など撃たれたら、
腹を立てて西軍につきそうな人物でさえある。
372 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:41:14.81 ID:Im2A6zgo
''';;';';;'';;;,., ザッザッザ・・・
''';;';'';';''';;'';;;,., ザッザッザ・・・
;;''';;';'';';';;;'';;'';;;
;;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;
mmmmmmmmm
mmmmmmmmmmmm、 松尾山からきますた
/ニYニヽ/ニYニヽ /ニYニ /ニYニヽ
松尾山からきますた /ニYニヽ0)(0) (0)(0)/ニYニヽ / /ニYニヽ
/ニYニヽ / (0)(0/ニYニヽ / (0)(/ニYニヽ / (0)(0)ヽ
/ニYニヽ / (0)(0)/ニYニヽ / (0)(/ニYニヽ / (0)(0)/ニYニヽ´⌒ \
/ (0)(0)ヽ⌒`´/ (0)(0)ヽ⌒`´/ (0)(0)ヽ⌒`´⌒/ (0)(0)ヽ(-、.|
/ ⌒`´⌒ \/ ⌒`´⌒ \/ ⌒`´⌒ \ / ⌒`´⌒ \
| ,-) (-、.||,-) (-.| | ,-) (-、.|| ,-) (-、.|
| l ヽ__ ノ l ||l ヽ__ ノl | l ヽ__ ノ l | l ヽ__ ノ l |
\ ` ⌒´ /\ ` ⌒´ / \ ` ⌒´ / \ ` ⌒´ /
鉄砲発砲は内応攻撃の合図だ、という説だが、
もちろん、事実かどうか解らない。あくまでも説のひとつである。
小早川秀秋は関が原の戦いのわずか2年後に死亡(死因は不明)してしまい、
小早川家は、江戸時代で初めて取り潰された大名となってしまうのだが、
そうなると、東軍勝利の立役者である小早川家に対して、
徳川政権があまりにも冷酷だと言われてしまうため、江戸時代を通じて、
秀秋を必要以上に愚鈍、悪役、裏切り者に仕立てあげたのだという説だが、
果たして真相はどうか。
……とにかく、この秀秋の裏切りにより、戦場のバランスは崩れた。
10000を超える軍勢が突如、突入してきたのだから当然である。
387 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:43:49.04 ID:Im2A6zgo
/⌒゙ ‐''"⌒ヽ、
/::;,,...:::..,,.;;::...,,,..;;:::ヽ
(:::::::/!::::;ノ !:::::::::::::::::} こ、小早川秀秋め……
{:::ノム< >∠、:::::::/
r i:l O ) O .l:|,Y 裏切ったな! 許さないぞ……!!
ヒl:|u ̄ ヽ v ̄v||シ
.(ヽ(⌒二⌒) /l
wヽ、__, イw' __
_,,,... / | | T"" ̄__,,,iヽ
, -‐'''ニニ --―/ i|\./| l"" ̄ i \
/ / / l:| ハ i| l l ヽ
/ / / !:ト/(Vl:| | _( ̄ ̄⌒) 、
/ ノ Y ヽヽ
(ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ /) アッカンベーっていうwwwww
(((i ) /::::⌒`´⌒::::\ ( i)))
/∠_| ,-) (-,|_ゝ \ 裏切り寝返りは乱世の常っていうwwwwwww
( __ l ヽ__ノ ,__ )
\ |r┬-| /´ 騙されるほうが悪いっていうwwwwww
| | | | |
| | | | .|
`ー'´
401 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:45:52.67 ID:Im2A6zgo
∩
( ⌒) ∩_ _
/,. ノ、 i .,,E) 全軍進めーっっていうwwwww
,、 ,、 / / ゚)゚), -、 / /"、
_n , - (゚(゚ ))> ./ /⌒ヽ_''_) ノ' ゚)゚), -
( l ( '_,r'⌒゙i / /ヽ_,,__ \/ /⌒ヽ_''_)
\ \ ∠_ ,,ノ ( / ヽ_,,__ \ n
ヽ___ ̄ ̄ ノ ヽ |  ̄ \ ( E)
/ / \ ヽ フ / ヽ ヽ_//
、_,ル -- 、 _)
,ィ-― T ´ ヾュ
y′ヽK_ノノ ´ハ_ノ やはり裏切りやがったな……!!
´,イ木、_{ハ`i<,ルiz`
/ :!メ.、_、フ不ヽ ハヽ.` ー- 、 小早川のクソガキが……!
r'/:. ' l|tモァ千tチ:i! :' ヽ:、_r'´ 俺がすっぱり散らしてやるぜ!
,.7_:; iム´∠i:、`フl i :、_V
. ,. <--ム _l:ヘヾ.三フヌl ├'´: : ヽ.
f´- 、 `T TVト:ミ:ヾニィ: ル'´l: : ヽ.
l ,. -亠-:! l ! ト:.:v':./::レi´: : , ハ
. /‐-,<、-! l l 、.ニ,イ: : /: : :./: : . , ハ rェェ.、
/―:'-、入:l l ! V/: : ;' i: : ;': : :〃:, -ヽrvュ }ニ!ィ7
. /―:- 、vヾハ. l ヽ. 7: : :i: :l: :,': /:/:!/: : : :{iニニ'ニjTi
i .:=-、/ V__`T´__ヽ/: : :,l: :l: ;' /:,' ;イ: : : : {、ニニシ´
!.:`__、/ _}、`7 ___/: : :/:l: :l:;':/: i´; l: :i: : :∧ニ7
大谷隊は、前述の通り、小早川の裏切りを予想していた。
隊をすぐさま南に構え、西軍への突入を防ごうとした。
415 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:49:14.54 ID:Im2A6zgo
/ニYニヽ
/( ゚ )( ゚ )ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
| ,-)___(-、| 油断していたやつが偉そうに言うなっていうwwww
| l |-┬-| l |
\ `ー'´ /⌒\
__ / _| | |
ヽヽ / / \ | | ,,,,,,,iiiiillllll!!!!!!!lllllliiiii,,,,,,,
\\| |____| .| | .,llll゙゙゙゙゙ ゙゙゙゙゙lllll,
\/ \ | | .|!!!!,,,,,,,, ,,,,,,,,,!!!!|
| ヽ_「\ | |、 | ゙゙゙゙!!!!llllliiiiiiiiiilllll!!!!゙゙゙゙ .|
| \ \――、. | | ヽ .| .゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙ |
| / \ "-、, `| | ヽ | |
_/ / "-, "' (_ ヽ ヽ .| |
/ __ノ "'m__`\ヽ_,,,, ヽ | |
`ー― ̄ ヽ、__`/ー_ ,,,, ゙゙゙゙!!!!!!!lllllllliii| |
\゙゙゙゙゙゙゙!!!!!lllllllliiiii| |
\ ヽ | |
ヽ \ | |
| \.| |
`ヽ、,,_ノ| |
゙゙!!!,,,,,,,, ,,,,,,,,,!!!゙゙
゙゙゙゙!!!!llllliiiiiiiiiilllll!!!!゙゙゙゙
;;;;;;;;;;;;;;;イ/;;; ((,,,,,,/// /゛ ,,,,-''" |
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ∠,,>ミ‐‐'''')/,,,r--‐'' / |:─--- ,,,,
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ー‐'''~ヾ、, _/::::::::::::::::::::::::::ヽ、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;:: ,r‐i'|ヽ|、 ヾ|、ヽ\ _,r'' \:::::::::::::::::::::::::::::::::: 油断?
、;;;;;;;;;;;;;::: ,/::::::∥゛i、 'ヽ ヾ、,,,r'''"::: ヾ::::::::::::: /
:'ヽ;;;;;;;;;::: |;;;:____i, ヽ、 \_∠,ii, :::: ''-,,:::::: / 何のことだ?
;: ' i,;;;;;;::: ,/;ヽゝ'ヽi:-i, -''''=ニヾ‐'イノ | i;:: /
; i,;;;: ,/` ,/::::入 \\ー-‐''" i i, \ /::::::::::::::: これは「余裕」というもんだ。
;;i, i、/ r゛ /: :::::!''\ \ ̄ ____,i i, \ /::::::::::::::::::::
;;;;i, i, ゝ'::::: /::7‐- \ ヽ、 ,i ,,,___,,i, ヽ(__::::::::::::::::
;;;;;;;i、 i, \::::/:::ヾ─-,,,,,_ヽ、  ̄!/::::|:::::ノ ::::::::ノ  ̄ ̄ ̄
;;;:::::::i, i,, ヽヘ、\‐─一゛7‐-─ソ:::|/ く、
;::::::::;A、 i, ,,‐r‐-ヽ:::::ー-‐'''" ,/ '''''''''''''''''''"" ,r''''"
::::::;/ i i," |\ | \,,,,, r ,/:: / /
 ̄ \ 'ヽ,, \ i i/ヽ--イ::::: | ,/ ,/
小早川隊は10000から15000と言われ、
大谷隊は1000から1500と言われている。兵力差は10倍だった。
しかし吉継は見事な采配で、秀秋の攻撃を防ぎ、西軍への突入を防いだ。
431 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:52:56.94 ID:Im2A6zgo
だが……
イ "" ⌒ ヾ ヾ
............... ..ヽ . ;: . / .⌒ _,,..__ ヽ ) ;. :ノ......... .........
:::::::::::::::::::::::::::ゞ (. (::.! l,;::) .ノ ノ ./::::::::::::::.......:::::
._ゝ,,. .-ー;''""~ ';;; - .._´,
._-" ,.-:''ー''l"~:|'''ーヾ ヾ
::( ( . |: ! ) )
ヾ、 ⌒~'"| |'⌒~'"´ ノ
""'''ー-┤. :|--~''""
:| |
j i
ノ ,. , 、:, i,-、 ,..、
_,, ,. -/:ヽ::::::::ノ::::Λ::::ヽ::::-- 、ト、
,,/^ヽ,-''"::::\::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ:::::::::ヽ,_Λ
;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::;;:;;;;:::ヽ
,. '// | .::: / ヾ! リ |`ヽ 、 /"//ハ〉:::::ヽ `ヽ
,. '´ /::/ .:| :: , ' .::. i::. |、ヽ|::r`、、/ 〃./:||::i、:ゝ\
/ /.::/ .::| : / .:: l:: |. `ヽ、ー゙゚ヘヽ_/ リ !/ i:|
∠_ / ::/ .:::| .: / ::: i:: ! ̄ ̄ ̄ ̄{゙! / |:! ……! チッ……!
ブ :/ .:.::::| .: / :::: !:: |::___ .」」 ノ ノ
∠__ 〈 .:.:::::| / ::: !ニー┘__`ー─-゙, 他にも裏切り者が出やがったな!
`ヽ、`ーァ-、:|. / :: i:::、``ヾl:::::ー-ニr─ '
/-ニ_ソ :: !:::. \ \:::;r‐'
,. -‐/ .::: `ー、‐-、_ : |/ヽ. \. /
/ ,∠__ :l``ヽ `ヽl. \__,ノ
/ / ,/  ̄``ー-、_| /
脇坂、朽木、赤座、小川など、松尾山の麓に布陣していた小大名たちも、
小早川秀秋に呼応するように西軍を裏切り、大谷隊を攻撃し始めた。
442 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:56:13.68 ID:Im2A6zgo
l / '' ‐-ヾゞ,,、::::::::::::::::::::::::::::::::::::'´-‐-ミ、-ヘ ;
〉 _,-',r'´ミ‐--,ハ,ヘー‐‐‐‐一ヾ、\ ` .〉
, -へ、,‐'´,-´ l! l!ヾ、 ヽヽ、_、‐'ヽ、 所詮、誰もこの俺と三成には
/::::/ / /´t-、、、.....__ .l! i ';, __... 彡ィ゙iヽ ヽ、ヽ、 ついては来れないというわけだ……!
/ ::::イ lヽ、‐t:ッミ,ヽtーi-‐ノ 彡、ッーナl ゙i ヽ、 `ー-- 、
/ :::// | `'''''''''´>‐--<、__`ニニ´ l ゙i ト、 `、 -‐-、 `ヽ.__.,
ノ ::/ ノ :::i ト---‐''''´  ̄'''''''ノ : :゙i ヽ、`、 `丶、 \_ ハーッハッハ!!!
::/ / ) ::::l .i トー--‐‐==‐'´ ̄ `'==‐‐--イ ::: ゙i ヽ、ヽ、 ヽ、 ヽ、
::/ / ./ :::i i l::: :: l :: :: ::: : /..::::: ::ト、 ゙i ヽ \ ヽ、 …………ここまでだな。
.) / i :::i ハ ゙l ::: l :: :: ::: :: / ::::::::: ::l ヽ ゙i \,( ヽ 三成よ、俺は先に行く。
.) /ー'´ヽ ::::l! i:::'、 ::::゙l::: ! :::: ::: :: ::: ∠.___ 、 ::l ヽ、 ヽlヽ/ ̄/\,..、 あの世で先に待っているぜ。
.レ -‐ ..ノ ::::l! .l:::::、 ::::゙l:::::::...::::::::: ::: ::: 〉 ::l ヽ ゙〉 / / ヽ、
./ ':;く :::::::l! ゙i::::l ::::::゙l::::::::::::::::: :: :::: l :::゙l,、ノヽV::/ /....:::/::`ヽ、 次は一緒に、閻魔相手に
::';:  ̄`´ヽ、 i::::l :::::::゙l:::::::::::::: : :::: ゙l :::::ヽ:::::: / /...::::/::::::::::: ヽ 地獄の国盗りだ……!
:::::::::::ヽ :: ヽノ::::::::::::゙i::::::::: :::::: ヽ:::r'´:::::::.... ...:::::::::::/:::::: /ヽ
:::::::::::::::::::、 :::: ::ヽ:::、:::::::゙i:::;; ハ、 :r'、__/ヽ...、-'´ 、、、/ ./...::::::::// / ',
大谷吉継は部下を逃がすと、自刃。
部下の湯浅五助の手により、関ヶ原のいずこかに埋められ、首は発見されることはなかった。
この時に吉継の首を埋めた五助は程なく藤堂高虎の部下、藤堂高刑に見つかったが、
五助は「自分の首をやるから、吉継様の首を、ここに埋めた事を誰にも話さないでくれ」と頼み、
藤堂高刑もそれを承諾した。
戦後、高刑はやる夫に吉継の首のありかを問われても
「知っているが五助との約束により答えられません」と答え、
やる夫を感動させたという。……吉継に関しては、そんなエピソードが残っている。
455 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 21:58:16.17 ID:Im2A6zgo
/ ⌒`ー '' ⌒ `・、
γ /し^ ~、/ー^ーヽ ヾ
;' τvw、,vwv~Vw、)λ
i ∧ !
'l ,., ノl ノu ヽiヽ j 大谷殿が……!
λ/ー- -`-ヽ,イ 死んだだって……!!
!(|| ̄o` ,. 'o ̄ ||)!
ヾ| u `¨ ゙ `¨′ |/
l\ ,-亠-, `' //
`l/l\ ̄, ̄ イヽ
/=| ` 、_/ |ニl.._
_..-‐'"´|=|\ ./|ニ| `ー-.._
大谷吉継の死は、西軍の士気を大きく喪失させた。小西行長、宇喜多秀家の隊は、
大きく崩れ始め、やがて潰走しだした。
秀家は「なんとしても秀秋を討ち取る」と叫んだが、家臣に生きのびることを奨められ、
退却を開始した。
465 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:00:29.87 ID:Im2A6zgo
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l | 吉継……すまん……!
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ ……我々も、もはやこれまでか……
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ',
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ',
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ
ゝ- 、_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r 、;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ、/ `‐,
//
ヾー―――‐―'´ /
\ メ /、 三成様、ここはもうダメです、
/\_______, イ:::: \ お逃げください!
/ ::::::::::,. -┴‐―┴――ヽ
/___∠__________,ゝ
/――l、 ° > ~ < ° ハ-ヘ
/――‐ト`ー‐'´ ・ `ー‐´ メ--ヘ
/___|、 u ー'^ー ∠_く ̄>
l ̄l/ヽ>―‐‐rrr‐<`ーrr‐'⌒)
,(__)ヽ/二 . , ニニヾー―‐'´
. |酒 | l l `Y´メ l l 〉
l____」ー‐――し――一'
472 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:02:04.01 ID:Im2A6zgo
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l | SAKON! 無事だったか!!
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ 私もここで死ぬぞ。
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ', 部下を多く死なせてしまった……
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ', 私だけおめおめ生き残れようか!
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ
ゝ- 、_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r 、;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ、/ `‐,
//
ヾー―――‐―'´ /
\ メ /、
/\_______, イ:::: \ 何を言われますか!
/ ::::::::::,. -┴‐―┴――ヽ 三成様、生きてさえいれば、
/___∠__________,ゝ いずれ機会も訪れます!
/――l、 ° > ~ < ° ハ-ヘ
/――‐ト`ー‐'´ ・ `ー‐´ メ--ヘ 金ヶ崎の信長公、
/___|、 u ー'^ー ∠_く ̄> 三方が原の徳川やる夫……
l ̄l/ヽ>―‐‐rrr‐<`ーrr‐'⌒) 敗戦を糧に大きくなった武将も多いですぞ!
,(__)ヽ/二 . , ニニヾー―‐'´ 敵の大将、やる夫がそうなのですから!
. |酒 | l l `Y´メ l l 〉
l____」ー‐――し――一'
480 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:04:34.96 ID:Im2A6zgo
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l |
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ ……し、しかし……!!
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ',
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ',
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ
ゝ- 、_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r 、;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ、/ `‐,
//
ヾー―――‐―'´ /
\ メ /、
/\_______, イ:::: \ 早くお逃げください、敵がもう来ています!
/ ::::::::::,. -┴‐―┴――ヽ
/___∠__________,ゝ ここは俺が食い止めます、さぁ早く!
/――l、 ° > ~ < ° ハ-ヘ
/――‐ト`ー‐'´ ・ `ー‐´ メ--ヘ
/___|、 u ー'^ー ∠_く ̄>
l ̄l/ヽ>―‐‐rrr‐<`ーrr‐'⌒)
,(__)ヽ/二 . , ニニヾー―‐'´
. |酒 | l l `Y´メ l l 〉
l____」ー‐――し――一'
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l |
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ ……SAKON!!
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ',
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ',
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、 すまん!!
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ
ゝ- 、_;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;r 、;;;;;;;;;;;;;;;;ヾ、/ `‐,
石田三成は残った部下と共に、伊吹山方面に向かって退却を始めた。
時刻は午後2時頃だとされる。
495 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:07:46.05 ID:Im2A6zgo
//
ヾー―――‐―'´ /
\ メ /、 ……三成様は逃げたな。よし……
/\_______, イ:::: \
/ ::::::::::,. -┴‐―┴――ヽ むっ、あそこに見えるのは黒田長政の隊か。
/___∠__________,ゝ いい相手だ……
/――l、 ° > ~ < ° ハ-ヘ
/――‐ト`ー‐'´ ・ `ー‐´ メ--ヘ ここが俺の死に場所だ!
/___|、 u ー'^ー ∠_く ̄> 行くぞ! 皆の者!!
l ̄l/ヽ>―‐‐rrr‐<`ーrr‐'⌒) 世の中に生き飽きた者だけついてこい!
,(__)ヽ/二 . , ニニヾー―‐'´
. |酒 | l l `Y´メ l l 〉 ……かかれええええぇぇぇっっ!!!!!
l____」ー‐――し――一'
_ ,, - 、
, - ´‐'''' ヽ
i''''''''''''ヽ''''''- ヽ
}、 `、 、 ', な、なにっ……!!
! '、 '、- _, =__', ',, ',
! !-、 、´tjフ i ,'.', ,i ,' う、うおおおお……!!
',. !,!ヾヽ u .l ,'__ノ、/ ,'-、
ヽヽ `゙ .レ ノi / ノ、: :`- 、_
'`二-' , .' レ /:::::i: : : ',: : :`: :‐‐---,,,,,_
,,'.、__, - ' K:::::::::::!--=ニ__: : : : : : /: : : :ヽ
_,/: /:::::::::ヽ l' ヾ:::::!__: : : : ;': : : : : ,': : : : : : ',
/: : : :i- 、_:::::i__ i l i_i/:::::/: : : ;': : : : : :i: : : : : : : :',
島左近は、黒田隊に突入し、討ち死にした。
関が原から何年、何十年経っても、この時、黒田隊にいた武士達は、
左近の「かかれぇー!!」という叫び声を夢に聞き、うなされ、
怯えたという話が残っている。
509 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:10:31.30 ID:Im2A6zgo
..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;.
゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'"
;;;;;;;.. ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;
-‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'"
.;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;
.;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;.
.;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;
_,,.-ー''''"゙゙`゙''ー-、,,,,-‐'゛:、丶、 ,,,,.,.、;;. .;;;;;. .;;;;;.
,,,,-‐'゛:::....::::::........ . :::~゙"'ー- _,,.--ー''''''"゙゙: ;: ;: ``'‐.、_,,.;:--''"´`丶、
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;: ;: ; ::; ゙''、,,:::::::::::::::::::::::``'‐.、
;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,'::''"'"~''``'‐.、::::::::::::::::
゙''、,,_;: ;: ; ::; : ;:: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:::;_,,''''''"゙゙.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:::::::::;;.:;,~゙"'゙"'''''--
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;゙''、,,_,`:;,':,:;.,:;.:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,:: :;
勝敗は決した。
西軍の事実上の総大将、石田三成は退却した。
その他の西軍も、ある隊は降伏し、ある隊は退却し、
関が原には東軍の勝ち鬨が響き始めた。
526 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:12:37.79 ID:Im2A6zgo
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ ……勝ったかお!
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
____
/\ /\
/( ●) (●)\ やった……やったお!
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ やる夫は勝ったお!
| |r┬-| | 三成を逃がしたのは惜しい……
\ ` ー'´ / でも、勝ったんだお! やったお……!
532 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:14:32.52 ID:Im2A6zgo
,..-‐':" ̄::''::::..、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::`::.、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::ヾ::::::::\
/':/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::k\:::::ヽ
/::/i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘヽ:::::::i!
,':::N l:::,:::fi::::::f|::i:::|ヽ:::::::::::::::::ヽ::::::::l 殿様、
i:::::l!::|:i!士从::! l,r|i'二辷:::::::::::::::::::::::| おめでとうございます!
|::|::li:('´{::}ン⌒ヽ_´{::}ン゙l:::::::::::::::::::::l
!:!::l::i  ̄  ̄ l:::::::::::::::::::::! それ、皆の者、
l:::::i::l ` ` !::::::::::::::::::::| 殿様を胴上げだ!
|:::::!::', -‐- ノリ::::::::::::::::::|
!:::;:::::\  ̄ ,.ィ´::::::::::::::il::l わーっしょい、わーっしょい!
,リハ::::::::::ヽ、 __ .....ィ::':::::!::::::::::::N l!゙
rリハ:::i ヾ:::::::::::::'''' |::::_:::f!|
ヽ:r‐'、 __
〉‐r '´ `丶
/:::ヽ ヽ
. ,':::::::::::ヽ. '、 ひょえー、さすが殿様、
. l:::::::::::::::/ .,、z:ュ、,_. ,、=, 拙者が見込んだだけの大将じゃ!
l;:::::::::::/ ´ ,r'ャ、`' i'rャ;| 殿様がいつか天下人になると信じておりましたぞ!
l ヽ::::::::l ''`¨¨´ ヽ |
ヽ ヽ::::::! ,ィ _. ', .l
ヽ_λ:i. ' `'゙`'‐'i゙ ,' そーれ、
l ヽ`'. ,∠.ニフ / わーっしょい、わーっしょい!
l ` 、 、 い.... ,' /
,r<ヽ、 ヽ', .ヽ`二フ.,'
,.イ \.丶、`' .、,_`,.ィヽ、
. / .', \ 丶、 l. ', ヽ'.-、
,. -.'´ \ \ \ ! .l ', `‐ 、
555 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:19:06.08 ID:Im2A6zgo
____
/_ノ ' ヽ_\
/(≡) (≡)\ ちょちょちょ、やめるおーみんなー!
/ /// (__人__) ///\ 神輿じゃないねんからー!!
| |r┬-| | おっおっおっ……wwww
\ ` ー'´ /
_ シュタッ
∠M\
~レ゚U゚| <殿様! お喜びのところ、申し訳ありません!
(\y/) 実はその、戦場にまだ西軍が一隊残っておりまして……
/ ヽ
(_/⌒|_)
____
/⌒ ー、\
/( ●) (●)\
/::::::⌒(__人__)⌒:::::\ ……敵が? まだ残っていたのかお?
| |r┬-/ ' | 誰だお……。
\ `ー'´ /
571 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:22:52.17 ID:Im2A6zgo
_r' ゙'''┴</ィ'⌒ヽ,,,,,,,,,,_____ 〃⌒ヽ//))) y
_| `ヽ,;;;ノ;;;;;;;;_,,____ '''‐-、,,\;;;ノ/〉///
) / ̄\ ゙'''‐、,,_゙'''‐、,,_゙'''‐-、,,_゙'''‐-、,,)//
/ //ヽ、| _,,-''~_,,,,二_,_‐、,,>∨/''‐-、 ~\〕
/^ 〈 ( /( |_,,,/ `ヽ、`ヾ、ッヾ、_ ゞソ_,,,,_〕~\ ヽ
| \\ > _ , ,,二二 -'´ ノ_=;;-‐''( ヽヾヽ、
,ノ゙ 〉、oノ| / |`='/ )ノ \\
r' / ' ::::::| / ,,_,,___| / 〃 ::::)
,ノ゙ /( :::| ' \,::''"/`'‐‐‐(--- --- '´
_∠-‐'''""~ ̄~"~ ̄ ̄~`ヽ _,.......、_,.. /
/"~ ̄ _,-‐-,_,ィ'⌒ヽ // ‐''''''-==-`/ やれやれだぜ……
〉 ./ { | //\ "''ー-‐''/ どうやら逃げ遅れちまったようだな……
./ { `-''' 人`-'''ノ :|:| ::::\ r' /
`''‐''´ `''''´ |:| :::::::゙'''‐-、,,__/
"''ー-―― .:::|:|_________,,,;;:::::/ __,,,、、、、,,_
島津義弘の軍は退却しそこねていた。
退路の多くは、西軍の敗残兵や、あるいは東軍によって封鎖されており、
四面楚歌といっていい状態であった。
ミ `( __ r"|..._
ミ ´( _____ ....(( )lノ `ヽ
ヾ ◎===__====== =- ‐ ′
`r''ヽ ノ tも=ッ‐< rテラ( }
{(り"′ `¨´"/` 「´ l )ノ
シヽヾ) l l 逃げるには伊勢街道を南に突っこむしかねえな……
〃 `ー゚ 、 <フ l やる夫の本陣の前で、東軍が山ほどいる道だが……
l゙ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l-=‐= l__ 行くしかねえッ!
l ( ) ( ) | `.二´l┐|
| _`´___ `´ |、___l │|_
/  ̄  ̄ ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |__
583 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:25:46.52 ID:Im2A6zgo
____
/\ /\
/( ●) (●)\ 残っているのは島津義弘かお!
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ 東軍勢に連絡だお! 島津義弘を討ち取るんだお!
| |r┬-| |
\ ` ー'´ /
r`"⌒`ー=v ‐-、
1:::::..................... }
|:::::::::::::::::::::::___::リ,
r| ::::::::::::::( )|'爪|::jリ いくぜ……!
/``======_‐ラ(6,′
,>‐'つ__... =-〒rtッテ|h′ オラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!
/.ノ (:{,|| i i l゙`~.jl|リ
! }/゙ヽl.l ', ヾツ |l!|) _
{ (´/ヽ.):ヽ r=- l/l:}/,r=,ヽ.._
ヽ( イ- ) ̄l|、|!゙¨´ / l:八.>=iこ⊂⊃
\ `ヽ:::::lドミ==‐' レ____l[二´__
 ̄:¨"7゙<〉 )::¨o7 /  ̄ フ 7ー-、:_:: ̄
::::::::::/:::::::\ ノノ:::/ ' '"´ / / `ヽ
島津隊はわずか1600ほどの軍勢でしかなかったが、
薩摩(鹿児島県)に帰るという一心で。死に物狂いの突撃を開始した。
東軍の諸大名も、戦場に残った最後の手柄ということで、島津勢に殺到した。
593 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:28:02.65 ID:Im2A6zgo
, ─ 、
(_l_l_l_ j
ヽ ⊂ノ , ──- 、
| |/ ______ヽ /^)、
| | | ノ ⌒ヽ⌒ヽ| /⊃ヽ_) 逃がすもんか!
| | |─| >|< |/ _ノ
|__|⌒ `ー o ー| / タンマ・ウォッチ!
| |、 /⌒ー──つ/
| |ヘ ヽ、(二)ノ</
| \/\//
/ /
j ヾ ミヾ = ヾミ、ヾ 二 ノ― - ..._  ̄ フTi┬- 二 _‐- 、
)ミ ヾミ二 ==ヾミ ニ/―‐__---- 二ツ)ノノ/∠リノ  ̄ )′
{二 ニ = ヾ ミ 二 ニ〉 <で・フ¨ヾ>三⌒〈・ラナリ__.. -‐ "´
゙i二 ニ = ,≡三二.ニ{ `冖' ´ "´ ',¨゙|
lニ -‐.二f r、ヽミ二} ',│ スタープラチナ・ザ・ワールド!
l,ニ-‐フ| | | \`Y´ '" / | (時は止まった)
l// l l l l ( |
l/ リ 八 ヾ、_ ] _.. ニ=ニ、 |
彡イ } }`ヽ、 o ノ <..__.ノ |
l l ノノ ノ  ̄ ', |
l l レ /l `丶、 __ l ,r‐- 、
リハイ l__... -‐ '' "´ ̄ ̄ ̄ ̄l| ´三/ / /"ヽ_ヽ_
_.. -‐ ''"´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :l|  ̄ l--―{ { ̄--┐|二`ヾ"二
___
ゝ/  ̄ u  ̄ \
/_______ヽ
\ | | , ─ _ヽ/_─ 、 | | そ、そんな……!
| |_| / o|o ヽ |_| |
─ (^| | j/ | \| j |^) ─ こともあろうに!
