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やる夫が光源氏になりたまふなり 【第五話】
コメント[13] タグ: やる夫 源氏物語 このエントリーを含むはてなブックマーク このエントリをlivedoorクリップに登録 del.icio.usに登録する Yahoo!ブックマークに登録 PageTop
5731 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:00:01.70 ID:.VbLtGQo
いずれの帝の御代であったか……。
これは、恋と愛の中に生き、輝き続けた、とある男の物語。

               ,......,,、
            li:.`i  ´ /´`i
             i ヽ.  /   `ヽ.
              ) . `i: i :::.    !、
             |   .l .,ノヽ:::-‐‐''´i
             .入/ ヾ'´.:::   /
            ,/  `ヽ  `¨゙ヽ、  (
.==、 、 .    ノノ ノi / `¨゙ヽ、__ ヽr''´
   ヾ 、    /// ノ´       ̄
    ヾ 、__,/__ノ_/
     `ーr'´、 ̄
       l:::ヾ\
     /ヽ.:::ヾl
    /:::/:::l `ヽl
    /:::/:::::l
    l:::/.:/
   . l./          第五話「光そへたる」









574以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 20:01:13.33 ID:
F60btDAo
キタキター






576以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 20:03:16.68 ID:
pyuFqcko
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!






5751 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:02:00.75 ID:
.VbLtGQo
◆平安京、二条院


        / ̄ ̄ ̄\
        /        \
     /  ─   ─   ヽ
      |  (●)  (●)   |
     \  (__人__)   __,/
     /  ` ⌒´    \
   _/((┃))______i | キュッキュッ キュッ
.. / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \
/  /_________ヽ..  \
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

        / ̄ ̄ ̄\
        /        \
     /  ─   \   ヽ
      |  (●)  (●)   |
     \  (__人__)   __,/
     /  ` ⌒´    \
   _/________i | ケシケシ
.. / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \
/  /__凵_______ヽ..  \
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

         / ̄ ̄ ̄\
         /        \
      /   ─   ─  ヽ    
       |   (●)  (●)  |
      \   (__人__) __,/     
      /   ` ⌒´   \
    _/((┃))______i | キュッキュッ
 .. / /ヽ,,⌒)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(,,ノ \
 /  /_________ヽ..  \
 . ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄






5771 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:04:00.58 ID:
.VbLtGQo

     / ̄ ̄ ̄\
   /       .\      んー…
  /   ─ヽ  .─   \
  |   (●)  (●)   .|    今ひとつ決まらないお…
  \.   (__人__)    /    疲れてるのかお?
   ( ヽ  ___ ././
   .\ \|  .,レ゛/
     .\旨 爻ン

     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)
/    (─)  (─ /;;/   今日もまた
|       (__人__) l;;,´     六条に文を出す作業が始まってるお
/      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |     でも中々いい文面が出てこないお…
.\  "  /__|  |
  \ /___ /






5781 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:06:13.84 ID:
.VbLtGQo
     ____
   /      \
  /  ─    ─\    こういう時は気分転換だお
/    (●)  (●) \
|       (__人__)    |  おーい、ちゅるの君ー
/     ∩ノ ⊃  /   白湯でも持ってきてくれおー
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /


     / /    `ト 、',    ヽ
 \  /  /     -ト y  i   l\
    l ハ l /     ● l  }-、 !  \     わかったにょろー
    l/i yi ●     , ⊂⊃ l ,!/.  \    
 ―   レvl⊃  r´`´ヽ  l  }´/ ヽ   \   すぐに持っていくにょろ!
      i 、  ヽ、_,ノ  j ト ~、      ヽ
r- ,_   」 ヽ , ____,. イll  lヽ=_____
l、  ~'''TTト、 ハ,ヽ  l===l l l    //- .,
  ヽ、  .l l l ', ', \ヽ l ̄l l l   //
    `ー.l_l_l__', ',__ \yV/レ  〈ー'ヽ






5791 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:08:00.30 ID:
.VbLtGQo
     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)  ふー…ひと心地ついたお
/    (─)  (─ /;;/   
|       (__人__) l;;,´    それはそうと…ちゅるの君
/      ∩ ノ)━・'/    お母君の様子はどうだお?
(  \ / _ノ´.|  |     
.\  "  /__|  |     病気して尼になったと聞いたけど
  \ /___ /      その後、持ち直したのかお?


     , '´ ̄ ̄` ー-、        
   /   〃" `ヽ、 \      
  / /  ハ/     \ハヘ       やる夫君が薬師(くすし)や
  |i │ l |リノ    `ヽ}_}ハ.     お坊さまを遣してくださったから
  |i | 从 ●     ●l小N       なんとかもう少し長生きできそうにょろ
  |i (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ      
  | i⌒ヽ j  (_.ノ   ノi|__/⌒)   お心遣い、本当にありがとうにょろ
  | ヽ  ヽx>、 __, イl |::::ヽ/
  | ∧__,ヘ}::ヘ三|:::::/l| |',:::::ハ  
  | ヾ_:::ッリ :::∨:/ | | >'''

       _________
      /     \
    /   ⌒  ⌒\      そうかお、よかったおー
   /   ( ⌒)  (⌒)\
   i  ::::::⌒ (__人__) ⌒:: i    お母君…乳母は、やる夫にとっては
   ヽ、    `ー '   /     大事な親がわりだお
     /     ┌─┐
     i   丶 ヽ{ .湯 }ヽ     これぐらい、何でもないお
     r     ヽ、__)一(_丿
     ヽ、___   ヽ ヽ
     と_____ノ_ノ






5801 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:09:59.83 ID:
.VbLtGQo
     ____
    / ⌒  ⌒  \     ちゅるの君の家は
  ./( ―) ( ●)  \    たしか五条にあったお?
  /::⌒(_人_)⌒:::::  | 
  |    ー       .|   まだ六条に行くには早い時間だし…
  \          /   乳母を見舞ってやりたいお


     / /    `ト 、',    ヽ
 \  /  /     -ト y  i   l\
    l ハ l /     ● l  }-、 !  \     本当かにょろ!?
    l/i yi ●     , ⊂⊃ l ,!/.  \    
 ―   レvl⊃  r´`´ヽ  l  }´/ ヽ   \   そうしていただけると
      i 、  ヽ、_,ノ  j ト ~、      ヽ  きっと母も大喜びにょろ!
r- ,_   」 ヽ , ____,. イll  lヽ=_____
l、  ~'''TTト、 ハ,ヽ  l===l l l    //- .,
  ヽ、  .l l l ', ', \ヽ l ̄l l l   //
    `ー.l_l_l__', ',__ \yV/レ  〈ー'ヽ






5811 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:12:00.64 ID:
.VbLtGQo
◆平安京、五条

_____________|i____________|::.|_____|i_____________
二[二二]二二二二二二二二二[二二]二二二二二二二二二[ニ |:::..| 二二二二二二二二二二[二二]二二二二二
/  / : : :: : : : : : : : : : : : :/  / : : :: : : : : : : : : : : : : / :;;;;|::...| : : : : : : : : : : : : : : : : : : /  / : : : : : : : : : : :
   /i================i /   /i================i /    /.|:::..|=================i/   /i============
 ̄| ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄| ̄ ̄|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄| ̄|:::..| | ̄ ̄| ̄| ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |⌒,|  ̄|
 .(二二().きの好い擬古屋 |  |    | {MOSHIHO}  | (二二() |::::.| |    | (二二()&ギコのなれすし(゚Д゚,)】_|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ .|  |    |_______..|         |:::::| |    | ̄:| ̄ ̄:| ̄ ̄:| ̄ ̄:| ̄ ̄:| ̄ ̄:|::.::|
         ∩_∩     |  |    || _____,..| |      .|::...| |    | ̄ ̄:| ̄ ̄:| ̄ ̄:| ̄ ̄:| ̄ ̄:| ̄ ̄:.|
'~⊃。Д。)⊃ 魚__|    |  |    || |ロ_ロ_ロ_ロ_ロ| | |         |:::..| |    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ ====== ̄:| ̄ ̄:| ̄:|
|____|_, ( ・∀・)∩ .  |  |    || |o o o o o | | |         |::.:.| |    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||::::::: //:|.. ̄ ̄:| ̄ ̄:|
 <・二<  \ ||_||`ノ ∧∧ .|    || |ロ_ロ_ロ_ロ_ロ| | |         |:::..| |    |⌒j⌒j⌒j⌒j⌒||:[open]|/ ̄ ̄ ̄ ̄`|
<・二____ \_(. .(*  ,):|    || |o o o o o | | |         |:::..| |    | //      .||:: //..::::||手作り鮨 ||
 .  '|  |     |  ̄|_) ,U-、|).|    || |: ̄ ̄:Θ-'| | |         |::...| |    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||://:: ..:||&干物ノ店 ||
_____. |三| . 〒 .|  _|______|XXX|'~______|| {二二二} | | |,___________|:::..|_,,|___,,|__________________,,||_________|_~ ̄|冂| ̄`||
   |_|___|     . じ'`J    .  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄        |:::::|  iニニニi二二二二二二二i    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_____| |_____________________|:::::|__|  | i____|:::::::| i _______







5821 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:14:01.08 ID:
.VbLtGQo
     , '´ ̄ ̄` ー-、        
   /   〃" `ヽ、 \       やる夫君、申し訳ないけど…
  / /  ハ/     \ハヘ       どうもウチの門の鍵がどこ行ったか
  |i │ l |リノ    `ヽ}_}ハ.     わからなくなってるみたいにょろ
  |i | 从 ●     ●l小N      
  |i (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ       でも、すぐに開けさせるから
  | i⌒ヽ j  (_.ノ   ノi|__/⌒)    しばらく牛車の中で
  | ヽ  ヽx>、 __, イl |::::ヽ/    待っていてほしいにょろ
  | ∧__,ヘ}::ヘ三|:::::/l| |',:::::ハ  
  | ヾ_:::ッリ :::∨:/ | | >'''

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\     わかったお!
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   気長に待つお
  |     |r┬-|     |
  \      `ー'´     /






5831 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:16:16.37 ID:
.VbLtGQo
         ____
        /― ― \
      /(●)  (●) \    それにしても…
     /   (__人__)    \   京でも、こんなところに来たのは
      |    ` ⌒´      |   初めてだお
      \           /
        /         \    子供の声、物売りの声…
       |   ・    ・     )    庶民はこんな風な生活をしているのかお…
.     |  |         /  /
       |   |       /  / |
       |  |      /  /  |
      (YYYヾ  Y (YYYヽ |
     (___ノ-'-('___)_ノ

     ____
    / ⌒  ⌒  \
  ./( ―) ( ●)  \      他に何か、面白そうなものは
  /::⌒(_人_)⌒:::::  | チラッ   あるかお…?
  |    ー       .|
  \          /






5841 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:18:07.69 ID:
.VbLtGQo
               ,......,,、
            li:.`i  ´ /´`i
             i ヽ.  /   `ヽ.
              ) . `i: i :::.    !、
             |   .l .,ノヽ:::-‐‐''´i
             .入/ ヾ'´.:::   /
            ,/  `ヽ  `¨゙ヽ、  (
.==、 、 .    ノノ ノi / `¨゙ヽ、__ ヽr''´
   ヾ 、    /// ノ´       ̄
    ヾ 、__,/__ノ_/
     `ーr'´、 ̄
       l:::ヾ\
     /ヽ.:::ヾl
    /:::/:::l `ヽl
    /:::/:::::l
    l:::/.:/
   . l./

やる夫:(あの白い花は何だお? あんまり見たことない花だお)

ちゅるの君の実家、その隣家の垣根に
白い大輪の花が咲いていた。






5851 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:21:01.55 ID:
.VbLtGQo
       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\     おっ、おーい ちゅるの君
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   あの垣根に咲いている花は何だお?
  |     |r┬-|     |    
  \      `ー'´     /


     / /    `ト 、',    ヽ
 \  /  /     -ト y  i   l\
    l ハ l /     ● l  }-、 !  \      ああ、あれは夕顔にょろ
    l/i yi ●     , ⊂⊃ l ,!/.  \    
 ―   レvl⊃  r´`´ヽ  l  }´/ ヽ   \    ここらへんみたいな
      i 、  ヽ、_,ノ  j ト ~、      ヽ    雑多なところにはよく咲いてるにょろ
r- ,_   」 ヽ , ____,. イll  lヽ=_____
l、  ~'''TTト、 ハ,ヽ  l===l l l    //- .,
  ヽ、  .l l l ', ', \ヽ l ̄l l l   //
    `ー.l_l_l__', ',__ \yV/レ  〈ー'ヽ






5861 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:22:11.03 ID:
.VbLtGQo
       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\     夕顔…綺麗な名前だお
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \
  |     |r┬-|     |    一輪、もらってきてくれるかお?
  \      `ー'´     /


     , '´ ̄ ̄` ー-、        
   /   〃" `ヽ、 \      
  / /  ハ/     \ハヘ      
  |i │ l |リノ    `ヽ}_}ハ.     わかったにょろ
  |i | 从 ●     ●l小N      
  |i (| ⊂⊃ 、_,、_, ⊂li|ノ      
  | i⌒ヽ j  (_.ノ   ノi|__/⌒)
  | ヽ  ヽx>、 __, イl |::::ヽ/
  | ∧__,ヘ}::ヘ三|:::::/l| |',:::::ハ  
  | ヾ_:::ッリ :::∨:/ | | >'''






5871 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:24:12.84 ID:
.VbLtGQo
ちゅるの君は、垣根に咲く夕顔をもらおうと
隣家の者に呼びかけた。


     / /    `ト 、',    ヽ
 \  /  /     -ト y  i   l\
    l ハ l /     ● l  }-、 !  \      すみません
    l/i yi ●     , ⊂⊃ l ,!/.  \    
 ―   レvl⊃  r´`´ヽ  l  }´/ ヽ   \    ここの垣根の花を一輪
      i 、  ヽ、_,ノ  j ト ~、      ヽ    いただいてもいいですか?
r- ,_   」 ヽ , ____,. イll  lヽ=_____
l、  ~'''TTト、 ハ,ヽ  l===l l l    //- .,
  ヽ、  .l l l ', ', \ヽ l ̄l l l   //
    `ー.l_l_l__', ',__ \yV/レ  〈ー'ヽ


すると、家の中から扇を持った女房が出てきて応対した。

         __ _
        /      \
      /      |   ヽ    
      // /´_`ヽl/_、  l    
      // /f r 。ミ. /r.。,.! | |     どうぞお取りください
     /ヽムハ `  } ` .ノ l | |   
     / / l i ヽ ーァ ムj_」 |      …と主人が申しております
    { { l l ,.イ` ーK/ / .j|
     ゝ/´ ̄ ハ、// l |` ー- 、
     /.|   トヽ/ | |  / ヽ






588以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 20:25:12.98 ID:
vhI.36Eo
おお!夕顔キタコレ
源氏の中では一番好きなんだ、夕顔






5891 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:26:02.48 ID:
.VbLtGQo
         __ _
        /      \
      /      |   ヽ    そこの牛車の方にお花をさしあげるなら…
      // /´_`ヽl/_、  l    この扇にお乗せになって
      // /f r 。ミ. /r.。,.! | |
     /ヽムハ `  } ` .ノ l | |   なよなよした花ですので
     / / l i ヽ ーァ ムj_」 |    手で提げては、見栄えがいたしませんでしょう
    { { l l ,.イ` ーK/ / .j|
     ゝ/´ ̄ ハ、// l |` ー- 、
     /.|   トヽ/ | |  / ヽ


       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ  
   〃 {_{       リ| l.│ i|    おお、これはこれはわざわざ…
   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|    お気遣い、ありがとうございます
    ヽ|l ●   ●  | .|ノ│
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.   
    | /⌒l,、 __, イァト |/ | 
    | /  /::|三/:://  ヽ |
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |






5901 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:28:01.20 ID:
.VbLtGQo
       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\     扇に花…かお
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   こんなところに、意外な風流人も
  |     |r┬-|     |    いたもんだお
  \      `ー'´     /


         -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
        / /" `ヽ ヽ  \
     //, '/     ヽハ  、 ヽ   
     〃 {_{'´    `ヽリ| l │ i|   なかなか気のきいた
     レ!小l●    ● 从 |、i|    女あるじ殿がいるみたいだにょろ
      ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
  /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !   見た目は普通の家なのにね
  \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│ 
  .  /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
   `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |






5911 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:30:31.66 ID:
.VbLtGQo

     / ̄ ̄ ̄\   ,
   /       .\  - 
  /   ─    .─   \ `   …おや?
  |   (●)  (●)   .|
  \.   (__人__)    /    扇に何か書いてあるお?
   ( ヽ  ___ ././
   .\ \|  .,レ゛/
     .\旨 爻ン