(⌒ ` ─ ヘ ─ ´⌒) 島津の末裔が……
\u / ̄ ̄\_/ \
/ | | | | | | 『我が止まった時の世界に……』
| | | |. | | | | 入門してくるとは……!
| | _|_|__(⌒v⌒)_.|_|_ | |.
| | ヽ、__ ̄ ̄ ̄_ノ
/▽▽\
| | | |
602 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:31:57.44 ID:Im2A6zgo
ミ\\\\ \川ミミ\ミ .. ・ ┃ ・ ,.,┏┓┏┓ ┏┓┓フ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━
ミミ\/二l'二\ミ┏┏┏┏┓ミ\・ ・┏ ,./l┃┃┃┃ ┃┛┛ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓
\ミミ/◯ミミlミミミl ┃○○○ ノミ\┗・┃┏┃┃━__ ━┏━━┓フ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━
\ミ/○○ミミ\ミミl┃○○ミ/\ミミ\┃┃ ┃┃-‐'/ ┗━┓┃>ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓
\ミ/○○。ミミミlノ ミ\○=ー,.ミミ∧ ∧┃ ┏┛ ┏━┛┃> ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━ ╋ ━
\\\○。┌┐□\ミミ\ミミミミ,ミミ/ ヽ/ ヽ┃ ┃ミミ ┗━━┛フノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃━┓ノ┃ ━┓
ミ\ミ\ └┘_ミミ\\ミ\\ミ/◯ ◯,.,.-┗━┛\\ミ ーーフオラオl‐''l‐''l‐''l''lミノー/lー--,.,.、╋ ━
\┌┐┌──┐\/ ̄l ̄/\ │\ーー/┏━ │ミミ__\\ミミ○○○。 └┘ ┘┘"""~~;;;;;;;;;;;;;;;\ ノ┃ ̄ノ ━━ ツ
□└┘└─┐│/◎ / l \/┏ミミミ\。○ー□、 ミl三l三l≡l\└─/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ミノフ∧∧∧∧∧∧∧
─┐ ┌─┘│/ \ ┃┏ミミ○○ミミミミl \,.ll-l二○○○。l、;;;;,、;,.'',.",.",.-、;;;;;;;;;;;;'',.,.、ミミミミミミミ
└┐ ・└──┘ ,.,.// ̄ ̄\ \ ┃┃ミ○○。ミミミミl l二/二/=/''‐、,@`,⊿'/lll,.ノヽ;;;;;;;;;;;;レ、
┌┘ ┌┐口□ー、__llミミミミ\へへへ\\\lミミミミミミ//\ ≡ l__ll___ll___ll;;;/\⊿/\ミ/ミl\\;;;;;;;;;;ゝ
│ │└┐ ミミミミ┌/○○lミll\\\\ミミミ//ミミミ\ ≡≡ └─\l \,.-‐-、ll l lー-,.、--,.、
─┘ │┌┘┌───┐\ll○○○ミミl\\\\ ̄ ̄l_ミミミミミミ\ ≡≡○○○。 ,.llllフ/ ̄ ̄ーー,.、\\
││ └──┐│ \○○ミミ//\\\\\\\l ̄\ ̄l┐ ≡l三l三l三|] \/"/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\;;;;;;;\
└┘ ┌──┘│\ \ミミ//ミミミ\ \ \,/ ̄l/ ̄l ̄\ └└└└ /,/;;;;;; ;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;\
へ└───┘\\\-\ミミ\\\\,.l ̄l/│ミミlミミミ\\\ \ l/;;;;;;;;;;;; ;==;;;; ;;;;l;:;:;:;:;:;:;:
l /ーー┐__/ ̄‐---,.、\\/\ ̄ ┌/lミミミ◯ミミミミミl\\\ l,.,.-‐''' ;;; ,.,. ,,l;:;:;:;:
\ー,.,.,l__l ,. ;; l /__///\ / lミミミミ◯ ◯ミミミミミl一--,.,.,.、ミミ ,./" ;‐'''''" ;;;;'''l;;;;;/;:;:
\\\ \,.\ ヽ '''lー└─"/ーー\//lノノノlミミ◯ ◯ ◯ミミミミミl\\\ ̄ ̄\/、/ ;; ;;;;l-ー
\\,.ー┘ ;;; ,.'/ ○○///// ̄////\◯ ◯ ◯ ◯ミミミミl\\\\l ;;\ ---‐‐''"" ;;;/
\\\/、 'l‐" l l ○○○///l /川川ノノ/ーミミミミ‐‐ミミミ//\\\\l \\ ;/
/ ‐‐,.'/ __l、 l/ /○lミlミlミl┘/川ーー‐┤ \\\\''\ミミ\\\l ,.,.-‐'',l ー ,.,.,.,.-‐''"
\\/,.___,.l l )lー' l____ l└└└ 」 / ◯川川l、││ \ \ ''‐‐--,.,.,./  ̄ ;;; ,.'" "',.ー
\\ l ̄l ''\'"____フ ////// ○ ○川川l│││ \\\ '\ ,.,. ,.-''l、__/'" \\
レ'" \ \ //彡llll○○○川川l││ │ \ "'''''"""~~ """\\\
\\\ \/////巛l巛l巛l巛l川l ││ \\ \ \
\\\\彡//ll└└└└___」││ │ オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
││lll│││││ オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ
611 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:33:50.65 ID:Im2A6zgo
ヘ ヽ / j
ヽ \ , -┬┬、/. /
\ 7 ヽ ヽ_∨
ヽ l . 二 --`ゝ
/ゝ' _.. '-'´ ・ ・ ヽヽ ウギャア トノサマーン!!
j-'´ | = _人 ~ l 〉
/ ̄ ̄l ノ´
/ ̄ ̄~| U _.. ィ‐┐
ゝ──'>ー<二○'´i ̄
`ー┐ メ l
_」 つ
ゝ───…  ̄
/ ̄ ̄\
/ .._ノ \
.. (○)(○ ) l
.. (__人__) |
|_` ⌒´ U | こ、こわい……!
/ |
/ |
| メ | |
.| | | |
.| し,,ノ |
!、 /
ヽ、 /
ヽ、 、 /
| | |
(__(__|
井伊直政は、義弘の甥、島津豊久を討ち取る活躍を見せる。しかし島津隊に接近しすぎたのか、
攻撃を受け、右肘関節(異説有り)を負傷してしまった。更に、松平忠吉も怪我をした。
621 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:36:09.79 ID:Im2A6zgo
/ ̄ \
/ <> <> \
| (人) |
\___/
|
/ ̄ ̄ ̄ \
/ ノ \ \ あ、危なかったぜ……!
/ <○>::::::<○>U \
| ヽ (__人__) / |
\ ` ⌒´ /
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
忠勝も、島津隊の攻撃を受けたが、運良く、馬に攻撃が当たり、忠勝自身は無傷であった。
631 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:38:09.48 ID:Im2A6zgo
____
/_ノ ヽ、_ \
o゚((●)) ((●))゚o 直政! 忠吉! 忠勝!
/:::::⌒(__人__)⌒::::\ ……もういいお、追撃はもういいお!
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
三三三三三三 ミ _ 三三三三三三
三三三三三三 〔|ミlm|___,Θ三三三三三
三三三三./ ,)-__二二-―-´lミ ミミミミミ彡
三三三 /,,/ ̄ ̄ ̄) .、テ‐,- ヽミ/~ヽミミ彡
三三三 /,,,/ (,,ヽ/ i ~`` ヽミ lSl |ミミミ彡
三三 /^ヽヽノ lヽ) _ ` | _/彡ミ彡<やーれやれだぜ……
三 / \ ソ. / }‐- 、 l ヽ彡ミミ
三 l、 \ )( ノ ノ⌒ / | ヽミミ \
三 l\ソ、 _/ ヽ__ _ / | /三三\
三 \ _/i |‐、三三三三\ / /三三三
三三lミ / (三三三三三. ) ∩ /三三三
三∠|ミ/ / .|三三三三l ̄ ̄l l ̄三三三
……しかし島津義弘隊の損害も少なくなかった。
島津隊は、少人数を残しては逃げ、残しては逃げ、
決死の足止め戦法でなんとか退却を成功させたが、
1600人いた軍勢はわずか数十人にまで減っていた。
646 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:41:26.63 ID:Im2A6zgo
. / /: /./::: | :| | |: __;:|、 :::|
/.../../ \|/::: |:|__, -||' __,-l、 :::|
///:: \| \ _,- '| __,-|‐' ::::::\.. :::|
/ | ___\|| |||: _二____ :::::::| :::| ……終わった……!
.. |  ̄ ̄ ̄oラ ≡  ̄ ̄ ̄o ̄ ̄ :::::::|.../⌒i :::|
| ` ‐--‐/,::::::: ` ‐---‐ '´ :::::::::| .|l⌒l:| :::| 東軍は勝った……!
. | ::/,::::::::::: :::u:::::|..|l⌒l:| :::| 時代は豊臣から徳川へっ……!
. | :/,::::::::::::::: U ::::::::::| ||6: | ::::::|
│ /,::::::::::::_::) :::::::::::::|.|__ノ :::::| ……そうだ、黒田殿にも、
.. | .(.:: ' ______ ::::::::::/l ::::| お礼を言っておかなきゃ……!
| (______) :::::::::/:::/ :::|
. | :::::::::/: :::/ :::l それと……やる夫殿にも、
l ━━ ::::::::/:: ::/ ::::: :::l お礼を……!
/l :::::/:: ::/ :::/\:: :::|
/. ヽ ::::/::: :/ :::::::/ \ ::|
.. / ヽ ::/:::: ::;/ :::::::/ \ :|
. / ヽ :/|::::: ,-‐'/ :::::::/_,‐' 〉:|
_,, - ‐'''‐ 、
r-- 、-- ヽ
} `ヽ ヽ、 ', 吉川殿から連絡が来たか……
!'、 ,、___ ', i、 i ',
','、'´tj‐ -.i /)', /- ) ……あちらは、これからが大変だね……。
',ノ ヾ、 i /iv',/ /
`'、-‐' レ .ノ ! __!-,
' _ , -'´ //i:::::::!、
_, ‐'::::::::! ! //::::/: :',- 、
´ フ::::::/ /,, !/./:::/-、__!: : :` -. ._
_, - ': <:::::l ! /:::/: : : 7: : : : :, -─、
/: : :r': : i::::::', /::! !:::/: : : : /: : : : :/: : : : :i
……とにかく、島津勢は退却に成功し、
関が原には東軍しかいなくなった。やる夫は、本当に勝利したのである。
652 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:42:35.28 ID:Im2A6zgo
..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;.
゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'"
;;;;;;;.. ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;
-‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'"
.;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;
.;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;.
.;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;
_,,.-ー''''"゙゙`゙''ー-、,,,,-‐'゛:、丶、 ,,,,.,.、;;. .;;;;;. .;;;;;.
,,,,-‐'゛:::....::::::........ . :::~゙"'ー- _,,.--ー''''''"゙゙: ;: ;: ``'‐.、_,,.;:--''"´`丶、
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;: ;: ; ::; ゙''、,,:::::::::::::::::::::::``'‐.、
;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,'::''"'"~''``'‐.、::::::::::::::::
゙''、,,_;: ;: ; ::; : ;:: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:::;_,,''''''"゙゙.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:::::::::;;.:;,~゙"'゙"'''''--
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;゙''、,,_,`:;,':,:;.,:;.:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,:: :;
やる夫は本陣で首実検を行った後、
藤古川の台地に本陣を移し、やってきた東軍の武将達と対面した。
___
/ \
/ \ おのおの方、本当にご苦労様だお!
/ ⌒ ⌒ \ おのおの方の奮戦のおかげで、東軍は勝ったお!
| /// (__人__) /// |
\ /
663 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:45:04.90 ID:Im2A6zgo
_ ,, - 、
, - ´‐'''' ヽ
i''''''''''''ヽ''''''- ヽ いえいえ、この度の勝利は、
}、 `、 、 ', 全てやる夫様のご威光のおかげでございます。
! '、 '、- _, =__', ',, ',
! !-、 、´tjフ i ,'.', ,i ,'
',. !,!ヾヽ .l ,'__ノ、/ ,'-、
ヽヽ `゙ .レ ノi / ノ、: :`- 、_
'`二-' , .' レ /:::::i: : : ',: : :`: :‐‐---,,,,,_
,,'.、__, - ' K:::::::::::!--=ニ__: : : : : : /: : : :ヽ
_,/: /:::::::::ヽ l' ヾ:::::!__: : : : ;': : : : : ,': : : : : : ',
____
/_ノ ヽ_\
/( >) (<)\ おっ、黒田殿!
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ いやいや、この度の勝利は黒田殿のおかげだお!
| |r┬-/ | 黒田殿はこの度の戦いの功績、一番だお!!
\ ` ̄'´ / ありがとうだお!!
やる夫は長政の右手を手に取り、何度もお礼を言って喜んだ。
更に、次々とやってくる東軍の武将達に、お礼を言い、その武功を誉めちぎった。
668 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:46:02.19 ID:Im2A6zgo
/ ̄\
| |
\_/
|
/ ̄ ̄ ̄ \
/ ::\:::/:::: \ おう、殿様!
/ <●>::::::<●> \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
____
/ \
/ ─ ─ \ ! 忠勝……
/ (●) (●) U\ 忠吉と直政は大丈夫かお!?
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
672 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:47:33.80 ID:Im2A6zgo
/ ̄\
| |
\_/
_|__
/ \ ああ、二人とも今のところは落ち着いている……
/ ノ ::: \u.\ だが、まだなんとも言えねえな。
/ <●> <●> \ ちゃんとした場所で治療してやらねえと……
| (__人__) u. | 全く、直政の馬鹿野郎が……いつもいつも重たい鎧で戦ってるからだ。
\ u .` ⌒´ / 俺みたいに軽い鎧で動けばいいものを……。
____
/ \
/ ─ ─ \ 忠勝だって危なかったそうじゃないかお……
/ (●) (●) U\ ……まぁ、運も実力のうちっていうけれど……
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
/ ̄\
| |
\_/
|
/  ̄  ̄ \
/ \ / \ ……ハハハ!
/ ⌒ ⌒ \ まぁ、そういうこったぜ、殿様。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
680 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:49:58.93 ID:Im2A6zgo
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;) 忠吉も初陣からこれで、戦への恐怖がつかなければいいお……
/ (─) (─ /;;/ 初陣といえば秀忠はどうしているお……
| (__人__) l;;,´ いつになったら来るんだお……秀康ならもう少しマシだったかお?
/ ∩ ノ)━・'/ でも秀康には関東を任せる必要があったお。
( \ / _ノ´.| | 関東は……秀康なら大丈夫だとは思うけれど……
.\ " /__| | 上杉は、最上と戦っているそうだし……
\ /___
694 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:52:38.56 ID:Im2A6zgo
/{,
! ヽ,
| ヽ, ,イ
l, ヽ / /
!, \ / /
ヽ i、 ,i" /
\ ヽ、 ,rーー、 ,r' /
\ ゝ、 iレ<ッソ ,r' /
\ `、 ,rーッヽ'イ、 ,r' /
\ ヽ_ ,.-'´ : ;リ`ヽ;iヽ\ ,r'" ,/
\ ヽ ,. - ': : :_;、: ::/l_;};;;{_ヾ! / ,/
ヽ_, ,.-ヘ─'´: : ;.-‐'´ `\;〉イi;7i':::\ / /
_,,..------.、 ヾ彡ヘ-─'´ r'`フ=={ヽ: :`ヽ-;ッ-、 /
 ̄ ̄ヾ、:.`ヽ、 _ヽ〉 ,rー'´_;ノ:;;:i};:ヽ\``'7'クシ'´ _,..--‐;:=ー
,-=;' ´ ̄ ̄ ̄: : : : : :.``ー─‐‐'"ブ´:::-、::::リシ::\``'ー'--‐'' ´ /´`
〈 ;:、 ;:: -─-,.-ッ: : : : : : : ;/:ヾヽ:;:-'ヘ:;:::/ヘiヽ、: : : : : : : :ヽ、__
/'´ '´ ,rー'´: : ;: : :,.-‐ヘ\:::;>"´: : : : :``'、:::!レ彡、: : : : : : : : : : : :`ー- 、
,..‐'´: : : :;;r','/:::::::::::;ゞ'´: : : : : :.i"::::`ーッネぐ:::::ヽ: : : : : : : : ; -─'⌒`
_,..- ''´: : : : : ;:_ノ;ヘヾ!::::::;/: : : : : : : : : }ヾ、r={{::::::{{:::::::::): : : : : :/
´  ̄`ヽ;.:- '´ /::::::゙ヾゞ'´: : : : : : :; : : : :.'!;::::;i  ̄r'^‐<、,、:(⌒′
,ヘヽ;::::/ヽ、: : : : : //-─ー^ー'`` ̄` `
/::::::ツ'´ ゝ─-i'´ ′
,..〈;::::::/
/:ヽニソ' 直江 兼続
i' ̄ヽ;/
ヽ._,/
話はここで東北に飛ぶ。
東北は西軍の上杉と東軍の伊達&最上が対立していたが、
上杉との完全対立は損になると見た伊達政宗は単独で上杉家と和睦。最上家は孤立してしまった。
最上義光は上杉家と一時的に和睦するフリを見せて、その後、東軍の秋田実季と手を結び、
上杉家と戦おうとした。だが、この動きは上杉家に漏れてしまった。
上杉家は孤立している最上家を叩くのは今だと判断した。
上杉家重臣の直江兼続は20000を超える軍勢で出陣。最上領へ侵攻した。
711 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:55:39.26 ID:Im2A6zgo
/ ,_, ',
/ ( l 、 ',
l ,i、/ 〉ヽ!ヽ、ヽヾ `ヽi l 敵の数は多い。
l i , ノ ハ( 、 ,-‐..'´`ソ'`ヽ i リ / 各地に兵力が分散している状態では、
│ i、l=‐':´`"゙:::::::::::::. : ノノ/、 / 各個撃破の対象になるだけだ。
| i i |/::` :: ::::::::,i ヽ ;::::::.. .:: l l l ヽ
l ヽゝ l::: ::: :::/ | `' 、::: -'´j l' / ) 長谷堂、上山以外の兵は撤退せよ。
ヽ、ヽ ` 、、:::/ !、- ゝ,l ' /
゙''- 、ミ ', _, - ‐- /r, 、 `( _
_ノヽ\ - , '// \ )
`ヲ. \ / // `''‐'-,
, ==l , l ` - ‐ ' // ,---、 /
最上 義光
. i ,ィ ,ヘ l
| / !.{ ヽ \ ヽ | 敵が迫ってきているのに、
l ,イl| ヾ;、 \ ` ー-ゝ、_ 、 | 逃げ出せっていうのかよ!?
i l. i / ヾゝ `''ー  ̄_ニ;三=ーヽ . | |
. ヽ ヽ!T'==-_、 `‐ `〒‐'fr;ゥj´ _j j リヽ し1!
\` l `'´ hタヽ --゚‐'_ `T!´r) } ,リ
}. l  ̄ /j ` リ r 'ノ ラ
._.ノ l. ヾ:- 、_ニ1 ノ
`ー;ァ. ヽ -ー‐一 ゞー- ,∠ _
` ー ゝ、 ` r‐;-‐`''"~ ̄ |
_,.> 、__, -‐',コ | |
江口 光清
だが畑谷城の武将、江口光清は、これを良しとせず、城に残った。
畑谷城にはわずか250から300ほどの兵しかいなかった。
724 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 22:59:00.73 ID:Im2A6zgo
______
_ | 畑谷炎上中 |
`)) | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ジ
( ) ∧ ジ ャ
( ) <⌒> (⌒ ⌒) ャ |
ウーウー.( .人 /⌒\ \( ,, ⌒)// | ン
人/ ヽ ______]皿皿[-∧( ⌒ ,, ,, ) ン
( ( )( ) )三三三∧_/\_|,,|「|,,,! ( ,, ) !!!
__| ̄田 ̄田 / ̄ ̄Π . ∩ |'|「|'''|「( )
/__,|==/\=ハ, ̄ ̄|「|ガシャーン |「| | * +
, ,.ィ
. /l// ―‐ァ___
,ハ __ ´ <
/  ̄ > \
}7l =ァ=,=、‐‐ヽ l ̄ 江口殿、兵の数が違う。
/ソ 〈〈_ハ / | 降伏されよ!
` _ `'⌒l N
. }  ̄ ニ 人!
. ヽ _ .. -'^T/`′
} _ .. ― ユ、
r‐┐r 二 、
L..ノ/ \
\ 、 /, ‐' ´ } } リ i, `;‐ 、. l
ヾ、,,. -‐'rf'´ 、ノー--‐'ノー-ァ'ヽ.リ_ノ_ ,ノ' ;' ヽ.ヽ
. ⊃ | | | | }ノ´─‐- 、,ノ'´ ヽ、ヽ\へ、ノ' ヽ.}
. | | | | "´} ,二二_`'‐-=ソノ` ;{__;ゝ、_,.ノ'ヽ!
! ! ! ! _,l. `' (。P} ` ヾ´ /r;c-、,`〉 ) _,,ノ'
! ! ! ! } `ー--‐' '" ヾ‐'ノ゙,ル'/ _ノ
| | | | "´! '"´ _`! :{'ノ ,イ
| | | | リ ´ '',.ィ' ! _}.! 遊びでやってんじゃ
| | | | } ,.-──‐-、 l }l
| | ヽ:、"`ヽ、 /ー'´ ̄ ̄`y} l`ソ! ないんだよ!!
. ! ! ``'‐ 、ヽ,、l, -─- 、- 、 ! ノ、)l
-‐'' |、 `'' ゝ、 ,.. -────‐-'、! 直江兼続、出て来い!
-‐ ' ´\` ‐ 、 `! |
江口光清は300の兵士と共に城から出て、突撃したが……
731 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 23:01:40.34 ID:Im2A6zgo
、、,,,,,ィ ァ;;;;/ ,,, ,,、、、 ,,,i| l|l||/ ll|;;;;;;;l;;;l l l;;;;;l|、;;;;;;;;ン | )
三、_,,、-ー'''" ,,、 '´ ..::ゝ;;//ィ};;;;/ ,ff゙''ー-、;;;;ヽ|||/::ノノノ从l/ l|リノノ//;;彡l;;| | )
`''ソ彡 ,,/ イツ l| l(リ;;/ '、ッ彡ミヽ;;;;\}}/////"ノノ//ノノ;;彡.|;;| | 」 兼続殿が出るまでもない!
'''''ノ" / レ'/ノ ヾ'|;;/ ゙'ヽ、,(::)`゙、;;;;;;)";;゙-ー彡'';;;;;ヽj;;;;彡l;l'、| |ヽ
フ ノ 「|::|/ ) ゙'''|リ ``゙"",ミミ"ヨ;;;;ィ=;<´゙''/;;;/、|| ';l ヽ之 この前田慶次郎が
" / X::/( ::イ 三ニ=ー-゙゙'''゙} /}:`''゙='-ー'゙ /イ/ 'l| ',', ヽ )
/ :::リノ:::| 〉 ..::::l ..::ィ' ノ:,'ノ:::'' ::: :: , "/:: ゙、 l;l | ) お相手致そう!!
l/ .::(/ :::|/ヽ ..:::::l `::( _,ソ:" ゙゙゙ , '-'"',:::: l ゙l| |ヽ,
ノ´ ..:: |〉 〈_||`'、::::::::', ,ィ<'ー 、;ミ::ノ,, , " ゙,:::::. } || | /
/ ..:: |〉 || / \ ::::',. /:ィ-`' - 、ニ7' , "l |::::... } l| | Z
_,∠____ ..::: |〉 ゙'、l Y''l::::::', {、、', `''' "〉/ , 'イノ| l::::::::.. ゙、 || ∠_
―-z \ ..::::::: |ヽ \/`''i:::', 、`'ミ'ー-イ/ /∠Yl| ゙,::::... リ / つ___
// ̄\ \ ..::::.. | ヽ L/ \t `''ー ` ̄ ///イ }::::: ゙}
前田 慶次郎……前田利家の義理の甥。「花の慶次」で有名。
叔父とは気が合わずに前田家を出奔し、現在は上杉家にいた。
748 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 23:03:55.56 ID:Im2A6zgo
. / , '´ ii r `ヽ
,' /' ヽ,..ィ‐rrーiri-、-!、 \
l'〃ヽ _ , _ニ_ノ' .l' u ヽ _ヽ_ヽ、 ヽ
/ l' ,> 'l〃,ニ,‐`! ‐'ヺ,.ニ、`ヽヽ‐' ヽ
/ l /ィ':::::l ,i.ic;ソ丿 r, ='c;;ツ_ヽヘヽ_, -l /ヽ
,' Y'ハ::::://r' lー_.、. lj ,r',.イー'::r'ー- } / ぼ、暴力は良くない!
! l _ヽi j.! ヽ ‐' i l, i'ヽ::/ ./ /
! j'´ ,! !i r―__'ニー 、 l r1::::;ゝ‐-./ /
', j‐'´ l l! l`" `ヽ! 'J ー/ ./ / うわぁああぁーっ!!
', ./, - '´ ̄ ` ー 、-_''' ー/ j - ./ ヘ
V´ `ヾー' ,_r'_r'´ ,. -' /,.、ヽ
| ヽ--'--‐ ''" / li' リ l!
| _ /_ ` ' /
ーく´ `` ー 、 ノ `ヾ、
江口光清は上杉軍を散々苦しめはしたが、やはり数が違い、敗北し、自害した。
1600年の旧暦9月13日、関が原の戦いの2日前のことである。
759 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 23:06:26.99 ID:Im2A6zgo
_____
| 長谷堂城 |
ザワザワ・・・ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧
<⌒> ザワザワ・・・・
/⌒\
_________]皿皿[-∧-∧、
/三三三三三三∧_/\_|,,|「|,,,|「|ミ^!、
__| ̄田 ̄田 / ̄ ̄Π . ∩ |'|「|'''|「|||:ll;|
/__,|==/\=ハ, ̄ ̄|「| ̄ ̄ ̄ ̄|「| ̄ ̄|
/_| ロ ロ 「 ̄ ̄ ̄ | | 田 |「| 田 田 |「|[[[[|
|ll.|ロ ロ,/| l⌒l.l⌒l.| | |「| |「|ミミミミミミ
更に上杉軍は進軍。
最上家本拠地の山形城からわずか数キロ離れた長谷堂城にまで迫った。
この城さえ攻略すれば、最上家にはもう山形城しか残っていない。
'i;:. :::.. ::..:'i;::::::. .:;':: .:;:' .::::: ,,:'';;z;;-,'''i;...:::::::::.... `、
'i;:. ::::. `、 :`、::::::;::..:;':::;;/''''´,' ,.' .i::::::::::...,,,,,__ `.、 `、
`、::::;,;;_::,,`、,_':;:;':;;;;/ ,' ' ''''''''''Z::.. `ヽ,,,-、 'i,ヽ!
`、::'i, ''`',` ',`´ ; .,' ,/W `z::...r'´,,-、.i, .i,
. `;:::i .', ', .; ,.' _//,,/ `、,,! i´ i,.i, ト.! なんとしてでも落とせ!
i;;! ' ; ; .' .,r'´,r<''''''i' '´ .i,,r ,! i .i,
'i, '., .,' .,/,ri´! ,! / .i i / !
`ヾ''>-,、_ '., ∠,/ ー''''''''´ i,,//`、 i,
`、ヽヽヽ, ,,/ `、N
`, 、`´i ´ i ,' `、
i i ,! .; ヾ''ヽ,,,,,,,,,_
. i、.ノ.__ - __,,..-‐ニ/ヽ / .;.; ,/:::::::`、:/:.`、
`ヽ、 ‐<ー'7i'´´ ./! / ;; /:::::::::::/:.:.:.:.:`、
`ヽ、 `ヾ i,,,....-‐',/ ./ .; ,/::::::::::::/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.y`ー-..,,,__
`ヽ、  ̄ ̄ / _,/:::::::::::::/:.:.:.:.:.:.:.:.;;;;;:.'':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ̄'''―-
,/`.、 ____,,.. k´ r'´::::::::::::::/:;;;;;;;;;;;;.:.:;;'':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
,,r''´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,':.!;::`ー―'´'i;;;;;;;::::f´;;;;;;;;;;;;;;;.:.:.:.:.;;'':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
直江兼続は大軍をもって長谷堂城に押し寄せた。
764 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 23:08:52.57 ID:Im2A6zgo
だが……
| \ /
| ̄ ̄\ / / \ /
\/ \ / / ##ヽ /
|### /⌒ ヽ \ / ######丿
\/ ( ) \ / ########_/
/ ( ) ヽ ############_/
|⌒ ヽ \ |############ノ ←最上軍鉄砲
\ \#### ∠
丿⌒\/⌒ヽ ヽ##∠ |二l
/## |\_/## |/##/―┘
|### 0 \\##ノ ̄ ̄
\## __)
 ̄ ̄ | ̄|
| ̄| | | 冂
| ̄| | | | | | | | ̄|
| ̄|__| |┌┐ | ̄| | ̄| ┌┐ | ┌┐| ̄ ̄| 冂 | || ̄|
| || |冖L」 |―| ̄| |_厂|-┌┐_冂 ||| | 冂| ̄| |┌―┐
782 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 23:11:12.82 ID:Im2A6zgo
,,-''" ,, --''"ニ_―- _ ''-,,_ ゞ "- ズ
て / ,,-",-''i|  ̄|i''-、 ヾ { ド
(" ./ i {;;;;;;;i| .|i;;;;;;) ,ノ ii |
,, ( l, `'-i| |i;;-' ,,-'" _,,-" |
"'-,, `-,,,,-'--''::: ̄:::::::''ニ;;-==,_____ '" _,,--''" |
 ̄"''-- _-'':::::" ̄::::::::::::::::;;;;----;;;;;;;;::::`::"''::---,,_ __,,-''" |
._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄ |i-----,, ̄`"''-;;::''-`-,, |
,,-''::::二-''" .--i| .|i "- ;;:::`、 ン
._,-"::::/  ̄"''--- i| |i ヽ::::i !!!!!!!!!