5921 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:32:24.34 ID:
.VbLtGQo

               ,......,,、
            li:.`i  ´ /´`i
             i ヽ.  /   `ヽ.
              ) . `i: i :::.    !、
             |   .l .,ノヽ:::-‐‐''´i
             .入/ ヾ'´.:::   /      
            ,/  `ヽ  `¨゙ヽ、  (
.==、 、 .    ノノ ノi / `¨゙ヽ、__ ヽr''´
   ヾ 、    /// ノ´       ̄
    ヾ 、__,/__ノ_/
     `ーr'´、 ̄
       l:::ヾ\             心あてにそれかとぞ見る白露の
     /ヽ.:::ヾl                       光添へたる夕顔の花
    /:::/:::l `ヽl
    /:::/:::::l  
    l:::/.:/                (当てずっぽうですが、思うのです。
   . l./                    あなた様があの、光る君なのではないのかと)

       ____
     /_ノ   ヽ_\
   /( ●) ( ●)\      ほほー…
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \
  |     (  (      |     こりゃまた書かれたもんだお
  \     `ー'     /






5931 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:34:17.88 ID:
.VbLtGQo
            ____
  +        ./ \  /\ キリッ   女の方からこういうことを書かれたら
        / (●)  (●)\     黙っているわけにはいかないお
      /   ⌒ノ(、_, )ヽ⌒  \
      |      `-=ニ=-      |   返歌を書いて…と
      \      `ー'´     / +

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( >)  (<).\      ちゅるの君、この手紙を届けてほしいお
  / /// (__人__) /// \    
  |     |r┬-|     |     そのついでと言っては何だけど
  \      `ー'´ _   /      あの家のことを探ってきてほしいお!
   ( ヽ  ___ ././  
   .\ \|  .,レ゛/        
     .\旨 爻ン  






5941 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:36:00.90 ID:
.VbLtGQo

       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ  
   〃 {_{       リ| l.│ i|   はいはい、わかったにょろ
   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|   
    ヽ|l ─   ─  | .|ノ│   でもできればお見舞いを
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.   先にしてほしいにょろ
    | /⌒l,、 __, イァト |/ | 
    | /  /::|三/:://  ヽ |   門の鍵もやっと開いたことだし…
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |

       ____
     /_ノ   ヽ_\
   /( >)  (<)\     ハハ、わかってるお
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   でもあとでよろしく頼むおー
  |     |r┬-/      |
  \     ` ̄'´     /


こうしてやる夫は、女に返歌を贈るとともに
その女の家の様子を探らせた。

六条の恋人もすこし重荷になりつつあった今、
新たな出会いの可能性に、やる夫は胸を弾ませるのだった。






5951 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:38:31.44 ID:
.VbLtGQo
◆平安京、二条院

     / /    `ト 、',    ヽ
 \  /  /     -ト y  i   l\
    l ハ l /     ● l  }-、 !  \     母があんなに喜ぶのを見たのは
    l/i yi ●     , ⊂⊃ l ,!/.  \    久々だったにょろ!
 ―   レvl⊃  r´`´ヽ  l  }´/ ヽ   \  
      i 、  ヽ、_,ノ  j ト ~、      ヽ  やる夫君、本当にありがとうにょろ!
r- ,_   」 ヽ , ____,. イll  lヽ=_____
l、  ~'''TTト、 ハ,ヽ  l===l l l    //- .,
  ヽ、  .l l l ', ', \ヽ l ̄l l l   //
    `ー.l_l_l__', ',__ \yV/レ  〈ー'ヽ

        ___
      /      \
   /          \     礼には及ばないお
  /   ⌒   ⌒   \    
  |  /// (__人__) ///  |   あれで長生きしてくれると
(⌒)              (⌒)   やる夫も嬉しいお
./ i\            /i ヽ






5961 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:40:02.60 ID:
.VbLtGQo
       ____
     /_ノ   ヽ_\
   /( >)  (<)\    …ところでちゅるの君
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \
  |     |r┬-/      |  例の、隣家の女君のことだけど…
  \     ` ̄'´     /


       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ   はいはい、わかってるにょろ
   〃 {_{       リ| l.│ i|   
   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|   文を届けに行ったら結構驚いてたにょろ
    ヽ|l ─   ─  | .|ノ│   まさか返事が来るとは
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.   思ってなかったみたいにょろ
    | /⌒l,、 __, イァト |/ | 
    | /  /::|三/:://  ヽ |
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |






5971 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:40:57.45 ID:
.VbLtGQo

       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ   女主人の素性はわからなかったにょろ
   〃 {_{       リ| l.│ i|    
   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|    でも、どうやらワケがあって…
    ヽ|l ●   ●  | .|ノ│    あの家に住んでいるみたいにょろ
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.    
    | /⌒l,、 __, イァト |/ |    あの家はもともと使用人の家らしいにょろ
    | /  /::|三/:://  ヽ |    主人なのに居候ってことにょろね
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |    

      ____
    /_ノ   ヽ_\       隠れ住まいの女人かお…
   /( ●) ( ●)\
 / ::::::⌒(__人__)⌒:::::\    あの扇のことといい…
 |        ̄      |    中々にゆかしい感じがするお
 \              /

※ゆかしい…何となく知りたい






5981 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:42:03.41 ID:
.VbLtGQo
       ____
     /⌒  ⌒\
   /( >)  (<)\     おーし、興味わいたお!
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \
  |    /| | | | |     |   ちゅるの君、逢う手引きをしてくれお!
  \  (、`ー―'´,    /
       ̄ ̄ ̄

       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ  
   〃 {_{       リ| l.│ i|    でも、小路に住んでるような女にょろ
   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|    身分は…あんまり期待できないにょろ
    ヽ|l ●   ●  | .|ノ│
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.
    | /⌒l,、 __, イァト |/ | 
    | /  /::|三/:://  ヽ |
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\     そんなの気にしないお!
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   身分は低くても
  |     |r┬-|     |    いい女の1人くらいいるお!
  \      `ー'´     /






6001 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:44:03.19 ID:
.VbLtGQo
       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\     それに、やる夫だと大っぴらに言わなくてもいいお
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \    どこかの受領の息子が懸想した風に
  |     |r┬-|     |    とり計らってくれればいいお!
  \      `ー'´     /


       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ  
   〃 {_{       リ| l.│ i|   うーん…そこまで言うなら…
   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|   
    ヽ|l ─   ─  | .|ノ│   わかったにょろ
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.   やってみるにょろ
    | /⌒l,、 __, イァト |/ | 
    | /  /::|三/:://  ヽ |
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |

         ___
       / ⌒  ⌒\
      / (⌒)  (⌒) \    
    /   ///(__人__)/// \   ちゅるの君、ありがとうだお!
     |   u.   `Y⌒y'´    |   
      \       ゙ー ′  ,/   
      /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
      / rー'ゝ       〆ヽ
    /,ノヾ ,>      ヾ_ノ,|
    | ヽ〆        |´ |






6011 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:47:01.78 ID:
.VbLtGQo

       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ  
   〃 {_{       リ| l.│ i|   
   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|   (こうやって…ついやる夫君に
    ヽ|l ─   ─  | .|ノ│        協力してしまうのは…)
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |. 
    | /⌒l,、 __, イァト |/ | 
    | /  /::|三/:://  ヽ |
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |


       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
     / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ
   〃 {_{        リ| l.│ i|   やる夫君の幸せと
   レ!小l\    `ヽ 从 |、i|    
    ヽ|l >   ●  | .|ノ│    面白い恋物語を
    |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |    期待しているからっさ!
    | /⌒l __, イァト |/ |
    | /  /::|三/:://  ヽ |
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |


こうして、やる夫は五条の女君と関係を持つようになった。

名前や身分を隠し、牛車にも乗らず馬に乗って、
五条の雑踏の中を、やる夫は女の元に通うようになる。

「今度の女君、ずいぶんとお気に入りになったにょろね…」
徒歩(かち)でつき従うちゅるの君は、そう思わずにはいられなかった。






6021 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:48:16.32 ID:
.VbLtGQo
◆某日、平安京、五条

       ____
     /_ノ   ヽ_\
   /( ●) ( ●)\     私とあなたの仲なのですから
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \    そろそろ…名前を聞いてもいいですかお?
  |     (  (      |    
  \     `ー'     /


         ,'.:〉! ヽ V ,/    o   ヽヽゥ 〉: : l/ l!
        ,':/.:,ヽ   )` tz---t '' 7'"  } `ヽ : : ',
          //.:/.{ ̄` ''くl:.:.:.|   l,. ┴ ''' ´l / ヽ: : :',      そう…申されましても
       //.: :|,/ミミ、、、 ヽ:|´ ̄ {  ,. ,., 彡!'  !:ヽ :',
      /.: .: / ` 、 ``ミ!:.l.   ハ彡' , - ' ` 、 |: :丶ヽ
     /: .: .: .: !    ヽ __}ヽ!  ,!/‐'"      l |: : : :\ヽ
    /: : .: .: .: :|       lヾ.! l |       { ! : : : : : ` ',






6031 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:50:02.76 ID:
.VbLtGQo

          , ―-  _,「` ー‐-  _
            /: : : : : : : : :! : : : : : : : : : :` '. 、
         /: /: : : : : : : :!: : : : : : : : : : : : : : : ヽ
         ,': /: : : : : /: : | : : : i .:i : , : : : :, : i: : : ',
.        l./    ./: : : | : : : |:/! : !: : : : ', :,l: : : :',
         /. . : : : :/ : ,. ァl : : : |:| l:` l、.: : : : ハl. . , !
.        / : : /: : ,'/: / l: : : :l:! 、:'、\: : `' !: :!: :!
        /: : : ,': : .:l: : :/__l: : : :l| _ヽ_lヽ、.: .: ヽ |: :|     名も家も…
      ,': : : :l:i : : |: :/, 〒.、! : : :!  ,〒 ミ ヽ.: : : ヽ: :!      わたしにはございませんもの
       l: : : /!l: .: ,L/トi':::Nヽ: : :l  トi':::Nヽ_ヽ.: .: :',:l
      ヽ: :l. l|: :/ ム弋二ノ !`-l 弋二ノ l. ll.:〉、: l:!
       ヽ! ヾ {「 rイヽ二 .ノ , 丶、 二( ヾ 〉 : l: /l
         ,'.:〉! ヽ V ,/    o   ヽヽゥ 〉: : l/ l!
        ,':/.:,ヽ   )` tz---t '' 7'"  } `ヽ : : ',
          //.:/.{ ̄` ''くl:.:.:.|   l,. ┴ ''' ´l / ヽ: : :',
       //.: :|,/ミミ、、、 ヽ:|´ ̄ {  ,. ,., 彡!'  !:ヽ :',
      /.: .: / ` 、 ``ミ!:.l.   ハ彡' , - ' ` 、 |: :丶ヽ
     /: .: .: .: !    ヽ __}ヽ!  ,!/‐'"      l |: : : :\ヽ
    /: : .: .: .: :|       lヾ.! l |       { ! : : : : : ` ',






6041 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:52:02.17 ID:
.VbLtGQo
■人物:夕顔の君

              r-、
           rー―― !: : `´ ̄`. .' . 、
         ,!: : : : : : :!: i : i、: : : : : : : :ヽ、
         /: : : : : / /|: | : l:!ヽ : : : : ヽ : :ヽ
       / : : : : : ,': ,' .! l: : !| l: i、: : : ヽi : ',
        / : : : ,: : ,!-!‐ !,l: : l:! !‐!- 、 : : ヽ : !
.      ,': i: : : i: : :l :l  lノ!: : !! |/ ヽ : : i: ',: |
      l : |: : : !: : :N  _! : リ ' _ ヽ: :|: :V
       |: /!: : :|: : l. ,´== `r‐{. ==ミ!i: :h: !
      l/ !: : i、:i'{ ''''   ノ ,.ヽ  ''''ノ,ハ:l,ハ,!
        ヽ: l ヽ!:`iー‐‐' r‐┐`''''",!,! :i' :|:i
         ヽ! ,|: |:i`'ー- `_‐',., イ: !': : !: :!:!
      r 、     /|: :!|: : |, '^'、 ,ハl:/: : :,! : ',|
     ヽ ヽ_r_v r! :ヾ―l,  V  /: : : ハ: :ヽ
        Y,. -{ Y!:',: :ヽ:.:.V´,フ、ヽ/ : : /:.:`i,: : :',
       l、/´)ハヽ'、 :ヽ:.ヾイ|.!|、! : :, ':.:.:./ ! : : ヽ
      / `ュ,ノ }i 〉ヽ :ヽ:ヾ|,|,!'l: :/:/:., '  !: : : : ヽ
        ト´、  ノ l':.:.:.:ヽ:}:.:.::.:.:.:|/:.:i//  l: : : : : : i
        !  `    !:.:.:.:.:lノ:.:.i:.:.:.:.:.:.,' /  l: : : : : : |

「らうたげにて、あえかなる人(可愛らしく、きゃしゃな人)」

何やら事情のありそうな女人。
平安京は五条の、小路に隠れ住んでいる。

源氏とは、おたがいの名前や身分を伏せて付き合うが
それでも源氏は彼女を深く愛したという。






6051 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:54:40.78 ID:
.VbLtGQo
              r-、
           rー―― !: : `´ ̄`. .' . 、
         ,!: : : : : : :!: i : i、: : : : : : : :ヽ、
         /: : : : : / /|: | : l:!ヽ : : : : ヽ : :ヽ
       / : : : : : ,': ,' .! l: : !| l: i、: : : ヽi : ',
        / : : : ,: : ,!-!‐ !,l: : l:! !‐!- 、 : : ヽ : !   そう仰るあなた様も
.      ,': i: : : i: : :l :l  lノ!: : !! |/ ヽ : : i: ',: |   どこの方か…わたくしは知りません
      l : |: : : !: : :N  _! : リ ' _ ヽ: :|: :V
       |: /!: : :|: : l. ,´== `r‐{. ==ミ!i: :h: !    みんなは、あなた様が三輪の神様ではないかと
      l/ !: : i、:i'{ ''''   ノ ,.ヽ  ''''ノ,ハ:l,ハ,!    疑っているみたいですけれど
        ヽ: l ヽ!:`iー‐‐' r‐┐`''''",!,! :i' :|:i
         ヽ! ,|: |:i`'ー- `_‐',., イ: !': : !: :!:!
            /|: :!|: : |, '^'、 ,ハl:/: : :,! : ',|


     ____
    / ⌒  ⌒  \     三輪の神様かお
  ./( ―) ( ●)  \    たしかにそうかもしれないお…
  /::⌒(_人_)⌒:::::  | 
  |    ー       .|  
  \          /






6061 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:55:06.35 ID:
.VbLtGQo
【解説】

  、--7
  ミ_o_d,,,   「三輪の神」とは、奈良県の三輪山に
  ミ゙ ゚ -゚ノ    祀られている神のことを指す
  √¨l-゚]、  
  (゙ /  |ゞ   この神については、こんな伝説がある
  /ヾノ==,)
 ム-ノ__|_jゝ






6071 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:55:44.38 ID:
.VbLtGQo
  、--7
  ミ_o_d,,,   ある時、若い娘のもとに
  ミ゙ ゚ -゚ノ    夜な夜な通ってくる男がいた
  √¨l-゚]、  
  (゙ /  |ゞ   しかし、その男の正体は知れず
  /ヾノ==,)    どこに住んでいるのかさえわからない
 ム-ノ__|_jゝ

  、--7
  ミ_o_d,,,   娘の両親は、男の正体を探るため
  ミ゙ ゚ -゚ノ    娘に長~い糸を通した針を渡した
  √¨l-゚]、  
  (゙ /  |ゞ   この針を男の衣にこっそり着けて
  /ヾノ==,)    あとを追おうというのだ
 ム-ノ__|_jゝ






6081 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:56:23.11 ID:
.VbLtGQo
  、--7
  ミ_o_d,,,   果たして、娘は針を男の衣に挿したのだが…
  ミ゙ ゚ -゚ノ    
  √¨l-゚]、   なんと男は鍵穴から外へ抜け出ており
  (゙ /  |ゞ   また糸を辿っていくと三輪山へと
  /ヾノ==,)    たどりついた
 ム-ノ__|_jゝ

  、--7
  ミ_o_d,,,   これにより
  ミ゙ ゚ -゚ノ    男が三輪山の神であることを
  √¨l-゚]、   人々は知ったのであった…
  (゙ /  |ゞ    
  /ヾノ==,)
 ム-ノ__|_jゝ






6091 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:56:57.61 ID:
.VbLtGQo
  、--7
  ミ_o_d,,,   人と人に有らざるモノが結婚する…
  ミ゙ ゚ -゚ノ    
  √¨l-゚]、   いわゆる「異類婚姻譚」「神婚説話」と
  (゙ /  |ゞ   呼ばれるタイプの伝承のひとつだ
  /ヾノ==,)
 ム-ノ__|_jゝ

  、--7
  ミ_o_d,,,   やる夫は、本名も身分も隠して
  ミ゙ ゚ -゚ノ    女の元に通っていた
  √¨l-゚]、  
  (゙ /  |ゞ   周囲の者が、やる夫を三輪の神と
  /ヾノ==,)    思うのも無理からぬことだったんだ
 ム-ノ__|_jゝ

【引き続き、物語をお楽しみください】






6101 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 20:58:13.15 ID:
.VbLtGQo
       ____
     /_ノ   ヽ_\
   /( ●) ( ●)\     しかし、神なんかじゃなくて…
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \    もしかしたら、狐かもしれないお?
  |     (  (      |    それでも…このまま、騙されていてくれるかお?
  \     `ー'     /

.               「 ̄    -- 、
          ,. -‐ ´|            `丶、
        / ,   ∧         \   \
        /     /  |  ト、      \   ヽ
     , '    /   |  l  | レN  \    、   ',
.    / /  / / /l l  イ │ |` 、  \   ヽ   i
     { /  / / /7Tト/八 l  ヽ  \  ヽ   `、
.    V  / / / /|ノ レ′∨  x==ミ、`  ',   }│    ……ふふっ
     {  l | / イxf芍抃     ト' 廴}ハ l l |V |
     |、 川 { { {y ト'' り-、  /  V辷リ YNレl l  |
     ∨レヘ从lハ. ゞ=''  }⌒、 ,,, `='´ ,ノ}ノ ∨   |
        } | 圦、'_'_'_ノ   `ー--‐'´/  / }   |
         ,'  l />、   `ー '   イ,/  / /    |
.        /  |/,/ヽ-> .__  '´ {ニミ、/ /   !
       /  人/ / /7/,イ     /::::::`丶、   |
.      /  /ミ、`<∠ノ7ー─-、 /:::::::::::::::::::\  |
      /  ∧: ヾニミ、: ∨    /::::::::::::::::::::::/⌒ヽ
   /  / >‐ 、 \/   /::::::::::::::::::::::/    ∧
. /   /     \:/} ,/:::::::::::::::::::-‐'´     | l






6111 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:00:33.46 ID:
.VbLtGQo

              r-、
           rー―― !: : `´ ̄`. .' . 、
         ,!: : : : : : :!: i : i、: : : : : : : :ヽ、
         /: : : : : / /|: | : l:!ヽ : : : : ヽ : :ヽ
       / : : : : : ,': ,' .! l: : !| l: i、: : : ヽi : ',
        / : : : ,: : ,!-!‐ !,l: : l:! !‐!- 、 : : ヽ : !
.      ,': i: : : i: : :l :l  lノ!: : !! |/ ヽ : : i: ',: |  
      l : |: : : !: : :N  _! : リ ' _ ヽ: :|: :V
       |: /!: : :|: : l. ,´== `r‐{. ==ミ!i: :h: !    
      l/ !: : i、:i'{ ''''   ノ ,.ヽ  ''''ノ,ハ:l,ハ,!
        ヽ: l ヽ!:`iー‐‐' r‐┐`''''",!,! :i' :|:i
         ヽ! ,|: |:i`'ー- `_‐',., イ: !': : !: :!:!
            /|: :!|: : |, '^'、 ,ハl:/: : :,! : ',|

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ―)  (―)\     (この人といると…
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \    すごく、すごく癒されるお)
  |              |
  \               /


やる夫は、心の安らぎを得ていた。

名前も、身分も、駆け引きもいらない、ただひたすらに愛し合う仲…
それは、今まで感じたことのない心地よさだった。






6121 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:02:19.76 ID:
.VbLtGQo
やる夫は、他の女には目もくれず、五条に足しげく通った。

       ____
     /_ノ   ヽ_\    
   /( >)  (<)\    六条?三条?何の話だお?
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \  やる夫は今、五条に夢中なんだお!
  |     |r┬-/      |
  \     ` ̄'´     /






6131 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:04:04.82 ID:
.VbLtGQo
五条のあたりは、庶民の町。
やんごとなき生まれのやる夫にとって、その様子は珍しいものばかりだった。

         
    ∧_∧         トントン
  .( ・∀・)   . ___ トントン 
  (   つ-O――|::::|  
   )  )) ).  /=|_.|=== 、   
  (__)_) |;;;;;;  ;;;;;;;;;;;;;; |
         ゙=====" 

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\     お? あれは何を
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   しているんだお?
  |     |r┬-|     |
  \      `ー'´     /






6141 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:06:02.42 ID:
.VbLtGQo

                       ヘ
               /゙  ̄ ̄ `ヽ|: : :\ー- 、
                  /: : : : : : : : : : :|: : : : : : : : : : ヽ、
              /: : '´ : : : : : /: :l : : : : : : : : : : : :.\
             / : : : : : /: :/: :/: : : : : :/|: : : : : : : : :ヽ
             / : : : : : : /: : _/:_:/ !: : : : / |: | : : : : : : : : ',
            /: : : : : : : : /: :'´/|: / |: : : : |  l:丁`ヽ: : :ヽ: : :i    あれは砧(きぬた)で布を打っているんです
         /: //: : : : ,': : : / .|/  :l: : : : |  ヽ|: : : : : : :.∨ |
          // ,' : : : : i: : :/ ,ィ≠k ',: : : :.| z=kVヽ: : : : : ∨    ああやって布を叩くことで
              | : : : : :|: ://代 ノハ  ヽ:..:::| f..う㍉ハ: : : : : :l     柔らかさやツヤを出しているんですよ
      | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|小 {i ::::::j} } ∨:| {i:::::::ハヾ|: : :|:: :│
      |  ━━━━━  l{ハ V廴ソ f==fヾ Vヒ ソ j: :.∧:: :|
      |  倭名類聚鈔  |ヘ}、 _ _ ノ ' ヽ、 `¨ ノ| :/小: :|
   .  /^) ~~∴~~ |: :ゝ _ ::.:.  こフ   ̄.:.:::/ :|/: : | ∨
   {/ ス          |: :.|: :.|> ,  __    </: : :|: :.│
    {/ _ノ           |: :.|少'   r|   Ⅳ\ /: : : :l: :.│
    ヽ'´_フ             |: :.|    |_   |  ノ: : : :/ : :│
    V|              |: :.|    |  `7 /: : : : /: : : : l
      ト|              |: :ヘ.    |  ,/ /: : : : / \: : : l
      {.L.rー‐、(こ'ー-、__.」: : :}ヽ   |  /  { : : : / /}: : :ヽ

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ●)  (●)\    へぇー
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \  話には聞いてたけど
  |     |r┬-|     |   あんな風にするのかお…
  \      `ー'´     /






6151 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:08:03.28 ID:
.VbLtGQo
【解説】

  、--7
  ミ_o_d,,,   砧(きぬた)とは
  ミ゙ ゚ -゚ノ    布を槌(つち)で打つための台のことだ
  √¨l-゚]、  
  (゙ /  |ゞ   和歌でもよく題材にされたので
  /ヾノ==,)    やる夫は「知識として」だけ知っていたようだ
 ム-ノ__|_jゝ

【引き続き、物語をお楽しみください】






6161 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:10:31.64 ID:
.VbLtGQo
◆その夜

       ____
     /_ノ   ヽ_\      
   /( >)  (<)\     さ、もう今日はいい時間だお
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   一緒にいい夢を見るお
  |     |r┬-/      |
  \     ` ̄'´     /


.               「 ̄    -- 、
          ,. -‐ ´|            `丶、
        / ,   ∧         \   \
        /     /  |  ト、      \   ヽ
     , '    /   |  l  | レN  \    、   ',
.    / /  / / /l l  イ │ |` 、  \   ヽ   i
     { /  / / /7Tト/八 l  ヽ  \  ヽ   `、
.    V  / / / /|ノ レ′∨  x==ミ、`  ',   }│    …はい
     {  l | / イxf芍抃     ト' 廴}ハ l l |V |
     |、 川 { { {y ト'' り-、  /  V辷リ YNレl l  |
     ∨レヘ从lハ. ゞ=''  }⌒、 ,,, `='´ ,ノ}ノ ∨   |
        } | 圦、'_'_'_ノ   `ー--‐'´/  / }   |
         ,'  l />、   `ー '   イ,/  / /    |
.        /  |/,/ヽ-> .__  '´ {ニミ、/ /   !
       /  人/ / /7/,イ     /::::::`丶、   |
.      /  /ミ、`<∠ノ7ー─-、 /:::::::::::::::::::\  |






6171 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:12:08.78 ID:
.VbLtGQo
''''''::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....................         .......................................::::::::::::::::::::::::::::::::::''''''''
::::::::::::::::::::::::::::........................................                   .............................................:::::::::::::::
...........................................                  r´`;                ...................
                               `゙´γ   クワー
................................                   γ     
                   γ            クワー
                          γ
................................                                    ...............................





        / ̄ ̄ ̄ \
      /   ―   ―\
  __ /   ( ー)  (ー) \    (雁の声が…あんなに近く聞こえるお…)
   ( |      (__人__)    |      
  \ヽ\__  `ー ´__/ \     
    \( ̄ ⌒⌒⌒⌒ ̄⌒ ⌒ ⌒ヽ
     ヽ               \
      \               \    ※雁(かり)…水鳥のガンのこと






6181 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:14:02.63 ID:
.VbLtGQo
そして夜が明けると…、
町の朝が、にぎやかに始まる。

 、    
  `)         ,,,_
  ( 、 __⊆^'‘ゝミ-、
  ` ー '~´ ‘ー、゙゙''_;っイー、    南無当来導師
         /´ ヽ、 | /ト、     弥勒菩薩摩訶薩…
 n_C'´ o _  ,'  ,i{ lLl_'_,イ
∠ィラヮー} ゙V  ,リ゙/_Ll_|\__,、
     | ! トー''"「 |ニ-ー--|. ! ヽ
     | | L_  ヽヽ  r'ニ! L.._\
     (_! l- ニニゝ\//、_`ニ7´/






6191 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:16:23.57 ID:
.VbLtGQo
          i、        i、        ザワザワ
          |   .l  .__.,. ly .、゙l  i、 ,,._,,,,,
     ,   .____,|,__ニン'''゙`| r゙i、〉._ ノ\
     .゙l  ガヤガヤ  .,ン>,i´.リ }|~~>'^.| |\
     ゙l     |rsii二, .| `-广    | |  |\  チュンチュン
     .|    .,ン''゙,,!  l/  λλ_,| | .|| \
      | ._/" _ノ'゙l  /   (´∀`) レ| \|.| .| |
      l.`_,._-''^ ∧∧      U U ̄ f゙'-,"  \|
      ′ ,コ ⊂(Д゚ )           レ `-.,   〉
 ザワザワ  ,x!" |l と´ |          l゙゙''i、, ュ,ン´
    ._.ッ!'~ -''|  |  ~      ∧∧|  `| .\
   /  /゛  l ./U U       (.*゚ー) ロ  i\ \
  " _, r'"    l゙          (i  〉つ  l  \ `ヽ,、  /
   ´ _,__、  /         ~|  |i、  .|    \ \,ノ
  、 l″ ヽ f            UU ヽ、 |  r'"| .|\  i
  ヽ |     }.l゙   ガヤガヤ          ゙l  | f十| |  ̄i
    |    ト'       ∧_∧        ヽ| Lソ |   .l
    |   /     ⊂( ´∀`) ワーイ     .'-、'″ |   .|
     ヽ-, ,!       ヽ   ⊂_)         \ .   |
       |        (⌒) ノ            \   .l゙
                  (__ノ             ''-.″
                                  ゙'-







6201 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:18:03.32 ID:
.VbLtGQo

        / ̄ ̄ ̄ \ パチッ
      /   ―   ―\
  __ /   ( ●)  (●) \     (朝から騒がしいお…)
   ( |      (__人__)    |    
  \ヽ\__  `⌒ ´__/ \    
    \( ̄ ⌒⌒⌒⌒ ̄⌒ ⌒ ⌒ヽ  
     ヽ               \
      \               \


隣家の老人がする読経の声、物売りの声…
最初は新鮮味のあった音も、しばらくすれば飽きてくる。

「ここは人目につくお…二人きりになりたいお…」
やる夫は、徐々にそう思うようになっていた。






6211 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:20:20.51 ID:
.VbLtGQo
◆早朝、平安京、五条

      |
      |
      |-‐ ̄ ̄`' ‐-,,
      |: /´ ゛ヽ::::::::::\
      |/      ヽ::: i:::ヽ     やれやれ
      | -ー     l::: }::::: l     やる夫君を迎えに行くのも
      |●     ヽレルi:::: |      なかなか大変にょろ
      |⊃    ●゛i(⌒\
      |  ,__,   ⊂ヘ iy   ゙i    …おや?
      h   `´ _、ゝ,、ス\  )   あれは確か、あの家の女たちにょろ
      ミ}ーT゛ i ::::l| \>'     外に出て、何を見てるにょろ?
      |):゙i三|::ッ'l ::::l|t,,/
      |i:::∨ッ  l ::::l|::|






6221 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:22:02.86 ID:
.VbLtGQo
女房:「右近さん、右近さん!お殿さまがお通りになられますよ」

ちゅるの君が様子をうかがっていると、
女房たちが家の表に集まってきた。
彼女たちは、ちょうどそこを通りかかった牛車を見ているようである。

         __ _
        /      \
      /      |   ヽ    
      // /´_`ヽl/_、  l    ああ…あれは間違いなく
      // /f r 。ミ. /r.。,.! | |    中将さまの…
     /ヽムハ `  } ` .ノ l | |   
     / / l i ヽ ーァ ムj_」 |     たいへんご立派になられたのですね…
    { { l l ,.イ` ーK/ / .j|
     ゝ/´ ̄ ハ、// l |` ー- 、
     /.|   トヽ/ | |  / ヽ


         __ _
        /      \
      /      |   ヽ     あんなことが無ければ…
      // /´_`ヽl/_、  l    
      // /f r 。ミ. /r.。,.! | |    御方さまも今頃は
     /ヽムハ `  } ` .ノ l | |    あの方の奥様として
     / / l i ヽ ーァ ムj_」 |     何不自由なく過ごせたでしょうに…
    { { l l ,.イ` ーK/ / .j|
     ゝ/´ ̄ ハ、// l |` ー- 、    おいたわしや…
     /.|   トヽ/ | |  / ヽ






6231 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:24:26.39 ID:
.VbLtGQo
      |
      |
      |-‐ ̄ ̄`' ‐-,,
      |: /´ ゛ヽ::::::::::\
      |/      ヽ::: i:::ヽ
      | -ー     l::: }::::: l   (あの車は…
      |●     ヽレルi:::: |    頭中将さまのものにょろ!)
      |⊃    ●゛i(⌒\
      |  ,__,   ⊂ヘ iy   ゙i
      h   `´ _、ゝ,、ス\  )  (あの方の奥様って…?)
      ミ}ーT゛ i ::::l| \>'
      |):゙i三|::ッ'l ::::l|t,,/
      |i:::∨ッ  l ::::l|::|






6241 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:26:28.23 ID:
.VbLtGQo
◆平安京、二条院

       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ  
   〃 {_{       リ| l.│ i|    
   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|    …ということがあったにょろ
    ヽ|l ●   ●  | .|ノ│
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.   
    | /⌒l,、 __, イァト |/ | 
    | /  /::|三/:://  ヽ |
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |


      / ̄ ̄ ̄\
    / ─    ─ \
   /  (●)  (●)  \    夕顔の君は
   |    (__人__)    |    頭中将ゆかりの人…かお
   \    ` ⌒´    /
   /              \






6251 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:28:48.34 ID:
.VbLtGQo

     『そう…まるで、ナデシコの花のような女だったよ』

             ../`:、    .,,,,、
              ヽ: : :\ ,/: : ゙>
             : : ゙ヽ.,-:ー゙、,,/‐ー;
            : /‘゙```ヽ.._,.‐: -―ー'
            `.,.,.,.,..,.,/:.. .|、: : `ヽ
               : 冫: : │ヽ、,,,/ //
        : ,-‐- :   : ゙l,,,,,,、′ : |: : | /
        : ゙l : .",."\" : / ,,---、; ;/ヽ//
        .。゙i、,/"..,,""  .. .i,.,.,...(:_,,)`'''''、
        : ゙''''|ー'" ," : : : . `" /../、: ヽ'ー"‐. //
          │ : ":ヾ゛ 、-": l,,,,,:".'、._,l: .、,:''/