.(:::::{:(i(____ i| .|i _,,-':/:::}
`''-,_ヽ:::::''- ,,__,,,, _______i| .|i--__,,----..--'''":::::ノ,,-'
"--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i| .|i二;;;;;::---;;;;;;;::--''"~
 ̄ ̄"..i| .|i
.i| |i
i| |i
.i| .|i
.i| |i
.i| ,,-、 、 |i
i| ノ::::i:::トiヽ、_.|i
_,, i|/"ヽ/:iヽ!::::::::ノ:::::Λ::::ヽ|i__n、ト、
,,/^ヽ,-''":::i/::::::::/:::::|i/;;;;;;/::::;;;;ノ⌒ヽノ::::::::::::ヽ,_Λ
;;;;;;:::::;;;;;;;;;;:::::;;;;;;;;:::/;;;;;;:::::::::;;;;;;/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::;;:;;;;:::
,i′', ', ', ;' ,' ,' ,' `i
! ', ', ,'', ', , ',' ,' !
_! ' ' ,' ,,',',' ,' ,,','7 …………これはないだろ……。
i i, ,` ','', ' 、,'' ,!l
l, ヽ '' ,;`、;,`、,;''/ ,!
`Yヽ_,rー''ヾ、_,/,!''′
__>'-‐‐┴--、'__
_,,,,,,,..r<.:.:└i'''''''ii''''''i-':,'`ー--.,,__
,r‐''''´ ̄.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、l::::::::ll::::::l:.;':,r'´:.:.:.:.:.:. ̄'''‐--.,_
,f:.`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,/:.:`.、
,f.:.:.:.`、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:└‐‐‐‐‐‐‐┬'.:.:.:.:.:.`:、:.:.:.:,':.;/:.:.:.:.:.:.i,
i:.:.:.:.:.:.:`、:.:.;r':.:.:.:.:.:.:.;r':.|'´:::::::ll::::::`|`、:.:.:.:.:.:.:.`:、:,:/:.:.:.:.:.:.:.:.:i
最上軍の夜襲や鉄砲、地の利を活かした攻撃に、上杉軍はこてんぱんにやられてしまった。
その後も直江兼続は城攻めを続けたが、大きな戦果をあげることはできず、
むしろ上杉家の武将を討ち取られるなど、上杉家の旗色は悪くなる一方だった。
796 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 23:14:07.39 ID:Im2A6zgo
-ニ::;;;;;:-::::/¨ ̄丶:::::::::::7´ ` \ ; `ー'´-''´i /
/::::::/ ,r'´ ヽ 丶''´'' ‐ - - 、 _,,,,,,`ヽ、 ; ,' ,l/
/:::::::::::! ' l 〉 ',! ,r'´''ヽ、 ; ,' ,' l!
∠ -''7::::::l ヽ / ヽ ! ゚ノト、ヽ、 ,' ,' ,' !
/:::;/::! i ` ! `ー--- ′ `ー` , ' l これまでか……
//!::::丶ヽ __ ! U  ̄ ヽ ー -、 !
'´-" /::::::::::::ヽ ヽ ヽ ヽ ,r'ー==--,,,!
/::::/!::::/ `ー'`i ` 〉イ ゚! >´ オレは自刃する!
. /:/ !:::/ ! !、ヽ_,/!
''´ l::/ l l l
レ′ i丶 _ 丶 !
,r<´ ! `、 __ ` _,,-''’/
-,/;:;:;ヽ l 丶  ̄¨'''‐-- /
〈:;:;:;:;:;:;ヽ ! ヽ /
.:ヽ:;:;:;:;:;:;:\ ! 丶 /
:.:.:丶;:;:;:;:;:;:;:\ l ヽ /
.:.:.:.:.:.\:;:;:;:;:;:;:;丶、! 丶 __ /
:.:.::.:.:.:.:.:.ヽ;:;:;:;:;:;:;:;:;`ヽ、 /¨ ---'′
9月29日、関が原の戦いより14日経った頃、
関が原で西軍が敗北したという情報が入ってきた。兼続は一時は自刃を覚悟した。
そ負 |------、`⌒ー--、
れけ |ハ{{ }} )))ヽ、l l ハ
が戦 |、{ ハリノノノノノノ)、 l l
いだ |ヽヽー、彡彡ノノノ} に
いが |ヾヾヾヾヾヽ彡彡} や
!! /:.:.:.ヾヾヾヾヽ彡彡} l っ
\__/{ l ii | l|} ハ、ヾ} ミ彡ト
彡シ ,ェ、、、ヾ{{ヽ} l|l ィェ=リ、シ} |l
lミ{ ゙イシモ'テ、ミヽ}シィ=ラ'ァ、 }ミ}} l
ヾミ  ̄~'ィ''': |゙:ー. ̄ lノ/l | |
ヾヾ " : : !、 ` lイノ l| |
>l゙、 ー、,'ソ /.|}、 l| |
:.lヽ ヽ ー_ ‐-‐ァ' /::ノl ト、
:.:.:.:\ヽ 二" /::// /:.:.l:.:.
:.:.:.:.:.::ヽ:\ /::://:.:,':.:..:l:.:.
;.;.;.;.;;.:.:.:.\`ー-- '" //:.:.:;l:.:.:.:l:.:
しかし前田慶次郎ら、家臣に諌められ、自刃することはやめた。
そして上杉軍は最上領からの撤退を開始した。
805 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 23:17:13.11 ID:Im2A6zgo
! , ‐'´ヽ、.__..>---┴---‐┴-<..._`ヽ. i. /
ヽ ,.ヘ _,.‐'´.イ'´ト、\、..____,,.. -─-、ヽ, ヽ_!__./ _
. `‐、 : `,イ r(( 、ヽ ` ‐-ゝ _,.. -── _){__│| ||
:` ー-{ { 、ゝ、.._ ヽ、 ヾー''ニ=-‐rッー;'' `ゝ{ │| || 行け、最上軍!
: `rゝィ-ーfォ! '"´  ̄ ̄ ``: }.!_ |│ ||
: .| イ}  ̄ノ : ( 「´│| || 忌まわしき記憶と共に……!
. : │{│ ノ'' : ル{.._│| ||
: | ノ}l └- : ´.{ | | ||
: .|. l. ヾニ二'> : _,L.__ | | ||_
: | i __ _;.r‐´ z-‐''"´ .| r‐
,: ‐''"~´ ̄ ̄ ̄~``ヽ._.∠ニ-‐''"´ | ゝ:'
. | r-──┐ :|::: -‐7 ̄
|  ̄ ̄ ̄ |::
退却を開始した上杉軍に、最上軍が迫る。
直江兼続ら上杉軍は必死に反撃しつつ、
最上領から脱出した。そして義光は、そのままの勢いで、
上杉軍に侵された領土を次々と取り戻していった。
この一連の戦いを慶長出羽合戦と呼ぶ。
この東北地方の戦いも、関が原の決着によって、一応の終わりを見た。
812 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 23:19:23.85 ID:Im2A6zgo
..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;;;;. ..;;;;;;;;;;;;;;;;;.
゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'" ゙''ー---‐'"
;;;;;;;.. ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;;;;;;;
-‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'" ゙''ー--‐'"
.;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;;;;;. .;;;;;;;;;;
.;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;. .;;;;;;;;.
.;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;. .;;;;;
_,,.-ー''''"゙゙`゙''ー-、,,,,-‐'゛:、丶、 ,,,,.,.、;;. .;;;;;. .;;;;;.
,,,,-‐'゛:::....::::::........ . :::~゙"'ー- _,,.--ー''''''"゙゙: ;: ;: ``'‐.、_,,.;:--''"´`丶、
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;: ;: ; ::; ゙''、,,:::::::::::::::::::::::``'‐.、
;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,'::''"'"~''``'‐.、::::::::::::::::
゙''、,,_;: ;: ; ::; : ;:: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:::;_,,''''''"゙゙.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:::::::::;;.:;,~゙"'゙"'''''--
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;゙''、,,_,`:;,':,:;.,:;.:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,:: :;
時間を再び、関が原の戦いが終わった旧暦9月15日の夕方に戻す。
./ \Yノヽ
/ (0)(―)ヽ
/ ⌒`´⌒ \ やる夫様、お願いがあるっていうwwww
| , -) (-、.| 三成の佐和山城はオレに任せろっていうwwww
l ヽ__ ノ l |
\ /
小早川秀秋は、三成の居城である佐和山城を攻めたいと何度も訴えた。
……裏切りが、どこか後ろめたかったのかもしれない。
早く三成を見つけ出して、殺したいと秀秋は思った。
三成が生きている限り、不安である。
最悪、三成が再起してやる夫を万が一にでも倒した場合、
秀秋は確実に殺されるだろうから……。
818 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 23:21:38.44 ID:Im2A6zgo
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;) 三成が生きて佐和山城に戻り、
/ (─) (─ /;;/ 軍を整えて大坂城に逃げれば厄介だお。
| (__人__) l;;,´
/ ∩ ノ)━・'/ ……それに、ここでムゲに断って、
( \ / _ノ´.| | 太閤の一族の秀秋のヘソを曲げても、
.\ " /__| | 意味はないお。秀秋は今後のやる夫の行動の、
\ /___ 大義名分付けにまだ役立つお。
___
/ \
/ \ , , /\
/ (●) (●) \ よし、秀秋殿、
| (__人__) | 三成の佐和山城を攻撃するんだお!
\ ` ⌒ ´ ,/
. /⌒~" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ
| ,___゙___、rヾイソ⊃
| `l ̄
. | |
/ \Y/ヽ
/ (ー)(ー)ヽ
/:::::::⌒` ´⌒:\
| ,-) ヽ__ノ(-、| 任せろっていうwwwwww
| l |r┬-|. |
\ `ー'´ /
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
827 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 23:24:43.40 ID:Im2A6zgo
. /ニYニヽ
/(。)(. ゚)ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
. | ,-)トェェェェイ(-、| でってでってでってでっていうwwwwwwwwww
| l .|-┬-| l |
\ `ー-'´υ/ ┏━┳━
⊂ 丿 i|! ┃ ┃
ノ γi|! | 1up! ┣━┻━
(__丿\ __ノ .┃
ヽ、ノし,/ ヽ、从,/━━┳━┻━┳━
,ノγ⌒二_二⌒ヾて ;’.ビターン ┃
`:・, ` r'.゙!'t、....ィ'!゙ヽ. /ビターン .┳━┻━
佐和山城→ ∵ :'(___',='.=.'=,'___,).┃そ ビターン
 ̄─┏━━━┳┻ .ビターン ━┳━
┃ ┃ . ビターン ┃
┣━┳━┻━┳━┻━┳━┻━
┃ ┃ ┃ ┃
━━┳━━━┳━━━┳━━━╋━┻━┳━┻━┳━┻━┳━
┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃
秀秋は15日のその日の内に進軍し、
三成の佐和山城を攻撃しはじめた……。
837 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 23:27:38.60 ID:Im2A6zgo
____
/ \
/ ─ ─\ ……戦いには勝ったお。
/ (ー) (ー) \ でも、これからが大変だお。
| (__人__) | )) 石田三成や宇喜多秀家は行方不明。
/ ∩ノ ⊃ / 大坂城には毛利輝元が健在……
( \ / _ノ | | それに大坂城には秀頼がいるお。
.\ “ /__| | さて、どうしたものかお……。
|\ /___ /|
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;)
/ (─) (─ /;;/
| (__人__) l;;,´ ……天下への道は、まだ遠いお。
/ ∩ ノ)━・'/
( \ / _ノ´.| | 三成、秀家、行長……
.\ " /__| | 毛利、島津や長宗我部、上杉……
\ /___ / そして、豊臣秀頼……どうしたもんかお。
やる夫はじっと考えた。
天下を取りたい。それはこれまでやる夫のために死んでいった家族や家臣のためでもあり、
自分自身の野心ためでもあり、徳川家のためでもあり、
秀吉の政治と外征で混乱している天下のためでもある……。
実力ある者が天下をとらねば、この乱世は安定しない。
そしてその実力ある者とは、石田三成が敗れた今、やる夫しかいないのである。
849 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 23:30:11.79 ID:Im2A6zgo
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ …………。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
/ ̄\
! !
\_/
|
/ ̄ ̄ ̄\
/ ::⌒::::::⌒:\ ……よう、殿様、何シケた顔してるんだよ。
/ <●>:::::::<●>\ 夜中……いや、もうすぐ夜明けだぜ。
i ::::::⌒ (__人__) ⌒:: i
ヽ、 `ー ' /
/ ̄ ̄ ̄\
/ ─ ─ \ 忠勝……。
/ (●) (●) \. 考え事をしていたんだお。
| (__人__) | これからのことを……
\ ` ⌒´ /
/ \
857 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 23:32:23.44 ID:Im2A6zgo
/ ̄\
| |
\_/
|
/  ̄  ̄ \ そうか……そうだよな。
/ ::\:::/:: \ これからが大変だもんな。
/ .<●>::::::<●> \
| (__人__) | さすがに殿様は偉えや……
\ ` ⌒´ / …………オレは、なんか興奮しちまって、
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \ 全然眠れないぜ。
___
/ \
/ノ \ u. \
/ (●) (●) \ 興奮……?
| (__人__) u. | 戦いが、終わったのにかお?
\ u.` ⌒´ /
ノ \
863 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 23:34:06.54 ID:Im2A6zgo
/ ̄\
| |
\_/
| だって、そうだろ……?
/ ̄ ̄ ̄\ 殿様、あと一歩で天下に手が届くんだぜ?
/ :::::\::::::::/\ もう少しなんだぜ?
/ <●>:::::::<●>\ ……信玄にビビってクソ漏らしたり、
| (__人__) | オレや数兄ィ泣きごと言ったり、おまんと浮気したりしていた殿様が、
\ ` ⌒´ / ついにここまで来たんだぜ……?
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚⌒ ⌒゚o \ も、もうウンコのことは触れるなお……!
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
/ ̄\
! !
\_/
|
/ ̄ ̄ ̄\ あっはっはっはっは……!!
/ ::⌒::::::⌒:\ ……殿様、悩むのも考えるのもいいが、
/ <⌒>:::::::<⌒>\ 今日くらいは勝利を無邪気に喜ぼうぜ!!
i ::::::⌒ (__人__) ⌒:: i オレは喜んでいる!
ヽ、 `ー ' / ついにオレの殿様があと一歩で天下人なんだってな!
872 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 23:36:06.56 ID:Im2A6zgo
____
/ \
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \ ………………。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ ,/
/ ̄\
! !
\_/
|
/ ̄ ̄ ̄\ ……おっ、殿様、見ろよ!
/ ::⌒::::::⌒:\
/ <●>:::::::<●>\
i ::::::⌒ (__人__) ⌒:: i
ヽ、 `ー ' /
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ …………おっおっおっ……!!
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
878 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/08/31(日) 23:37:29.94 ID:Im2A6zgo
................... ........:::::::::::........
....::::" ......... ゛:::...
.......::::::::::::..... ..:::::" ............ ゛:::... ...:::::::::......
.:::::" :::::::::::::. ゛::::.. ........:::::::::.......
.::."........... ::::::::::: ::::..
_,. - ''"~゛~` - ''""~゛` - ''""~゛~`''` ‐- ,._ ...:::::::::......
,. - ''"~ .,. ''' ,., '''゛ ` ‐ - ,._
_,,.-ー''''"゙゙`゙''ー-、,,,,-‐'゛:、丶、 ,,,,.,.、;;. .;;;;;. .;;;;;.
,,,,-‐'゛:::....::::::........ . :::~゙"'ー- _,,.--ー''''''"゙゙: ;: ;: ``'‐.、_,,.;:--''"´`丶、
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;: ;: ; ::; ゙''、,,:::::::::::::::::::::::``'‐.、
;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,-‐'゛ :: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,'::''"'"~''``'‐.、::::::::::::::::
゙''、,,_;: ;: ; ::; : ;:: :; : ;: ;: ;: : ;: ;:::;_,,''''''"゙゙.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:::::::::;;.:;,~゙"'゙"'''''--
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;゙''、,,_,`:;,':,:;.,:;.:;: ;: ; ::; : ;:; :,,,,:: :;
「夜明けだお……! こんなに清々しい夜明けは何十年ぶりかお……!!」
「ああ……オレ達は幸せ者だぜ。
こんなに清々しい夜明けを迎えられるヤツは、そうはいねえぞ、殿様……!!!」
第25話「関が原の戦い」終わり
第26話「江戸幕府」へ続く
24 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 20:38:57.99 ID:8xz1w7Yo
第26話「関が原始末」
この物語は、東照大権現、徳川家康が天下を取るまでの、
苦難の物語である。
______
_ |佐和山炎上中|
`)) | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ジ
( ) ∧ ジ ャ
( ) <⌒> (⌒ ⌒) ャ |
ウーウー.( .人 /⌒\ \( ,, ⌒)// | ン
人/ ヽ ______]皿皿[-∧( ⌒ ,, ,, ) ン
( ( )( ) )三三三∧_/\_|,,|「|,,,! ( ,, ) !!!
__| ̄田 ̄田 / ̄ ̄Π . ∩ |'|「|'''|「( )
/__,|==/\=ハ, ̄ ̄|「|ガシャーン |「| | * +
1600年旧暦9月18日、石田三成の居城、佐和山城は、
東軍の攻撃により落城し、三成の家族の多くは死亡した。
36 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 20:41:22.19 ID:8xz1w7Yo
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l | ここまでか……
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i U / ',
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ',
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
三成自身は、関が原からひたすらに逃げ、
途中で空腹に耐えかね、生米を食べたところ腹を壊し、
体力を失っていたところを、東軍に見つかり、捕縛されてしまった。
また、ほぼ時を同じくして、小西行長と安国寺恵瓊も、捕まった。
43 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 20:43:50.86 ID:8xz1w7Yo
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\
/:::::⌒(__人__)⌒:::: \ 三成を捕まえたかお!
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
やる夫はこの時、東軍の本陣を大津に置いていた。
三成を捕まえたことで、やる夫はほっとした。
____
/\ /\
/( ●) (●)\ 三成を本陣の門の外に、座らせるんだお。
/ ::::⌒(__人__)⌒::::\ 石田三成はもはや、やる夫の手の内だお。
| |r┬-| | この事がやがて広まり、東軍の士気は上がり、
\ ` ー'´ / 大坂城や各地にいる西軍の士気は下がるお!
三成が捕まったとはいえ、西軍の総大将である毛利輝元は大坂城に健在であり、
まだまだ情勢は予断を許さなかった。
54 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 20:47:06.96 ID:8xz1w7Yo
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l |
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ …………。
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ',
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ',
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
三成は、東軍の本陣の門の外に座らされた。
完全に「さらし者」であった。
敗軍の将は惨めなものであった……。
やがて、そこへ東軍の武将達が現れた。
62 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 20:49:20.14 ID:8xz1w7Yo
まず現れたのは福島正則だった。
/_____ \
|/⌒ヽ ⌒ヽヽ | ヽ
| / | ヽ |─| l やあ、三成だ。
/ ー ヘ ー ′ ´^V ざまあみろ、いいきみだ!
l \ / _丿
. \ ` ー ´ / 天下のため、秀頼様のためにならない
>ー── く 無益の内乱を起こし、
/ |/\/ \ そのざまはなんだい!
l l | l
ヽ、| | ノ
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l |
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ 武運が無かったわ……
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ', 正則、
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ', 貴様を生け捕りにできなかったのは、
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、 本当に無念だ……!
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
73 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 20:51:52.32 ID:8xz1w7Yo
続けてやってきたのは黒田長政だった。
_ ,, - 、
, - ´‐'''' ヽ
i''''''''''''ヽ''''''- ヽ ……勝敗は、兵家の常だ……
}、 `、 、 ', こんな事になり、さぞ無念だろう、三成。
! '、 '、- _, =__', ',, ',
! !-、 、´tjフ i ,'.', ,i ,'
',. !,!ヾヽ .l ,'__ノ、/ ,'-、
ヽヽ `゙ .レ ノi / ノ、: :`- 、_
'`二-' , .' レ /:::::i: : : ',: : :`: :‐‐---,,,,,_
,,'.、__, - ' K:::::::::::!--=ニ__: : : : : : /: : : :ヽ
_,/: /:::::::::ヽ l' ヾ:::::!__: : : : ;': : : : : ,': : : : : : ',
そう言うと、長政は自分の羽織を脱ぎ、三成にかけてやった。
三成の衣服があまりにも汚れていたため、それを哀れんでの行動とされる。
80 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 20:54:14.65 ID:8xz1w7Yo
_,, - ‐'''‐ 、
r-- 、-- ヽ
} `ヽ ヽ、 ', 三成……この様なことになっても、
!'、 ,、___ ', i、 i ', まだ命を永らえたいのかい?
','、'´tj‐ -.i /)', /- )
',ノ ヾ、 i /iv',/ /
`'、-‐' レ .ノ ! __!-,
' _ , -'´ //i:::::::!、
_, ‐'::::::::! ! //::::/: :',- 、
´ フ::::::/ /,, !/./:::/-、__!: : :` -. ._
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l |
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ ……生きてさえいえば、
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ また機会はある……。
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ',
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ', たとえ両腕を切り落とされても、
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、 命さえあるならば、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′ やる夫を討ち取りたいものだ。
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
_,, - ‐'''‐ 、
r-- 、-- ヽ
} `ヽ ヽ、 ', ……そうかい…………。
!'、 ,、___ ', i、 i ',
','、'´tj‐ -.i /)', /- )
',ノ ヾ、 i /iv',/ /
`'、-‐' レ .ノ ! __!-,
' _ , -'´ //i:::::::!、
_, ‐'::::::::! ! //::::/: :',- 、
´ フ::::::/ /,, !/./:::/-、__!: : :` -. ._
88 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 20:56:38.47 ID:8xz1w7Yo
--─` ` ` ` `ヽ、. i
三 `iノ,
三 〃〃〃___ノ \ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ ∧ /
彡 ,ィ《´`\ヽ < >
彡 ,' / ̄` `i < 三成は >
彡 !ィ /゚) く < >
彳 ト `‐ `ス < こ っ け い だ ね ぇ // >
|! :| ヽ ,-─-- イ < ゚ ゚ >
|| (⌒ヽ! (_,,、-‐‐イ´ < 自害もしないなんて! >
川 ヽ > \_ |_ノ^> / >
川_`'=-‐'''"⌒`´⌒`''"´⌒ヽ、 7 ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨ ∨\
/⌒` \
/ \
更に細川忠興が現れ、三成を罵った。
三成は「討ち死にや自害をよしとするのは、下っ端の武者の言うことだ。
大将というものは、なんとかして再起を図るものだ。
この三成も、死ぬのが怖いのではなく、大阪を落ち延びて、もう一度でも戦うつもりだった。
このようなことになったが、おぬしは、武将の作法を知らないようだ」と返した。
101 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 20:58:24.74 ID:8xz1w7Yo
続いて藤堂高虎が現れた。
\ 、 m'''',ヾミ、、 /
\、_,r Y Y ' 、 /';,'' 三成殿……オレと三成殿は、たびたび、なかまとしてたたかった!
、 ,\ヽ, | | y /、 ,;;,,'',
\、\::::::::::/, /,, ;;, こんかいは、てきどうしだったが、さすがに三成殿はつよかった!
ヽ\ o 、 ,o / { ;;;;;;;,, できれば、三成殿が見た、オレのぐんぜいについて、
丿 [ \|:::|/ ] >"''''' きになったことを、おしえてはくれないか!
>、.> U <,.<
ノ ! ! -=- ノ! ト-、 オレいがいのにんげんは、みんなオレのせんせいだ!!
..''"L \\.".//_ | ゙` ]
117 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:01:02.45 ID:8xz1w7Yo
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l | 藤堂殿……ならば言おう。
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l | 藤堂殿の鉄砲隊は、雑兵が多かったようだが、
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ もう少し、正式な武士をお雇いになり、
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ 鉄砲隊に加えれば、鉄砲の命中率も上がり、
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ', もっと強くなるだろう。
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ',
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
\ 、 m'''',ヾミ、、 /
\、_,r Y Y ' 、 /';,''
、 ,\ヽ, | | y /、 ,;;,,'', アドバイスありがとう、三成殿。
\、\::::::::::/, /,, ;;,
ヽ\ o 、 ,o / { ;;;;;;;,, そのようにしよう!
丿 [ \|:::|/ ] >"'''''
>、.> U <,.<
ノ ! ! -=- ノ! ト-、
..''"L \\.".//_ | ゙` ]
高虎は程なくして軍勢を編成し、三成の助言どおりにした。
131 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:03:09.84 ID:8xz1w7Yo
次に現れたのは、三成の居城、佐和山城を率先して攻めた小早川秀秋であった。
/ニYニヽ
(ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ /)
(((i ) /::::⌒`´⌒::::\ ( i))) でっていうwwwwwwwwwwwwwww
/∠_| ,-)___(-,|_ゝ \
___、 |-┬-| ,__ )
| `ー'´ /´
| /
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l | おのれ秀秋!
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ 貴様の裏切りを察知できなかったのは、
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ この三成、最大の不覚であった!
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ',
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ', 太閤殿下のご恩を忘れ、約束を忘れ、
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、 裏切りをしたおのれは、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′ 武将として恥を知らぬか!
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/フYヽ
o ゚ ゚o/( o)(o )ヽo゚ ゚ o
/ ⌒`´⌒ \ で、で、でで、でっていう…………。
| ,-)___(-、|
| l `⌒´ l |
\ /
秀秋はそそくさとその場を去っていったと伝わる。
148 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:05:25.96 ID:8xz1w7Yo
そして夕方。
やる夫は三成の縄を解き、会った。
____
/ \
/ ─ ─\ ……石田三成、
/ (●) (●) \ 今の気持ちはどうだお?
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
/:::::::::::| ノ__ \ / __ ゝ i::::::::::ヽ
i:::::::::::::! /¨⌒¨\ /¨⌒¨\ {:::::::::::::',
,':::::::::::/ ___ \::::.. .::/__ ヽ::::::::::::i
/::::::::::::| / r‐、_ヽ`ヽ く ∠ r‐、 `ヽ |::::::::::::', ははは……
,'::::::::::::::| `ー┷'´ / /:i \.`┷┴--' |::::::::::::::', 気分でござるか!?
/::::;-‐-、ゝ i / ノ::::l \::::::::::... |::::;‐-、:::',
,'::::/ `ヽ ! / .::::::: ヽ \:::::::.. |:/ r 、ヽ:::i ……勝敗は天運!
/::::| ⌒)) l l ___ `ヽ:::.. ノ _ L!/ i !::::',
,':::::::ト、 l l r',.::____________ヽ ら i |::::::i 状況によっては、
/::::::::::::\`ヽ ヽTL___________// ノ / ./:::::::| この立場が逆であったかも
!:::::::::::::::::::\' ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ / -'/:::::::::::! しれませんな!?
!::::::::::::::::::::::::`-、 ハ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ 人/:::::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::::::::::i ハ::;-――--――-、::/ /::::::::::::::::::::::::::::! 私がその場所に、
\::::::::::::::::::::::::::::| Y: : : : : : : : : : : : : Y ./::::::::::::::::::::::::::::/ やる夫殿がこの場所に……!
ヽ::::::::::::::::::::::::ヽ i :、: : : : : : : : : : : / /::::::::::::::::::::::::::::/
\::::::::::::::::::::::ト、 \`ー‐---―/ ィ::::::::::::::::::::::::::::/
156 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:07:01.18 ID:8xz1w7Yo
____
/ \
/ ─ ─\ ……左様かお。
/ (●) (●) \ いや、確かにその通りだお。
| (__人__) | 場合によっては、やる夫が負けていたかもしれない戦。
\ ` ⌒´ / 失礼ながら、やる夫より低い石高と、
ノ \ 奉行を辞任されたその身で、よくここまで戦ったものだと、
/´ ヽ このやる夫、感心しているお。
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l |
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ ふ……やる夫殿。
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ 貴殿に誉められても、
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ', 嬉しくはありませんな。
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ', 同じ言葉を、
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、 あの世の殿下から頂きたいもので。
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ …………。
/ ::::⌒(__人__)⌒::::\
|  ̄ |
\ /
やる夫はその後、本多正純に三成の身柄を預けた。
三成は、明らかにまだ、再起の志を捨ててはいないようだった。
170 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:09:40.42 ID:8xz1w7Yo
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;)
/ (─) (─ /;;/ ……よく喋る口だお。
| (__人__) l;;,´| 言っていることはもっともだけど、
/ ∩ ノ)━・'/ この状況でよくペラペラと喋れるもんだお。
( \ / _ノ´.| |
.\ " /__| |
\ /___ /
三成は本多正純ともやりあった。
「何故死ななかったのか」と皮肉を言った正純に、「討死を良しとするのは匹夫のやることだ。
大将たるもの、命ある限り、再起を心がけるべきだ」と言い返し、
源頼朝が大杉の空洞に隠れて敵をやり過ごした逸話を持ち出し、
自分はいわば頼朝である、いま一度、機会があればやる夫と戦うという姿勢を見せた。
やる夫は、三成を生かしてはおけない、
確実に殺さなければならない危険人物だと思った。
179 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:11:41.60 ID:8xz1w7Yo
____
/ \
/ ─ ─ \ 石田三成……官僚として抜群の資質をもっておきながら、
/ (●) (●) \ 官僚として生きるには、気骨がありすぎたのかもしれんお。
| (__人__) | それが、かえって武将達の反感を買ったのかもしれんお。
\ ` ⌒´ /
___
/ \
/ \ , , /\ ……石田三成と、小西行長、安国寺恵瓊。
/ (●) (●) \ これら3名を引き回しの上、
| (__人__) | 首をはねる用意を、進めるんだお。
\ ` ⌒ ´ ,/
. /⌒~" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ
| ,___゙___、rヾイソ⊃
| `l ̄
. | |
191 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:13:53.13 ID:8xz1w7Yo
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/U (@) (@)ヽ …………あの、父上。
.| ⊂⊃(__人__)⊂|
| ` ⌒´ |
ヽ /
/ ヽ ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
____
/ \
/ ─ ─\ 三成はこれでいいお……
/ (●) (●) \ さて問題は大坂城。
| (__人__) | 豊臣秀頼と毛利輝元がいるお。
\ ` ⌒´ /
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
210 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:16:11.15 ID:8xz1w7Yo
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/U (@) (@)ヽ ……こんにちはー
.| ⊂⊃(__人__)⊂|
| ` ⌒´ |
ヽ /
/ ヽ ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
____
/ \
/ u ノ \ 秀頼を担ぎ出されて、
/ u (●) \ 大坂城に篭城されたら、厄介だお。
| (__人__)| ここは黒田長政や藤堂高虎、それに忠勝や、
\ u .` ⌒/ 怪我人だけど直政に命じて、
ノ \ なんとか輝元たち毛利軍を大坂城から出さないと……
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
226 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:18:33.33 ID:8xz1w7Yo
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/U (@) (@)ヽ 父上マジすみません。
.| ⊂⊃(__人__)⊂| 遅れてすみません。
| ( < | お願いですから許してください……。
ヽ `-' /
/ ヽ ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
_.. ..‐::´/
_/::::::::::::/
_/:::::::::::::/ ____
,..::::´::::::::::::::::::::: ̄:::::::::::._/
/:::::::::::::::::| ヽ、:::::;::::::::::::/ 殿様! もう秀忠様を許してやってくれ!
/:::::::::::::::::::::|´|ヽ |/_:::.::/ 秀忠様の軍が遅れたのはオラ達の責任でもあるんだ!
_ .. -─':::::::::::::::、::|`' , .!::∠ 秀忠様は初陣だった。オラや正信が、
`'' ‐-.._:::::::;-‐、`(●) (●) |::::`::-、 しっかり支えてやらなきゃいけなかったのに……
=ニ二::::::::::::::::|6 \___/、| -──`
‐=.二;;;;;`‐t \/ ノ
秀忠がやる夫軍に追いついたのは関が原より5日過ぎた20日のことであった。
近江(滋賀県)の草津に20日に到着し、大津のやる夫に面会を申し込んだが無視され、
23日になって面会がやっと許可され、こうして会ったのである……。
239 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:21:10.20 ID:8xz1w7Yo
ノ L____
⌒ \ / \
/ (○) (○)\ 秀忠! 確かに初陣は初陣……
/ (__人__) \ だけど初めてであっても、責任は大将の秀忠にあるお!
| |::::::| | そのへんをちゃんと解っているお!?
\ l;;;;;;l /l!| !
/ `ー' \ |i
/ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE |そ ドンッ!!
`ー、_ノ ∑ l、E ノ <
レY^V^ヽl
/ ̄ ̄~\
/ ⌒ ⌒\
/ U (○) (○) ヽ はい……その通りです……
.| ⊂⊃(__人__)⊂| 康政や正信には罪は無い……全て、秀忠のせいです。
| (_/´ | うううっ……
ヽ /
/ ヽ ノヽ
___ ━┓
/ ―\ ┏┛
/ノ (●)\ ・
. | (●) ⌒)\
. | (__ノ ̄ | ……なんだかいつもと比べてやけに素直だお、秀忠。
\ /
\ _ノ
/´ `\
| |
| |
258 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:23:27.35 ID:8xz1w7Yo
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\ ……秀忠は今まで愚かでした……。
/U (@) (@)ヽ 真田昌幸相手にムキになって、関が原の決戦に遅刻し、
.| ⊂⊃(__人__)⊂| そして、大切な家臣まで失って……
| ( < | 償っても償いきれません……。
ヽ `-' /
/ ヽ ノヽ
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ ………………。
| (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
272 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:25:58.14 ID:8xz1w7Yo
ノ L____
⌒ \ / \
/ (○) (○)\ なぁにが償っても償いきれない、だお!
/ (__人__) \ 本当に自分が遅刻したことと、家来を意味も無く、
| |::::::| | 死なせてしまったことを理解しているのかお!?
\ l;;;;;;l /l!| !
/ `ー' \ |i
/ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE |そ ドンッ!!
`ー、_ノ ∑ l、E ノ <
レY^V^ヽl
____
/ノ ヽ、_\
/( ○)}liil{(○)\ 真田昌幸を、心のどこかで甘くみていたお!?
/ (__人__) \ 甘く見ていたからこんなことになったんだお!
| ヽ |!!il|!|!l| / | どこが悪かったのかよく考えてみるんだお! 秀忠、当分顔は見たくないお。
\ |ェェェェ| / ……やる夫は仕事に戻るから、当分反省しているんだお!
287 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:28:22.35 ID:8xz1w7Yo
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/U (@) (@)ヽ …………行ってしまった。
.| ⊂⊃(__人__)⊂|
| ` ⌒´ | 父上……ううう……
ヽ / 許してはもらえなかったのか……。
/ ヽ ノヽ
l::::::l::::l:::::l::l::::l、::::l:、ヽl::lヽ::::::::::::l::::::::::::::l:::|:::::l::::::::|::i|:|
|l:::::l:i:l:l::::ト:::ヽ:l`ヽ、://::::::ヽ::::::::l:::::::::l:l::l::|::::::l::::::::!:::i:|
|トl:::::il l、::ilヽ、:::l-‐,..-ュォ-、:::ヽ:::i|:::|:::l::l:lll|ヽ:::l:::l::::::::l:| 秀忠様。殿様は、もう、許しておられると思いますよ。
| ヽ::::il kァ、 、` - ' `‐'′ /ハl:::l:::l::l:::|::l| l:::::::l::::::ト|. そして……きっと、次に期待しているのでしょう。
ヽ ヽ、i `7 ´ // |ト:::l/l::::::| }:::::::l::::i| |
ヽ .l/ ||:/ .ヽ::l _ノl:::::::l::::i| ` 殿様は、どこが悪かったのかよく考えろ、とおっしゃいました。
ヽ、 - l 〉l、|:::::|i::::::l::::| 本当にダメな人物だと見放したのなら、
ヽ` / .li:::lト:l::::l:l| こんな言葉は出ません。
ヽ ‐、ニ= ‐ / lヽl-ヽl::l| 殿様は、秀忠様の次に期待しておられるのですよ。
ヽ ー / ,. r '´ ヽ、
l、 ,. '" ,. '´ ヽ
`ー‐ ' r1,. '´ ,. ‐ ' ´ヽ.,
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/ (●) (●)ヽ
.| ⊂⊃(__人__)⊂| 父上が……秀忠の次に期待……??
| ` ⌒´ |
ヽ /
/ ヽ ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
297 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:30:52.71 ID:8xz1w7Yo
,. --── 、
////イl!lヽ:ヽ.\
:./:/.:.:/:l.:|:.|l.:.:lヽトl.:ヽ 秀忠様は本当に反省しておられた。
.:/.:.:./.:./ハ:ト.:.|.:ヽ!l.:ii.:', だから殿様も許す気になったのでしょう。
/l|.:.:|.:レハ.:メ.ヽ|.:l/.|.:.i:l:.|
.:!ll.:.:|.:lィZミヽ.:l|〉、!l.:トN:| ……殿様だって、最初から、ああだったわけではありません。
.:.|lトl.:.|ゞ┴ l/ k::仆|:l/リ 武田信玄、真田昌幸、豊臣秀吉と、何度も敗北と失敗を重ね、
.:.|lハ:! ,¨´/l./ 成長してこられたのです。
.:|N 、__' ′/レ′
小! ヽ ` ー'`, '|/!
Nト! ヽ、___/
_.. ..‐::´/
_/::::::::::::/
_/:::::::::::::/ ____
,..::::´::::::::::::::::::::: ̄:::::::::::._/ ああ!
/:::::::::::::::::| ヽ、:::::;::::::::::::/ 昔の殿様なんて、そりゃもう危なっかしかったぞ!
/:::::::::::::::::::::|´|ヽ |/_:::.::/ 殿様が秀忠様くらいの頃は、ちょうど三河で、
_ .. -─':::::::::::::::、::|`' , .!::∠ 今川家から独立した頃だったっけか……
`'' ‐-.._:::::::;-‐、`(●) (●) |::::`::-、 当時の松平家もフワフワ不安定だったが、
=ニ二::::::::::::::::|6 \___/、| -──` 殿様もフワフワ不安定だったっけな!
‐=.二;;;;;`‐t \/ ノ
308 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:33:03.87 ID:8xz1w7Yo
l::::::l::::l:::::l::l::::l、::::l:、ヽl::lヽ::::::::::::l::::::::::::::l:::|:::::l::::::::|::i|:|
|l:::::l:i:l:l::::ト:::ヽ:l`ヽ、://::::::ヽ::::::::l:::::::::l:l::l::|::::::l::::::::!:::i:| 秀忠様、我々も協力致します。
|トl:::::il l、::ilヽ、:::l-‐,..-ュォ-、:::ヽ:::i|:::|:::l::l:lll|ヽ:::l:::l::::::::l:| 頑張りましょう。
| ヽ::::il kァ、 、` - ' `‐'′ /ハl:::l:::l::l:::|::l| l:::::::l::::::ト|. 先ほどの殿様のお言葉を、
ヽ ヽ、i `7 ´ // |ト:::l/l::::::| }:::::::l::::i| | ただのお怒りの言葉ととるか、
ヽ .l/ ||:/ .ヽ::l _ノl:::::::l::::i| ` 父親から息子への忠告ととるか……
ヽ、 - l 〉l、|:::::|i::::::l::::|
ヽ` / .li:::lト:l::::l:l| そのどちらかで、
ヽ ‐、ニ= ‐ / lヽl-ヽl::l| 秀忠様はダメな武将にも、
ヽ ー / ,. r '´ ヽ、 あるいは立派な徳川の将にでも、
l、 ,. '" ,. '´ ヽ どちらにもなれるでしょう。
`ー‐ ' r1,. '´ ,. ‐ ' ´ヽ.,
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/U (●) (●)ヽ
.| ⊂⊃(__人__)⊂| ………………。
| ` ⌒´ |
ヽ /
/ ヽ ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
318 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:36:56.35 ID:8xz1w7Yo
}k
ノ;'l{
_ノ;人'、
}、、__,. -'',r'/p、ヾ、
,}”ー--、."ニー--゙'ゝ ゙'‐、__,、ャ,
,、 /;;,rlT=イ__~ ̄~^~^''ー‐---、.y"
,irこ;;;},|i || ~||~゙ ''l!tー-n-;t{;/
,j r'i!_、_}-二 ニニ゛‐-,k!i、,、、」|__,|トッ
、_ ヤ{/iコ};,^;;,,,;;;,‐,-,=ノ,ム=_-__ーネ{´,
,};コニニ/7r'|”~,__,゛,/ノ 。 \~^~^”””'ヤ
i!;;;;;;;;;;;、i!__| ,i-!;'"/,r'^v^‐、\iコ~|レ=i、
,}`ー';;;;;;;;;;;;;;;}r‐''”_,.-''/ [iillIII}}}] 、゛\i!、;;;;i、
/,Eャッririririrnm;y、^,、ニニ ー_ー‐-ー' ゛\,;;;i{、_ ,.ィ
/,r"=|、__  ̄~””””””'''''''ー,rk':;firiririnnm;y^~三ニ;:ニ'}
,/,r"=/|::::.. ̄~゛゛``''';::::::::::::ー‐,ノ,ム-.,, 、.、.゛,.___゛~^~゛^i;/
,、 /,r"=/,;l,,,::::i::::|iillIIIIIIIIII|||:::::;7/,r' ``i、:::.iヘ::::::::. ̄~''''''':|
. ォ}仁二Vェ^仁 ̄~"""゛””””''ー/,r'" .,・、 `\[iillIIIII|||]:::::::::::| ,
i!;;;;;;;;;;;/イ'^トー‐-ニニ二、こ,.-'" ,r' ,.-ー{ }ー、`、\"^"^"^"^゛''ー'}
,il;;;;;;;;;;;;;:^^i'|::::::::::::... ,. -''"_, -'/―‐‐`´ ―`i、゛、\゛^゛""ー'r/
i l;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'|::::i,,. -''^_,,.-''′/' ,;iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiilllll `i、` 、゙-、:::::::::|;it======r'7
_r,=ーヲー",,:;;;;;;'7rイ~,. -'''~,._-_''~´..::::::|iillIIIIIIIIII|||||||||}.:::::゙'‐、 ` 、゙''-、:|;;;`i、;;;;;;;;;;;;~ヽ、
大坂城。
ここには西軍総大将の毛利輝元と、
関が原より退却してきた毛利秀元、更に別行動をとっていた立花宗茂が合流してきていた。
328 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:39:06.82 ID:8xz1w7Yo
,ィ __
,. / |´ ̄`ヽー- 、 ト、 , -‐、/./.- 、
/ | | ヽ l l ( 家◇徳 ノ
/o ̄`ハ._.ゝ===┴=く.ノ- 、 ノ ◇ ◇ (
/o O / l´ ⌒ ⌒ lo ',ヽ ( 康◇ 川 }
\___/. ト、( ●) (●) ハ ∧ `⌒/7へ‐´
/ ,イ レ::::⌒(__人__)⌒l~T--‐彡 /./
/ ̄ ̄l. 彡、 |r┬-| ノ'l l::::::::::彡ー7⌒つ、
彡:::::::::::l ト、__ `ー' /| l::::::::::::ミ {,_.イニノ
彡ソ/ノハ ト、 \ / ,イ 川ハ ヾー‐'^┴
やる夫は東軍を進め、毛利輝元に大坂城を明け渡すように伝えた。
337 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:41:16.48 ID:8xz1w7Yo
l: : : : : :l : : : : : : : : : : l: :l::ノ: }: :} l / /::/レj:/::|
l: : : : : l: : : : : : : : : : :l: :|/_;イ_;イ_;リ、// .ノ/:|
'; : : : : l: : : : : : : : : ::l: :|ニニ ‐--ミ`' } ,ィチj゙ :|
/´ヽ: : : :l; : : : : : : : : :l: :|z't'ツ"_>`` '" {^~ |: :| 大坂城は古今無双の名城ッ!
/ ¶′\: :ll : : : : : : : : l: :| `~¨´ (::"′ ',ノl: :j こちらには秀頼様もいる!
,r‐{ , \ll : : : : : : : :l: :| :. ∨ノ:| 秀頼様がいる限り、福島正則などは、
! ¶′', r、\: : : : :::::l: :| :. .._ /´): :l こちらをまず攻撃できないだろうッ!
¶′ \ ヾ>、\: : : ll: :| :. __-了:/::;' 大坂城に篭城して東軍と戦おう、毛利殿!
エエエュ┬r 、\ `ヾ>、\:ll: :| : ‐.._'´¨´ノ:/::/
―‐ - 、 ̄`<〉、 ヽ、._`^‐-\ト 、 :  ̄「V/
¶′ \ `<〉、 \` ー==┬''^ヽ、 ...__ ノ
立花 宗茂
,, ‐'~ ., , , , , , , _ |
∠, -,,‐ _, -'i/i/i/i/i/i/i/レ'∠_ |
∠-‐'/::::/l u :::::∠_. | 立花殿の言うとおりだ……!
/\::\ __:<_ |
. /`'‐->;_::> , -‐ '  ̄ :::< │ 父上……戦おうっ……!
. | /::::<\ / :::<´ |
|.=====、 __ ========::::| .l⌒ヽ . | 一戦して、毛利家の武勇を示しておけば、
. | ` ‐--゚‐/,::: '''' ` ‐---゚‐ ' ´ ::|..|⌒l | | のちのち講和するとしても有利になるっ……!
|./:v:〈 :/,:::::::: :::| |⌒l | |
. |〉:::://,:::::::::::::v ::::|.|6ノノ..│ 毛利家が水軍を使ってしっかりと補給すれば、
. |:://,:::::::::::__:::) U :::::||、_ノ │ 大坂城は容易には落ちない……!
. l.(_:: :::::::/'l、 ..|\ 1年、2年……確実にもつ……!!
. l ----=====ニニニ⊃ ::::::/ l、 |:::::::l
l、 ___ ::::::/:: l、....|::::::::::l_
l、  ̄ ̄ :::::/:: l、 |::::::::::::l:`‐-_、_
_ !. ::::/::: l、|:::::::::::::|:::i'´⊂
_, -"-、:ヽ、 V:::/:::: /::::::::::::::|::::`‐-
_, -''´⊂⊃ i:::lヽ、 ::/::: /:::::::::::::::::l:::::::::
_,, -''´::::|:::::ヽ/:::: /::::::::::::::::::l::::::::
毛利 秀元(輝元の養子)
346 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:44:18.10 ID:8xz1w7Yo
/ ̄\
| |
\_/
|
/ ̄ ̄ ̄\
,,, /::\:::::::/:::: ヽ
(_⌒丶 |<●>:::<● > ヽ
ヽ ヽ } (__人__) |
丶 ´、 `⌒ ´ /
ヽ,,, 、 ̄ ̄ ⌒)
| /''' '''""
| . |
/) (ヽ、
/ / ヽ ヽ
{ { } }
l l, -‐┬┬<,ノ
>'__,r'ニニ>、
/-,/ ・ .・ l l
〈ニ/、_= 人=ノ┘
⊂ ヽ(i)ノ ⊃
ソ /
/ (二 __ つ
⌒´
やる夫が危惧しているのは、まさにそのあたりだった。
立花宗茂や毛利秀元が主張するように、必死で抗戦されると、東軍も危うい。
やる夫は本多忠勝や、怪我人ながら井伊直政、
更に黒田長政、福島正則、藤堂高虎などの諸大名を通じて、
なんとかして輝元を大坂城から退去させようとした。
広家の内応、秀秋の裏切り。毛利家の「両川」が共に東軍に味方した功績抜群である、
責任は全て三成にあり、毛利輝元の責任は問わない。
いま、大坂城を無血開城すれば、毛利家の領土は安堵する、と何度も伝えた。
355 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:46:51.31 ID:8xz1w7Yo
、--ヽーv─;z.._
,≦ , , ..、、 、、 ≧
. ∠/,. -┬,-、┬‐-ヽ. ゝ
イ∠-─┴゙ー゙┴─‐-ゝ! 秀元……立花殿……言うことは解るっ……
ll∠二二l! u fi二二ヽl l だがっ……!
__| | r== r==、 | |__
{fニ|.|. し、゚_, // 、゚ 〈 |.|`i } 逆なんじゃないか……?
l.L_||[○]U l l ju ~U´v ||_フ.! ここで決死の抵抗をすれば、
`ァ< r一 ヽ|_|/ ー- |!-イ かえってやる夫殿の心証を害するっ……!
ノ .|「匚匚匚匚匚匚l`i.| !
イ _ノl‐r‐r‐r‐r‐r‐r‐r ヲ| ヽ ここは素直に……あっけなく……
. イ ! u  ̄ ̄二二 ̄ ̄v |\_ ヽ 降伏すれば、やる夫殿もほっとするし、
_,,./-1ヘ._!__!__!__!__!__!__!_ノ! :|l`''ー- そのことを功績としてくれるのでは……
-‐''|| | |::::::::::::::::::::::: / |. ||`'''ー- 毛利家の部下も死ななくてすむし……!
||. | ヽ. / l. || 本領安堵ってやる夫殿は言っているんだし……!!
. || |,へ\‐-‐/へ/ ||
毛利 輝元
輝元は秀元たちの意見を退け、大坂城を明け渡すことに決めた。
東軍は「毛利家の本領を安堵する」という誓書を用意した。
367 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:48:39.26 ID:8xz1w7Yo
/ ̄\
| |
\_/
__|___
/ \ わかったぜ、毛利殿。
/ ─ ─ \ うちの殿様は、絶対に毛利殿も、
/ <●> <●> \ 吉川殿のことも粗略にはしないぜ。
| :::::: (__人__) :::::: |
\. `ー'´ /ヽ
(ヽ、 / ̄) | この本多忠勝と……
| ``ー――‐''| ヽ、. |
ゝ ノ ヽ ノ |
r-、
r-, l l
| .| l l
l l l .l
l l / ./
l ヽ _ィ―‐t-v_' /
' , Y´ \_ヽ_く 井伊直政が、確かにお約束しました。
ソー' /´ __二ニ>
l_ィ┴' ̄・ .・ ヾヽ
/___l ニ 人 ニ i _l
/ー―l _ノ´
`ー--ト―ャー―''フl´
/ 、`,'a''´ ノ
( ヾミ )
`ーャ二ノー''´
忠勝と直政は、誓書に血判を捺し、毛利家の安泰を約束した。
かくして、毛利輝元以下、西軍は大坂城を退去した。
382 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:50:48.62 ID:8xz1w7Yo
三三三三三三 ミ 三三三三
三三三三三三 ミ 三三三三三三
三三三三三三 ミ _ 三三三三三三
三三三三三三 〔|ミlm|___,Θ三三三三三
三三三三./ ,)-__二二-―-´lミ ミミミミミ彡 ……一緒に行くか。
三三三 /,,/ ̄ ̄ ̄) .、テ‐,- ヽミ/~ヽミミ彡
三三三 /,,,/ (,,ヽ/ i ~`` ヽミ lSl |ミミミ彡
三三 /^ヽヽノ lヽ) _ ` | _/彡ミ彡
三 / \ ソ. / }‐- 、 l ヽ彡ミミ
三 l、 \ )( ノ ノ⌒ / | ヽミミ \
三 l\ソ、 _/ ヽ__ _ / | /三三\
三 \ _/i |‐、三三三三\ / /三三三
三三lミ / (三三三三三. ) ∩ /三三三
三∠|ミ/ / .|三三三三l ̄ ̄l l ̄三三三
;;;;;;;;;;|l;;;;;;;||;;;;;;;|l;;;;;;:::::;ll;;;;ll;;;;;;ll;;;;;;ll;;;;;lj;;;リ;;;:::ノ
;;;;;;;;;ll;;;;;;;;|l;;;;;;;;||;;;;l`====ミ、, 冫,;:='"´l;l
':;;;;;;;;;ll;;;;;;;|l;;;;;;;;||;;;;l弋,ラ`> ゛’...{kt'ツ´j, l;l
':;;;;;;;;;ll;;;;;;;ll;;;;;;;;|l;;;;l `"´,,;::::::"" l:` ̄´ j;l ……ああ。
'::;;;;;;;ll;;;;;;ll;;;;;;;;|l;;;;;l .:::l. ';.: .:ノ;l
'l'':::;;;;;;;;;ll;;;;;;;;ll;;;;;l 、.::: , '::: /;;;l.
. λ [ェ'''::;,;;;;;;;;;;ll;;;;l ` ′ /;;;;;l!
/ :;;:ゝ エェェ'''::;;;;,,;;;;;l! ,r==チ /;;;;;;;;'
. 人_ ェェェェ '':::;;;l! `''¨゛" / ゛゛
/ :;;;:` 、 ェェェェ ゛`,` 、 _,. ′
立花宗茂は、大坂から、九州にある居城の柳川城に引き上げる途中、
同じく九州へ戻ろうとする島津義弘と合流して、一緒に海路で帰った。
394 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:53:06.76 ID:8xz1w7Yo
/::::::::::::(._フ" ):::::::::ヽ
':::::::/:::::::::`'''´::::::::::::tタ', 島津殿を襲うだと……?
l:::::::f:::(((ぅ:::l::::i:::l::::::l:::l:::', ふざけた事言ってんじゃあねーぞッ!
l:::::::i:::::::l:_:_:|_:_凵⊥l-|:l::| このクソガキがッ!
',:::::::!::::::|で6ラ')ノィ5ラ川 敗軍を討つなんてことできるかッ!!
ヽ::::i::::::l ''"'( ::{;i::::j::リ`二ヽ-、 __ もう一ペン同じ事をぬかしやがったら
{ヽ::l::::::l 、.ノ::://ニ二:.eヽ ヽ‐=' O) てめーをブン殴るッ!!
ハ \:::::l ∈=':〃ニニニ::.’i }e、ヽ ̄
ム e,\ヽドェ.、二ノ=-‐'`iニFl | e、\
/ヾ〉 e、`r― - = 二⌒i lニF|e|、_e、
/e、 ヾ〉 e、 \ _/ (r \| |-F|’| \ e、
……秀吉の九州攻めの少し前、島津義弘は宗茂の実父、
高橋紹運を攻め、討ち死にさせている。
その事を知っていた宗茂の家臣は「今こそお父上の仇を討つとき」と進言したが、
聞き入れられず、宗茂は義弘を攻撃したりはしなかった。
……その後、立花宗茂は、西軍に加担したということで、
やる夫に所領を召し上げられ、浪人となる。
やがて、その器量を惜しんだ加藤清正に食客として遇された……。
403 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:55:08.16 ID:8xz1w7Yo
:.:.. .:. ...:..::::::...::..:: .:: : .. .. . .. ,,、、,,,,;;;´"
...::..:::..:::.. . ..::...::.: .: . ... ,;;'":::.:.....::.::...
,.,, :.. . ..::...::.: .: . ... ,,.r'":::.:.....::.::....::...
;;;,;ヽ、 ,,、、-'';":`::::::.:.....::.::...:...,..::...
;;;;,';;;;ヽ;, ,..-''"::::::.:.:.:..:....::..::...:...,..:..:....::...::...
======================,;;r''"::::::.:.:.:..:....::..::...:...,.:...:...,..:..:....::...::...
;;;ii ;;;;;ii,;;;;;,ii.;;;;;ii.;;;;;.ii .;;;;;,ii.;;;;;( ::::::.:.:.:..:....::..::...:...,:...:...,.,,..:..:....::...:..:....::..
''_'''''_'''_'',.'''_''''_''_'''''_'',.'''_''''_''_''''',;;;"''ー-l、,,'""'゙,゙'""'"、.wiルv,iルwviw.:
__- =_≡ _- _-_=_ = - _-_ -_ =≡_-;`--_ _、., _,__  ̄`¬.,v:.:
_ _ -_ ^ _ _=_ -_^__ =_ - _ - ≡ Y,.,lji,; 丱
=__-_ -__= - _-_ -_ =_ -_ ^__-_= -ー"`゙ i ,.,...ユiW
_ -_ __ -_^__ =_ -_ ^__ _,,、。"`゙ ::: ::: ∥,,::iリv,i
= _ -_ _ _ = __ __,,、。-ー''"`゙::: 」:.::.vノiVi
_,,.,..、。v-ー''"゙~ :: ' ::: : ::: ::: :: :::: :: ::: 「;;,,;;:yハiW
`"゙ :::: :: :::' ,:: :::: : ::: : /,:.;,:.;,:.ナwy
さて、毛利輝元らが大坂城を退去した数日後。
旧暦10月1日。京都の六条河原。
石田三成の処刑が、今まさに執行されようとしていた。
407 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:56:46.72 ID:8xz1w7Yo
/ ..::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::___:::::::::::::::::::;:ゝ / ヽ.}
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l | ……ノドが乾いた……。
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ すまぬが、湯を頂けぬだろうか?
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ',
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ',
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
ノ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\ ( /`ヽ、
/ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ`7 ,ィ ヽ
∧__∧
(`・ω・´) ……あいにくと、水も湯もないのでござる。
.ノ^ yヽ、 おお、そういえば干し柿ならばござった。
ヽ,,ノ==l ノ これでノドの乾きを癒されると良い。
/ l |
"""~""""""~"""~"""~"
417 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 21:58:34.24 ID:8xz1w7Yo
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l | いや、それなら結構。
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ 干し柿で腹を下すと、
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ 良くないですからな。
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ',
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ',
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
∧__∧
(`・ω・´) これから首を斬られる身だというのに、
.ノ^ yヽ、 腹の心配などせぬとも、良いでござろう……?
ヽ,,ノ==l ノ
/ l |
"""~""""""~"""~"""~"
426 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:00:49.90 ID:8xz1w7Yo
/ ..:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/,. ヘ`!:::::,、‐'" / l
/ .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;' / ノ |::f / l |
、 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽヽ < L| `iヽ、 l | ……おぬしには解らぬかもしれんが、
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`、ヽ ミ ゙ーtッ-、 ,ゞ 本当の武士とは最期の瞬間まで、
丶 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/し' `ヾ, f´ 決してあきらめないものだ。
ヽ :::::::::::::::::::::::::::::::::/ i / ',
\ ::::::::::::::::::::::/ / ,. ' ', 最期の瞬間まで……。
`ヽ、::::::::::;、 " 〈 r、 '、
,..、..,r- '`ー'"ー-、、、..,,_ ヽ `ヽ、 ..f´`` ′
r'''´ ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,,``丶、 r┴、
〈 ,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,, ヽ、 ノ }
435 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:02:23.27 ID:8xz1w7Yo
,.:,; ' ''.. .,;.'..:⌒`;,: . ..;;., ` 、 '
,,.;. ; :., .. .''... .. ' ..;,):.,, ‐― ○ - ‐
'' '.': ;,::. . ..., ;) , ' ヽ
.''.:.:´⌒`.: .: ... . ...,. . ,; ,. ヾ
.''':. .,'''.:;. .:: .'. ,.:,; ...,; '' , '
-'' ' ' ー'' ー ''' ''
.:: ..'...:⌒` : .: ..,,;.,
.: ...:::⌒` '' '.':. .,.; ,..
( .: .....: ...:.: .: ⌒` .: ..:.: .: ... . .:.:.
(., .: ... : . .: . ::: ....::.. : . .: ... .. .
` . :. .;;, .:;. . . .: . ..::
'' ' 'ー ''' '' ―''' '' ‐-''
陽が、照り始めた。
秋の空は、どこまでも高かった。
441 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:04:50.96 ID:8xz1w7Yo
. :.. . :. .. . . ... . . .:
.,.;:;::'''""""''''''''"''''"'''''''''''''''':;:;:'''""''''"":;:;''"'';:;,.,.,
_...:;;:''"'" ""''''''''':::::......"""''''''"""''''… ,.;:.,..,;:;:;:,.,._, ...,
.,;: _... .,.,;:;:;:,.,.,_ ,,,......,,,,,;:;
.....,,,,,;:;'''"'''" ....,,_,,,...;:;::''""''''" .