6261 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:30:14.78 ID:
.VbLtGQo
  ..::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::l:::::::::..........................  |   .......:::::::::::::::|::::::::::::::................
     ......:::::::i::::::::l:::::::::................          l          ...........................
        ..:::::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::.......................!..|......::::::...... ..
     ......ザ ア ア ア ァ ァ ァ ァ .....l................::::.....     |   .................:::::::::::::::...
              .....................|...........::::::|::::::::::::::::: l::::::..........................:::......  ....:::::|::
   ..:::::...l.....      |     !...::::........ |...      !      .....:::l::::::::::::::::::::::::::...
         ................|....::::::::::::::::::::::::::: !::::::::|::::::::::::::::::... i.........................................:::...
:::::::::::::|:::::::::::::.................... |......................l...................|........    |   .......::::..
 ...::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::l:..................................  l    .::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::....
            .::::゚:::::::::::::::::::::::......................:::::::::::::!:::::::::::::::::::::::::::.............
   .:::::::::::::::::::..................::::::::::::::::::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::....................      |
          |                     ...............................:::i::::::::::::::::::


         『守ってやれなかった俺が言うのも何だが…』


        / ̄ ̄\
      /       \
      |::::::        |
     . |:::::::::::     |
       |::::::::::::::    |          ....,:::´, .
     .  |::::::::::::::    }          ....:::,,  ..
     .  ヽ::::::::::::::    }         ,):::::::ノ .
        ヽ::::::::::  ノ        (:::::ソ: .
        /:::::::::::: く         ,ふ´..
-―――――|:::::::::::::::: \ -―,――ノ::ノ――
         |:::::::::::::::|ヽ、二⌒)━~~'´


      『もしまだ生きているなら、逢って詫びたいと思うよ…』






6271 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:32:02.17 ID:
.VbLtGQo
     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)
/    (─)  (─ /;;/
|       (__人__) l;;,´    …………。
/      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___ /






628以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 21:32:20.40 ID:
vhI.36Eo
風情があるんだよなあここ






6291 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:34:02.97 ID:
.VbLtGQo

                      / ̄`丶、
                 ___/: : : : : : :  ̄  ‐- _
     ◯            /´: : : : : :.|: : : : : : : : : : : : : : : : : :`丶          °
         o        /: : : ´: : : :.| : : : :ヽ: : : : : : : : : :\: : : : \
                //: : : / : : | : : : : : \: : : : : : : : : :\: : : : ヽ
               /: : : : :/ : : : |:.l: : : : ハ \: : : : : : : : : :\: : : :ヽ
                /: : : : : /: : : / |:.l: : : : | ヽ \: : : : : : : : : :\: : : ',
          /:/ : : : : /:|: : :/ |:.l: : : : |ー-\<\: : : : : : : : : ヽ: : i
          /: /: : : : : :./ ┼: /-‐レヘ: : : :|  x行代心\ : : : : : : : : \!
            /: /l : : : : : ,': :/|:./x行外ヘ.: : :l   {ハト イlj゙ヾ\: : : : :\ : : ヽ
            ∨ .| : : : : : : /: lYハノトイ| ヽ : |   V込:: リ   |\: : : : 厂lヽ|      O
           | : : : : i / : : :l V少  ,\| ///`    |: : ヽ: : :| : |
           ', : : : :.|ヘ: : : :|. ////////     |: : :.: |∨ :│
            ヽ: : : |:∧: : :}      ^^         ,': : : : | : : :│
             \:|:l ヽ:.:ゝ                  /: : : : :,': : : 八
   O  。           ヾ{ ∧|: : :>          イ-/: : : : :/: : : : : :.ヽ
                  l: :|: : : : : : |> ー=r<   Ⅳ: : : : :∧: : : : ヽ : 丶
                  l: :|: : : : : : |\:_/ }     //: : : : :/<\ : : : \: :\
                  |: :|: : : : : : |/  _/__//: : : : :/ // \ : : : \: :\
                  |: :|: : : : : :/  l'´   //: : : : :/´//,二-ヘ: : : : :\: :ヽ
                 ∨ : : : : ∧  |:   //: : : : :////    ヽ: : : : : \: ',
                  /: : : : : ∧ヽ  |   //: : : : :/´//        ',: : : : : : ヽ}

             あの人も……つらい恋を、したのかお?






6301 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:36:22.07 ID:
.VbLtGQo
◆平安京、五条

              r-、
           rー―― !: : `´ ̄`. .' . 、
         ,!: : : : : : :!: i : i、: : : : : : : :ヽ、
         /: : : : : / /|: | : l:!ヽ : : : : ヽ : :ヽ
       / : : : : : ,': ,' .! l: : !| l: i、: : : ヽi : ',
        / : : : ,: : ,!-!‐ !,l: : l:! !‐!- 、 : : ヽ : !
.      ,': i: : : i: : :l :l  lノ!: : !! |/ ヽ : : i: ',: |   …どうかなさいました?
      l : |: : : !: : :N  _! : リ ' _ ヽ: :|: :V
       |: /!: : :|: : l. ,´== `r‐{. ==ミ!i: :h: !    
      l/ !: : i、:i'{ ''''   ノ ,.ヽ  ''''ノ,ハ:l,ハ,!
        ヽ: l ヽ!:`iー‐‐' r‐┐`''''",!,! :i' :|:i
         ヽ! ,|: |:i`'ー- `_‐',., イ: !': : !: :!:!
            /|: :!|: : |, '^'、 ,ハl:/: : :,! : ',|

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( ―)  (―)\      夕顔の君…
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \    今度は、私が幸せにするお
  |              |     ずっとずっと、一緒だお
  \               /


.               「 ̄    -- 、
          ,. -‐ ´|            `丶、
        / ,   ∧         \   \
        /     /  |  ト、      \   ヽ
     , '    /   |  l  | レN  \    、   ',
.    / /  / / /l l  イ │ |` 、  \   ヽ   i
     { /  / / /7Tト/八 l  ヽ  \  ヽ   `、
.    V  / / / /|ノ レ′∨  x==ミ、`  ',   }│    ……はい
     {  l | / イxf芍抃     ト' 廴}ハ l l |V |
     |、 川 { { {y ト'' り-、  /  V辷リ YNレl l  |
     ∨レヘ从lハ. ゞ=''  }⌒、 ,,, `='´ ,ノ}ノ ∨   |
        } | 圦、'_'_'_ノ   `ー--‐'´/  / }   |
         ,'  l />、   `ー '   イ,/  / /    |
.        /  |/,/ヽ-> .__  '´ {ニミ、/ /   !
       /  人/ / /7/,イ     /::::::`丶、   |
.      /  /ミ、`<∠ノ7ー─-、 /:::::::::::::::::::\  |
      /  ∧: ヾニミ、: ∨    /::::::::::::::::::::::/⌒ヽ
   /  / >‐ 、 \/   /::::::::::::::::::::::/    ∧
. /   /     \:/} ,/:::::::::::::::::::-‐'´     | l






6311 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:38:02.68 ID:
.VbLtGQo
                        ナモ タウライダウシ ミロクボサツ…>

     ____
    / ⌒  ⌒  \
  ./( ―) ( ●)  \   おっ、また隣の家から
  /::⌒(_人_)⌒:::::  |   読経の声がするお
  |    ー       .|
  \          /






6321 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:40:02.55 ID:
.VbLtGQo
        ___(⌒ヽ
       /⌒  ⌒⊂_ ヽ       
(⌒ヽ∩/( ⌒)  (⌒) |(⌒ヽ      優婆塞(うばそく)が行ふ道をしるべにて
 ヽ  ノ| :::⌒(__人__)⌒ ::| ⊂ `、            来む世も深き契り たがふな
  \ \    )┬-|   / /> ) ))
(( (⌒ )、 ヽ_ `ー‐' ,/ / /     (隣家の勤行…その仏の道を導きとして
  \ \ /          /          来世にもこの深い契りをたがえないでくれ)
    ヽ_ ノ       │


          , ―-  _,「` ー‐-  _
            /: : : : : : : : :! : : : : : : : : : :` '. 、
         /: /: : : : : : : :!: : : : : : : : : : : : : : : ヽ
         ,': /: : : : : /: : | : : : i .:i : , : : : :, : i: : : ',
.        l./    ./: : : | : : : |:/! : !: : : : ', :,l: : : :',
         /. . : : : :/ : ,. ァl : : : |:| l:` l、.: : : : ハl. . , !  先の世の契り知らるる身の憂さに
.        / : : /: : ,'/: / l: : : :l:! 、:'、\: : `' !: :!: :!        行く末かねて頼みがたさよ
        /: : : ,': : .:l: : :/__l: : : :l| _ヽ_lヽ、.: .: ヽ |: :|
      ,': : : :l:i : : |: :/, 〒.、! : : :!  ,〒 ミ ヽ.: : : ヽ: :!   (私の前世が思い知らされるこの身の辛さに
       l: : : /!l: .: ,L/トi':::Nヽ: : :l  トi':::Nヽ_ヽ.: .: :',:l    これから行く先のことは、どうなるかわかりません)
      ヽ: :l. l|: :/ ム弋二ノ !`-l 弋二ノ l. ll.:〉、: l:!
       ヽ! ヾ {「 rイヽ二 .ノ , 丶、 二( ヾ 〉 : l: /l
         ,'.:〉! ヽ V ,/    o   ヽヽゥ 〉: : l/ l!
        ,':/.:,ヽ   )` tz---t '' 7'"  } `ヽ : : ',
          //.:/.{ ̄` ''くl:.:.:.|   l,. ┴ ''' ´l / ヽ: : :',
       //.: :|,/ミミ、、、 ヽ:|´ ̄ {  ,. ,., 彡!'  !:ヽ :',
      /.: .: / ` 、 ``ミ!:.l.   ハ彡' , - ' ` 、 |: :丶ヽ
     /: .: .: .: !    ヽ __}ヽ!  ,!/‐'"      l |: : : :\ヽ
    /: : .: .: .: :|       lヾ.! l |       { ! : : : : : ` ',


やる夫:「何を言うんだお!必ず幸せになるお!」

やる夫は何度も何度も、ずっと一緒にいることを約束した。
夕顔の君は嬉しそうではあったが、意味ありげなほほえみを返すのだった。






6341 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:42:06.45 ID:
.VbLtGQo
       ____
     /_ノ   ヽ_\
   /( >)  (<)\     …そうだお!
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   夕顔の君、今日はちょっと
  |     |r┬-/      |    気分を変えてみないかお?
  \     ` ̄'´     /


          , ―-  _,「` ー‐-  _
            /: : : : : : : : :! : : : : : : : : : :` '. 、
         /: /: : : : : : : :!: : : : : : : : : : : : : : : ヽ
         ,': /: : : : : /: : | : : : i .:i : , : : : :, : i: : : ',
.        l./    ./: : : | : : : |:/! : !: : : : ', :,l: : : :',
         /. . : : : :/ : ,. ァl : : : |:| l:` l、.: : : : ハl. . , !
.        / : : /: : ,'/: / l: : : :l:! 、:'、\: : `' !: :!: :!
        /: : : ,': : .:l: : :/__l: : : :l| _ヽ_lヽ、.: .: ヽ |: :|     と…言いますと?
      ,': : : :l:i : : |: :/, 〒.、! : : :!  ,〒 ミ ヽ.: : : ヽ: :!   
       l: : : /!l: .: ,L/トi':::Nヽ: : :l  トi':::Nヽ_ヽ.: .: :',:l
      ヽ: :l. l|: :/ ム弋二ノ !`-l 弋二ノ l. ll.:〉、: l:!
       ヽ! ヾ {「 rイヽ二 .ノ , 丶、 二( ヾ 〉 : l: /l
         ,'.:〉! ヽ V ,/    o   ヽヽゥ 〉: : l/ l!
        ,':/.:,ヽ   )` tz---t '' 7'"  } `ヽ : : ',
          //.:/.{ ̄` ''くl:.:.:.|   l,. ┴ ''' ´l / ヽ: : :',
       //.: :|,/ミミ、、、 ヽ:|´ ̄ {  ,. ,., 彡!'  !:ヽ :',
      /.: .: / ` 、 ``ミ!:.l.   ハ彡' , - ' ` 、 |: :丶ヽ

     ____
    / ⌒  ⌒  \
  ./( ―) ( ●)  \    二人きりになれる場所に
  /::⌒(_人_)⌒:::::  |    行くんだお
  |    ー       .|
  \          /






6351 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:44:20.87 ID:
.VbLtGQo
やる夫は、夕顔の君とその侍女である右近だけを
五条の家から連れ出した。

     ____
   /      \
  /  ─    ─\    (いずれは二条院に迎えたいお)
/    (●)  (●) \
|       (__人__)    |  (でも…今夜はもっと静かに
/     ∩ノ ⊃  /       過ごせる場所がいいお)
(  \ / _ノ |  |
.\ “  /__|  |
  \ /___ /

「二人きりになりたい」
ただ、それだけを叶えるために。






6361 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:46:30.82 ID:
.VbLtGQo
◆平安京、某院(なにがしのいん)

:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::
:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::
:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::
:.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::.::
               _,_,_,_,_,_,_:.::.::.::.::.::.::.::.::.
  iv'ヘ         /;.;.;./;.;.;./;.;.;./;.;.;./`ヽ:.::.::.::.::.::.:
  | ;`;|         ;.;.;./;.;.;./;.;.;./;.;.;./ニニニニ\:.::.::.::.
  | ;'l:|           i'./;.;.;./;.;.;./;.;.;./ー―― ┬'丶:.::.::
  !:`l'|  ζ\     |; ̄`  ̄` ̄` ̄`  |: : : : : : : :!:.::.::.::.::.:
-、_|_.;l:|   \';、\  :|':.:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:.|: : :i ̄`! :|:.::.::.::.::.
ー|_}:;|    \';、.\|;'.:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:..:.|: : :'ー‐: :.!:.::.::.::.::.
-|_|`|_r:‐:‐:‐:‐\';、 ;.;.;./;.;.;./;.;.;./;.;.;./~`ヽ  !:.::.::.::.::.:
ー|_};|::::::::::: : :: : {二l\/;.;.;./;.;.;./;.;.;./ ,ニニニニ \:.::.::.::.::
-|_| ̄/\:::::::/`|_{┬/;.;.;.//;.;.;./ー――― ┬'丶:.::.::
ー|_}::/ 、';';〉.:/ /{_|┴lニニニニニl.r┴、_|_|_|:>:::::___|」
-|_;l'_;_;_∠;/_/___l_,,:;;}┬┴┬┴┬┴┐::| .:::|_rェ┘__;!_
~゛'' ┘⊥ 」_ |  |{_|┴┬┴┬┴┬┴┤ .:|_;!__;!__
         ~゛'''' ┴'::⊥Λ二\.:|  .:|ー:|__;!__;!_
 `     , '  .   `   ∨_,,,;;;;/. ~゛`┴ -'⊥ .」_;!__
             ,                 ~゛ ┴
                     ,,       


      ____
    /_ノ   ヽ_\      長い間使ってなかったから
   /( ●) ( ●)\     結構ボロいお…
 / U::⌒(__人__)⌒:::::\   
 |        ̄      |    ま、これも風情だと思えばいいお
 \              / 






6371 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:48:03.04 ID:
.VbLtGQo
             /              :::.     |ィ'"´`ヽ、
            /           /::   i::::i     |::::   ∧
           /   /  /      /::   ,|::: |     |::::::..    ∧
        /   ,/ /  ::     /:::   / |:::::    | :::: ヽ.   ヘ
          |   j/   ::   /:::  /  |::::i    |ヽ、 :::  :::..  ヘ
          |  / /   :::      、__,/,ノ |:::|    |ヽ、i__,  :::::..  λ    なんだか…
          | /  /    :::   / ,/_~__、   |::j    j.___ ∨ ヽ:::::::.  ヘ
         | 〈 /ヽ、   :::  /j/,.ィfチ弐、  j/   ,リ弐心∨ ハ::::::::.  ヘ   ちょっと…怖い…
        | ヽ{ (ヽ、;:::  /:;イ,.f´ んィ::;ハ /_,ノリノんィ:ハ i' ハ λ::::::: ハ
        j  /  `,‐i:ヽ/::メ|:|` 弋::rz:;リ ´}⌒{´ ヒ:rz::;j ,ハ:::|  〉:::::.   }
         |/    j:::|:: ::::| |:| 、 ゛-‐"//,ノ/ゝ `/‐/ 〈:ノ::j  /:::::::::ィ /
        /    .::|:::|::: :::{. |:|  ` ─‐ ''   ` ` ー‐ 'j::::/,ノ:::::::::;/j/
       /  ...:::::::::::::|::::| :: 、:ヽj:j、       _,       ,イ:::::'´:;ィ'::;/
     //j ::::::::::::::::::|:::::{ :::: \  `ヽ>‐-     __ ,.イ::: i ::::/´ |/
   // /::::::::::::::::::::::|::::::::ヽ、 \   `ヽj   /ヤ、`ヽ:j ::: :/{、
  〈. 〈   {:::::::::::::::::::::::|::::::,.ィ´`ヽ、 `ヽ   \ `  | / :: メ、:::ヽ、
   \\ |:::::::::::::::::::::ノ:::/´`ヽ、   \ ヽ、   〉-‐-| j  : /  ハ::::::ヘ

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( >)  (<)\     大丈夫だお!
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   警護の者たちが寝ずの番をしてくれるお
  |    /| | | | |     |
  \  (、`ー―'´,    /






6381 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:50:02.06 ID:
.VbLtGQo
       ____
     /_ノ   ヽ_\
   /( ●) ( ●)\     それに…あなたには
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \    私がついてるお
  |     (  (      |     安心してほしいお
  \     `ー'     /


              r-、
           rー―― !: : `´ ̄`. .' . 、
         ,!: : : : : : :!: i : i、: : : : : : : :ヽ、
         /: : : : : / /|: | : l:!ヽ : : : : ヽ : :ヽ
       / : : : : : ,': ,' .! l: : !| l: i、: : : ヽi : ',
        / : : : ,: : ,!-!‐ !,l: : l:! !‐!- 、 : : ヽ : !
.      ,': i: : : i: : :l :l  lノ!: : !! |/ ヽ : : i: ',: |   …そう、ですね
      l : |: : : !: : :N  _! : リ ' _ ヽ: :|: :V
       |: /!: : :|: : l. ,´== `r‐{. ==ミ!i: :h: !    
      l/ !: : i、:i'{ ''''   ノ ,.ヽ  ''''ノ,ハ:l,ハ,!
        ヽ: l ヽ!:`iー‐‐' r‐┐`''''",!,! :i' :|:i
         ヽ! ,|: |:i`'ー- `_‐',., イ: !': : !: :!:!
            /|: :!|: : |, '^'、 ,ハl:/: : :,! : ',|






6391 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:52:05.60 ID:
.VbLtGQo
       ____
     /⌒  ー、\
   /( ●)  (●)\    それに、こんな屋敷なんかよりも――
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\
  |     |r┬-/ '    |
  \      `ー'´     /






6401 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:54:03.61 ID:
.VbLtGQo

       /´ ̄`7       `丶、
.        j/  /{             ヽ\
       /     /j   :i |、_ ヽ  、:  ,. ヽ
.      /    ィ´ |  : !.「ヽ:\i.  ';  ':.: .',
      ′' .i :! __ !:.{ :.|:.lァ=ミ: :|   }:  i: : i  え……きゃっ!?
    |i ! :i{「i} い:.lV i´心:! :  ;:. : !: :|
.   __ | {.!.:ト:Ⅵ じ \j  L_ン }:.!. /!:: : !: l
.  { {.ト、い、:( :{ ,ィ⌒(_ _ノ  ,ルj/: :} ; : :|: !
 {゙リ  Yヘ{:i:.爪  r 、 ,. '" ̄ ヽ、: :/ ハ!:|
 ヽ   }/^ト:从::\ ` /       ` くY:.八
  丶. / /: :.,イ::.リ:: ̄{       ,. -- \ 丶
    レ′/:./ j:.//::八   __∠  、    ヽ . \
  /. /イ: : ::/: :::/  〉´     \  /  :、 ` ー‐‐-==ニ二._ ‐- 、
. / :,イ/リ:./:..:./´ . /       、 `く:: : .   丶 .._  : : : . : : : . .`丶`\
 ; 〃小:/ . : ィ′   〉   、丶   \. \::.、、  : :_二ニフミー- 、: . ヽ
./′レ':/:ィ/ {    /     . 、 \、  ヽ. Yヘ`:ー- .._` ー‐z: : \  \: .i
 ぃ{. / /´/{: . .ヘ.__,.=/  ゝヘ  〈´\  \、 マ`ヽ:_:: : : :  ̄´:`丶: : :ヽ  V|
  ヽ { ::{:/:八: : :/ /}  /  ヽ  `、 \  \__}  ヽ }.ー- 、::.::.: : : :.\: : ', リ
    Vヘ '/`Y、_/ /_,ノ     \ ヽ.  ` ーへ:  i !: .  \::.::.::. : : ヽ: i
    /:`7: ::.:/ ::/         \__)     ';. .|:. :   , '^ヽ:\: : :i |
.    ′:, : ::/i :::′                     i: : !:,  /    丶:ヽ:.:|リ

       ____
     /⌒  ⌒\
   /( >)  (<)\     私のほうが
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   怖いかもしれないお?
  |    /| | | | |     |
  \  (、`ー―'´,    /
       ̄ ̄ ̄






6411 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:55:06.17 ID:
.VbLtGQo

                  _,,.. -ッッ7
                ,..:':":::::::/ミミ/
                 〈.:.:.:.:.:.:.:.lミミ〈
                }.:.:.:.:.:.:.:lミミ}
      ,..:―::...、    ノ.:.:.:.:.:.:.:.lミミl
   ∠l:.’.:.:.:.:.:.:`::-:".: ' '   lミミノ,,_
       ̄ `ヾ.;.:.:.:.:.:   '' ' '_,ミジ  "''ー ..、
           ヽ:;.:. , ,, ,      、-―''i
           /:::":'':::┬;;-;:;ァ--―=ニ二}
            〈.::::::::::::::|ミミ/
             ヽ:.:.:.:.:.lミミ/
           ヽ:.:.:.lミミ}
              ヽ:/ミミ| 
                 ヽミミl    
              ヽミ/     ※本編に代わりまして、雲居を行く雁の姿をお楽しみください






642以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 21:55:36.65 ID:
F60btDAo

またかよwwww






644以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 21:57:48.02 ID:
zeA/I1Ao
雲居の雁か・・・






6451 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 21:58:05.54 ID:
.VbLtGQo

こうして、その夜は更けていった。

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:::;::;::;:::;:::;::;:::;:::;::;::;:;::;::;::;:::;::;::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::;:::;::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ...;::;::;:::;::;:;::;::;::;:::;::
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:;:;;;;;:;;;;:;;;;:;:;;;:;::;:;:;:;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:;;;;;:;;;;:;;;;:;:;;;:;::;:;::;::;::;:::;::;::;::;::;:::/
::;:;::;::;::;:::;::;::;::;::;::;:::;:::;::;:::;:::;::;::;:;::;::;::;:::;::;::;::;::;:::`   ー ─ '



  ,,,,__.、--─--、_____  ,,,,,,,,,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;__.、--─--,,,
 ̄______...,,-‐‐''~       ~` -、....__ ,,,,, ,..............................,,,,-‐‐''~       ~` -、.._
 ̄   ̄~^‐-‐''''"~~~`‐-‐''~^ヘ.-‐‐~`‐‐‐-、__.....--‐‐""~ ̄ ゙̄w"" ,,,,,,:::::::::::::::::::::::
;;;;;,,,;;;.,,,,,,,,,,..;;;;;;;;;;;;;;;;;..,,;;;;,,,,,;;;;;::;;;:::,,,,,;;;;,,,;;,,,,,,;;;:::::::::;;;;,,,,r-、,.,..,,.,,::;;--゙゙
iiiiiiiiiiliiiiiiiiliiii!!!;;;,,,,,;;;!!!iillllllliiiiii!!;;;,,,,,;;;!!!iillllll!!!iiiiiiiiiiii!!!lll;;;;;;;;;::::::: :::: ;;;;;;iiiiii!!!;;;;;;;;;iillllllliii


八月の十五夜も過ぎた夜は、月の光を雲で覆い隠し始めていた。






6461 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:00:02.72 ID:
.VbLtGQo
そして宵(午後十時ごろ)を過ぎたころ……


        / ̄ ̄ ̄ \    _
      /   ―   ―\   / Z z …
  __ /   ( ー)  (ー) \   ̄  
   ( |      (__人__)    |      
  \ヽ\__  `ー ´__/ \   
    \( ̄ ⌒⌒⌒⌒ ̄⌒ ⌒ ⌒ヽ
     ヽ               \
      \               \







6471 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:02:20.28 ID:
.VbLtGQo


             ……な、た



           ……あな、た……

.






6481 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:04:11.32 ID:
.VbLtGQo

        / ̄ ̄ ̄ \    
      /   ―   ―\     ん……
  __ / U ( ー)  (ー) \   
   ( |      (__人__)    |    夕顔の…君、かお……?
  \ヽ\__       _/ \   
    \( ̄ ⌒⌒⌒⌒ ̄⌒ ⌒ ⌒ヽ
     ヽ               \
      \               \






6491 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:07:04.74 ID:
.VbLtGQo
「あなた…わたくしを捨て置いて……こんな卑しい女なんかと……」


: .:.:.:/  l:.:.: : : : :l:.:. : : : : : : : : : : : : : :     ハ: : : :
: .:.:.:イ   l:.:.: : : : :.ト、. : : : : :         、.   :ハ_ ..
:.:.:.:/l    l:.:. : : : :ハ:.:.:. : : : : : : : : : : : : : : : ハ:. : : ハ: :
:.:.:.i:.l    l:.:.: : : : .l i:.:.:.: : : : :.: : : : : : : : : : : ハ.:. : : :i:.:
:.:.:.:.l:.:l   l:.:.: : : .i  l:.:.:.:. : : :__: : : : : : : : : : ハ.:. : : l/
.:.:.:.:l:.:.l.  、l:.:_ : .:.l__...L:.-:.': ´i:.:. : : : : : : :. : : : :ハ.:. : : l:.     お恨み…いたします……
:.:.:.:l:.:.:.:.ヽ、ーl:.:. ̄l   l:.:.:.:.: .:.l:.:. : : : : : : :. : : : : ハ.: : : l:
ヽ:.:.l:.:.:.:.:.:.z i:.:.:.:l _  l:.:.:._:./l--: : : : : : .:.: : : : :ハ.:. : l:.:
:.ヽ:.:i:.:.:.:.:.:.:.l l:.:.:l ー二lニナ'l´:.: : : : : : :.:.: : : : / l:.: :l:
:.:.::ヽl:.:.:.::.:.:/ ∨    l:.:.:/ l:.:.:. : : : : : .:.:. : : / イ:l:.: l:.
.:.:.:.:.:\:.:.ノ       l:.:/  l:.:.:. : : : : : .:l:. : :/´ .i:.:.l:.:l:. : : : :
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ、      '   .l:.:.: : : : : : .:.l:. : /  l:.:.:l:.l:. : : : : : : :
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`丶  、_..-、  l:.:.: : : : : :.:.; l:. /  l:.:.:.l:.:. : : : : : : : .:.:
ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i:.:.:.:.:.: ̄ヽ ̄   l:.:.: : : : :.:./、l:./ /l:.:.:.:.:.: : : : : : : : .:.: : : :
ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:ll:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`ヽ  l:.:. : : : :.:/ /l://  .l:.:.:.:.:.: : : : : : : : .:.: : : : : : : .:.:







650以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 22:07:59.31 ID:
F60btDAo
うわぁぁぁぁぁぁ






6511 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:08:02.43 ID:
.VbLtGQo


               l| l|
               |l| i|li     フッ…
             l|!    l|!
             l|  l|i  l|




       ____
     /ノ   ヽ、_\
   /( ○)}liil{(○)\     ……!?
  /    (__人__)   \   
  |   ヽ |!!il|!|!l| /   |   き…消えた!?
  \    |ェェェェ|     /






6521 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:10:02.37 ID:
.VbLtGQo

                           ______
                    __,..-‐'" ̄       ̄~`ヽ、
                  /`ヽィ'´          :.     `ヽ、
             /ヽ/   / : :     λ、 ヽ、::        ハ
           ,ノ ./   i .' : : :.     ヘ、 ハ ::  i       }
          ,イ´ ::/   {  : : : : .       `-、 |:::  l        |
            /〃 : /    j、ー--: : : : :      `ヽ、./   i.  |    う…
          /// : : j     |{ `ヽ、   、: : :.、   `ヽ、\   |:   |
       /'´/ : : : | ,   |:', __ \.__ ヽ : :ヽ、   }\_〉  |:  {     うう……
        / :∧: ::| .|∨ |:::', ,戎Z彡∨iヽ、:.:`ヽ. /,ノ: i   |i ∧
        { :{  `ー| {-V ト:::}、_,ノ    |  `ー:-∨: : : : |   |:i  ハ
        ヽ|    ヽ|  ヽ|.〈       |   ::   | \: : : |   |:i.  ∧
                     ヽ、rっ   | ;  ::  j ,ィ'´\::|   |:i    ヘ、
                     `ーァ-‐‐jノ    ノr==、. `|  : :      \
                      /: : ::/´ ,/'"    ∨|/ : : : i      \
                    /: ::// /        |/ : : : | : :   {`\\
                   j:;/ ,/ /{         〈 : : : :: | : ::  ハ  〉 〉
                    {´  / /  }        |ヽ、: : :  } : i:   ヘ//
                   ∨ | ,{  |      | , ̄ }: ::_;ノ ::λ:    /
                   /ヽ/V  ノ      |/  /´" : : : :::}  .: :〈
                   {     /       j'  /  : : : : ::.ノ  : : :`ヽ

         ____
       /   u \
      /  \    /\     夕顔の君!? 夕顔の君!
    /  し (○)  (○) \    気をたしかに!
    | ∪    (__人__)  J |     しっかりするお!
     \  u   `⌒´   /






6541 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:12:02.51 ID:
.VbLtGQo





                 ザワ…



.






6551 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:12:40.16 ID:
.VbLtGQo



    ザワ

                        ザワ



             ザワ


.






6561 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:13:03.74 ID:
.VbLtGQo

     /!              / ヽ !::.       ::::::::!   /|         ! :::::::ヘ        
    /: !            /   ヘ !:::.        ::::::!   /:::|         .! :::::::::ヘ       
.   /::: !  /         /      ヽ,:::.       ::::::!  /:::::|        .!  :::::::::ヘ      
  /:::: ! .ハ         /        ヽ:.      ::::::!  / ::::!        .!  ,。 :::::::::ヘ      
. /:::::: ! !::::|        /          :.      :::::!   / .:::::!      ./ッ'"  ::::_::;;ヘ     
 /≡≡ .トェ|       ./,                 .::!   / .::::::!      ./" ,, ィキ''" ::::::ヘ     
../   | ハ〒      /\ゝ 、             :!  / .::::::!      ム=''" .:|!:::   :::::}ハ    
/    | |. {!::.|.     !ミュ,_,\ .ゝ 、      ヽ  i:.,::! /  .:::::!     ./::  ..::;|!:::   :::::}!:::!    
.    |.|. {!::|      !: ::'テミェ,ゝ 、ヘ 、 _  ノ:..i.:ト:;! ./  .:::::::!     イ::::  :::::|!:::  .::::リ  .!   
     |!.  {!::!    .!;; :::.}!  ゛”㍉,, -- '" ノ:::::::::ノ ハ、_ ,ム!     / {!::::  ::::|!:::  -=ニ   !   
.     |.   =.!     |  ::::}!      ゛ミx、:::::::::::  //、:::::::::::/.!     /  {!::::  :::|':::  .::::/    !   
        \,   .|  ::::リ        ヽ:::.. ´  /':::::::::::: '/,    /   乂::..  :::  .:.ン    !   
㍉、       ヘ   |  .ン       ..:::::.    .:      /ィ   /     ゝ::__;; '"      !   
  ㍉、      ヘ  |''"   ,,。 -==ヽ::::..          /   /‐-  ,,_             !   
   ㍉,,、    ヘ  L - '' "   ..................ン      ....../  ./     ゛ '' ト 、,, __ ,,。r ''":!   
!     ゛'===''"ヘ .|   .....::::::::::::::::::::::::  ィ       ./  /::::::::.....        ゜'' ''"   ::!   /
ヽ           \              ......::::::... / /   :::::::::::.........          ::!   / 
                                〆                     ::!   /






658以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 22:14:06.03 ID:
F60btDAo

ガクガク(((( ;゚Д゚))))ブルブル






659以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 22:14:56.06 ID:
p4bOoLso
(((( ;゚д゚)))アワワワワ






6601 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:16:15.35 ID:
.VbLtGQo

                              /|
                             / //
                               / //
                            / //
                             / //
                             / //
        ___             / //
      /     \             / //     物の怪!
     /\ , , /   \       r~ ̄`ヽ'      寄るんじゃないお!
   /(●)  (●)  U  \  ,. -'     }
   |   (__人__)      |_,..- '"  ,-、  /
   \   ` ⌒ ´     ,/'     _/::/-'"
     \  ァ-―''7"(     _,. -'' `"
      )|::|  {::::::ヽ__,,..- '"