,.,;:;:;:;:;'''"""""" ...,,,;:;;:;,,,..;:.;:;;:;;::''"" :.:.. .. . .
.,;:,.'""""'''''''::::;:;:;;,..,,.,.,:;;:'""'''''''' . :.. . :. .. . :.:.. .. . .
. .:. . . . . .. .. . . :. ....,,,,__...,,;
. . :. .. . :.:.. .. . . .. .. .. . . . . ;;;;;;;;;;;''''''"""'''""""
.. . . . . :. .. . :.. "';:,.__, ""''''''''':::::......"""''
:.:.. .. . . """"''''''''''':::::::::;;;;,,,,,
:.:.. .. . . .. .. .. . .
. .
|
ll
!l
_ ,,..._ ト{ .,,___ 、..,__,,.
"´::ヾ::゙゙;`>''´ ̄`ゝ、__ `:;、;;`::ゞ:;゙
::´;;::=::;;::ヾ芥芥芥l壬{ ,;''´;'::;; =、::;;゙ _,,....._
''´;;ヽ:::;゙=<゙二二二\_,「「゙ニニニニニニ7´::;''::゙!::、:_'^:ヾ';"::゙;;ヽ::
、ゞ;;::''゙::;;、::`゙;芥芥lア''´j | ゙:;`ヾ;;`゙:=::丶::;''::,;''゙:::;:゙
::`':;;::''´::`゙''=;,テテテニ´_______゙ゞ、::ゞ:;;_`丶::゙':;;::='::;'
_゙´::i::`;;'"::゙:_::゙;,┴┴弌竺竺竺竺竺竺竺;''::;::;;:::'':;;::ゞ:;;'゙::_::'
::`j':!::゙;;._::::;;::"゙ヾ‐;;.. -'┴┴┴┴┴┴┴ゞ;;::"!゙!;;::ヾ、l !'´::゙;
'';;:: i⌒;;::`゙i:;ー:''´゙;;===n==n===rn===n=゙;;::ヾ!:l::`:=::'゙:i::''´;;
ゞ;l;;'゙::''゙;;..:゙i::;;.:゙::;;' i i i l丁丁! ̄丁l ̄丁「 i:´:;''゙:iヾ::ヾj;il゙;;::;'::
::';;!:..;''::ヾ;;''";;)'´「「入「j_辷j_辷ヒ|_辷ゴ_辷ゞ;;ゞ,:========、
T゙j''i"i´´ |l|´ニニl:l幵;; ̄ ̄/フ三三三「l ̄;゙j::゙}______{
`゙::''"":⌒゙''=::"゙゙ヾ゙''"ア7"二二二二二二l:|i{:「゙l`TTニニTT´
厂厂厂厂厂厂厂「l/ r―――――――|jl{jー{';;|_L二」_|::
1600年、旧暦10月1日。
石田三成、六条河原にて斬首。享年41。
その首は、共に処刑された小西行長、安国寺恵瓊らの首と共に、
三条大橋にさらされた。
かくして、西軍は敗北し、解散した。
……だが、日本全土を巻き込んだ戦乱の余熱は、まだ去ってはいなかった。
458 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:07:12.64 ID:8xz1w7Yo
,-''"'''-..,,, ウイーヒック
'i,", .::  ̄""''''-..,,
,, i::i~"''-..,,; i,
/ i "'-.. _ i:i, ,, ,i:,:::..... .. . .i, 神よ
i'-,, i,/::::::::.....:: '.-, / :ii,.,,iii,, i; i あんたはこのおれを
,-'' i::,/'-,,_,:::::::..../:-,ゝ ヾi '' ,i',"i, i' くせー所へやるのがお好きなようだ
,。'y, 'i; i,-' "'-_i'-,i-' :: i l,ii ,i ,.i'
,。'::::: ::'i, :.. '-/ 'i .:: / i'-i' ,,i'
,i' :::: ::: :::::'i,, ,,.-' i,__, , ,.... ,..'i..,i' .l-''"
i,::... ::: .:::::,,-'ヘ:,,_,,. ┌'-i:_,;;;;,,::::.._,,i=''-,
i, . :: : : :: ...:: ̄''"''"'/ .:: r‐-,:::.‐:::.‐‐--r'
'‐-,,.'..::::::....: ,,. ,,_,,-'' .:: /l :.l,::::::: ヽ,
'-,,_:::::: ,i' ヽ, /:::::l :: l ::: ..::: "'-._
'-., l ..::ヽ, ./:::::::l :: l.::.. ..::: ....:: :: T
Y.::.. ::::::::Y::::::::::l ::. l...::::;-'::::::: l
ii::::::...... / ::..:::::::"'-.,,__ゝ::i :::::::::::... .l
有馬 晴信
九州ではその後も動きがあった。
キリシタン大名として知られる有馬晴信は当初、西軍に属していたが、
関が原の動きを知ると、東軍に寝返り、小西行長の宇土城を攻めた。
473 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:09:34.95 ID:8xz1w7Yo
,
, ィ /lイ-'ツ,.ィ_,..,
ブーッ!! /','" '" ,r'' ''",∠,,..,
,' , / ィ"ィ/,.r'' _/
L-‐::彡`、:i-f,ヽ-=≧ 東軍と西軍の戦いが半日で終わったぁ!?
。: 。゚.・゚・: ・ 。 〈ミニΞ=~っ 'ii l9 k-、≧ _,,,,,,,,,,,........,,,
::∴∵・。∵∴。・。 。〈=:::=Ξ=Ξく人メ ,l liiiiiiiiiiiiiiiiiシ '"`ヽ、
°・:∵‥:。*。: :∴‥.ゝ=ニテ''" ,ス,/ li i .i .i .i ,' ゙'ー-、,,
。:∴‥¨∵∴:*※≒÷…ヾ9ィ .;/ノ' li .i .i .i .i.l  ̄`ヽ
::。・∴・゚.:*:・。∵,r'"' 、l.i.iーiイ゙(~~)、_ li .i .i .i .i '、 , ,rッ'''ヽ、
:。*:.・:*。・゚_,.ィ'''i'゚ ヽヽi.i i V`i''、 ゙l i .i .i .i .'、\ ヽ、 ,ィ'/ ゙''ー、
゚:゚・゚ ゚・,r''"-、,,ii、 ヾ、'、'i i'、l ヽ, li .', ', '、.'、.'、.ヾ、_`'ーヽ /,r' ヽ
l, _ __ヾ、 -、,, ヾ',', ', '、 `l ', ', '、.'、 '、'、'、','、'、くヽ,--イ , l
l; ;f‐''⊂二二⊃-''"  ̄\',.',.',、 'l、.'、'、ヽヽ.ヽヽヽヽ'、'、';iiil 'ー( ,'
l iゝ、.l : : :i:l \',','、 l、'、'、ヽヽ.ヽヽ', ', ', ', ',',iiil / ,'
ヽ,',( 、l : : :i:l ヽ',ヽl,'、'、ヽヽヽヽヾ .i .i .i i ',iii、 / /
黒田如水は即席の軍団を作って、豊後の大友家と戦い勝利した(石垣原の戦い)。
更にその後も各勢力を攻略し続けていたが、関が原で三成が敗れたことを知り愕然とした。
これほどあっけなく、石田三成らの西軍主力が敗北することはさすがの如水にも読めなかったのだ。
黒田官兵衛、苦笑い。一生ツキがなかったと、黒田官兵衛、苦笑い。
491 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:12:05.76 ID:8xz1w7Yo
', ' : :;: .: ,;::: _,,..r''´` 、.._:: ' -' ,....、: : : : 、--―`
', : : ;_,,,.. -‐'''" ,.r'ヽ、 `'''r''V,rヽヽ::::::`ー` 、
l'''''''"~ _,,. -‐'",..-、 ~`'''ァi l li'` ヽ.',::::::::ヽ、-`、
l''ー--―'''"_,,. -‐'',.r'' ,.' l l l、⌒i i iヾ、ヽ,._\
l''ー-―'''"_,,. -‐''",,. ''",) l '''lヽノ ソ'、 ヾ_ヽ``_
lニ''''''''''''"~,,.. -‐'',. -''",.、 / /,i ,ヾ)ヽ、-、 ';iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiヽ、―
l、ニ二ニ~--‐''",,. -'',,.r'' ,r' ,r''iii;`r'.)' ` l ヾ、ヽ ̄ヾ''ヾ'''ヾヽ、
ヽー----‐''二-‐''",. -''"ヽイ 'ii; l ';:l ヽ ヽ `、 `、 ヽ、
ヾニ二,.---‐'''" ;iiツ :l ', ヽ, '、`、
/ヽ'ー、'" ,;ii'゙ ;;,./ ', ヽ ', '、
,/iiiiiiiiii\‐-‐'''''゙~ ̄` 、 / _,;;ツ,,,,,、 ', ', ', '、
,.r''"iiiiiiiiii_r''"ヾ、ー;ii;゙゙´ ;ii'゙ー--‐''''''´l';r''~~ ヽ、 ', '、 '、
,..-‐'"`ヾiiir''く ヽ ヽ,;iiii;;;,,,,;;ir''゙、 l ',`ー、 l、 ', ',
,.r'" ヽ、. ヽ \ ゙ヾ''''"ヽ ヾ、 ,'、 l `'l,', ', ',
_,,,,,--―――--,,,,_
. ,r-‐'´r-―-、;;;;;;r-―-、;;;``ヘ
,〆;;;;;;;;;/``ゝ、 ∨ _,,-''´ヽ;;;;;;;;;;\
/;;;;;;;;;;;;;;l `''-l-''´ l;;;;;;;;;;;;;;ヽ
/;;;;;;;;;;;;;;;_,,,l ・ ∧ ・ |_;;;;;;;;;;;;ヽ
/;;;;;;;;r-'´ ヽ、 ,ノ-ヽ、__,ノ `ヽ;;;;;;;;∨
,';;;;;;;/ ` ̄´(;;;;o) ヽ;;;;;;;l
l;;;;;/  ̄ ̄ ̄ /::::::::ヽ  ̄ ̄ ̄ l;;;;;;|
|;;;;l ――― (:::::::::::::::) ――― |;;;;|
l;;;;| ,,,- ` ̄ ̄´ ー--,,,,__ |;;;l
,r-―-、 i;;;l -‐'''´ ,r'´ ̄`ゝ―'''´ ̄ ̄`ヽ l;;;l
/ ヽ ',;;;l /;;;;;;_,r-―――--、;;;;;;;;;;ヘ i;;;l
l /`ゝ、;;l {;;;;;r'´::::::::::::::::::::::::::::::ヽ;;;;;;;;;| /;;/
ヽ /:::::::::::::::ヾ ヽ;;;l::::::::::,r-――-,,,_ l;;;;;;;;ノ /;;/
ゝ::::::::::::::::::::::::::ヾ: `ー'''´ `ー''´ //
l:::::::::::::::::::::::::::::::::ム-―――――――――――ァ-、
しかし如水は切り替えが早かった。
これまではあくまで東軍のためという名目で行動していたが、
事が決まった以上、完全に東軍のために行動したほうが良いと判断した如水は、
加藤清正と合流し、九州北部(立花家の柳川城など)を切り取ると、九州を南下しはじめた。
10月25日、如水は「やる夫様のため、準備の上、加藤清正と共に島津領へ攻め込むつもりです。
なにとぞ、やる夫様、許可をくださいませ」とやる夫に手紙を送った。
如水は戦いの準備を整えた上で、年明けにも、島津領へ攻め入るつもりであった。
504 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:14:42.58 ID:8xz1w7Yo
}k
ノ;'l{
_ノ;人'、
}、、__,. -'',r'/p、ヾ、
,}”ー--、."ニー--゙'ゝ ゙'‐、__,、ャ,
,、 /;;,rlT=イ__~ ̄~^~^''ー‐---、.y"
,irこ;;;},|i || ~||~゙ ''l!tー-n-;t{;/
,j r'i!_、_}-二 ニニ゛‐-,k!i、,、、」|__,|トッ
、_ ヤ{/iコ};,^;;,,,;;;,‐,-,=ノ,ム=_-__ーネ{´,
,};コニニ/7r'|”~,__,゛,/ノ 。 \~^~^”””'ヤ
i!;;;;;;;;;;;、i!__| ,i-!;'"/,r'^v^‐、\iコ~|レ=i、
,}`ー';;;;;;;;;;;;;;;}r‐''”_,.-''/ [iillIII}}}] 、゛\i!、;;;;i、
/,Eャッririririrnm;y、^,、ニニ ー_ー‐-ー' ゛\,;;;i{、_ ,.ィ
/,r"=|、__  ̄~””””””'''''''ー,rk':;firiririnnm;y^~三ニ;:ニ'}
,/,r"=/|::::.. ̄~゛゛``''';::::::::::::ー‐,ノ,ム-.,, 、.、.゛,.___゛~^~゛^i;/
,、 /,r"=/,;l,,,::::i::::|iillIIIIIIIIII|||:::::;7/,r' ``i、:::.iヘ::::::::. ̄~''''''':|
. ォ}仁二Vェ^仁 ̄~"""゛””””''ー/,r'" .,・、 `\[iillIIIII|||]:::::::::::| ,
i!;;;;;;;;;;;/イ'^トー‐-ニニ二、こ,.-'" ,r' ,.-ー{ }ー、`、\"^"^"^"^゛''ー'}
,il;;;;;;;;;;;;;:^^i'|::::::::::::... ,. -''"_, -'/―‐‐`´ ―`i、゛、\゛^゛""ー'r/
i l;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'|::::i,,. -''^_,,.-''′/' ,;iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiilllll `i、` 、゙-、:::::::::|;it======r'7
_r,=ーヲー",,:;;;;;;'7rイ~,. -'''~,._-_''~´..::::::|iillIIIIIIIIII|||||||||}.:::::゙'‐、 ` 、゙''-、:|;;;`i、;;;;;;;;;;;;~ヽ、
さて、この時期、やる夫は大坂城の西の丸に入って、
様々な仕事を行っていた。関が原の事務処理だけでも、
東軍諸大名への加増や褒美、西軍諸大名への処罰や改易など、
やることは山ほどあった。
514 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:16:59.78 ID:8xz1w7Yo
__ _ ,,,,, _ __ _
,ィ'、r、r\ ,.ヶr''7ヽ
ゝ,-ヽゝヽヽ'7_ノ-'ー<{
!, -/´  ̄ ヽ ヽl 本当に……?
レ l ___,,. 、 、,,__ l、 ! 本当に、秀頼の命は、
l ,、'l ィt;;iヽ ィt:;jヽl/i:| 助けてもらえるのですね?
l l ヾ ゚ .: ゚ f ノ:|
! `ヽ `´ / l
! l l ヽ、´ ̄` / !
l l ! ト、` ''_´ l l
_l -‐! .!`r', ‐,く-、 .|
/ l l'ノr/, -,i jl、ー'-、
rT '' ‐ 、 ヽ ヾ'' ‐くij-、 ) ヽ,
i l \ l lヽ i`! i 、 ! !
ヽ'、 \ ! i` ーi'ノ ヾ /!
淀殿(茶々)
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\
/::::⌒(__人__)⌒:::: \ もちろんですお!
| |r┬-| | やる夫は秀頼様のために戦っていたんですお!
\ `ー'´ /
まず、やる夫は淀殿と、幼い秀頼に挨拶した。
そして、淀殿と秀頼、二人の生命をとらないこと、危害を加えないことを約束した。
521 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:18:52.07 ID:8xz1w7Yo
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;)
/ (─) (─ /;;/ ……まあ、これは当然だお。
| (__人__) l;;,´| 今、秀頼を殺すのは、あまりにも、
/ ∩ ノ)━・'/ リスクが大きすぎるお。
( \ / _ノ´.| | 福島正則や加藤清正が黙っていないし、
.\ " /__| | それをきっかけに天下に大乱が起こるかもしれんお。
\ /___ / そうなればやる夫には大損だお。
/ ̄\
| |
\_/
|
/ ̄ ̄ ̄ \ ……なあ、殿様。
/ ::::\:::/:::: \ 今、秀頼を殺さないのは解ったが、
/ <●>::::::<●> \ 殿様は、いずれは……
| (__人__) | 秀頼を殺すつもりなのか?
\ ` ⌒´ /
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
535 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:21:12.53 ID:8xz1w7Yo
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ ……それは、今後の展開にもよると思うお……
/:::::⌒(__人__)⌒:::: \ やる夫は神様じゃないから、
| ( ( | 今後、秀頼が理由で何か乱が起こる可能性はあるし、
\ `ー' / そうなったら考えなければいけないお。でも……
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ 秀頼を殺すのは決して得策ではないと思うお。
/ :::::⌒(__人__)⌒:::\ 前田利家が言っていたように、秀頼は織田家の血筋……
|  ̄ | なるべくなら保護してやりたいし、
\ / それに秀頼を殺すことは、徳川家にとって良い結果にはならんと思うお。
豊臣宗家は徳川の主君であった。
やる夫の内心はともかく、実際に主君であった。
これを滅ぼし、秀頼を殺すのは、徳川の悪名が高まる結果になる。
豊臣恩顧の諸大名をなんとか力で抑えることはできても、
それで徳川政権を樹立させたところで、長持ちはしなくなるのではないかと、やる夫は恐れた。
544 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:23:35.28 ID:8xz1w7Yo
____
/ \ 信長殿が足利義昭を殺しはしなかったように……
/ ─ ─ \ 秀吉が信長殿の子供は殺しても、結局、織田宗家は滅ぼさず、
/ (●) (●) \ 孫の秀信殿を大名として存続させたように……
| (__人__) | ……将来的には、秀頼はそのようにしたいお。
\ ` ⌒´ /
___
/ \
/ノ \ u. \ でも、今はまだ無理……
/ (●) (●) \ 肩書きは、やる夫はまだ豊臣政権の
| (__人__) u. | 大老に過ぎないのだお。
\ u.` ⌒´ /
____
/⌒ ⌒\
/( ―) (―)\ しかし、その時に向かっての努力だけは、
/:::::⌒(__人__)⌒::: \ しておく必要があるお。
| | そのためには……。
\ /
552 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:25:19.20 ID:8xz1w7Yo
|=l ヾ,ヅ |=|
r、V Vヘ
|ヘl( 、 li r )lイ| ……わかりました。
|.ト| `r‐toッ‐ィ_}l_ノr toッ‐ァ゛|ノ|
l.ト| " ̄´":i ヾ" ゙̄` |ノ| そのような使い道であれば、
ヾ|ヽ { | / |< 太閤殿下も良しとされるでしょう。
ノノll ', :L. lト,ヽ
f⌒>{.ll l ヾノ l l } <⌒i
ヽr゙ |l.| ',l ー‐--一 l/ l.| ゙tノ
,r'"ヾ| ', =====" / リ`ヽ、
/ | ', t= / | \_
__.... -‐''"  ̄ l ヽ________/ l /:::::::`:`ァ- ....__
片桐 且元
やる夫は豊臣秀頼の傅役であり、今の豊臣宗家の切り盛り役の一人である、
片桐且元を呼び出し、豊臣政権の大老として、2万8千石の所領を与えると、
長い戦乱で荒れた近畿地方の寺や神社などを修復させることを命じた。
その修復の代金は、もちろん豊臣宗家の金である。
563 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:27:53.14 ID:8xz1w7Yo
、,, ,
`、`゙'''ー=============================ー'''゙´ノ
`ゝl!i!li!lil!il!ili!lil!i!li!lil!il!ili!lil!i!li!lil!il!ili!lil!i!li!lil!il!ili!イ´
|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|
|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|
|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|
|=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=|
,.r''"=|_|^|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|_|^|=`゙'、,,
,.r''"=/^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|ヽ=`''、,,
__,.r''"=/^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|^|=`゙''-、__.;i;';.
:、;;`、エ@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@=@エr''´.;i;';.
;i;';.:;;:、;<__人__>-------<=二二二二二二二二二=>-------<__人__>.;i;';.Y;:;;::
:;;::、;;:。; |□|田田田田田||.(;;;)(;;;)(;;;)(;;;)(;;;)(;;;) ||田田田田田|□|;:。;:;;::。;:;;::、
`;`;;i`.:;:i..''|| :田田田田癶||ロロ| .§. . .. . |ロロ||癶田田田田 .||'`,:'':'`:Y:'';;::,:'':';:
`;i`.;` ;;i`´.||〒〒〒〒(:::::)ロロ| .,--§--.、 .|ロロ(:::::)〒〒〒〒';.,,;;`;;i':';:;..,,:'':';:;"
`;;ii|!:;. ,,;...;)}{{.|llll|llll|llll|llll|┃||ロロ|____.| ̄ ̄ ̄ ̄||___|ロロ||┃llll|llll|llll|llll|.}}ヾ':';:;..,"i|!i|!,:'':';:;..
─-==-_─三─≡-=─-==-.::::; ̄ ̄ ̄ ̄ヽ、:::..─-==-_─三─≡-=─-==-_
二三_-==-_─ ̄三─≡ ̄-:::::/: : : : : : : : : : : ヽ::::.-==-_─-==-_─三─≡-==-_
,,,,_,,ー,,,- ,,,- ,,,, _,:,, ,,- ,,,::::r'' : : : : : : : : : : : : : :゙''、::::..ー,,,, ,,,,,,ー ,,,,- ,,,,,, -,,,,,,,- ,,,,ー ,,,, ,,
::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::\:::::::::
_______________|____________________|__________________|________________|_____________________|______________|_______
::::/::::::::::::::::::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ、::::::::::::::::::::::::::::::\::::::::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::
__|__________________|_____________________|_______________________|_____________________|___________________|______
やる夫は豊臣宗家の金銀を少しでも減らそうと、且元に命じて、寺や神社の修復や寄進に使わせた。
一応、不純な使い道ではないし、今のやる夫に逆らえる人間はいない。
これは実行され、豊臣宗家の金銀は消費されていった。
豊臣宗家の金銀が減ることはそのまま、豊臣の力が減ることを意味する。
もっとも、ちょっとやそっとでは減らないほど、大坂城の黄金の量は膨大であったが……。
571 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:30:16.88 ID:8xz1w7Yo
______
/壱 / /万:/|
|≡≡|__|≡≡|彡|_____
/ ̄//|≡≡|__|≡≡|/壱//万 :/|
≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|
|≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|
|≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|彡|
|≡≡|__|≡|≡≡|__|≡≡|≡≡|__|≡≡|/
安土桃山時代の中盤以降の日本は、
いわゆるゴールドラッシュで、金銀が各地の金山、銀山から、
ザクザクと掘り出された。秀吉はそれらの領地を直轄地として、奉行を置き、
膨大な量の金銀を自身のものとしていた。
豊臣宗家の直轄の領地は222万石と言われているが、
これは徳川家の250万石より少ない。しかしこの様に、金山と銀山を支配していたため、
その経済力は、徳川家の比ではなかった。
秀吉がどれくらいの金銀を所有していたのかは解らない。
朝鮮出兵の際、4億5000万両と金塊3万貫(112.5トン)をあるところに埋めた、とあるが、
これはソースが韓国の中央日報なのでいまいち信憑性が無い。
現在であれば400兆円にもなる量の金だがこれはよくある埋蔵金伝説であろう。
また>>1が昔見たテレビでは現在の金額で6600兆円分の金を保有していた、とあったが、
記憶違いの可能性もある上に、テレビなのでこれまた信用できるかどうか解らない。
とにかく、膨大な量の金銀だったことは確かである。
586 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:32:54.43 ID:8xz1w7Yo
___
/ ⌒ ⌒\
/ (⌒) (⌒) \
/ ///(__人__)/// \ どんどんお金を貯めるんだお!
| u. `Y⌒y'´ |
\ ゙ー ′ ,/
/⌒ヽ ー‐ ィヽ
/ rー'ゝ 〆ヽ
/,ノヾ ,> ヾ_ノ,|
| ヽ〆 |´ |
……そして、いかに消費させても、それを上回る量の黄金を貯蔵されては意味が無い。
やる夫は豊臣宗家の直轄地を、ある土地は徳川家のものに、
ある土地は東軍の大名への加増にと、勝手にばらまきだした。
徳川の領土は減らしたくない。豊臣の領土は減らしたい。
自分の腹は痛まないやり方であった。
さらに豊臣の直轄地であった金山銀山を徳川の直轄地とし、
これ以上、豊臣が黄金を蓄えないようにした。
これにより、徳川の直轄領土は400万石になり、更に金山銀山を手中に収めた。
逆に豊臣宗家は、河内、和泉など大坂城の周辺65万石を保有する、
近畿地方の一大名へと転落してしまった。
599 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:36:27.15 ID:8xz1w7Yo
____
/\ /\
/( ●) (●)\ まだまだだお!
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ やる夫はなんとしても天下を治めるんだお。
| |r┬-| | そのための手ならなんでも打つお。
\ ` ー'´ /
___
/ \
/ \ , , /\ 次は西軍の諸大名について、
/ (●) (●) \ 処理していくお。
| (__人__) | 西軍についた大名の土地を削り、
\ ` ⌒ ´ ,/ 東軍大名に褒美として与えるお。
. /⌒~" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ こうすることで、西軍として
| ,___゙___、rヾイソ⊃ やる夫に逆らった連中も、二度と
| `l ̄ 逆らえないようにしてやるんだお!
. | |
やる夫は次々と西軍の諸大名を改易しはじめた。
特に考えたのは、大老の毛利家、上杉家、宇喜多家に、
西軍の中でも大大名であった島津家と長宗我部家である。
……これらの大名は、宇喜多家を除けば、
いずれも中国、北陸、九州、四国と、それぞれの本拠地があった地方を、
統一、ないしは統一寸前までいった大名ということで共通している。
どの大名も所領が広く、戦に強い大名であった。
以後、東軍大名と西軍大名の処置についての話が続く。
これらの処理は1600年から数年後まで、
他の出来事と並列して進んでいくのだが、そうなると解りづらいので、
この場で一気に関が原関係の処理の話を進めていく。
時系列が前後することになるが、お許し願いたい。
607 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:39:16.67 ID:8xz1w7Yo
三 ̄ ̄ ̄ ̄\
/ ____|
/ >⌒ ⌒ | 盛親くん、
/ / (・) (・) | 今日はやる夫さまに助命と本領安堵を頼めばいいのかい?
|_/----○-○-|
| (6 つ |
| ___ |
\ \_/ /
\___/
津野親忠
, -‐- 、
/,ィ形斗‐''' ´  ̄`''‐- 、
//ミ/─- _ ヽ
, - 、!({ミ//`ヽ - 、`ヽ ヽ そうだよ兄さん。
/ 、ヽ⊂!´/ ヽ ヽ 「i「i}i、
/冫┐ i'´.l '´゙ "ヽ ゙ー、,,{ ノ なんとかして長宗我部家を守らないとね。
 ̄ l l l ⊂ ーゝ 'ヽ、
! l ', ,r /ヽ \
l ヾ,、 `''' ─ ' / -‐、‐ヽ >
t /` ー- 、___,ォュ'´ ヽ、 /
` ー-! 、`ーi 「´ , -‐'´
` ー- 、l l」 <
長宗我部 盛親
まずは、土佐(高知県)の長宗我部盛親。
盛親は関が原の敗戦後、土佐へ逃げ帰っていた。
やがて、盛親を許してくれるように、盛親の兄の津野親忠が、
親しかった藤堂高虎を通じて、井伊直政にやる夫へのとりなしを頼んだ。
618 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:41:46.63 ID:8xz1w7Yo
ひ | //
ど | / /
に い |/ /
い や " / _..―――――.._
さ ` / /∵∴∵∴∵∴∵∴∵ \
| ./ /∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵\
| / /∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵∴∵\
| / /∵" " "∵∴∵∵∴∵∴∵∴∵∴
|  ̄"/ / \ ∵∴∵∵∴∵∴∵∴∵∴
| / j/ (・) ∵∴∵∵∴∵∴∵∴∵
| z /・) "∵∴∵∴∵∴∵∴∴
| / ⊂'''"、 """" ∵r''''''''-、∵∴∵∴|
| / / ,r'" ̄"\ >-",r、 | ∵∴∵∴|
| | / ,二''""__,r--___,| / l l ∵∴∵ |
| | | | ,r'" | し く-- l | ∵∴∵|
| | | ト、ノ)、 .| "”"] .ノ∵∴∵ /
| | ヽ .| \彡> | j" ノ /∴∵∴/
| \ \ | ''' ,ノ ̄"| "-'' ̄/∴∵∴/
| \ \ .| ,r7 ̄ j'''7 し,,,,,,/ミ、∴∵/
ん __\ \ |r"-/ ,,r-''" / / \/
! r" \.l "''''''" ノ // | ヾ
| \."'----'''"" ,,// ノ | /
z \ ,/ '// / >'''"
/ \_____/''" // // /
/ ̄ ̄\> / "'--''" / / /
三 ̄u  ̄ ̄\
/ ____| 違う盛親くん、ぼくは無実だ……
/ >⌒ ⌒ |
/ / (゚) (゚) | びゃあ゛ぁ゛゛ぁひどひぃ゛ぃぃ゛
|_/---○-○-|
| (6 つ |
| u ___ |
\ ι_/ /
\___/
だが、これを知った家臣が盛親に「親忠が高虎と組んで土佐を支配しようとしている」と密告。
親忠が伊予(愛媛県)の藤堂高虎と親しかったこともあり、
それを信じた盛親は、親忠を殺してしまう。
638 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:43:41.38 ID:8xz1w7Yo
\ 、 m'''',ヾミ、、 /
\、_,r Y Y ' 、 /';,''
、 ,\ヽ, | | y /、 ,;;,,'',
\、\::::::::::/, /,, ;;,
ヽ\ o 、 ,o / { ;;;;;;;,,
丿 [ \|:::|/ ] >"''''' あーあ、やっちゃった……。
>、.> U <,.<
ノ ! ! -=- ノ! ト-、
..''"L \\.".//_ | ゙`
____
/_ノ ヽ、_\ 盛親は許せないお!
o゚((●)) ((●))゚o ……でもこれで長宗我部家を完全に取り潰す口実ができたお!!
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ この兄殺しめっ!!
| |r┬-| | (⌒) プギャーッwwwww
| | | | | ノ ~.レ-r┐、
| | | | | ノ__ | .| | |
\ `ー'´ /〈 ̄ `-Lλ_レレ
 ̄`ー‐---‐‐´
藤堂高虎はいわずとしれた東軍派であり、その高虎と親しい親忠を殺したことで、
盛親はやる夫の逆鱗に触れた。盛親は土佐を出て行くことになり、
その後、京都で寺小屋の先生をするなどの浪人生活に突入した。
かくして、土佐の長宗我部家は改易された。
654 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:46:41.02 ID:8xz1w7Yo
、_,.-'='`'ーヾ、
r` iィ すまん、お屋形。オレのせいだ。
く /´ 会わせる顔がない……。
'イ, /ク
〉;'^ニイ,/
_i´tr─/:`: ̄;'〃'ー;rー.、
,..‐'´/‐''二|: : : : :;i/' : :/ ; : : : :ヽ
,..- '´: : : :{イ!トヽ| : : : : l!: : /: :i: : : : : :l
/:!: : : : : : :;!';;||;;;;;;!、: : : ;!::::;i;:::.ヽ;:.: : :;/
〈: :i; : !: : :./;;;;;;!i;;;;;;;ヽ、: : : :::::ヽ;:::..`: : : 'i,
i: : ヾ;:i;::::/;;;;;;;;/;ヽ:;;;;;;>、: :.:::::::'i;::::...: : : :.ヽ
直江 兼続
, - ,‐――- 、 _
/⌒/ / -、 ∧__{´ `V丁
な、何を言っているのよ!? ノ⌒y' ` \l ヽヘ. ∨
上杉家の当主は私よ? < / / :r vェ、 ヽ ヽl>ー l l
部下の失敗は私の失敗よ。 >‐|l l l |" " :l ! !lヽ_}| l |
責任も最終的な判断をした \く|l |l l| l| :l| l| | ! }く__| i |
私にあるわ。 |ヽヘl {ト{从 リ_ル_斗レ彡=| i |
| i r f代圷 ヽ'´弋乏ア ノ}:| ,′ |
せ、切腹なんかしたら | i ヽハ`///j //////u _ノ/ / /l
許さないんだからねっ! │/ j_,ヘ、 -―――‐‐<∨ / / ハ
_.. -=ニ二 ̄ ̄/.:::...:::::.::: .:.: ̄}∠/ l
{::.:.:.. x -― ニ二つ'__ .:.:: /  ̄`ヽ
l::.:.:...::...::./ t-‐-`⊃.:.:.::::: :l !
|::.:.ヽ.:/ z、\ .:.:.::::: .:.,′ l
l::.:./ /` ー-、ヾ、\‐'...:.:.::: .::/ ∧
上杉 景勝
上杉家……
景勝と兼続は、1601年、二人でやる夫の元へ行き、謝罪した。
その結果、改易は免れたが、会津120万石の領土が米沢30万石にまで減らされてしまった。
674 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:49:15.50 ID:8xz1w7Yo
ヽ:::/ /::::::/_,,... -‐‐‐- 、 _
>! l:::::シ´ _,. -‐ ''" ̄` `ヽ、
/;' ...!::::::ヽ、´ , ヽ `ヽ、
く::::::! . .:::|____r' / / / ハィ⌒ヾ、 一気に四分の一になっちゃった。
>::! : ::::l::::::l / ///、,ィ' /! /、,,:;!i ヽ でも助かっただけありがたいわね……。
ヽi : ::::レ'ヽ/ l/_L/,_ト/ ! ,イ l l:l: ,`、‐-、
l : ::::l l 〉' '`7-ヽ.`iX !| / , ;i. i:.. l::::::::>これから頑張って内政をやらないと。
| : ::l ( `ヾ;シ^' __,ノ_ノ/::! , l::::レ'´経済や流通の改革、新田の開拓……
l :.: :::し, ´ィ=z、_7///:::/! やるべきことはいっぱいあるわ。
l: :: ::::::!i 、 ゞ-',.゛イ〃:/::l
! :::. ::::| ヽ、 _ ...._ ´ / i :l ::! ̄´
/ l :: .::::| \ ` ー ' , イ | .| :|
/ / : ::::::| \ ,. イ::::| l .l ::!
/ / .: :::「丁!‐‐‐「! ̄ ̄`!::::::l:::i:::..: l .l ::l
/ .:/ ::: :::| l l l l _,,,_l:::::::リ::: / i:::l
689 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:51:58.78 ID:8xz1w7Yo
' , 丶 ヽ
.' i ; ヽ ヽ ヽ ヽ ゝj
:' 〃 i i i ヽ ヽ、 ヽ、 i i 内政なら任せてくれ。
: ,' i i ! ト、ヽ iヽ, ',ヽヽiヽ, | 〉 !
: i i i iヽ. i \ヽ i __W---レ-Vレ、 V ……大丈夫だよ、お屋形。
|! ハ,∧i‐‐ヽ! Vヽj ,. Y⌒', オレも頑張るから……。
', iヽ「 .,_ ,,---- |´` i
r‐V ,, -‐- /// i;:ノ/
| r ヽ, '' |;: ,'i
ヽ'; .,ヘ /// ;: ,レ'´
ヽ ヽ, , : , / i
`'‐-ヘ __,. -一 ,イ ハ!
\ / i!/
i`丶., /,: :.|リ
| ',: :`' .,_ _,/ ,': : 」¬___
r< i___ r‐‐''゙´ _,]ノ `i
r‐‐‐!; ; ; ; ; ; ; i |_;_;__; ; ;| |
__ ∧_ヘ__
_,,, --‐''''''''/ ''-!:::::ヽヽ、>
___ ,/:::::_::::ヘ::::::/ '''!::ヽ:ヽ::!'
/ >'":::::::::!ミ,,ハヽ::~!'''''' ̄!ヽ:::::ヽ:::! ええ。……頑張りましょう。
∠___/:::::::/::!:::! ヽ:!:::!::::!:::!:::!::ヽ::!:::!ヽ
///::::::::!:::!:::!:! !-‐!''!'''''!/:!::!ヽ:!:::! ヽこれからもよろしくね、兼続。
/r//!:::::!::!::::!:,,!,,!.. !!:::リ,,、、リ へ!:::::/!::::! ヽ
/::::!::::!:::::!:::ヽ-'"リヽ リ. "、、、、 !ゝ/::/::!::!::! !
/::::::!:::::ヽ:::!:::::ヽ'r''"" 、 ノ!-'/::::!:::!::! /!
/::::::::::/::,rヘヽ:::!ヽ ``` __ ノ/:::::/::::::/:::!:!//
/;;;;; ,/::/ /:::'':::!:\__ (:::::::::/:::::::/::::!'''~
,, -- ''"::::__,,,../ /:/:ノ::!::::!_:::~!''''''', ii::iヽ::::ノ:::::/
/:::::,r''''''~ ̄ , -‐''''''~'''''"::::::/"--,-\~~ !:!.!:! '--i'''''''!--、
かくして領土を減らされた上杉家は、財政や内政など、米沢の統治に、
その力を注いでいくことになる。
上杉家は家臣をほとんど解雇しなかったため、120万石分の家来を、
30万石で養わなければならなかった。
景勝と兼続は、これからが大変だった。
724 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 22:59:06.59 ID:8xz1w7Yo
さて、毛利家は。
. / `''‐、
i , /i 、 ヽ‐-ヽ
. ! /| /| / ! .!ヽ..ト、 、.ヽ
| /''l/、l/_, l/ _,.ゝ' ゝ、 iヽ!
| ノ`''‐ 、._/ /_, ‐'´ !.\! ……やる夫さま……
! ,.-、 r' =。=== _ ,=。===,! 今、なんとおっしゃいました……?
/ { ‐、!| ` ー-‐' '' \--‐' !
. / !( r||.u r __ \./|
/. ,、 ゙ー'|!、 ,..-‐───; 7゙│
/_,./ l │\ `ー-----‐'´/!\i
 ̄ .! 1 l ヽ、 ー一 ./ | |`'‐、
| i、 l. ヽ、 / | .| `'‐、
. | ヽ i ヽ、.イ │ |
吉川 広家
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ 広家殿はよく頑張ったから、周防と長門(山口県)に、
/::::⌒(__人__)⌒::::: \ 36万石の領土をあげるお!
| |r┬-| | その代わり、毛利本家はお取り潰し。
\ `ー'´ / 改易だお!
741 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:01:02.59 ID:8xz1w7Yo
/:::::::::.. .:::::::.. ..::::::::::ヽ
イ::::::::::::::::::::;、::::::::::::::::::::::l
. l::::::::::::;:イ::/v:ヘ::lヽ、:::::::::| やっ……約束が違うっ……!!
. |:::::::/|/ニ|/ュ ┌リ_ニヘl::::::::| 俺は黒田長政殿を通じて内応を約束し、
j::r=i|==。=,, _=。==|r=、:| だから関が原で軍を動かさなかったし、
|::|ヒ'|| ` ー":|.|:`ー ' ||J:|::| 毛利本家の軍が動くのも邪魔したっ……!
. |:::ヾ;l| u r:|」:、 u :|レ'::::|
. ノ::::::::::\ (二ニニ二) ,イ:::::::::::ヽ、 大坂城を輝元様が明け渡すときも、
_,∠:-‐ァi:::::::!\ == ./ |:::::::ハ''ー-ゝ、.毛利家の領土は減らさないと約束したはず……!
-‐'''": : : ::/,/|::::::| ::::\_/ |::::::ハ ヽ: : : : : :``'''‐
: : : : : : :/,/,/|::::::| ::::: ,|:::j¨二二二¨l: : : : : :
____
/⌒ ー、\
/( ●) (●)\
/::::⌒(__人__)⌒:::::\ ハア?
| |r┬-/ ' | 誰がそんな約束をしたお?
\ `ー'´ /
765 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:03:49.86 ID:8xz1w7Yo
/::://:::! /-=、 ,// u / _,,.-ゝ. 「ヽ l ! , l
/::_;イ-‐=レ'==ミ" '∠-==ヽl=ヽlヽ レ'レV
/::::::::..、 o ,≡:::::::〈、 o , :|│ リ ' 誰がって……!!
::::::::::::::::: ` ー--‐ '´三 :::::::::ヽ`::ー-‐:'.´ |│ l そりゃあやる夫さまじゃ……!!
::::::::::::::: ニニ ::::::::::::::ヽ::::::::: U |│ ! ちゃんと証文もとってある……!
:::::::::::::::U  ̄ ̄ U::::::::::::::::ヽ::: u |│ .l 本多殿と井伊殿の血判まである……!!
:::::::::::::::: U r‐:::::::::::::::::::::ヽ. Lノ |
____
/_ノ ヽ_\ んー、どれどれ……
/( ●) ( ●)\ 「内応すれば毛利家安泰です、約束します 黒田長政」
/::::::⌒(__人__)⌒::: \ 「大坂城を明け渡せば毛利の領土を安堵します 本多忠勝 井伊直政」
| ( ( | ……知らんお。やる夫はこんなの知らんお!?
\ `ー' / 長政殿や忠勝、直政が勝手にやったんじゃないかお?
782 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:06:04.12 ID:8xz1w7Yo
∠ -‐ァ ,、'´ ,.、-'' " \
/ ,、'´ ,.、-''´ fi fi ト、 ヾ、 ヽ
. / ,、'´.,、''´ /| ,ィ |:| |:l .l_.ン l`ヾ
//l ,、'´,、''´ 〈:::レ':|.|::| |::ヽ /\ヽ .ト、 | やる夫っ……やる夫っ……!
〃 | ,、'´,、'´ n, \:リ:::リ:::::i| 〈==、 lヾ | ヽ| 謀ったなっ……やる夫っ……!!
. | ,、'´,、'´ | _|f=-、.\ u !|/ヾ.、 〉| |ヽ|
. ,!'´,、'´ r( リ \!i 〈 o .ノノ| | ああああああ……!
,、-'´,、r′ _ N ヾ、 o 》 ヾ ̄ | |
,、-'´ | ( r‐ヽ、 | |j~ ゝ==シ |j. \.|j~| | 貴様っ……謀ったなっ……!!
| ヽヽr‐ゝ | 〃" |ju U u \| '、
| ヽヽ⌒l .| u ___ r' __ u _) ヽ、 ,、-'´
. | ヽゝ-l | |j i´ _` ''ー----‐ァ/ ,.、ゝ''´,、-'´ それでも……人間かっ……!!
| ゝ-リ l ̄  ̄ ̄二ニ7.ム-''´ ,.、-'ヾ
,' |\ |j { ,.、-'´ ,.、-r‐i ''' "´ \/
. / / |::::::\ ,,ゝ-'´ ,.、-''´ | l /
/〃 |,.、-''´,.、-t''´ ̄``_二ニ! l _.... -‐''´ ,、"
〃/ _,.、-‐'' " ,.、-''´::::::\ゝ- '´ r== l ヽ、 |j ='"´
/ ,.、-‐'' " ,.、-''´ヽ、 ::::::::`'-、.. u |j | ヾ u
/''´ ,、-''´ \ ::::::::::::`''..r-'′ \ U
____
/⌒ ⌒\
/( ―) (―)\ 広家……広家の働きは充分に認めているお。
/::::::⌒(__人__)⌒:: \ 毛利元就の血筋は広家が伝えていくといいお。
| | 吉川家として周防で頑張っていくといいお。
\ /
797 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:08:17.86 ID:8xz1w7Yo
// , -─;┬:─‐- 、 )
. // / ヽ i r' \ ( ………
/ .,' , -─- 、 ヽ ) それは……できない……!
/ / ヽ .ヽ ( やらない……やらないんだっ……俺はっ……!
|{: l l }| ) 俺にやるという領土36万石っ……
E''ー-|{ { ,ィノl人トヽ、 トi }l-‐'''ヨ { それをどうか、毛利本家にあげてくれ……!
. E..三l| { l. (l'≧ ll ≦゙l) :| | n;|三..ヨ ) お願い……お願いします……!!
. |.! { |! ト∈ゞ'∋イ | :! 4!!: (
| | ' || |:::::`ー'´::::| |:::|. !:!: `フ'⌒`ー-‐
|. } { W::::::::::::::::::::W:::::} { |::
ヽ|. |/:::::::::::::::::::::::::\|. |ノ::://
. | |::::::::::::::::::::::::::::::::::l |//
! |::::::::::::::::::::::::::::::::::::!. //
| |:::::::::::::::::::::::::::::::::://!、 /
/, r- ヽ::::: ::::::::::::::::// 、、\ //
!L{」_厂ゝ): ::::::://:(.{⌒)_},},リ://
二二二二二二二二二二二二二二二二二二二
ヽ \ ヽ ̄
____
/ \
/ ─ ─ \ (うーん……ここでこれまで断ったら、
/ (●) (●) \ 毛利は命がけで抵抗するかもしれんお。
| (__人__) | ここは、これを認めたほうがいいかもしれんお)
\ ` ⌒´ /
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ 広家の気持ちに応えて、毛利家の存続を許すお。
/::::⌒(__人__)⌒::::: \ 36万石を毛利家に与えようだお。
| |r┬-| | そして広家の吉川家を、毛利本家はいざ知らず、
\ `ー'´ / やる夫は大名として扱おうだお!
事実、吉川家は江戸時代を通じて、毛利家からは大名ではなく家臣として扱われたが、
幕府からは大名と同じ扱いを受けた。そして毛利家から吉川家は江戸時代を通じて冷遇される。
毛利家は、その後、周防長門36万石、長州藩として存続。
毛利輝元は程なく隠居し、長男の毛利秀就が当主となった。
しかし秀就はまだ幼く、隠居は形だけのもので、藩の政治は輝元と秀元が行った。
808 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:10:37.74 ID:8xz1w7Yo
彡ソ ヘ´丿//:::::::::::::::::::::::::::::::彡 │
///ノノソノ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::彡 |
/:::::::::::::::::::::::::::/´_...`ヽ:::::::::|__ _│ ……殿様、
/:/`'- "´-.'''"...`...二二¬:::::::ヽ 徳川討伐の用意が整いましたが……!
///´ ̄`_ -''_`-.'''"`゛ ::::::|::::| |´`ヽ||
.= =.'''二二-.'''"`| ====- :::|::::::|:|´ ヽソ
| \ ..-==/´ |´e _ ノ |::::∥ワノ
:| ヽヽ e/:/: \____/:::::::::::|ソノ | ̄\
\ | :二/:/:::: _.. ::::::::::|\ |:::::::::\
 ̄ / /:/:::::: ´--. ヽ. :::::::::::|::::ヾ |::::::::::::::\
\/| :|:::::::::┏-ソ ヽ::::::::|:::: ヽ|:::::::::::::::::|\
ヽ|_|::--''´ |:::::::|:::: ヽ|::::::::::::::::::| \
/\ /-┴-┴二ソ::::ノ::::/::::::: |:::::::::::::::::::| ||\
/|::| \\...二==/ :::::::/:::: //::::::::::::::::::::| |:|
/´| |::| |:\ _-:::::::::::::/::: / /:::::::::::::::::::::::| |::|
/ |/::| |::| \ ::::::::/:::::: / /:::::::::::::::::::::::::| |:::|
/ :| |:::| |:::|  ̄ ̄ ̄ ::::::: / :/:::::::::::::::::::::::::::| |::::|
_ヽー-、,. イ,ィ__
> Z
> , ィ ,ィ ,、__ `ト、
<\フ´ lj ´ ´,/,ハ, ゝ
\\ ,// イ | ……まだ……早いっ……時期が……!
/ \l{ |{,/ _ Z | もう少し待てっ……!!
〈 r-ベ | r‐-'´ ノ 7 r-、 |
ヽ( o_,}' ` o ノ l |´`l| |
/ `J| `ひ′ u l |二!l ゝ
ゝ ,/__, -、.) __.二._ヽ |,トー'ノ ト、
 ̄「工工⊥!┴┴'-| |、.´| \
_)__( .| l. `|三ニ=;、ヽ
_rー-┴'-∟!工工T'Tリ .| |ニ三三|` ¬- 、
_,. ‐'´ .| l l i i ; :  ̄ / |ニ三三|` ¬- 、
_,. -'´ヽ、.__ _ _ノ /|;三三三|
/三三ミト、 ̄ ̄ ̄ ,イ |;三三三|
,/三三ニミ|l.ヽ. /l.| |;;三三三|
/三三ニ;ミ|l.#ヽ、__,イ#| |ニ三三三|
毛利家はその後、正月の度に、家臣と当主が以上のような会話をしたという。
一種の伝説であり、創作という説もあるが、毛利家は関が原の際の徳川家への恨みを忘れず、
江戸時代を通じて持ち続けた。やがてその恨みは250年後の幕末に爆発し、
長州藩は明治という新時代を築き上げることになる。
作家の司馬遼太郎が「封建制では恨みは世襲する」「家康千慮の一失」と評する、
やる夫の毛利家への処置であった。
820 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:12:56.83 ID:8xz1w7Yo
,.‐'´ l
/ _,. ;‐'"´ .∧ 、 |
‐''´/ ,:i ./ l .|l、ト、iヘ |
/ ./ /l / l./u l | l l.ヽl \ i、 | 太閤殿下っ……!!
// ./ /─|'-:、l_ _,l -ヽ‐`'"´\!、 !
l /l ./_!_______'_______|_ l 申し訳……申し訳ありませんっ……!!
l/ l / ! ==== |__|;; ===== l「 i'⌒i. l
. l/ !、` ‐-゚‐'ノ) !. `‐-゚-‐ '´ .ノ.| .l `i l !
. l`‐i=="v ` ‐----‐'´ .| l_(i i l
l ! u |.l./.ノ .l\
l iー───── 、 u |l‐'" l::::::\
. l l、ニニニニニニニニソ i /:l、 .l::::::::::::|
. i  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ i /::: l、..l::::::::::::::!
_,,.-‐i ━━ v i /::::: l. |:::::::::::::::|
_,..:‐'´::::::::::/゙:、 i /:::::: .l|::::::::::::::::|
:::::::::::::::::::/::::::ヽ !v i /:::::: /|:::::::::::::::::|
::::::::::::::::/::::::::::: ヽ、/:::::: / |::::::::::::::::::|
宇喜多秀家は、関が原から退却後、変装をして薩摩(鹿児島)まで落ち延びた。
そして島津家にかくまってもらっていたが、やがてバレてしまい、
やる夫の処分を待つことになった。
835 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:15:13.04 ID:8xz1w7Yo
____
/ \
/ ─ ─\ 宇喜多秀家についてはかくまっていた島津家……
/ (●) (●) \ まぁ島津家はいいとしても、
| (__人__) | 前田家からも助命の要請が来ているお。
/ ∩ノ ⊃ / 秀家の妻は前田利長の妹だからだお。
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
____
/ \
/ ─ ─\ 秀家自身は人の良いお坊ちゃんだお。
/ (●) (●) \ 秀家一人では何もできないお。
| (__人__) | 島流しくらいで勘弁しとくかお。
\ ` ⌒´ / でも宇喜多家は取り潰しにするお。
847 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:17:22.31 ID:8xz1w7Yo
,.ゞ ̄ `ヽ,. -‐;z..__
/ ′ <
/ \
i , ノ'ヘ l
. l ,.ィ /|./ u│ハi、 |
| /‐l/、' ,レ-'‐W 島流しか……
. | r=、 r' ====` ,'===/
. | {にl | `゚ー ' /゚-‐7 八丈島……どんな島なんだ?
. /| ヾ=lノ ij u  ̄//
_/‐| / ヽ. ⊂ァー--〈、
¨  ̄ l=|/ \ l ',二二}j
: : : : |=|ヽ. \|,' ;‐─{、
: : : :.|=| \ ,_l ,' lニン : `丶
: : : |=|、 \ _//,ヽ.___ノイ: : : : :
: : : |=|::\ ,.イoト〈/./ /.//: : : : : :
秀家は八丈島に島流しにされてしまった。
こうすればもはや本土と連絡を取ることはそうそうできなくなる。
大坂に行くこともできなくなる。泳いででも行かない限りは。
秀家はその後、半世紀以上生き、
1655年に死去した。享年83。
やる夫はもちろん、秀忠、さらにその子供の家光も死に、
江戸幕府は4代将軍、徳川家綱の時代になっていた。
秀家の子孫は八丈島で続き、明治維新後は東京に行ったりもしたが、
現在も宇喜多の家系は存続しておられる。
865 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:19:44.53 ID:8xz1w7Yo
/ ′ ′ ∠__
. /l/ ′,∠,
/ ,.、 /
. ト' ,.へ.__, ‐'´ ヽ '7
l 、/ u | _,⊥ / 宇喜多家はお取り潰し、か……
|`テニ'_┐ iir _',ニ-‐''1 'ィ
. ! l=。ミ′‘≦。= = r',.-、 / さて、どうするかな。
! l` ‐;Z..__゙ ーr '´v|.|^!.| ,/ とりあえず同じキリシタンの
ヽl/ __-, u l ij |ノ_'ノ / 黒田如水殿のところに行くか……
゙T ───- ヽ∧ ∧ 如水殿は俺とも縁続きだしっ……
,/! ‐一 /. ヽ ∧ ヽ._
,, -‐''7 /.! v V. \∧ ヽ. ヽ
/ / └;┬──' ,.くト、ヽ i |
i i i l |>、 ,.く.>'l. l. | | |
明石 全登
宇喜多家臣の明石全登は宇喜多家が潰れた結果、浪人になった。
しばらくは黒田如水を頼りもしたが、やがて、黒田長政がキリシタンを禁止したため、
黒田家を離れ、各地を放浪することになる。
879 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:21:56.91 ID:8xz1w7Yo
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ 大分、片付いてきたお。
/::::⌒(__人__)⌒::::: \ さて、後は島津家、それと真田家くらいかお?
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
/ ̄\
| |
\_/
__|__ (っ巛)
./ \ | |
/ :::─::::::─\ | | おう、殿様!
/ <●>:::::<●> \ .| ちょっといいか!?
| (__人__) | /
/ ∩ノ ⊃ /ノ
( \ / _ノ |/
.\ “ / |
___
/ \
/ \ おっ、忠勝、どうしたお?
/ ⌒ ⌒ \
| /// (__人__) /// |
\ /
895 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:24:17.00 ID:8xz1w7Yo
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ !!
/ :::⌒(__人__)⌒:::::\ ……信幸……。
|  ̄ |
\ /
/';';';';' ,ノ,ノノイ∠幺ダ 'ェェ=キレ|l;, ;レ゙
| ;;;'' ='イ ''"'〒テ~`' .i 'Tフ` ,!''ソ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ、 ;;''イ `¨´ !: | ト .| お久しぶりです、やる夫さま。
ネ ;;'' ヒ , _. 〉 ,|イ,リ |
| ;;い ,i゙,ナ゙ 人______________
ヾミ iト、 ー''二 ̄ ./ツ
)ぃ,l リ ヽ、 /ト-:、
,, -'^;;ゝ|ヽ `''ー、___,,ノ_」'''ァ ゙i,
真田 信幸
____
/\ /\
/( ●) (●)\ 忠勝と信幸。義理の親子が揃って来たという事は、
/ :::⌒(__人__)⌒:::::\ 真田家についてだお?
| |r┬-| | 昌幸を助命しろというのかお!?
\ ` ー'´ /
908 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:26:30.59 ID:8xz1w7Yo
/ ̄\ __ノヽ、_ノヽ
| | )
\_/ <. その通りだぜ、殿様!
| ノ
/  ̄  ̄ \  ̄ヽ,.-- 、,. -‐-
∩ / ::\:::/:: \ . ∩
l ヽ∩ / .<●>::::::<●> \ ∩ノ j
ヽ ノ | (__人__) | ヽ ノ
| ヽ \ ` ⌒´ / / j
. \  ̄ ───────  ̄ /
. \ /
(!人rrニ= ィ=ニゝヽヽ }
J i '工j_ 工T~ )ノ li;, ト ______
fi i 彳 リ ハ.} /
L i 〈 、 iWjj!' / | やる夫様、僕はこの度、東軍につきました。
ヽl _ .,,,,,_ / r'´ < どうかそのことに免じて、父と信繁を、
八 = 人从 リリ | 許してやってはもらえないでしょうか?
\ / / Y'´ _ \
_>i… '´ r┬'' ̄ ̄ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
f干 __.」_,,,,,....,_| | _ ヽ_
ノ L____
⌒ \ / \ それはダメだお!
/ (○) (○)\ 真田家は信幸が存続させていくがいいお。
/ (__人__) \ 昌幸と信繁は即刻、腹を切るがいいお!!
| |::::::| |
\ l;;;;;;l /l!| !
/ `ー' \ |i
/ ヽ !l ヽi
( 丶- 、 しE |そ ドンッ!!
`ー、_ノ ∑ l、E ノ <
レY^V^ヽl
920 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:28:48.79 ID:8xz1w7Yo
/ ̄\
| |
\_/
|
/ ̄ ̄ ̄\ 殿様……オレの婿殿の頼みなんだ。
/:::\:::/:: \ せめて、真田昌幸の命だけでも助けてやってくれないか?
_ / <●>::::::<●> U \ オレは、殿様と一戦交えてもいいくらいの覚悟で、
_(_≡ | (__人__) | この頼みをしにきたんだ! 頼むよ、殿様!!
(_≡(_=\ `⌒´ /
(_≡(_= _ \
(_= (_≡ (___)
( |
) ___ \
(_∠ \_)
____
/ \
/ ─ ─\ うう……
/U (●) (●) \ 忠勝がそこまで言うのなら、
| (__人__) | 仕方がないお。
/ ∩ノ ⊃ / 上田城は信幸に与えるお。
( \ / _ノ | | 真田昌幸と信繁は紀伊に蟄居するがいいお。
.\ “ /__| |
\ /___ /
こうして、真田昌幸と信繁は紀伊(和歌山県)の九度山に蟄居することになった。
945 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:32:56.01 ID:8xz1w7Yo
次スレ http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1220625106/
//7ヽ イ : //:_/_.:/ |: :.:|: : ヽ:.:.. : : : : :.. |. l :.:.:\<二ニ.┬ ´
/イ /イ`:/: :/:l: :/:./`ヽ l: : :ト: : :.:ヽ:.:.:.. : : :.:.l:.:.:|:.:.. :.:ヽーj ノー 二
` /´: : : /: : l:. l /l:/ \ヽ:.| ヽ: : :.ト 、:.:. : :|ヽ_L:.:.:.:.|:...| ドイ ̄:.:| 悔しいーっ!!
L〉: : : l : : |:. |:| |′ ヽヽ \:.{ \: :イ´l:|:.:. :.:.|:.:.:!:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.l
|: : : : :! : : |:. :l{ z三ミ 、、 \ \ /ヽj }l!:.:. :.:l:.:.:l!.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:l 秀忠軍に私達は勝っていたのに!
{/: : :.:!: : .ハ:. :ト ´ `ヽ ´ {ー'r_z三ミ、 |:. :.:/:.:.:ハ:.:l:.:.:.:.:. :.:|:.:.!
/: /: :.:|: |: :..ヽ:ヽ i ´ ` j: : /: : /: }/ハ:.:.:. :.:!:.:.l 信濃から離れて山の中に送られるなんて!
./ /: :.:小 :!: :.:.:.:ヽ:\ /⌒ ー--、‐ 、 /://:.イ:.:.:/:.:.:.:.!:.:.: : ト:.:.l
':/!: ::. :.|:ハト: :.:.:.:.:.:ト.ー / \i /イ:.:/´:.:|:.:/:.:.:.:.:.:|:.:.: : | l:.:l
| : :.:.:.l:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.l:.:\ { j /:/:./:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:l|:.:. : l !:.!