凄まじい気配が、やる夫たちを襲った。

やる夫はとっさに剣を抜き放ち、物の怪に向かって振りかざした。
それに恐れをなしたか、怪しげな気配はフッと消えてしまった。






661以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[]:2009/03/04(水) 22:16:27.69 ID:
e82i9qI0
怖すぎる…






663以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 22:18:09.58 ID:
zeA/I1Ao
阿部氏直伝の真剣は・・・

さっき使ったばかりで使い物にならんか・・・






6621 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:18:04.03 ID:
.VbLtGQo
         ____
       /   u \
      /  \    /\     夕顔の君、もう大丈夫だお!
    /  し (>)  (<) \    さあ、目を開けるお!
    | ∪    (__人__)  J |
     \  u   `⌒´   /


 ー| {-V ト:::}、_,ノ ::::::::::::|  `ー:-∨: : : : |   |:i  ハ
  ヽ|  ヽ|.〈  :::::::::::::::::|   ::   | \: : : |   |:i.  ∧
          ヽ、:::::::::::::::| ;  ::  j ,ィ'´\::|   |:i    ヘ、
          `ーァ-‐‐jノ    ノr==、. `|  : :      \
           /: : ::/´ ,/'"    ∨|/ : : : i      \
         /: ::// /        |/ : : : | : :   {`\\
        j:;/ ,/ /{         〈 : : : :: | : ::  ハ  〉 〉
         {´  / /  }        |ヽ、: : :  } : i:   ヘ//
        ∨ | ,{  |      | , ̄ }: ::_;ノ ::λ:    /
        /ヽ/V  ノ      |/  /´" : : : :::}  .: :〈
        {     /       j'  /  : : : : ::.ノ  : : :`ヽ


       ____
     /ノ   ヽ、_\
   /( ○)}liil{(○)\     ……!
  /    (__人__)   \   
  |   ヽ |!!il|!|!l| /   |    い、息をしてないお…!
  \    |ェェェェ|     /






664以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 22:19:36.41 ID:
F60btDAo
なん・・・だと・・・






6651 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:20:03.20 ID:
.VbLtGQo
       ____
     /ノ   ヽ、_\       だ、誰か!誰かある!
   /( ○)}liil{(○)\     
  /    (__人__)   \    明かりを持ってくるお!
  |   ヽ |!!il|!|!l| /   |    魔除けの弦打ちをするお!
  \    |ェェェェ|     /    


        -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \  
    //, '/     ヽハ  、 ヽ  
    〃 {_{    U  リ| l.│ i|  
    レ!小l\    / 从 |、i|     やる夫君、何があったにょろ!
     ヽ|l ○   ○u | .|ノ│     警備の者も、全員眠ってたにょろ!
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |     いま明かりを持ってこさせるにょろ!
     | /⌒l __, イァト |/ |
     | /  /::|三/:://  ヽ |
     | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |


眠っていた人々も目を覚まし、あたりに明かりがともった。
しかし……。






6661 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:22:07.72 ID:
.VbLtGQo
         ____
        /       \
      /  u   ノ  \
    /      u (●)  \   ゆ、夕顔の君が…
    |         (__人__)|
     \    u   .` ⌒/
    ノ           \
  /´               ヽ


       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ    …………。
   〃 {_{       リ| l.│ i|   
   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|    だめにょろ…
    ヽ|l ─   ─ u| .|ノ│   もう、事切れられてるにょろ…
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.  
    | /⌒l,、 __, イァト |/ | 
    | /  /::|三/:://  ヽ |
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |


         __ _
        /      \
      /      |   ヽ    
      // /´_`ヽl/_、  l    お、御方さま!
      // /f r 。ミ. /r.。,.! | |    
     /ヽムハ `  } ` .ノ l | |    ああ……!
     / / l i ヽ ーァ ムj_」 |     なんということ…!
    { { l l ,.イ` ーK/ / .j|
     ゝ/´ ̄ ハ、// l |` ー- 、
     /.|   トヽ/ | |  / ヽ






667以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 22:24:16.07 ID:
F60btDAo
うわぁ・・・






6681 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:24:28.63 ID:
.VbLtGQo
          .. .. .. ..
         ::/ ⌒`"⌒`ヽ、::
       ::/,, / ̄ ̄ ̄ ̄\::        ゆ……夕顔……
       ::/,//::         \::
      ;/⌒'":::..            |⌒ヽ
     /  /、:::::...           /ヽ_ \
     (  ⌒ー-ィ⌒ヽ、   /⌒`ー'⌒  )_バタッ
    l ̄`ー──ゝィソノー‐ヾy_ノー─" 


        -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \  __
    //, '/     ヽハ  、 ヽ   /
    〃 {_{    U  リ| l.│ i|   \
    レ!小l\    / 从 |、i|  ̄ ̄
     ヽ|l ○   ○u | .|ノ│      や、やる夫君!やる夫君!
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |      しっかりするにょろ!
     | /⌒l __, イァト |/ |
     | /  /::|三/:://  ヽ |      誰ぞ、手を貸すにょろー!
     | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |






6691 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:26:03.24 ID:
.VbLtGQo
◆平安京、二条院

  ガバッ ! !  ______
        /:υ::─ニjjニ─ヾ
      /:::li|.:( ○)三 ( ○)\      夕顔の君ー!!
      (:::||!.:υ::::: (__人__)):::: i|
    〃 ):::::::::::.   |r┬-| li::::/     
      /: : : : : : l\`ー '/j: : ::ヽ     
    \ヽ :ヽ: : : : 7ヽ />: : : :r:\    
     ( ̄ ⌒⌒⌒⌒ ̄⌒ ⌒ ⌒ヽ
      ヽ               \


        / /" `ヽ ヽ  \
     //, '/     ヽハ  、 ヽ
     〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i|    やる夫君!
     レ!小l●    ● 从 |、i|    よかった、気がついたにょろ!
      ヽ|l ||、_,、_ ||⊃ |ノ│
  /⌒ヽ__|ヘ || ゝ._) ||j /⌒i !   物の怪にやられちゃったかと
  \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│   思ったにょろー!!
  .  /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
   `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |






6701 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:28:11.54 ID:
.VbLtGQo
         ____
        /       \
      /  u   ノ  \     こ、ここは二条院かお…
    /      u (●)  \  
    |         (__人__)|    夕顔の君は…
     \    u   .` ⌒/
    ノ           \
  /´               


       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ   …………。
   〃 {_{       リ| l.│ i|   
   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|   亡骸は、東山の…
    ヽ|l ─   ─ u| .|ノ│   私の知り合いの家に
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.   移したにょろ…
    | /⌒l,、 __, イァト |/ | 
    | /  /::|三/:://  ヽ |
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |    ※東山…京都市鴨川の東にある丘陵地帯

       ___
     /     \
    / ::::(  )::::(  )
  /  ⌒(_人__) \    …………。
  |      ` ⌒´   |
  \          /
  /          \






6711 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:30:09.16 ID:
.VbLtGQo

      / ̄ ̄ ̄\
    / ─    ─ \
   /  (○)  (○)  \   こうなったのは…やる夫のせいだお
   |    (__人__)    |   せめて…きちんと葬式をして…
   \    ` ⌒´    /   ああ…五条の家にも知らせないと…
   /              \


         -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
        / /" `ヽ ヽ  \
     //, '/     ヽハ  、 ヽ    やる夫君…
     〃 {_{/    \リ| l │ i|    それはダメにょろ
     レ!小l○    ○ 从 |、i|    
      ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│    いま五条の家に知らせたら大騒ぎになって…
  /⌒ヽ__|ヘ         j /⌒i !    やる夫君のスキャンダルになってしまうにょろ
  \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│
  .  /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |    やる夫君は、ここでじっとしていてほしいにょろ
   `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |






6721 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:32:19.59 ID:
.VbLtGQo
       ____
     /ノ   ヽ、_\      葬式どころか、家人に知らせるのも
   /( ○)}liil{(○)\    ダメなのかお!?
  /    (__人__)   \   
  |   ヽ |!!il|!|!l| /   |   そんな話があるかお!?
  \    |ェェェェ|     / 


       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ  
   〃 {_{       リ| l.│ i|   
   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|   …………。
    ヽ|l ─   ─ u| .|ノ│   
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.   
    | /⌒l,、 __, イァト |/ | 
    | /  /::|三/:://  ヽ |
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |

         ____
       /       \
      /  u   ノ  \
    /      u (●)  \  ちゅ…ちゅるの君
    |         (__人__)|
     \    u   .` ⌒/
    ノ           \
  /´               ヽ






6731 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:34:02.35 ID:
.VbLtGQo

       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ  …お辛いだろうけど
   〃 {_{       リ| l.│ i|   
   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|   騒ぎになるのだけは…
    ヽ|l ─   ─ u| .|ノ│   ゼッタイにダメにょろ
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.   
    | /⌒l,、 __, イァト |/ |   …おわかりかい?
    | /  /::|三/:://  ヽ |
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |

       ____
     /      \
   /  _ノ  ヽ、_  \
  / o゚((●)) ((●))゚o \    ……!
  |     (__人__)'    |
  \     `⌒´     /






6741 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:36:02.34 ID:
.VbLtGQo
         ____
       /       \
      /  u   ノ  \    で、でも右近がいるお!
    /      u (●)  \  
    |         (__人__)|  夕顔が亡くなったことは
     \    u   .` ⌒/   自然と知れてしまうお…
    ノ           \
  /´               ヽ

         __ _
        /      \
      /      |   ヽ    
      // /´_`ヽl/_、  l     ずっとお仕えしていた御方さまに
      // /f r 。ミ. /r.。,.! | |     こんなことで後(おく)れたのです…
     /ヽムハ `  } ` .ノ l | |    
     / / l i ヽ ーァ ムj_」 |     どんな顔をして五条の家に
    { { l l ,.イ` ーK/ / .j|     戻ればいいのか…
     ゝ/´ ̄ ハ、// l |` ー- 、
     /.|   トヽ/ | |  / ヽ             ※後れる…先立たれる






6751 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:39:04.72 ID:
.VbLtGQo
         __ _
        /      \
      /      |   ヽ    それに…あなた様が
      // /´_`ヽl/_、  l    源氏の君さまであられた以上
      // /f r 。ミ. /r.。,.! | |    御方さまのことでご迷惑をおかけするのは…
     /ヽムハ `  } ` .ノ l | |    
     / / l i ヽ ーァ ムj_」 |     御方さまもお望みではないでしょう…
    { { l l ,.イ` ーK/ / .j|
     ゝ/´ ̄ ハ、// l |` ー- 、    ですから…皆様の良きように…
     /.|   トヽ/ | |  / ヽ


       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ   右近の君…ありがとうにょろ
   〃 {_{       リ| l.│ i|   
   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|   右近の君には、このまま二条院に
    ヽ|l ─   ─ u| .|ノ│   いてもらうにょろ
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.   
    | /⌒l,、 __, イァト |/ |   間違っても、今は五条と連絡を
    | /  /::|三/:://  ヽ |    取らないでほしいにょろ
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |  






6771 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:42:04.85 ID:
.VbLtGQo
  ::::::::  ::    ::     :::::  ::  :::
  ::::::  ::   ____   :::::  ::::  :::
  ::::::  :::: /  :::  \ :::   :::   ::
  ::::  ::::/   ::     \::  :::  ::    大切にしようと思っていたのに…
 ::::  /:::    ─    ─ \ ::  ::
 :::  |  ::   .(_)  (_)  | :  ::::    名前も告げず…
  :::   \     (__人__)  ,/ :  :::     あの人は逝ってしまったお…
  ::  ノ      ` ⌒´   \ :   :::
  /´               ヽ  :::
 |    l              \:::
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))






6781 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:44:03.16 ID:
.VbLtGQo
       ____
     /      \
   /  _ノ  ヽ、_  \      右近の君、あの人のことを
  / o゚((●)) ((●))゚o \    教えてほしいお!
  |     (__人__)'    |     やっぱり、頭中将ゆかりの人だったのかお!?
  \     `⌒´     /

         __ _
        /      \
      /      |   ヽ     なぜそれをご存じで…
      // /´_`ヽl/_、  l     
      // /f r 。ミ. /r.。,.! | |     仰るとおり、御方さまには
     /ヽムハ `  } ` .ノ l | |     頭中将さまがお通いでした
     / / l i ヽ ーァ ムj_」 |     
    { { l l ,.イ` ーK/ / .j|     可愛らしい姫さまも生まれました
     ゝ/´ ̄ ハ、// l |` ー- 、    姫さまは…今年で3歳におなりです
     /.|   トヽ/ | |  / ヽ

         __ _
        /      \
      /      |   ヽ    
      // /´_`ヽl/_、  l     ですが、中将さまのご正室さまが
      // /f r 。ミ. /r.。,.! | |     怖ろしい方で…
     /ヽムハ `  } ` .ノ l | |    
     / / l i ヽ ーァ ムj_」 |     それで、御方さまはご実家にいられず
    { { l l ,.イ` ーK/ / .j|     姫さまとともに、使用人である我が家に
     ゝ/´ ̄ ハ、// l |` ー- 、    隠れ住んでおられたのです
     /.|   トヽ/ | |  / ヽ






679以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 22:44:47.11 ID:
vhI.36Eo
イマサラだが右近のAA怖い






6801 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:46:20.84 ID:
.VbLtGQo
         ____
       /       \
      /  u   ノ  \
    /      u (●)  \   ちゅるの君…
    |         (__人__)|
     \    u   .` ⌒/
    ノ           \
  /´               ヽ


       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ  
   〃 {_{       リ| l.│ i|   やる夫君の言いたいことはわかるにょろ
   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|   
    ヽ|l ─   ─ u| .|ノ│   その姫さまを引き取りたいにょろね?
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.   
    | /⌒l,、 __, イァト |/ | 
    | /  /::|三/:://  ヽ |
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |






6811 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:48:02.61 ID:
.VbLtGQo

       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \    とにかく…女君のことも、
   //, '/     ヽハ  、 ヽ    その残された姫さまのことも
   〃 {_{       リ| l.│ i|    私どもがちゃんとしておくにょろ
   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i| 
    ヽ|l ─   ─ u| .|ノ│   とにかく、今は時間が必要にょろ
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.   
    | /⌒l,、 __, イァト |/ |    辛抱してほしいにょろ…
    | /  /::|三/:://  ヽ |
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |


         / ̄ ̄ ̄ \
      /   :::::\:::/\
     /    。<一>:::::<ー>。   夕顔の君…
     |    .:::。゚~(__人__)~゚j
     \、   ゜ ` ⌒´,;/゜    ごめん、ごめんお…
    /  ⌒ヽ゚  '"'"´(;゚ 。
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.






6821 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:50:28.07 ID:
.VbLtGQo

             _________
           /´               `\
         ヾ、     _, -‐'"´´      \
        / 、\ノヽ/´   、           \
      。oj``ヽ)   ( ,-‐ '"´ )o          \
    °/⌒`゙      ヽ"⌒``じ o °     \     夕顔、夕顔の君――!
    /   (        )     °             \
  /ヾ、_ノヽ、___,,ノ⌒ヽ    o°           \   うわああああっ!!
  l     ト、ノ),、        ノ                  l
  |      |          /                      |  
  l      ゚|       /⌒´/                       l  
   \    l   /   /                       /  
     ヽ、  |  /    /                 /
     ヾ\ `ー┴--一´                 /
       :ヽ ゝ、__,,,,, ,,             ___ -<
      }  __,..\               /´ ̄     ̄`ヽ






6841 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:52:48.37 ID:
.VbLtGQo

               ,......,,、
            li:.`i  ´ /´`i
             i ヽ.  /   `ヽ.
              ) . `i: i :::.    !、
             |   .l .,ノヽ:::-‐‐''´i
             .入/ ヾ'´.:::   /
            ,/  `ヽ  `¨゙ヽ、  (
.==、 、 .    ノノ ノi / `¨゙ヽ、__ ヽr''´
   ヾ 、    /// ノ´       ̄
    ヾ 、__,/__ノ_/
     `ーr'´、 ̄
       l:::ヾ\         寄りてこそ それかとも見め
     /ヽ.:::ヾl             たそかれに ほのぼの見つる花の夕顔
    /:::/:::l `ヽl
    /:::/:::::l           (あなたがそう思うなら、もっと近くで見てみませんか?
    l:::/.:/                黄昏の薄闇の中で、光る君のような夕顔の花を…)
   . l./






6851 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:53:27.34 ID:
.VbLtGQo
   ._
    \ヽ, ,、
     `''|/ノ
      .|
  _   |
  \`ヽ、|
   \, V
      `L,,_
      |ヽ、)  ,、
     /    ヽYノ 
    /    r''ヽ、.|  
   |     `ー-ヽ|ヮ 
   |       `|     ーーー   
   |     `ー-ヽ|ヮ        ノ    
   |       `|        ノ       
   |.        |         
   ヽ、      |      ーーー ヽヽ   
     ヽ____ノ          ノ    
     /     \        ノ     
   /   :::::\:::/\    
 /    。<一>:::::<ー>。    / 
 |    .:::。゚~(__人__)~゚j   (    
 \、   ゜ ` ⌒´,;/゜    \


第五話「光そへたる」、おわり
第六話「藤の花の色」へつづく






686以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 22:54:50.66 ID:
F60btDAo
乙乙ー






687以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 22:55:01.76 ID:
rSofBdoo
1乙~~~






690以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 22:58:09.40 ID:
vhI.36Eo
乙っす

江川源氏くらいとは言わんが、情事エロ描写も希望する!






693以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[]:2009/03/04(水) 23:03:11.71 ID:
e82i9qI0
乙でした。

やる夫君、充実の一方で切ない展開が続くなぁ…






6881 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 22:56:03.27 ID:
.VbLtGQo
本日は開始時間が遅れて申し訳ありません

少し休憩してから、
今日のおまけを投下したいと思います






689以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 22:58:06.74 ID:
zeA/I1Ao
おまけktkr






6911 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:02:21.03 ID:
.VbLtGQo

         -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
        / /" `ヽ ヽ  \
     //, '/     ヽハ  、 ヽ
     〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i|  -┼─       ̄フ   |_l__  -┼ー   /   . ヽ、_.
     レ!小l●    < 从 |、i|    レ--、   ∠ニ、. ̄|   )   ヽ、  / ,-,    /  
      ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│   _ノ. ゆ.   o,ノ   .|     ヽ_  ι'  し'  (____.
  /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !
  \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│
    /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
   `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |


       r`"⌒`ー=v ‐-、
        1:::::.....................  }
       |:::::::::::::::::::::::___::リ,    
       r| ::::::::::::::( )|'爪|::jリ    
      /``======_‐ラ(6,′
     ,>‐'つ__... =-〒rtッテ|h′    空条承太郎の
   /.ノ (:{,|| i   i l゙`~.jl|リ      
   ! }/゙ヽl.l ',  ヾツ  |l!|) _
   { (´/ヽ.):ヽ  r=- l/l:}/,r=,ヽ.._
    ヽ( イ- ) ̄l|、|!゙¨´ / l:八.>=iこ⊂⊃
     \ `ヽ:::::lドミ==‐' レ____l[二´__
 ̄:¨"7゙<〉   )::¨o7 /  ̄ フ 7ー-、:_:: ̄
::::::::::/:::::::\ ノノ:::/  '  '"´ /  / `ヽ







6921 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:03:02.15 ID:
.VbLtGQo

          __,,.. -‐:::::¨::::::::::::::::::::::;.イ     ヘ.   .i   、  -┼-.    /   . -┼-.        
    / ̄:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::ィ   /  \ |   ヽ . ,-┼/-、 / ,-,    メ,ー         
 .   i\ :::::::::::::::::::::::::::::::::::,.ィ:"::::::::::::〉       ヽヽ/   ' .ヽ__レ ノ ι'  し'  (_`__         
     ヽ:::`:゙::'':…ー‐::''''゙゙":´:::フ-‐ァ:::::::レ                                     
     V::::::::::::::::::::::::__::.. -ュ:j::::ル;:::::::::::l,.                 ノ_ .┌┐  ̄フ.  ヽ    |   
 .      V:::::::::::;.- 、::i ,.m i !ノノ:ヶ‐、:::::::i                  _|_││ ∠--、 ̄ ̄`i. |   
 .       V::::::::i ⌒i.}:!l  _L⊥彡ト、ノ:::;.-!、                /\.└┘  _ノ  _/  ・  
      {`ー--ヽ-'イニ¨-‐ ブ,.ィヲ::::::i /i l \、                                 
      /`¨:::::¨´:::::::::::::>ニ"彡'^l:::j iク l::ヽ ',:!                 -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、         
   /::::::::::::::::::::::>'i"´rブ‐rテト` ` レノ::::::Lj:l                 / /" `ヽ ヽ  \       
   {-‐ ニ¨-‐i r‐tヲン!   ー宀''´   i¨ レ'´  ヽ::\  や       //, '/    ヽハ  、 ヽ        
 / ̄::::::::::::::::ハ.  ̄/l,、      i    l i iフ¨ヽ !、:::  れ       〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i|      
 ::::::/:::::::/:::/'、 i__ ..      !   j  Y/:i (ノ、i::  や  に    レ!小l>    < 从 |、i|      
 :::/::::::/:::/.  ',  ヽ '"     ./ //:::l l::_i l::  れ  ょ     ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│      
 :::::::::〈:::::< i ,.イハ  -‐…‐  ./ //:::::ハ. ',_`ヽ  だ  ろ /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !      
 ::::::::::::';::::i / /   ', ` 丁´  ,.'  l i::::::::::i l`¨ i |  ぜ  | \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│     
 ::::::::::::::}::y" /`丶 ヽ__/   i. i:::::::::::', V^i ノ     ん   /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |     
 :::::::::< <  /i\   \ \     l l::::::::::::`i {:::::         `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' | 






6941 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:03:38.12 ID:
.VbLtGQo
  、--7
  ミ_o_d,,,   
  ミ゙ ゚ -゚ノ    というわけで
  √¨l-゚]、   ここからは平安王朝文化の解説だ
  (゙ /  |ゞ    
  /ヾノ==,)
 ム-ノ__|_jゝ 


       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
     / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ
   〃 {_{        リ| l.│ i|   
   レ!小l\    `ヽ 从 |、i|    やる夫源氏を読むときに知っておくと
    ヽ|l >   ●  | .|ノ│    オトクな情報を紹介するよ!
    |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |
    | /⌒l __, イァト |/ |
    | /  /::|三/:://  ヽ |
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |






6951 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:04:33.55 ID:
.VbLtGQo
  、--7
  ミ_o_d,,,   第2回目の今日は
  ミ゙ ゚ -゚ノ    「某院のモデル」について
  √¨l-゚]、   解説しよう
  (゙ /  |ゞ    
  /ヾノ==,)
 ム-ノ__|_jゝ


         -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
        / /" `ヽ ヽ  \
     //, '/     ヽハ  、 ヽ   あんな悪霊が出るなんてビックリにょろ
     〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i|   
     レ!小l●    ● 从 |、i|    でも…あんな気味の悪いところに
      ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│   モデルなんてあったのかにょろ?
  /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !   
  \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│
    /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
   `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |






6961 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:06:08.21 ID:
.VbLtGQo
  、--7
  ミ_o_d,,,   ああ
  ミ゙ ゚ -゚ノ    平安人なら、あのシーンを読んで
  √¨l-゚]、   「ああ、きっとあそこがモデルなんだな」と
  (゙ /  |ゞ   思うくらいの心霊スポットが実際にあったんだ
  /ヾノ==,)
 ム-ノ__|_jゝ

  、--7
  ミ_o_d,,,   その場所とは…
  ミ゙ ゚ -゚ノ    
  √¨l-゚]、   六条にあった河原院(かわらのいん)
  (゙ /  |ゞ   と呼ばれる邸宅だ
  /ヾノ==,)
 ム-ノ__|_jゝ






6971 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:08:03.19 ID:
.VbLtGQo
  、--7
  ミ_o_d,,,   この屋敷は平安前期の貴族、
  ミ゙ ゚ -゚ノ    源融(みなもとのとおる)という
  √¨l-゚]、   人物が構えた邸宅だ
  (゙ /  |ゞ    
  /ヾノ==,)
 ム-ノ__|_jゝ

  、--7
  ミ_o_d,,,   かなり贅を尽くした邸宅だったらしいな
  ミ゙ ゚ -゚ノ    
  √¨l-゚]、   なにせ、海辺に似せた庭を作り
  (゙ /  |ゞ   そこに毎日海水を運び込ませて
  /ヾノ==,)    塩作りの真似事をさせていたらしい
 ム-ノ__|_jゝ

        -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \  __
    //, '/     ヽハ  、 ヽ   /
    〃 {_{    U  リ| l.│ i|   \
    レ!小l\    / 从 |、i|  ̄ ̄   内陸の都に毎日海水を…!?
     ヽ|l ○   ○u | .|ノ│      それはすごい贅沢にょろ!
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |     
     | /⌒l __, イァト |/ |
     | /  /::|三/:://  ヽ |
     | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |






6981 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:10:08.55 ID:
.VbLtGQo

         -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
        / /" `ヽ ヽ  \
     //, '/     ヽハ  、 ヽ
     〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i|   でも…どうして
     レ!小l●    ● 从 |、i|    そんな豪邸が心霊スポットに
      ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│   なっちゃったにょろ?
  /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !
  \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│
    /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
   `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |

  、--7
  ミ_o_d,,,   
  ミ゙ ゚ -゚ノ    それはな…
  √¨l-゚]、   源融の死後、こんなことが起こったからだ
  (゙ /  |ゞ    
  /ヾノ==,)
 ム-ノ__|_jゝ







699以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 23:11:33.55 ID:
vhI.36Eo
平安の昔から時事をまぜるのは変わらないんだな






702以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 23:15:36.36 ID:
pyuFqcko
>>699
むしろ源氏物語はあえてドキュメント性を持たせたらしい。






7001 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:12:38.87 ID:
.VbLtGQo
源融(822-895年)の死後、
河原院は宇多法皇(867-931年)に寄進された。

           / ̄\
           |    |
           \_/
             |
         /  ̄  ̄ \
        /  ::\:::/::  \
      /  .<●>::::::<●>  \   私が法皇だ
      |    (__人__)     |
      \    ` ⌒´    /
       /,,― -ー  、 , -‐ 、
      (   , -‐ '"      )
       `;ー" ` ー-ー -ー'
       l           l






7011 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:14:07.07 ID:
.VbLtGQo
            / ̄\||i
            |    |
            \_/
              | |ii
         i||/  ̄  ̄ \||i
         /  ::\:::/::  \||i     ここが噂の河原院…
      i||/  .<●>::::::<●>  \i
       |    (__人__)     |     本当に立派な屋敷だ
       \    ` ⌒´    /     ここでオプーナを買う権利を配ることにしよう
      i||/,,― -ー  、 , -‐ 、|i
       (   , -‐ '"      )
        `;ー" ` ー-ー -ー'|i
       そi|l           l て  カシーンッ!!
    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
    |   河     原      院   |






7031 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:16:14.50 ID:
.VbLtGQo
そんなある夜、法皇が眠っていると…
ひとりの見慣れぬ老人が、ゆっくりと近づいてきた。

                     __  _
                    .:::::::::ア::::::::丶
          , .:::::-─-、   /:::/::::::::::::::::::::::\
        /::::::::::::::::::::::\/::://r-u ヾiヽ::::::::/
        {:::::::::::::::::::::::::::::::レヾ/    ソ uY∨
        ',::::::::::::::::::::::::::::::{ {:::::::.. -- 、 /    あの…法皇さま……
         >⌒ミ:::::::::::::::::::::::>:ゝ::::::     /
        /:::: ヽ::::::::::::::::::::::/::::::::`丶  ィ´
      _.{::::-/ ̄ ̄ ̄ ̄に`丶 、   {
     /::::::::::::/         ` 丶 、 _ヾ、
    /::::::::::::::/                  ̄ヽ、
  /:::::::::::::::i                     ヽ
 /::::::::::::::::  l                      |
 |:::::::::::::: \l       ::::::::::::::::   ...::::...     |


         / ̄\
          |    |
         \_/
           |
       / ̄ ̄ ̄ \
      /   ::\:::/::::\
    /U  <●>::::::<●> \   何者かッ!?
    |     (__人__)    |   
    \     ` ⌒´   /
       ̄(⌒`::::  ⌒ヽ
        ヽ:::: ~~⌒γ⌒)
         ヽー―'^ー-'
          〉    │






7041 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:18:38.43 ID:
.VbLtGQo
老人:「私は、この屋敷の主人でございます」
法皇:「この屋敷の…? まさか、融の大臣か!?」

なんと、融の幽霊が出たのだ。
幽霊は、法皇に向かってこう言った。

                     __  _
                    .:::::::::ア::::::::丶
          , .:::::-─-、   /:::/::::::::::::::::::::::\
        /::::::::::::::::::::::\/::://r-u ヾiヽ::::::::/   
        {:::::::::::::::::::::::::::::::レヾ/    ソ uY∨    むさくるしき我が家…
        ',::::::::::::::::::::::::::::::{ {:::::::.. -- 、 /    
         >⌒ミ:::::::::::::::::::::::>:ゝ::::::     /     法皇さまにお越しいただくとは光栄ですが
        /:::: ヽ::::::::::::::::::::::/::::::::`丶  ィ´      そう長居されましては
      _.{::::-/ ̄ ̄ ̄ ̄に`丶 、   {         こちらも窮屈でございます
     /::::::::::::/         ` 丶 、 _ヾ、
    /::::::::::::::/                  ̄ヽ、    いつ、ここからお出でいただけるのでしょう?
  /:::::::::::::::i                     ヽ
 /::::::::::::::::  l                      |
 |:::::::::::::: \l       ::::::::::::::::   ...::::...     |






7051 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:20:37.50 ID:
.VbLtGQo
普通の人間ならば、ビビって逃げ出すところだろう。
しかし、宇多法皇は毅然として言い放った。


           / ̄\
            |    |
            \_/
         ノ L__|__
         ⌒:::\:::::/::\      何をたわけたことを言っている!
        / <●>::::<●>\
       /    (__人__)   \    この屋敷は、朕が正当な手続きに則って
       |       |::::::|     |    手に入れたものである!
       \       l;;;;;;l    /l!|
       /     `ー'    \ |i    文句を言われる筋合いはない!
     /          ヽ !l ヽi    むしろ貴様のほうが出ていくがいい!
     (   丶- 、       しE |
      `ー、_ノ       ∑ l、E ノ
                 レY^V^ヽ ワゴンッ!


法皇の言い分に納得したのか、畏れをなしたか…。
融の霊は、すっと消えてしまった。






7061 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:22:20.49 ID:
.VbLtGQo
  、--7
  ミ_o_d,,,   妖異は王法には敵わない…
  ミ゙ ゚ -゚ノ    というタイプの説話だ
  √¨l-゚]、   
  (゙ /  |ゞ   『今昔物語集』や『宇治拾遺物語』に
  /ヾノ==,)    この話は載っているぜ
 ム-ノ__|_jゝ

  、--7
  ミ_o_d,,,   ちなみにこれは作り話ではない
  ミ゙ ゚ -゚ノ    
  √¨l-゚]、   融の幽霊かどうかはわからないが
  (゙ /  |ゞ   「何か」が出たのは歴史的事実としてガチらしい
  /ヾノ==,)
 ム-ノ__|_jゝ






7071 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:24:24.22 ID:
.VbLtGQo

        -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \  __
    //, '/     ヽハ  、 ヽ   /
    〃 {_{    U  リ| l.│ i|   \
    レ!小l\    / 从 |、i|  ̄ ̄   
     ヽ|l ○   ○u | .|ノ│      ど、どういうことにょろ!?
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |     
     | /⌒l __, イァト |/ |
     | /  /::|三/:://  ヽ |
     | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |

  、--7
  ミ_o_d,,,   種々の記録からこのエピソードは
  ミ゙ ゚ -゚ノ    延長4年(926)6月25日にあったそうだ
  √¨l-゚]、   慰霊のための法会も実際に行われたらしいな
  (゙ /  |ゞ    
  /ヾノ==,)     幽霊の存在がどうたら、というのは
 ム-ノ__|_jゝ    この際、無粋なので置いといてくれ






7081 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:26:37.28 ID:
.VbLtGQo
  、--7
  ミ_o_d,,,   しかし…宇多法皇の時はそれで済んだのだが
  ミ゙ ゚ -゚ノ    法皇の死後、河原院はどんどん荒廃し
  √¨l-゚]、   得体の知れない化物が出る場所として
  (゙ /  |ゞ   知られるようになったらしい
  /ヾノ==,)
 ム-ノ__|_jゝ

       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
      / /" `ヽ ヽ  \    ちなみに、この化物って…
   //, '/     ヽハ  、 ヽ   
   〃 {_{       リ| l.│ i|    「人の血肉を吸って皮だけにする妖怪」
   レ!小lノ    `ヽ 从 |、i|    とか割とエグい話が残ってるにょろ
    ヽ|l ─   ─ u| .|ノ│  
     |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |.   詳しくは『今昔物語集』巻第27の17話目に
    | /⌒l,、 __, イァト |/ |    載っているにょろ
    | /  /::|三/:://  ヽ |
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |






709以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 23:27:59.92 ID:
ZRrMvPso
ついでに陰陽師(夢枕 獏著)の漫画でもこの話はでてくるぜ