! !: : :.:.:|!:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:l´ノ \ー- ___ノ .イ:/:./}:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:./|:.:.: :l j:リ
,.ゝ---― 7´: \:.ヽ ` 、 ‐ _ .. .<_:.:.:./:/:.j:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/ !:.:.:/ //
i" ,/ / ,〃i/ い、 \ いN
/ ,/ ,/ノ / ,ノノハ ト,、 ミ`'ー Vリ
| レ' _,,、ァチ-ーヒヽ| ゞヒs、ミヽ i
ハ rヘ ア' <モテ;; i' zッ、`i ソ まあ、命が助かっただけでも、
゙Yf i゙ |ト :i `` イ, ノ 儲けものだと思わないとね。
いヽ ゙!, ,_ ;、 ,タ" 信幸のおかげだ。
`i, `r、 ..__`_ ,リ
ク',ヘ ゙:、 `''ー‐'´ /゙
イ,ヘ ゝ\.  ̄ /
f ̄`''ー─--ミ''-、,,_,,イ!‐-、、,,_
,/ ゙i,⌒ヽz¬"゙ヽ i
957 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:35:04.75 ID:8xz1w7Yo
/::.::.:/::./ イ´: :: : : : : : `ヽ|:ヽ: !
/::.::ィ/、:_!: :/:./: |::_::_-‐_ヘノ:l:l
!::./ ,ト..十:T:ハ: |: : : l::..:.. l: : :|: :ト〉 それにしても信濃から離れるなんて!
|::`メ|::.::.|:..,|:| l lヽ: : ト、:: |: :|:レ| SOS団はどうなるのよ!?
|::.:/| |::.:..|:廾ト、 ヽ \:| ,.斗l-:l:.,1:! 信濃を大いに盛り上げないといけないのに!!
l.::.L|{1::.:.l:.ト十::テ ー ' イォ:卞l/イ |:|
|:.|:l:Lト!:.:.ト{  ̄ ,  ̄`|:.|:Lj:l
!:|:l::.::.:l::..ト、 , -、 イ::l:..:イ:!
lム|:.|::.:ト:..l |\ ´ ̄` /7:/、/ノ′
/|: 「lト::.:|.ヽ:! ` ーァ ´}: : j/ : |「ト.
,ィュ-‐-、_
/: : : : : : : : : :`ヽ
/: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
イ : : : : ,ィ ./リ| ト、: : : : : ゝ 悔しがるポイントはそこじゃないだろ……!
!: :/: :,AZ__ |/' >r.、: :N
!'ヽ: :! ―- ニ| .! .!ノ
_人_l、u. i .(ヾ| .! iヽ
_,..-'´/:::::| ヽ ~ ,.ネ、 ト、
r'´:::::::::::::く:::::::| ノ` =く. .|::ヤ .|:::`゙ー、
/:!::::::::::::::::::/::::::.レ'^YニY/レ!:::ヽz='=i::::::::ヽ
/::::::!::::::::::::::::ヽ:::::::| .〉-〈 /::::::〈:::::::::::::|:::::::::::!
l,ィ,,,:':::ヾ ミ、;;;,.、-─゙'''ァty、::;ィヅ;;::j
,}``ハヽ;;;;, r'´ -─‐'´゙,ノ'ソイ'ヾ,;;〈
/:..;;;,r' ヾ、リ ,か)ゞ`' ,r'`ヽ,|トj;:リ まぁ……とりあえずは山に篭って、
{jj ハi ノi ,:トj ,jテy ,ハ;;ir' 本でも読み耽るとしようか。
,!.;;:::;ヽゝ'ヾ' ヽ j-‐'
{'ヘ、,ミジゝ `ャソ ,!
`ゞ リハ彳、. ``ー-、, /
゙,r-く,._イ, ヽ, `ー /
/ `丶ミ、_ /
,イ `ヾ,ー‐r一'
/ `¨丶-、 `イi`ヽ、
971 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:37:00.74 ID:8xz1w7Yo
_,. ─ 、. -- ._
/ `ヽ
/ 、 、 \
/,. ,. / l. | ヽ ヽ ヽ. ヽ
/ / i'/ / ,| | ,! | ',. ! ',
∠-7 j |.| | ./| ,1 ハ. ハ | |l. l | ………………。
| | |l.',. } ナTァ-| ./ l./'''Tナ{. ,リ |1
l!Mヽ.{<ィテtト !' ' t5モト,.レ!' ,1 ,!
1',l.| ゙ト 'ぅり , 2tタ / /,!'
`| l. 「ヽ __ /! イ/
l.ト. |l. ヽ、 _,.ノイ/ |!
` ヽl ヘゝl` - ´lル ′
/.ノ ヾヽ、
_.. - ´ L._,. -- .._...| ` ‐ 、._
,f´l. | 「 _, - 、._j / / ス
/ ,/ ,/ノ / ,ノノハ ト,、 ミ`'ー Vリ
| レ' _,,、ァチ-ーヒヽ| ゞヒs、ミヽ i
ハ rヘ ア' <モテ;; i' zッ、`i ソ 甚八はたくさん本を持っていたね。
゙Yf i゙ |ト :i `` イ, ノ 歴史の本で面白そうなのがあったら、
いヽ ゙!, ,_ ;、 ,タ" 私に貸してくれないかな?
`i, `r、 ..__`_ ,リ
ク',ヘ ゙:、 `''ー‐'´ /゙
イ,ヘ ゝ\.  ̄ /
f ̄`''ー─--ミ''-、,,_,,イ!‐-、、,,_
|{│.:.::::| ::::::ハ ::l ヽl ', :::::| ヽ::::l _\{-ヽ| :::::::::|:::::::::::: i::l
! ! :. ;小、.:::::{ 代ート、 ヽ ..::l >七´__,ィ=-、.」 :::::::::j::::::::;::: l:,'
', :::: l:: \::ムx≠于=ミ、\ヽ x=≠旡丁 `ドレ! ::::::::;イヽ ::i:::::リ
ヽ:::::lヽ::::\<ヾハ{.::::ヽヽ _ { V、::::::.}├| :::::∧ l:::,' .::/ …………(こくり)
\l ∨::{!ハ Vzイ} {!⌒ヘ} r'zィリ / l .:::/ } ,ノ/l:::/
` ',:::ゝム ー' / ヽ、  ̄ノ' | ::/ フ´::/ ル′
ヽ::::`ヘー ‐ '´ '  ̄ |.::/´;::〃/
ヽ:::: { /// ャ‐、 /// jl:/::/:/ ″
\:ヘ ヽ 、 ¨ //イ::/V
\! ヽ>,、 , イ 〃:|::ト、
ヽj父rー<: : : : : : : {::l) ヽ、
986 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:38:22.21 ID:8xz1w7Yo
次スレいきます。
lv',ィ' ,;;;i 〃;/ リ.リl| !l゙:,ト,゙:、li;'、 i:.゙i;..;;;;;;;,ヾ ;;:〈
,ィ,ィ/ ,,;;:;;イ,/シノン' ノ ゙l! ゙'いミ`ミゝミゝ、゙';;;;;;;;;;;;;'v;;;i
'" / ,;;-''シr--=、∠,,__゙、 ゙ゝ,;≧-─ミーi;;;;;;;;;;;;;;;;;;l (……まぁ、当分は大人しくするしかないか。
i゙i゙ ;;ヘ | ーt‐:ァミ:`、` ' '<"t::ラー- |;;;ハ;;;;;;;;;;i゙ だが秀頼様が大坂城にいる以上、
゙;゙、 ( ハ,! `""´' ゙: `' ` ´ ノ;リ ,i;;;;;;ノ 天下はまだ荒れるかもしれない。
゙:,゙:、.ヽ,ミト: , :. ケノ./;;ャ'′ それに備えておく必要はありそうだ……)
`:、`ー; ,'. :::, '゙フー';;l゙
ノ,;;;;゙ト `ー-‐'゙ /};;;;;;;l、
,ィ'ス、;;;|`、 -‐ - ─- /,.};;;;;;;;;;「
_」 ゝ、;;;l ;゙:、 ''''''' ,ィ゙ 'ク;;;:;:;;;;」
_// `:'、 ゙; ゙' 、 ,ィ'゙ ;'ク:::::::::::;`;、_
'"/ l r‐`i゙:, `ー---‐''゙ 「..:::::::::;ィ^!;;;;;;;;;;;;
かくして真田昌幸、信繁の親子と、愉快な仲間たちは紀伊の九度山で、
蟄居の身となり、しばし時を待つことになった。
25 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:41:20.86 ID:8xz1w7Yo
____
/ \
/ ─ ─\ さぁて……最後は島津だお。
/ (●) (●) \
| (__人__) |
/ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
\ /___ /
/':/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::k\:::::ヽ
/::/i::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヘヽ:::::::i!
,':::N l:::,:::fi::::::f|::i:::|ヽ:::::::::::::::::ヽ::::::::l
i:::::l!::|:i!士从::! l,r|i'二辷:::::::::::::::::::::::| 殿様、島津といえば、
|::|::li:('´{::}ン⌒ヽ_´{::}ン゙l:::::::::::::::::::::l 謝罪の手紙が来ています。
!:!::l::i  ̄  ̄ l:::::::::::::::::::::!
l:::::i::l ` ` !::::::::::::::::::::|
|:::::!::', -‐- ノリ::::::::::::::::::|
!:::;:::::\  ̄ ,.ィ´::::::::::::::il::l
,リハ::::::::::ヽ、 __ .....ィ::':::::!::::::::::::N l!゙
rリハ:::i ヾ:::::::::::::'''' |::::_:::f!|
ノ ' tNヽ ,':/ ヾ|
本多 正純
37 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:43:20.96 ID:8xz1w7Yo
/ ̄ ̄ ̄\
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \. 手紙……。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
/ \
島津家から来た謝罪の手紙は、
「ごめんね、ごめんね、もうしないから許してね、本当にごめんなさい。
でも島津家の領土を減らさせはしないからね。減らしたらマジ殺す!」
……という感じの内容だった。
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \ 直江兼続といい、島津家といい、
/ o゚⌒ ⌒゚o \ なんだってやる夫にはこんな手紙ばっかり来るんだお……
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
54 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:45:03.48 ID:8xz1w7Yo
______,.___, |;:;:.... |
゚ 。 : ..:| |l ̄|
: 。 ..:| |l彦| 島津家は直政に
゜ : ..:| |l根| 監視されています
゜ : ..:| |l_|
: ゚ ..:|;:;:.... |
゚ : ..:|;:;:.... |. iヽ
゜ : ..:|;:;:.... |/| ̄|\))
。 ゚ ..:|;:;:.... |ニ二二ス
: : ..:|;:;:.... |,=・ェ・=)ゝ
゚ 。 : : ..:|;:;:.... | ⊂ノ
: : ..:|;:;:.... |-u'
,,.,、-‐''"´~
……更に、関が原で島津家と交戦した井伊直政も、
島津家に頼まれ、島津家と徳川の講和のために尽力していた。
島津義弘の関が原での戦いぶりを、見事だと感嘆したからとも言う。
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;) …………誰か、
/ (─) (─ /;;/ 秀忠を呼んでくれお。
| (__人__) l;;,´
/ ∩ ノ)━・'/
( \ / _ノ´.| |
.\ " /__| |
\ /___
68 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:47:33.09 ID:8xz1w7Yo
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/ (●) (●)ヽ
.| ⊂⊃(__人__)⊂| 父上、お呼びですか?
| ` ⌒´ |
ヽ /
/ ヽ ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\
/::::⌒(__人__)⌒::::: \ 秀忠、来たかお!
| |r┬-| | 島津のことで話があるお!
\ `ー'´ / 秀忠の意見を聞かせるお!
/ ̄ ̄~\
/ ⌒ ⌒\
/ (●) (●)ヽ
.| ⊂⊃(__人__)⊂| 秀忠に島津のことで……。
| (_/´ |
ヽ / (父上は、秀忠を試すつもりなのか……
/ ヽ ノヽ 徳川政権の後継者になれるかどうかを……)
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
……やる夫の長男、信康は既に死に、次男の秀康はかつて秀吉の養子となり、
今は結城家の養子であるため、三男の秀忠が、現在のところは、
徳川家の後継者として扱われていた。
85 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:49:49.36 ID:8xz1w7Yo
/__.))ノヽ
.|ミ.l _ ._ i.)
F ヽ、 (^'ミ/.´・ .〈・ リ ,.ィ ヲ やる夫はわしが育てた
ミ 、 \ .しi r、_) |./ ,. _,.彡
ミ 、i } { | `ニニ' / } i 「=ニ彡
三 | | 廴_ノ `ー―i__ノ/ j ニ三
,ニ く_/ {三
!___/~\ /〈、_〉
L」ハハハL」
=^= =^=
わしのマークの
. f 了 {二ニ ニ二} n_n_n ,ヘ ,ヘ r─^ー^─t
┌‐┘└‐┐ .| | ,三}{三, | | | | `ニ ,ニ ニ, ニ´
└ー, r ‐┘ i┐ | 二} レZ__トJ ∪ U 台 | 目 | 台
/ ,.ヘ \ | | | | 仁 ニ^ニ コ r‐=`ニ´=-t
<_/ \_> 仁 二 二二} ムヘ._0_,ハ」 フ/Ll\「
やる夫も既に60歳。いつ死んでもおかしくない年齢である。
健康ヲタクのやる夫は、医学に詳しく、まだ自分は死なないのでは、
と考えてはいたが、それでも、あと数年生きられるかどうかだと思っていた。
やる夫は秀忠を後継者として育てなければいけなかった。
100 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:51:48.90 ID:8xz1w7Yo
____
/ \ /\ キリッ
. / (ー) (ー)\ ……秀忠。やる夫は島津本家の領土は、
/ ⌒(__人__)⌒ \ 削るつもりはないんだお。
| |r┬-| | 島津義弘を隠居させるくらいで、
\ `ー'´ / 済ませるつもりだお。
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/ (●) (●)ヽ
.| ⊂⊃(__人__)⊂| ………………。
| ` ⌒´ |
ヽ /
/ ヽ ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
____
/ \
/ ─ ─\ なんでか、わかるお?
/ (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
112 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:53:56.42 ID:8xz1w7Yo
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\ 関が原の撤退戦で、
/U (●) (●)ヽ 島津軍は鬼神の如き強さであったと聞きます。
.| ⊂⊃(__人__)⊂| それを遠くの九州南部まで討伐するのは、
| ( < | かなりの手間と労力が必要です。
ヽ `-' / かつて太閤の九州征伐でも、補給線が伸びきって、
/ ヽ ノヽ 最後のあたりは秀吉も危なかったと聞きます。
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | | 今の混乱している内地から、屈強な島津家を倒しに行くのは、
.\ “ /__| | かなり苦しいのでは、と……。
. \ /___ /
____
/ \
/ ─ ─\ …………まぁ、それも全く無いわけではないお。
/ (ー) (ー) \ でも、それが主な理由ではないお。
| (__人__) | 島津軍が強いといっても、徳川軍だって強いお。
/ ∩ノ ⊃ /
( \ / _ノ | | 補給の問題も、秀吉の時は本土から補給させたけど、
.\ “ /__| | 今回は九州の黒田家や加藤家が味方だお。
\ /___ / だいぶん補給は楽になるお。
126 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:57:00.29 ID:8xz1w7Yo
/ ̄ ̄~\
/ ⌒ ⌒\
/ U (●) (●)ヽ そ、そうか……黒田如水……
.| ⊂⊃(__人__)⊂| 島津攻めをやるとしたら、あの男がいる。
| (_/´ | 如水は加藤清正と共に島津を攻撃する気だと聞きます。
ヽ /
/ ヽ ノヽ でも如水に島津を攻撃させ、勝たれてしまうと、
./ / ∩ノ ⊃| | 黒田の功績が大きくなりすぎる……
( \ / _ノ | | 如水に九州を制されてしまう可能性もあります……。
.\ “ /__| |
. \ /___ /
____
/ \ ( ;;;;(
/ _ノ ヽ__\) ;;;;) 確かに如水は油断ならん男だお。
/U (─) (─ /;;/ でも、もう一歩の思案をするお、秀忠。
| (__人__) l;;,´ この状況でやる夫に逆らうほど如水はバカではないお。
/ ∩ ノ)━・'/ 考えは悪くはない……でも、秀忠は、
( \ / _ノ´.| | 島津なり、如水なりを恐れているお。
.\ " /__| | それは消極的な発想。守りの発想……。
\ /___
あるいは、これからの時代は守りの発想ができる秀忠のほうが、
二代目には向いているかもしれない、とやる夫はその時、
ふと思った。
……だが、やる夫は、秀忠にはもう少し、視野を広げて欲しかった。
140 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/05(金) 23:59:06.22 ID:8xz1w7Yo
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/ U (@) (@)ヽ
.| ⊂⊃(__人__)⊂| 父上……
| ( < | 申し訳ありません。
ヽ `-' /
/ ヽ ノヽ 秀忠にはこれ以上、
./ / ∩ノ ⊃| | 良い考えが思い浮かびません……!
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
____
/⌒ ⌒\
/( ●) (●)\ 秀忠。島津は薩摩(鹿児島)の大名だお。
/::::⌒(__人__)⌒::::: \ その薩摩の向こうには、何があるお?
| |r┬-| |
\ `ー'´ /
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/ (●) (●)ヽ 薩摩の向こう……
.| ⊂⊃(__人__)⊂|
| ` ⌒´ | 海……
ヽ /
/ ヽ ノヽ !!
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | | ……琉球王国(沖縄県)!
.\ “ /__| |
. \ /___ /
152 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:01:22.37 ID:/L4JycMo
( ⌒ヽ _,,...-‐‐''"" ̄ / / | \ ( ⌒) ゝ
ゝ ⌒ヽ,, __,,,....--―-..、 / / | \ ,,.( )、,,(
( / ,,,,,,,,,;;》》》〉〉ゞ / / | ( ゝ
_,,...-‐‐--..,,,_ / ミ'' / / /> />
>〉〉》》》》>>,, `ヽ、,r'~ ̄ ̄`ヽ、 ̄+; ̄ ̄ __ ̄ ̄ /  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄,,_p/> ̄ ̄
_____,,,...(,;;)/⌒ヽ、"",,, ヽ、 。..: _'. ! ..::::. / ...::::::.. ..::::::::........ 。゚。,,,_p/> .....:::::::::::::::::::::
,,r''~ ̄,,,,,,;;;;《《(,;;);;)彡 ヽ 彡,,ゝ / | .::::: *....::::... ........+::::::::....... ...::::::::. ......::::::.....:.:
《《《<"" ,r';i;i/ ..::. 彡 ) +::: | /...........::::::::..:::::.. 。...:::::::::::::..... .::::::::........ ...::::::::::.. ::...
。.... ::::: ,r'ww/ :::::::::: 彡ノ::. / ̄ ̄| 。..::::...... 。...:: ......*.....::::::::..:::::..::.....::::::::::::::::... ...:::::::
~;,,。,r';i;i;i;i;i/ :::::::... :: / | .........:::::::::::::::::.........::...:::::::...::::::::::::::.....:::::::::::::。::::::.........::::::::
/www,'.。.... 。.... . . | /。.....゚ .........。・...。.... 。 。。..::::...... 。...::::::::... ......::::::::::::::::..
/;i;i;i;i;i;,'. ~^^゚~~~゚^ |__/~~・。,,,,:~"~~。~・" ゚''~。,,, 。....゚....... 。.....:::::::::..........:::::
/w;w;w,' ~^^゚~・,,。,, 。....゚......。..。....
/;;;i;;i;i;i;i;i
;w;w;w;ii
;;i;;i;i;i;i;i
琉球王国。
薩摩の南部にある国で、朝鮮と同じく、明の冊封国であった。
秀吉の朝鮮への出兵の時には、兵を出すように命じられたが、
明の傘下であったため、これを断った。
163 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:03:30.27 ID:/L4JycMo
:\ |:::/ //!::::!::!:::::::/|::へj:::| ',::::::::|ヽ::!ヽ::::::::::::::! !:::::i::::|ヽ:|
::::::::\ レ' y' i:::::|::|:::::彡レミ、ヽ| 丶:::::|ニヾニヽ::::::::::| _,....⊥__:|::::! ヽ!
::::::::::::::`ヽ、 |:::::|:::!::ヘ{ | 〕;;;}' リ ヽ:::レ彡≡ヾ:::::::ヽ // ̄:::::\:| ヽ 食べ物あげたくないけど
::::::::::::::::::::::\,_r-、!:::/!::::リ {!;;;;;;| ヽ \ !フ;;;;;;ヽ\:::Y/:::::::::::::::::::::::\ しょうがないなあ
:::::::::::::::::::::::::::::i|::::::レヘレ'| _」!;;;jノ ` ノ!;;;;;;;;;;}ヾ} ヽ|::::::::::::::::::::::::::::::::\
:::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::::::::::i  ̄ |{;;;;;;;ノノ ' /:!::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
;::::::::::::::::::::::::::::::i}::::::::::::::! 、_ ¨''---' /イ\:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
;:;:;:;:::::::::::::::::::::::::!:::::::::::::ヽ ,,...__ ´ レ' 〕;、:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
:;:;:;:;:;::::::::::::::::::::::ヽ::::::::::::::\ |>ー--ヽ U /¨;:;:;:;:;ヽ;:;:;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
\;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;::',:::::::::::::::::丶 ヽ | //:;:;:!;:;:;:;:;:;丶:;:;:;:;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
\;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ::::::::::::::::::::ヽ`ー-' _,.. - '" /;:;:;:/:;:;:;:;:;:;:;:丶;:;:;:;:;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
\;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:ヽ:::::::::::::::::::::ヽ--'"===''"´:;:;:;:/;:;:;:;:;:;:;:;:;::;:}:;:;:;:;:;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
尚寧王……琉球国王。
だが、日本の事も恐ろしく、また島津家をはじめ、
日本の商人と交易をしていた琉球王国は、日本との友好も考え、
食糧などを日本に贈った。
(もっとも、この食糧贈呈には島津家から脅迫めいた手紙が送られており、
嫌々ながら食糧を出したようである)
177 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:05:53.70 ID:/L4JycMo
____
/\ /\
/( ●) (●)\ そう、琉球だお。
/ :::⌒(__人__)⌒:::::\ ……やる夫は秀吉の出兵で最悪になっている、
| |r┬-| | 明との友好関係を、なんとか回復させたいんだお。
\ ` ー'´ /
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ そのためには明の傘下である琉球、
/ ::::::⌒(__人__)⌒:::::\ そして琉球と長い付き合いがある島津家の協力が、
|  ̄ | 必要になるんだお。琉球との付き合い方を、
\ / 島津家から教わらないといけないお。
同じく明の冊封国であった李氏朝鮮とは、戦争をした為、
こういうことは頼みにくい。というより、まず朝鮮と仲直りをしなければならない。
188 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:07:46.81 ID:/L4JycMo
____
/⌒ ⌒\
/( ―) (―)\ 明と朝鮮との友好や交易は大切だお。
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ 秀吉の失敗の後始末をきちんとやるお。
| | これは天下人の役目だお。
\ /
秀吉の死後、対馬の宗氏は「秀吉が死んだので仲直りしましょう」という使者を、
朝鮮に送っているが「あれだけ暴れておいてふざけるな」と朝鮮は激怒し、
使者を捕まえる、または追い返している。やる夫も関が原より後、
朝鮮に使者を送っていたが、結果は芳しくなかった。
朝鮮とも仲直りしなければならないが、
明ともしなければならない。同時進行でやるのが一番良い為、
やる夫は琉球王国を重要視した。琉球を通じて明と仲直りしたかったのである。
197 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:10:15.33 ID:/L4JycMo
l } | | | | |
|ニニ''" ̄ ̄ ̄ ̄`゙|
/〃'" ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ー、
/ {.l く゛ー-- 、_ _,.ヘ ヽ 対等な関係での友好や交易?
{ | | / `"''゙゛ ヽ } 蛮人が何を言うか。
〉| レ/`ヽ、,,_ _,.='ヘ 〉j
{ヽ|j ' ̄('7` { エ'ア } l 全世界の民は、
l 9lj  ̄ i  ̄ !' 我が中華皇帝の前にひれ伏せ。
ヽjl ,,.j i
_ll 〃_____'"_, 》 !
/ロ{ト、 '' ,,. ' /
/ロ回| \ /ト、
__/ヽ回ロl >---i||i'"ニンjロ\
明のえらい人
秀吉の明国討ち入りの際にも触れたが、明は基本的に対等な付き合いを認めない。
全ての国家と人民は皇帝の前にひれ伏せという態度である。
秀吉はこれを良しとしなかったが、やる夫もまた、良しとしなかった。
211 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:12:56.83 ID:/L4JycMo
____
/\ /\
/( ●) (●)\ だから琉球だお。
/ :::::⌒(__人__)⌒:::\ 琉球を介して、明と貿易をするんだお。
| |r┬-| |
\ ` ー'´ /
日本と明とでは対等になれない、つまり貿易もできないが、
明の傘下である琉球を介することで、
事実上、明と交易ができるのではないか……。
日本←→明 の交易はできずとも、
日本←→琉球王国←→明 のルートで交易ができるのではないか、
ついでに最低限の国家としての友好も築けるのではないかとやる夫は考えた。
222 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:15:14.79 ID:/L4JycMo
/ ̄ ̄\
/ ─ ─\
/ (●) (●)ヽ
.| ⊂⊃(__人__)⊂| 父上……さすがです!
| ` ⌒´ |
ヽ /
/ ヽ ノヽ
./ / ∩ノ ⊃| |
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| |
. \ /___ /
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ まぁ……こんなもんだお。
/ ::::⌒(__人__)⌒:::::\ それに琉球と友好関係を築くことで、
|  ̄ | 同じ明の傘下の朝鮮にも友好を促せるお。
\ /
____
/⌒ ー、\
/( ●) (●)\ 「琉球王国は日本と仲良くなったお!
/::::⌒(__人__)⌒:::::\ 早く朝鮮も仲直りしないと、
| |r┬-/ ' | いずれ日本、琉球、明から仲間外れになるお!?」
\ `ー'´ / ……と、言えるようになるお!
……かくして、琉球王国のことを考えたやる夫は、
島津家を本領安堵することにした。
黒田如水、加藤清正らの島津討伐要請も、却下した。
238 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:18:06.83 ID:/L4JycMo
) / ̄\ ゙'''‐、,,_゙'''‐、,,_゙'''‐-、,,_゙'''‐-、,,)//
/ //ヽ、| _,,-''~_,,,,二_,_‐、,,>∨/''‐-、 ~\〕
/^ 〈 ( /( |_,,,/ `ヽ、`ヾ、ッヾ、_ ゞソ_,,,,_〕~\ ヽ
| \\ > _ , ,,二二 -'´ ノ_=;;-‐''( ヽヾヽ、
,ノ゙ 〉、oノ| / |`='/ )ノ \\
r' / ' ::::::| / ,,_,,___| / 〃 ::::)
,ノ゙ /( :::| ' \,::''"/`'‐‐‐(--- --- '´
_∠-‐'''""~ ̄~"~ ̄ ̄~`ヽ _,.......、_,.. /
/"~ ̄ _,-‐-,_,ィ'⌒ヽ // ‐''''''-==-`/ やれやれだな……
〉 ./ { | //\ "''ー-‐''/ ヘヴィすぎるぞ!
./ { `-''' 人`-'''ノ :|:| ::::\ r' /
`''‐''´ `''''´ |:| :::::::゙'''‐-、,,__/
"''ー-―― .:::|:|_________,,,;;:::::/ __,,,、、、、,,_
1602年、島津家は本領が安堵された。
義弘の長男、次男は既に死んでいたため、三男の忠恒が島津家を継ぎ、
さしあたって、島津家問題は一件落着となった。
248 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:19:55.36 ID:/L4JycMo
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ 西軍に関しての処置はこんなもんだお。
/ ::::⌒(__人__)⌒:::::\ 次は東軍を処理するお。
|  ̄ |
\ /
やる夫は西軍を改易させたり、減封させたりすると、
そうしてできた土地を、徳川の家臣や、
東軍派の大名に分け与えた。
まず、東軍の前田利長は加賀に120万石の領土を貰い、
ここに、俗に言う「加賀百万石」が誕生した。
256 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:22:17.06 ID:/L4JycMo
_,, - ‐'''‐ 、
r-- 、-- ヽ
} `ヽ ヽ、 ', 父上、
!'、 ,、___ ', i、 i ', 筑前国(福岡県)を頂きました。
','、'´tj‐ -.i /)', /- ) やる夫殿は私の右手をとって、
',ノ ヾ、 i /iv',/ / 何度もお礼を言ってくれました!
`'、-‐' レ .ノ ! __!-,
' _ , -'´ //i:::::::!、
_, ‐'::::::::! ! //::::/: :',- 、
´ フ::::::/ /,, !/./:::/-、__!: : :` -. ._
黒田長政には筑前国が与えられた。
筑前にはかつて小早川秀秋がいたが、
秀秋には宇喜多秀家がいた備前(岡山)が与えられ、
秀秋の代わりに長政が入ったのである。
余談だが、筑前には博多という地名があった。
だがこの時、黒田氏発祥の地、備前の「福岡」という地名を長政は使い、
居城を「福岡城」と命名した。その後の福岡県の県名はここから来ている。
(もっとも古くからの博多人は反発し、町の名前は「博多」の名を使用し続け、
現在でも福岡県のJR駅で最も大きな駅は博多駅になるという矛盾が発生している)
268 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:24:13.36 ID:/L4JycMo
,、 ,、_,......, _
N `´  ̄/____
|、,,/ェ´ェ´、_-- ̄/
..,〉,,,r´ヽ`~| ,ー、‐、~フ その時、お前の左手は何をしていたんだ……
.`F・,彡∃ノ ||)..|ヽ<、 ええっ!
i、´s゙´へノY(シ\.\
゙ィ、,,,... .ノ...ト、ヽ‐`
.. T_,..,‐´_,/\`゚
,〉、~~ ,,r´,~,ー、______
,.j.../ヽ//.././/// ~~\
/~~/.j ./././././/./../ .ヽ
.//./...j../////./././| | .ヽ
.///i ..|/.////.//./,/ | ヽ
_,, - ‐'''‐ 、
r-- 、-- ヽ
} `ヽ ヽ、 ', !!