7101 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:28:26.72 ID:
.VbLtGQo
  、--7
  ミ_o_d,,,   『源氏物語』に登場する「某院」は
  ミ゙ ゚ -゚ノ    この荒廃した河原院に
  √¨l-゚]、   イメージが重なるという
  (゙ /  |ゞ   
  /ヾノ==,)    平安人は「もしかしてあそこかな?」と
 ム-ノ__|_jゝ    想像しながら『源氏』を読んだことだろう






7111 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:30:12.69 ID:
.VbLtGQo

     ゞ-、_: : : /ニミ_ー、  ,.-ニ-ヽ
      ゞミミミi'´弋弋ラy‐'  !くゞク |_      と、まぁこれだけならただの怪談だが…
      l,.ミミミ   ,. ̄:ヽ  ゞ∨:   | i      歴史を少し知っている者にとっては
      | ヘ`'゙  i    ヽ<、/   || |      宇多法皇と源融の話はさらに面白いものとなる
        !ヾ|''ヽ  i    _,.、_,. 、  レノ
       'ヽヽ-i     -‐=ニ=ラ  !゙|   ,.-―-、
       リ`i''ーi     "'''''T""  レヽ,-<__/`ヽヽ
       ゞ川 :ゝ、       _/i  |: : : `''‐| |__
 ____レ川  : :`'-、_  ,. -,.ヘ ゝ、> ノ: :,.-‐ニノ ,ノ: :`7
 |: rー-----〉川    : : :`´/ヽ  r''´`'ー<-イヽ: : :|____
 |: |= o  ヾ川      ∠  _∠-‐''´ヽ,,..!-ノ ノ/´: : :: :,.-‐''´ ̄`'''‐-、
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄,. -‐┘ ||: : : : :|  !       /゙く: /: : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
    ,.-''´     || : : : : | ,/   r  /  ,/: : : : : : : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|






7121 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:32:20.27 ID:
.VbLtGQo
                     __  _
                    .:::::::::ア::::::::丶
          , .:::::-─-、   /:::/::::::::::::::::::::::\
        /::::::::::::::::::::::\/::://r-u ヾiヽ::::::::/
        {:::::::::::::::::::::::::::::::レヾ/    ソ uY∨
        ',::::::::::::::::::::::::::::::{ {:::::::.. -- 、 /    嵯峨天皇の第12皇子です
         >⌒ミ:::::::::::::::::::::::>:ゝ::::::     /
        /:::: ヽ::::::::::::::::::::::/::::::::`丶  ィ´
      _.{::::-/ ̄ ̄ ̄ ̄に`丶 、   {
     /::::::::::::/         ` 丶 、 _ヾ、
    /::::::::::::::/                  ̄ヽ、
  /:::::::::::::::i                     ヽ
 /::::::::::::::::  l                      |
 |:::::::::::::: \l       ::::::::::::::::   ...::::...     |

史実の源融は、やる夫と同じように
「源」の姓を頂いて、臣下に下った元皇族だ。

彼の存命中、暗君である陽成天皇が廃されるという事が起こった。
次の天皇には、時康(ときやす)親王という55歳の皇族が内定したのだが
これに融は異議を唱えて

「いかがは。近き皇胤をたづねば、融らもはべるは」
(どうでしょう、天皇家に近い血筋といいますと、わたくし融などもございます)

つまり、「次の天皇に俺ではどうだ?」と言ったとされる。(出典『大鏡』)






7131 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:34:08.47 ID:
.VbLtGQo
ところが、この意見は時の実力者・藤原基経(ふじわらのもとつね)の反対にあい、
融は天皇どころか皇族に復帰することもできなかった。

           _,. - ―― - . .、
         /´..... : : :___ : :\
          /::.::.::.::./ ´ ___ `ヽ: :ヽ
        /::.::.:/::./ イ´: :: : : : : : `ヽ|:ヽ: !
      /::.::ィ/、:_!: :/:./: |::_::_-‐_ヘノ:l:l     ハァ? アンタそれ本気で言ってんの?
       !::./ ,ト..十:T:ハ: |: : : l::..:.. l: : :|: :ト〉
     |::`メ|::.::.|:..,|:|  l lヽ: : ト、:: |: :|:レ|     アンタは源氏、あたしと同じ臣下じゃない
      |::.:/| |::.:..|:廾ト、 ヽ \:| ,.斗l-:l:.,1:!     臣下が天皇になろうだなんて
      l.::.L|{1::.:.l:.ト十::テ ー ' イォ:卞l/イ |:|     正気の沙汰とは思えないわね
     |:.|:l:Lト!:.:.ト{  ̄    ,   ̄`|:.|:Lj:l
       !:|:l::.::.:l::..ト、    , -、   イ::l:..:イ:!
      lム|:.|::.:ト:..l |\   ´ ̄` /7:/、/ノ′
     /|: 「lト::.:|.ヽ:!  ` ーァ ´}: : j/ : |「ト.
      ハl: l:::l ヽ!: : :ト_- ― <|: :/: : : !!| l
    i  ヽ:.l:::l : : : : l _, ----l: : : : : :l:||  |
     |   ト:ヾヽ : : : l_ノ  ̄ `| :基経 :l:l:l   !






7141 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:36:13.97 ID:
.VbLtGQo
そして時代は下って…。

再び、天皇家に後継ぎがいなくなる事態が起こった。
その時、白羽の矢が立ったのが……

           / ̄\
           |    |
           \_/
             |
         /  ̄  ̄ \       私が光孝天皇第7皇子にして
        /  ::\:::/::  \      源氏の姓を賜った源定省(みなもとのさだみ)である!
      /  .<●>::::::<●>  \   
      |    (__人__)     |    …とはいえ、国家の一大事であるゆえに
      \    ` ⌒´    /    皇族に復帰して天皇になることになってしまったが
       /,,― -ー  、 , -‐ 、
      (   , -‐ '"      ) 
       `;ー" ` ー-ー -ー'
       l           l

そう、のちの宇多天皇である。







7151 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:38:20.49 ID:
.VbLtGQo
彼の皇族復帰には、先には融の皇族復帰に反対した藤原基経らの
プッシュがあったと言われる。

          /    //  /‐───- 、   \
         /r‐─‐ァーf/    /-────-、 \\ ヽ
          / ∨三/'¨7   /   / /      \厶 ハ ',
       .  /  \/__,/基経/  ,イ l  |       il V∧ハ
       /  _//〉‐/    /\/ |i |l | 丶    i|  l ト、 ',  彼なら藤原氏との縁もあるし
        ,′ f⌒∨ /    /ハ {\! |l !{   \  i|  | トく l  ピッタリよね!
       / ハ.  V    /ィfテミ、 ヽ八 ヽ    ヽ_|  l |/ |
       l l 〈_∧   ',   ハ{_f::j:リヾ    ヽ∧>七 j  ! |_  |
      | l   _ム _ ゝへ| V;之_        _ ヽハ ,' /  | \|  …源融? 誰それ?
       | l  >'´     ヽ           ィ≡气 / /  l\/!  そんな何年も前のこと
       | l  |   -ー―一ヘ   , 、__  ヽ    〃:/|   ∧ |  覚えてるわけないじゃない
     j八 |       __}  {  `ア    ,ムイ /  ,イ__j│   
    ,r≦三ヘ   ̄    ト、 ` ー'  ,. イl│ Ⅳ  / | jlリ   とにかく、定省さまには
   /  /  ハ   _,  --‐〈. >‐r<  /l│ 〃  / j /   帝位についていただくわよ!
    // /   | ハ     , イ1  /   ヽ./ ∧/   / /'
 . 〆 /    い \ -<  }}/ ̄ ̄`ヽ>ーイ 、 /
 〈  /     ∨ 代\   ハ、 , -―‐- 丶 //丁fヽ
 ∧/       ∨   `三彡' \    __ ∨´  |│ l
 l |        \==彳│  \/  ` |   |│ l
 l |          `ー‐ ´ |    \    l|   |│ l






7161 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:40:33.74 ID:
.VbLtGQo
源融と源定省……。
同じ源氏でありながら、
一方は臣下のまま、一方は天子に。

                     __  _
                    .:::::::::ア::::::::丶
          , .:::::-─-、   /:::/::::::::::::::::::::::\
        /::::::::::::::::::::::\/::://r-u ヾiヽ::::::::/
        {:::::::::::::::::::::::::::::::レヾ/    ソ uY∨
        ',::::::::::::::::::::::::::::::{ {:::::::.. -- 、 /  
         >⌒ミ:::::::::::::::::::::::>:ゝ::::::     /
        /:::: ヽ::::::::::::::::::::::/::::::::`丶  ィ´
      _.{::::-/ ̄ ̄ ̄ ̄に`丶 、   {
     /::::::::::::/         ` 丶 、 _ヾ、
    /::::::::::::::/                  ̄ヽ、
  /:::::::::::::::i                     ヽ
 /::::::::::::::::  l                      |
 |:::::::::::::: \l       ::::::::::::::::   ...::::...     |


           / ̄\
           |    |
           \_/
             |
         /  ̄  ̄ \
        /  ::\:::/::  \
      /  .<●>::::::<●>  \   
      |    (__人__)     |
      \    ` ⌒´    /
       /,,― -ー  、 , -‐ 、
      (   , -‐ '"      )
       `;ー" ` ー-ー -ー'
       l           l

源融の幽霊と、宇多法皇の対峙には
そうした歴史と政治の因縁を感じずにはいられない。






7171 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:42:19.94 ID:
.VbLtGQo

       -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
     / /" `ヽ ヽ  \
   //, '/     ヽハ  、 ヽ    なるほどー…
   〃 {_{        リ| l.│ i|    
   レ!小l\    `ヽ 从 |、i|    ただの怪談話が、裏話を知っていると
    ヽ|l >   ●  | .|ノ│    もっと面白くなることもあるんにょろね
    |ヘ⊃ 、_,、_,⊂⊃j  | , |
    | /⌒l __, イァト |/ |
    | /  /::|三/:://  ヽ |
    | |  l ヾ∨:::/ ヒ::::彡, |

  、--7
  ミ_o_d,,,   そうだな
  ミ゙ ゚ -゚ノ    
  √¨l-゚]、   おとぎ話じみた伝説も
  (゙ /  |ゞ   その裏には何が隠されているのか…
  /ヾノ==,)    それを調べてみるのも面白いだろう
 ム-ノ__|_jゝ






7181 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:44:11.92 ID:
.VbLtGQo

       r`"⌒`ー=v ‐-、
        1:::::.....................  }
       |:::::::::::::::::::::::___::リ,    「某院」のモデル「河原院」…
       r| ::::::::::::::( )|'爪|::jリ    なかなか面白い場所だろう?
      /``======_‐ラ(6,′    
     ,>‐'つ__... =-〒rtッテ|h′    さて、今日はこのぐらいにしておこう
   /.ノ (:{,|| i   i l゙`~.jl|リ      
   ! }/゙ヽl.l ',  ヾツ  |l!|) _
   { (´/ヽ.):ヽ  r=- l/l:}/,r=,ヽ.._
    ヽ( イ- ) ̄l|、|!゙¨´ / l:八.>=iこ⊂⊃
     \ `ヽ:::::lドミ==‐' レ____l[二´__
 ̄:¨"7゙<〉   )::¨o7 /  ̄ フ 7ー-、:_:: ̄
::::::::::/:::::::\ ノノ:::/  '  '"´ /  / `ヽ


         -‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
        / /" `ヽ ヽ  \
     //, '/     ヽハ  、 ヽ   
     〃 {_{ノ    `ヽリ| l │ i|   それじゃぁ、また会う日まで…
     レ!小l●    ● 从 |、i|  
      ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│   いまこんよ!(またすぐ来るよ!)
  /⌒ヽ__|ヘ   ゝ._)   j /⌒i !   
  \ /:::::| l>,、 __, イァ/  /│   
    /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
   `ヽ< | |  ヾ∨:::/ヾ:::彡' |






7191 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:44:43.34 ID:
.VbLtGQo
       Y
     ,-y"
     ヾ|っ   ,,. 
      |´  (_ `y'っ
      (    `Y"
      ヽ__ノ
      /_ノ ヽ_\
    / (≡ ≡) \ 
    ( ::::: (_人_) ;:::: )
     >   `‐'   <
    ( .i       i .)
     .゙ヽ   ω   ノ"
      \/ /
      / ./ヽ,
    ⊂~_)_`__)     ぉ ゎ 'ノ






720以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 23:45:52.96 ID:
MAIMuTso








722以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 23:47:17.48 ID:
F60btDAo
乙でした!

面白かったッス






7231 ◆eyRk5NDGtU[saga]:2009/03/04(水) 23:51:48.14 ID:
.VbLtGQo

以上で、本日の投下分はすべて終了です。
長い時間お付き合いいただき、ありがとうございました!

次回は、11日(水)の19時ごろから投下したいと思います。






725以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/05(木) 00:03:51.24 ID:
T6UCtMQ0
乙でございますですよ!






726以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/05(木) 00:04:11.36 ID:
U7vQEoYo
宇多天皇は基経の親戚だったっけ。
強引にでも身内を即位させたかったんだろうな。
道長もそうだが。






727以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/05(木) 00:10:21.02 ID:
EZyim2oo
おっつっつ~~~

そうか、政局を反映してるのは何となく知ってたが、その周辺とか世相とか細かいとこまで
リンクさせてるとはよくわからんかった

こんなにいろいろ詰め込んでいたから、時の天皇に天才だって評されたんだな式部






728以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/05(木) 00:40:58.72 ID:
oneahfUo
1じゃないけど補足

源融についてもうちょい知るなら長坂秀佳著「彼岸花」を読んでみるのさ

えー?本?てな御仁にはPS2版かGBA版もあるお





724以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage]:2009/03/04(水) 23:56:27.95 ID:
HfqBPXco

>>723
乙!おもしろかったよん!






2009.03.05 | やる夫源氏物語 |  コメント[13] | PageTop | 
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  1. あんそくがお送りします 投稿日:2009/03/05 04:17 名前: 安息の名無しさん | №17165 | [編集]

    げに素晴らしい



  2. あんそくがお送りします 投稿日:2009/03/05 05:36 名前: VIPPERな名無しさん | №17166 | [編集]

            「沖縄ビジョン」

    少しの時間だけでいいからYoutubeで見てほしいです

    うちなーんちゅだったらなおさら

    沖縄が消えようとしています





  3. あんそくがお送りします 投稿日:2009/03/05 09:24 名前: 安息の名無しさん | №17170 | [編集]

    今はこれを楽しみにてる
    更新早くて嬉しい



  4. あんそくがお送りします 投稿日:2009/03/05 09:48 名前: 安息の名無しさん | №17171 | [編集]

    源氏物語は結構扱いにくい作品なんだが、分かりやすく面白くて良いな。



  5. あんそくがお送りします 投稿日:2009/03/05 12:33 名前: 安息の名無しさん | №17177 | [編集]

    源融が退けられたのには、当時すでに官職に就いていたからという説もある。
    源定省は跡継ぎ問題の時、臣下に下って間もなく、官職に就いていなかった。
    同じ臣下に下った源氏でも、人に仕えていたという事実が天皇にふさわしくないと捉えられたという説。



  6. あんそくがお送りします 投稿日:2009/03/05 13:30 名前:    | №17179 | [編集]

    時事ネタ・スキャンダルを使ってるということは…後の真紅の子の話も当j(ry



  7. あんそくがお送りします 投稿日:2009/03/05 16:18 名前:   | №17181 | [編集]

    廃墟に浮浪者が住み着くのは実に良くある話



  8. あんそくがお送りします 投稿日:2009/03/05 19:44 名前: 安息の名無しさん | №17185 | [編集]

    今日のふたなりスレ



  9. あんそくがお送りします 投稿日:2009/03/06 00:41 名前: 安息の名無しさん | №17194 | [編集]

    ああ平安時代おもしれえ



  10. あんそくがお送りします 投稿日:2009/03/06 07:05 名前:   | №17200 | [編集]

    面白かったけど夕顔かわいそうで泣きそう
    彼女には何の非もないのに…こういう慎ましくて優しい女の子こそ幸せになってほしい
    どんなに美人でも高飛車はうぜえ



  11. あんそくがお送りします 投稿日:2009/03/12 17:06 名前: 安息の名無しさん | №17716 | [編集]

    Genjiでカットだった部分もやってくれて嬉しい
    そろそろ次の話くるかな?楽しみにしてます



  12. あんそくがお送りします 投稿日:2009/03/12 17:34 名前: 安息の名無しさん | №17718 | [編集]

    末摘は誰になるんだろう・・・
    やっぱり美心?w



  13. あんそくがお送りします 投稿日:2009/07/23 22:52 名前: | №22237 | [編集]

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