!'、 ,、___ ', i、 i ',
','、'´tj‐ -.i /)', /- )
',ノ ヾ、 i /iv',/ / ち、父上……。
`'、-‐' レ .ノ ! __!-,
' _ , -'´ //i:::::::!、
_, ‐'::::::::! ! //::::/: :',- 、
´ フ::::::/ /,, !/./:::/-、__!: : :` -. ._
_, - ': <:::::l ! /:::/: : : 7: : : : :, -─、
如水は暗に「なぜ、その時、やる夫を左手で刺し殺さなかったか」
と言っているのであった。
この逸話は創作という説もあるが、
如水の不敵さを示すエピソードのひとつではある。
286 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:26:24.47 ID:/L4JycMo
/ ̄ ̄ ̄ ̄\,
/_____ ヽ.
| ─ 、 ─ 、 ヽ | |
| ・| ・|─ |___/
|` - c`─ ′ 6 l
. ヽ (____ ,-′
ヽ ___ /ヽ
/ |/\/ l ^ヽ
| | | |
更に福島正則には尾張(愛知県)から、
毛利家がいなくなった後の安芸(広島県)を。
/ ̄ ̄\
/ .._ノ \
.. (●)(● ) l
.. (__人__) |
|_` ⌒´ |
/ |
/ |
| | |
.| | | |
.| し,,ノ |
やる夫の四男、松平忠吉を正則の代わりに尾張に配置した。
尾張は江戸から見れば東海道の出口である。
かつて秀吉は、やる夫封じ込めのため、最初は甥の秀次を、
後に子飼いの正則を配置したわけだが、
やる夫は豊臣恩顧の正則が尾張に居ては困るため、
領地は増やしたが、正則を広島へ追いやったのであった。
また、この異動は、広島の隣、周防に追いやられた西軍の毛利家を、
東軍の正則に見張らせるためもあった。
295 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:28:44.86 ID:/L4JycMo
(⌒Y⌒Y⌒)
/\__/
/ / \ 盛親さまの代わりに来る、
/ / ⌒ ⌒ \ 山内一豊ってどんな人かしら?
(⌒ / (・) (・) |
( (6 つ |
( | ____ |
\ \_/ /
\____/
さて、土佐では、いなくなった長宗我部盛親の代わりに、
山内一豊が置かれた。一豊は関が原本戦ではさしたる活躍もないが、
小山評定において「お城あげます」と発言したことが、
やる夫にとって好印象であった。
309 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:30:45.55 ID:/L4JycMo
_、、-、 ,ィ,.
,-'゙'` ^'ィ
) ζ
} _、-'"~~゙"'ハ. ζ
j ,ノ ,,,,,,,,,,j !,,,,,彳
} /`ミ~(<・>Hく・))
'} ヾ._  ̄ ,_| ̄|
ヽ / | ,-'''ニニ''!|
_, -‐} ヽ;i! `二´/
⌒ \. `ー--r'ヽ
ヽ /
……やがて、山内一豊が土佐人の前に現れた。
(⌒Y⌒Y⌒)
/\__/
/ / \
/ / ⌒ ⌒ \ あれが山内一豊……
(⌒ / (・) (・) | 結構ゴツいのね。
( (6 つ |
( | ____ | ……おや?
\ \_/ /
\____/
313 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:31:23.15 ID:/L4JycMo
_、、-、 ,ィ,.
,-'゙'` ^'ィ
) ζ
} _、-'"~~゙"'ハ. ζ
j ,ノ ,,,,,,,,,,j !,,,,,彳
} /`ミ~(<・>Hく・))
'} ヾ._  ̄ ,_| ̄|
ヽ / | ,-'''ニニ''!|
_, -‐} ヽ;i! `二´/
⌒ \. `ー--r'ヽ
ヽ /
……更に、山内一豊が現れた。
_、、-、 ,ィ,.
,-'゙'` ^'ィ
) ζ
} _、-'"~~゙"'ハ. ζ
j ,ノ ,,,,,,,,,,j !,,,,,彳
} /`ミ~(<・>Hく・))
'} ヾ._  ̄ ,_| ̄|
ヽ / | ,-'''ニニ''!|
_, -‐} ヽ;i! `二´/
⌒ \. `ー--r'ヽ
ヽ /
もう一人、山内一豊が現れた。
323 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:32:03.13 ID:/L4JycMo
_、、-、 ,ィ,.
,-'゙'` ^'ィ
) ζ
} _、-'"~~゙"'ハ. ζ
j ,ノ ,,,,,,,,,,j !,,,,,彳
} /`ミ~(<・>Hく・))
'} ヾ._  ̄ ,_| ̄|
ヽ / | ,-'''ニニ''!|
_, -‐} ヽ;i! `二´/
⌒ \. `ー--r'ヽ
ヽ /
またまた、山内一豊が現れた。
_、、-、 ,ィ,.
,-'゙'` ^'ィ
) ζ
} _、-'"~~゙"'ハ. ζ
j ,ノ ,,,,,,,,,,j !,,,,,彳
} /`ミ~(<・>Hく・))
'} ヾ._  ̄ ,_| ̄|
ヽ / | ,-'''ニニ''!|
_, -‐} ヽ;i! `二´/
⌒ \. `ー--r'ヽ
ヽ /
やっぱり、山内一豊が現れた。
_、、-、 ,ィ,.
,-'゙'` ^'ィ
) ζ
} _、-'"~~゙"'ハ. ζ
j ,ノ ,,,,,,,,,,j !,,,,,彳
} /`ミ~(<・>Hく・))
'} ヾ._  ̄ ,_| ̄|
ヽ / | ,-'''ニニ''!|
_, -‐} ヽ;i! `二´/
⌒ \. `ー--r'ヽ
ヽ /
しつこく、山内一豊が現れた。
344 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:34:20.57 ID:/L4JycMo
┏━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃.やる夫 ただかつ なおまさ .やすまさ ┃┏━━━━┓
┃HP: 428 HP: 583 .HP: 324 HP: 421┃┃ ν速で .┃
┃MP: 152 MP: 0 MP:121 MP: 97┃┃ やろうぜ.┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━┛┗━━━━┛
_、、-、 ,ィ,. _、、-、 ,ィ,. _、、-、 ,ィ,.
,-'゙'` ^'ィ ,-'゙'` ^'ィ ,-'゙'` ^'ィ
) ζ ) ζ ) ζ
} _、-'"~~゙"'ハ. ζ } _、-'"~~゙"'ハ. ζ } _、-'"~~゙"'ハ.ζ
j ,ノ ,,,,,,,,,,j !,,,,,彳 j ,ノ ,,,,,,,,,,j !,,,,,彳 j ,ノ ,,,,,,,,,,j !,,,,,彳
} /`ミ~(<・>Hく・)) } /`ミ~(<・>Hく・)) } /`ミ~(<・>Hく・))
'} ヾ._  ̄ ,_| ̄| '} ヾ._  ̄ ,_| ̄| '} ヾ._  ̄ ,_| ̄|
ヽ / | ,-'''ニニ''!| ヽ / | ,-'''ニニ''!| ヽ / | ,-'''ニニ''!|
_, -‐} ヽ;i! `二´/ _, -‐} ヽ;i! `二´/ _, -‐} ヽ;i! `二´/
⌒ \. `ー--r'ヽ ⌒ \. `ー--r'ヽ ⌒ \. `ー--r'ヽ
_、、-、 ,ィ,. _、、-、 ,ィ,. _、、-、 ,ィ,.
,-'゙'` ^'ィ ,-'゙'` ^'ィ ,-'゙'` ^'ィ
) ζ ) ζ ) ζ
} _、-'"~~゙"'ハ. ζ } _、-'"~~゙"'ハ. ζ } _、-'"~~゙"'ハ.ζ
j ,ノ ,,,,,,,,,,j !,,,,,彳 j ,ノ ,,,,,,,,,,j !,,,,,彳 j ,ノ ,,,,,,,,,,j !,,,,,彳
} /`ミ~(<・>Hく・)) } /`ミ~(<・>Hく・)) } /`ミ~(<・>Hく・))
'} ヾ._  ̄ ,_| ̄| '} ヾ._  ̄ ,_| ̄| '} ヾ._  ̄ ,_| ̄|
ヽ / | メ ,-'''ニニ''!| ヽ / | ,-'''ニニ''!| ヽ / | ,-'''ニニ''!|
_, -‐} ヽ;i! `二´/ _, -‐} ヽ;i! `二´/ _, -‐} ヽ;i! `二´/
⌒ \. `ー--r'ヽ ⌒ \. `ー--r'ヽ ⌒ \. `ー--r'ヽ
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃やまうち かつとよ が 6ひき あらわれた ! . ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃★まちがいさがしにチャレンジしてみよう! . ┃
┃ . ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
山内一豊は殺されることを恐れ、5人の影武者と共に行動していた……
367 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:36:50.28 ID:/L4JycMo
ザザーン……
.....:::::::........:::::::........:::::::........:::::: :........:::::::...... ..::::::: .:::::.... .::::: ....::::... ........ ::::::::....... ...::::::::. ......
.....:::::::... .....:::::::... .....:::::::... .....:::::::... .:::::...............::::::::..:::::.. 。...:::::::::::::..... .::::::::........ ...::::::::::.. ::...
。.... :::::.....:::::::... :::::::.....:::::::...::..:::::.....:::::.... 。..::::...... 。...:: ...... .....::::::::..:::::..::.....::::::::::::::::... ...:::::::
~~ .....:::::::... .....:::::::... :: .:::::.....:::::.... .........:::::::::::::::::.........::...:::::::...::::::::::::::.....:::::::::::::。::::::.........::::::::
~^^゚~.。.... 。.... . ..:::::.....:::::.....:::::....。.....゚ .........。・...。.... 。 。。..::::...... 。...::::::::... ......::::::::::::::::..
~^^゚~~~゚^~~~~~~・。,,,,:~"~~。~・" ゚''~。,,, 。....゚....... 。.....:::::::::..........:::::
:. . . . . ..: : :. . . . . ..: : :. . . ..: : :. . . . . . . ..: : :. . .~^^゚~・,,。,, 。....゚......。..。....
.. . ... . . . . ..: : :. . . . . ..: : :. . . . . ^~^:~。,,,,・
.. . . . . . .. . ... . . . . ..: : :. . . . .
長宗我部家の旧臣は、一豊になつかず、
一豊もまた、長宗我部の武士を恐れ、好きではなかった。
長宗我部家の武士は一豊に従わず、逆らう姿勢も見せたため、
一豊は徹底的にこれを弾圧した。
やがて、山内家の家臣を「上士」とし、長宗我部家の家臣を「郷士」として、
藩の政治に参加できるかどうか、などなど、身分に一線を引いた。
この身分差別は江戸時代を通じて続き、やがて幕末、
郷士階級の武士は土佐勤皇党を結成し、幕府寄りの姿勢を貫く
上士達と対立していくことになる。だが、それははるかに後の話である。
379 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:39:07.72 ID:/L4JycMo
_,、ィァ''''''''''ー-,、
,r'ブ ;"// ,/ ´ヽ,
,f"」∠='"⌒`''´ヾ, -ー气
jf´ } ーヘ
,! j _,、,, ゝ .ゞ二_ ヾ| 山内殿、かたじけない。
.f 、 、ヽ;、n5ァ \ 、ニj 恩に着る。
ヽ`テiァ` "ご | f、く
j ´.j | |, |.|
{ く;ッ |. ト ,リ
ヽ _,、-ッ ,| ,レイ\_
ヽ. ヾ " ,/.| ||::| ヾく`
ヽ _,/.: |.||::| 、,ゞ゙`
゙ーr―''"´ ..:: __」||:::| ドゝ
_」-ェ=_=ニ´-‐''N:::| Yゝ
∥「 ノE 、._.ノイ ̄`゙''ー--
j| 片_,シ _ ,,ノ´
/|! レ-―'''′
毛利 勝永
_、、-、 ,ィ,.
,-'゙'` ^'ィ
) ζ
} _、-'"~~゙"'ハ. ζ フッ、気にするな。
j ,ノ ,,,,,,,,,,j !,,,,,彳 私の著書でも読みながら、
} /`ミ~(<・>Hく・)) 土佐でゆっくり過ごすといい。
'} ヾ._  ̄ ,_| ̄|
ヽ / | ,-'''ニニ''!|
_, -‐} ヽ;i! `二´/
⌒ \. `ー--r'ヽ
ヽ /
なお、この頃、豊臣宗家の家臣であった毛利勝永が一豊に保護されている。
384 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:40:30.81 ID:/L4JycMo
, -‐''"´ ̄ ̄`゛` ‐-、
r、/,,,__,_//,,,,,,,,/,, ゛ヽ ……必ず時は来る……!
l // / ゛ヽ やる夫も若くはない。
ヽ 〈// ! いずれまた、必ず動乱が置きる。
〈r,,ィ-‐‐ー \ 「⌒ヽ |_
/゛.'-'-‐‐` 〉 |..♭)l | ゛ヽ、 その時こそ、太閤殿下のご恩に応え、
く_. ヽ ||.イ / \ ヽ 秀頼様を盛り立てるのだ……!!
ヽ | | レ´|l /〉 〉
ヽー /|| ト、|l / |
iヽ / |L/|/λノ/|/
` ‐イ /|/l ,λ,/_/_,-‐'" ̄゛`‐
,/⊥/ _/ / /
| Y |/ // |
人 ⊥― ̄/ /
勝永は秀吉の家臣として、慶長の役などでも活躍した武士であった。
関が原では西軍に属し、伏見城攻めでも功績があった。
だが、関が原の本戦では毛利秀元の部隊にいたため、戦えなかった。
その後、改易され、加藤清正、そして旧知の一豊の下へ来たのであった。
勝永は土佐で、じっと、「その時」が来るのを待ち続けた。
395 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:42:39.07 ID:/L4JycMo
____
/ \
/ ─ ─\
/ (●) (●) \ ……まあ、東軍の諸大名についての加増は、
| (__人__) | こんなもんかお。
\ ` ⌒´ /
ノ \
/´ ヽ
| l \
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、.
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
____
/ \
/ ─ ─ \ さて、最後の問題は……
/ (●) (●) \ 伊達政宗だお。
| (__人__) | あの男……まーたやらかしたお。
\ ` ⌒´ /
/ ( l 、 ',
l ,i、/ 〉ヽ!ヽ、ヽヾ `ヽi l
l i , ノ ハ( 、 ,-‐..'´`ソ'`ヽ i リ / やる夫殿、
│ i、l=‐':´`"゙:::::::::::::. : ノノ/、 / 政宗がどうも、
| i i |/::` :: ::::::::,i ヽ ;::::::.. .:: l l l ヽ 南部領で一揆を扇動していたようだ。
l ヽゝ l::: ::: :::/ | `' 、::: -'´j l' / )
ヽ、ヽ ` 、、:::/ !、- ゝ,l ' /
゙''- 、ミ ', _, - ‐- /r, 、 `( _
_ノヽ\ - , '// \ )
`ヲ. \ / // `''‐'-,
, ==l , l ` - ‐ ' // ,---、 /
最上 義光
関が原の戦いの前後の政宗の動きについて、
最上義光や、南部家など、東北の諸大名から報告があった。
政宗はどうも、東北で一揆を裏から扇動していたようなのである。
409 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:45:02.30 ID:/L4JycMo
____
. / \
/─ ─ \ ……なんか、前にもこういうことがあった気がするお。
. / (●) (●) \
| (__人__) |
\ ` ⌒´ _/
秀吉政権のころから、東北で何か起こると、たいがい政宗の影がちらついた。
ヾ;;;;i "ヽヽ, ,.-'" ヽ;;;/,.,
r"`ヽi ─` "-,_. -,.'"-tuーュ i;;" ヽ いいか!
i ヽ, i;i l" `│::: `  ̄, i,' γ i 東軍と西軍の戦いは短くても半年、
ヽ i i l`ヽ ,.i :::::. i , i 長ければ数年はかかる!
ヽ .i i ヽ┘- .'".i :::::::. i; .;'
ヽi i i ::::::::.. !y'" そのスキになるべく東北で領土を広げ、
ヽヽ ,.: - 、_ヽ ' ,.: - :.,_, // いずれ西軍か東軍の
ヽヽ`" ~,____,.. 、 //i 勝者(恐らく東軍だろう)と
ヾ  ̄__,... ,.',/ .i 一戦交えるのだ!
l ヾヽ ::::::... /,/:::: i
l ヾヽ /,/:::::::: !
_,.-='"l ヾ -=;;;;;;;;;;;;;=- './:::::::_,.'ヘヽ._
伊達 政宗
政宗は黒田如水と非常に似通った思考をしていた。
関が原こそ天下取りの好機とばかりに、東軍参加の姿勢を見せつつも、裏で行動していた。
上杉家と全面衝突を避けるため、独自に和睦し、戦力を温存した。
それは目の上のタンコブだった最上家を潰すためでもあった。
また、北の南部領では、影から一揆を扇動し、南部領さえ奪い取ろうとした。
結局、南部領の一揆は敗北し、また中央でも、
西軍があっという間に敗北したため、方針を転換し、最上と再び手を組んで、
政宗は撤退する直江兼続を追撃したりもしたのだが……。
425 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:47:31.80 ID:/L4JycMo
__
/: : : : :`ーv - 、
/: : : : : : : : : : i: : : :丶
l: : : : : : : : : : :ノ: : : : : }
」: : く  ̄ \: ll: : :_: : :ノ ……この政宗、
(Iヽ_/ヽ,ニミ ` '_´ ィ: / 一切あずかり知らぬことにございます。
r- 、 __ 千于i___ ノ <t:ァ`i'´
゛-'、ノ\_つl l l __ _ / / 全てはやる夫さまのため……。
/_>´ ̄ `i r`=y'` /
」 ‐'二二) lヽ_ 二__/
... -‐' ヽ _二i ヽ:_:_:_:_:l ヽ‐-、
/ ̄ 〉 < ヽ__/、 .,l /l |  ̄\
ヽ ∧、__..ィ ヽ 八 l l
南部領の一揆の主導者は結局、切腹し、
政宗は一切、一揆とは無関係という立場を貫いた。
435 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:49:27.61 ID:/L4JycMo
____
/ \
/ u ノ \ まったく……政宗という男は、
/ u (●) \ どうしてああも、みえみえの謀略を使うのかお……
| (__人__)| なんかもう、見ているこっちがヒヤヒヤするお。
\ u .` ⌒/
____
/ \
/ ─ ─\ ……とにかく、この事件は政宗の弱みだお。
/ (●) (●) \ 100万石にしてやる約束だったけど、60万程度にしておくお。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
____
/_ノ ヽ_\
/( ●) ( ●)\ 30万石に減らしたとはいえ、上杉家もまだいるし、
/ ::::⌒(__人__)⌒:::::\ 政宗の領土から関東は近い……
|  ̄ | 一応、今回も東軍だったわけだし、あまり強くはできんお。
\ / 今回は、微増ということで片をつけるお。
447 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:51:49.17 ID:/L4JycMo
ヽ ;;;;;;;i _,-、 ,;- 、i ;;;;;;; /
ヾ;;;;i "ヽヽ, ,.-'" ヽ;;;/,.,
r"`ヽi ─` "-,_. -,.'"-tuーュ i;;" ヽ …………
i ヽ, i;i l" `│::: `  ̄, i,' γ i
ヽ i i l`ヽ ,.i :::::. i , i まだだ。まだわしは、
ヽ .i i ヽ┘- .'".i :::::::. u i; .;' 天下をあきらめんぞ!
ヽi i i ::::::::.. !y'"
ヽヽ ,.: - 、_ヽ ' ,.: - :.,_, // まだ豊臣秀頼もいる。
ヽヽ`" ~,____,.. 、 //i 乱は必ずまた起こる!
ヾ  ̄__,... ,.',/ .i
l ヾヽ ::::::... /,/:::: i それに……視野を広げれば、
l ヾヽ /,/:::::::: ! 政宗の味方は
_,.-='"l ヾ -=;;;;;;;;;;;;;=- './:::::::_,.'ヘヽ._ 日本人だけではないぞ……!
伊達政宗は、まだまだ、天下への野心を失ってはいなかった。
460 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:53:52.19 ID:/L4JycMo
___
/ \
/ \ , , /\ ……西にはまだまだ油断できない大名がいるお。
/ (●) (●) \
| (__人__) | そして、伊達政宗。
\ ` ⌒ ´ ,/ あの男には常に気をつけるんだお……。
. /⌒~" ̄, ̄ ̄〆⌒,ニつ
| ,___゙___、rヾイソ⊃
| `l ̄
. | |
やる夫もまた、政宗を警戒していた。
天下の情勢は、まだ不安定であった。
463 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:54:32.88 ID:/L4JycMo
}k
ノ;'l{
_ノ;人'、
}、、__,. -'',r'/p、ヾ、
,}”ー--、."ニー--゙'ゝ ゙'‐、__,、ャ,
,、 /;;,rlT=イ__~ ̄~^~^''ー‐---、.y"
,irこ;;;},|i || ~||~゙ ''l!tー-n-;t{;/
,j r'i!_、_}-二 ニニ゛‐-,k!i、,、、」|__,|トッ
、_ ヤ{/iコ};,^;;,,,;;;,‐,-,=ノ,ム=_-__ーネ{´,
,};コニニ/7r'|”~,__,゛,/ノ 。 \~^~^”””'ヤ
i!;;;;;;;;;;;、i!__| ,i-!;'"/,r'^v^‐、\iコ~|レ=i、
,}`ー';;;;;;;;;;;;;;;}r‐''”_,.-''/ [iillIII}}}] 、゛\i!、;;;;i、
/,Eャッririririrnm;y、^,、ニニ ー_ー‐-ー' ゛\,;;;i{、_ ,.ィ
/,r"=|、__  ̄~””””””'''''''ー,rk':;firiririnnm;y^~三ニ;:ニ'}
,/,r"=/|::::.. ̄~゛゛``''';::::::::::::ー‐,ノ,ム-.,, 、.、.゛,.___゛~^~゛^i;/
,、 /,r"=/,;l,,,::::i::::|iillIIIIIIIIII|||:::::;7/,r' ``i、:::.iヘ::::::::. ̄~''''''':|
. ォ}仁二Vェ^仁 ̄~"""゛””””''ー/,r'" .,・、 `\[iillIIIII|||]:::::::::::| ,
i!;;;;;;;;;;;/イ'^トー‐-ニニ二、こ,.-'" ,r' ,.-ー{ }ー、`、\"^"^"^"^゛''ー'}
,il;;;;;;;;;;;;;:^^i'|::::::::::::... ,. -''"_, -'/―‐‐`´ ―`i、゛、\゛^゛""ー'r/
i l;;;;;;;;;;;;;;;;;;,'|::::i,,. -''^_,,.-''′/' ,;iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiilllll `i、` 、゙-、:::::::::|;it======r'7
_r,=ーヲー",,:;;;;;;'7rイ~,. -'''~,._-_''~´..::::::|iillIIIIIIIIII|||||||||}.:::::゙'‐、 ` 、゙''-、:|;;;`i、;;;;;;;;;;;;~ヽ、
関が原の戦後処理も一段落がついた。
やる夫は関が原の処理を大坂城の西の丸で行っていたが、
やがて京都の伏見城に移ろうと考えだした。
京都は朝廷があり、そのための工作をやる夫が直々に指導するには、
伏見のほうが何かと都合がいい。
472 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:56:27.04 ID:/L4JycMo
/ ̄ ̄ ̄\
/ ─ ─ \
/ (●) (●) \. ……大坂城。いつ見ても、大きな城だお……
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
/ \
____
/ \
/ ― ― \ この古今無双の名城と、
/ (● ) (● ) \ 豊臣宗家が保有する大量の黄金がある限り、
| (__人__) | 天下は真にやる夫のものになったとは言えないお。
\ `⌒´ /
____
/ \
/ ─ ─\ 秀頼を殺すのは徳川にとってもデメリット……
/ (●) (●) \ 殺せば徳川政権の末代までの悪名になるお。
| (__人__) | だからそれだけは避けるとして、
/ ∩ノ ⊃ / なんとか秀頼を、大坂城から引き離さないといけないお。
( \ / _ノ | |
.\ “ /__| | 今それをやれば露骨すぎる……だが、いずれ必ず……。
\ /___ /
479 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:58:09.29 ID:/L4JycMo
∧_∧ ∧_∧
( =========( )
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄//_ //^\ゝ
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄//_ ///== \ゝ
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄//_. /// ∥ \ゝ
ノ ̄ノノ ̄// ̄// ̄// _ノ//======== \ゝ .
.ヒ==,@==@,==@==@,==@== ノ人ノ ∥ ン
 ̄∥~  ̄~ ̄~  ̄~ ̄~ ̄ ∥| ̄ ̄ .∥ ̄ ̄ ∥
∥==================.∥|=====∥==== ∥
∥| ∥ ∥ ∥ ∥ .∥| ∥ .∥
∥| ∥ ∥ ∥ ∥ .∥| ∥ .∥
∥===================  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
____@))____|_______ |
/ //ヘ \冫 | |
/ // \\冫 | |
∧_∧ / // ⅢⅢ \\冫 | ∧_∧
( (( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄(( ̄( )
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄//人\\
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄//人\_\
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄//人_\\_
/ ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄// ̄// ̄/// ̄// ̄// ̄//人人_ \\
@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@,==@ノ人_@_@、_
| | | |
| △ △ △ | | △ △ △ | △ △ △
伏見城。
関が原の前哨戦で消失したこの城も、今はやる夫の手によって再建されていた。
488 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 00:59:08.89 ID:/L4JycMo
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚((●)) ((●))゚o \ 元忠……見ているかお? やる夫は勝ったお。
| (__人__) | バタバタしていて報告が遅れてすまんお。
\ ` ⌒´ /
____
/ \
/ _ノ ヽ、_ \
/ o゚⌒ ⌒゚o \ 元忠……元忠の死は決して無駄にはしないお。
| (__人__) |
\ ` ⌒´ /
____
/\ /\
/( ●) (●)\ 元忠……
/ :::::⌒(__人__)⌒:::::\ やる夫はこれからも頑張るお。
| |r┬-| | どうか、応援してほしいお!
\ ` ー'´ /
495 :1 ◆QznAE2I9mA[saga]:2008/09/06(土) 01:00:26.40 ID:/L4JycMo
:::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... .... ..::::::::::::::::....::::::........ . .::::::... ....::::::::::
.. .. . ... .::::.. . . .:: : :.. . ... ::: :::.. ... .. .. ... ... ..::. .. .
.. . .. .::::: :: :. ... .::::: :... . .:::: .. . .
... .. .. . ... ... ..:: . .. . .. . .. .. . ... ... .. ..:: . .. . ..
. .. . .. ... .. .. . ... ... ..:: . .. ... :: ◯ : . .. .
. .:: : :.. . ... ::: ::::.. §. .. . .. .. .. .. ... ... ... .... ..:: .
. .. . .. .. .. .. . . . .. . § . ... ... . .. .
.. . .. .:::: :: -‐'" ゙''‐- . ... ... . ... ... ..:: .
..:: . .. . .. ``侖侖''" . .. .
-‐'"韭 ゙''‐- . ... ... ..:: .
゙''、,,_,,,,-‐'゛``''、, ``侖侖侖''"
;'' ;~'',;'''',;'';'' ;~'',;''゚ ;~'', ;;-‐'"韭韭 ゙''‐-
,;'',;''゚ ;~,;":;;;: : ;: ;: ;::::::``゙''ー-侖侖''"::;.-‐'゛~゙`゙''-、.,,,:: . ... ...
::;.:".:;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.,:;.:::;.:"゙''、,;.:'"゙:.:゙,:;、,"'.:.:`;'' ;``'‐.、;;;;;;;.,.,.,.,..,.,.,.,.
:;,':,:;.,:;'' ;~'',;''゚ ;~'',;;~'',;';~.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙ :: :;":;; ~゙"'ー-;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;...
":;;;: : ;: ;: ;: ; ::; : ;:; :; : :: :; '' ;~'',;''゚ ;~'',;'',;' v'゚ ;~,;''゚ ;~゚''゚ ;~'',;'',;'~,;゙''、,,_ュiュ... .. .. . ...
::;...;;.;;ii:i;;:;i,'' ;~'',;''゚ ;~'',;'',;' '゚ ;~,;''゚ ;..;;.;;ii:i;;:;i'',;'',;''゚ ;~,;::;.:".:;.:'::;...;;.;;ii:i;;:;i|゙:.:゙,:;、,"コエ...HE
゙ゞ:.ミ,,;'',;' ;~,;''゚ ,:;,`゙ゞ:.ミ,,;'',;' ;~゙ゞ:.ミ,,;'',;' ;~,;''゚ ;~゚''゚ ;"i|:;.::;,,;''゚ ;~゚''゚ ;":;.::;,゙ゞ:.ミ,,;'',;' ;~,;''゚ ,:
:.ミ,,;'',;' ;~,;''゚ ,::.ミ,,;'',;' ;~,;:.ミ,,ii;'',;' ;~,;''゚ :.ミ,,;'',;' ;~,;''゚ ,:;,`゙ゞ:.ミ,;'',;' ;~゙ゞ:.ミ,,;'',;' ;~,;,:.:.、;:...:,:.:.、
.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙.:.:;,`:;,':,:;.゙:.:゙,:;、,"'.:.:;,`:;,':,:;.゙
やる夫は伏見の地で、天下人としての決意を新たにした。
朝廷の工作のために、やる夫は伏見に入ったわけだが、
やる夫の胸の中には、この時、豊臣政権とは違う、
徳川政権の構想が、次第にでき始めていた……。
そのための朝廷工作であり、伏見移動であった。
第26話「関が原始末」終わり
第27話「江戸幕府」へ続く